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3章 希う大学生編

まだまだ知らない

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 しまった。心の声が漏れた····。
 皆が僕の身体のどこに欲情するのかなんて、バカな事を聞くなと言われそうだ。そう思ったが、第一声を聞いて拍子抜けすることとなる。

「間違いねぇのはピンクの乳首。見つめるだけでプクって勃つじゃん? エロすぎな」

 先陣を切ったのは啓吾だ。僕の乳首はピンクじゃないやい。
 それに、皆がえっちな目で見てくるんだから仕方ないじゃないか。その先を想像して勃つのは、ただの条件反射だ。

「俺はねぇ、ふるふるしてるちんこと華奢な肩でしょ、あと可愛いお尻と柔らかい二の腕の内側とか脇腹も、あっ、太腿とおへそなんて見てるだけで──」

「りっくぅん··怖いよぉ····」

 よく回る舌だ。て言うか、ふるふるしてるおちんちんって何? 言ってる事の大半が分からない。
 まったく、ツラツラと並べ立ててくれちゃって恥ずかしいんだから。何より、こんな変態じみた事を真顔で指折り言うのだから、流石の僕でもドン引くくらい怖い。

「んー··、どこにって言われてもな····。結人は体型の事気にしてんのか?」

「うーんっとね、りっくんも啓吾もよくわかんない事言ってたけど、僕ってほら····魅力的な身体··とかじゃないでしょ?」

「え~、俺ら全否定されてんじゃん」

 啓吾が唇を尖らせる。全否定したつもりはないのだけど。本当に、皆が僕の何に興奮してくれるのか分からないだけなのだ。

「ゆいぴの身体は魅力しかないよ?」

 ワケが分からないとでも言いたげな顔をしているが、りっくんこそ何を言っているのだろう。

「魅力····か。俺は女の裸に興味わかねぇし、かと言って男が好きなわけでもない。結人を可愛いと思った時とか、泣かせたいと思った時に勃つから、体型がどうのこうのじゃないと思うぞ」

「それな。そりゃお前の身体は全部イイけどよ、そこじゃねぇんだわ。要は気持ちの問題だろ」

 サラッと流したけど、全部イイんだ。そのイイ所が分からないから不思議に思っているのだけど。
 ダメだ。そろそろどうでもよくなってきた。皆に何を聞いても、そういう所のマイナスな意見は滅多に出してくれないもんね。

「お腹····ぽちゃってしてても気にならないの?」

 全員声を揃え食い気味で、ならないのだと胸を張って言う。その圧ったら、気にしているのが馬鹿らしくなるくらい自信に満ち満ちたものだった。

「ねぇ、ゆいぴは? 俺らのカラダ、どう?」

 りっくんが、啓吾みたいな事を言い出した。どうって、何が?

「どう······? みんな背が高いし筋肉質だし、ラインも綺麗だしおちんちんもっきいし······えっとね、全部羨ましい」

「ぶはっ····“羨ましい”かよ~。ドキドキするとかじゃねぇの?」

 啓吾は笑いながら、向かい合うように僕を膝へ乗せた。そして、僕の手を持ってTシャツの中にそっと招き入れる。
 胸の筋肉に触れさせ、戸惑う僕の目を見つめる。賑やかしい啓吾の、珍しい静けさに胸が高鳴ってゆく。

「け、啓吾──」

「シィー····。俺のカラダ、ちゃんと触ってみて。必死にしがみついてくんの可愛いけどさ、こうやってちゃんと触った事ねぇだろ?」

 言われてみれば。いつも勢いで皆に触れるけど、こうして落ち着いて身体をまさっ···まさぐるような触り方はした事がない。こんな恥ずかしい事、自分からできるわけないじゃないか。
 それを察した啓吾は、これから時間をかけて全員の全身を隈なく知るよう命じた。という事で今日は、啓吾とりっくんの首筋から胸に触れればいいらしい。

 啓吾が、ガバッとTシャツを脱ぐ。皆の、男らしい脱ぎ方が好きだ。僕のモタモタした脱ぎ方とは全然違う。
 まだ啓吾は服を脱いだだけなのに、その熱を帯びた瞳を見ればこれから抱かれる事を想像してしまう。反射的に、下腹がジクンと疼く。それほどに皆、仕草や言動、表情や視線のひとつまでがえっちなんだ。
 僕は、それを悟られないよう平静を装う。

 啓吾の指示に従い、いつもされるみたく首筋に吸い付くようなキスをする。啓吾はいつも、耳の後ろを嗅ぎながら首を吸って噛む。噛むのは難しいけど、吸うくらいなら僕にもできそうだ。
 耳裏を目指して、下からそっと啓吾の左側の首筋に顔を寄せる。鼻先に、ワックスで固めた髪が当たってこそばゆい。首に手を回し、髪を少しだけ左手で掻き寄せる。
 髪に触っても、啓吾は僕にだけ怒らない。そうして、ワックスや香水の中から、ほんのりと甘い啓吾の匂いを嗅ぎ分ける。

「んはっ、くすぐってぇ。なぁ結人、どっか触りたいとこない?」

「んー? んー····耳··かなぁ」

 前にりっくんが、啓吾も耳が弱いと言っていた。なら、僕にも耳責めができるかもしれない。

「いいよ。好きに触ってみ」

 好きにと言われても、どうすればいいのだろうか。これも、いつもされてるみたいにすればいいのかな。
 けど、いつものって言ったら僕にはレベルが高すぎる。いやらしく指を這わせたり、舐めたり噛んだりえっちな事を言ったりするんだもの。
 とりあえず、指先で耳輪を撫で耳朶を揉む。僕なら、これだけで軽イキするんだけどな。いやらしくってのが、どうにも僕にはできない。


「ゆいぴ、耳元で甘えてみなよ。たぶん面白いから」

 りっくんに言われるがまま、耳に唇を寄せて囁く。

「啓吾の甘い匂い好きだよ。あのね、だからね、ギュッてされるの大好き」

 すると、キュッと抱き締めてくれた。意図して甘えるだなんて難しいし、面白い事なんて起きそうにない

「俺も、結人ギュッてすんの好きだよ。で、他には?」

 もう少しだけ、えっちな事を言ってみればいいのかな。

「でね、啓吾の精子も甘くて好きなの。····飲みたいな──わぁっ」

 啓吾は僕をガッと押し離し、真っ赤になった顔を僕に向ける。目をパチッと開いていて可愛いんだ。けど、掴まれている肩が少し痛い。
 すぅっと雄の目に変わると、僕をベッドに押し倒した。そして、さっき僕がしたのと同じように首筋を愛でる。
 同じ事をされているはずなのに、僕はすぐにイッてしまった。一体、何が違うのだろう。やはり、いやらしさなのだろうか。難しいなぁ····。

「啓吾さぁ、自分で言い出しといて結局襲うんじゃん」

「あれは反則だろ。ま、ヤリながら触らせりゃいいじゃん」

「ゆいぴにそんな余裕あるわけないだろ。マジでバカなんだから····」

「バカって言うより、今のは単純に焦ってたんだろ。大畠のあんな赤面見た事ねぇし、やっぱり耳弱いんじゃないか?」

「だな。風邪ひいた時、朔で焦ってたんだろ? 面白おもしれぇから今度またやってみろよ」

「は? 俺がやんのか? ··········まぁ、面白いかもな」

 朔は長考の末、珍しく乗り気な姿勢を見せた。

「なになに? 朔が乗り気なの珍しいね」

「あぁ、大畠揶揄うのは面白いからな。それに、普段大目に見てるやりたい放題な自由さへの、ささやかな罰だ」

「ははっ、朔こわぁ~。けどさぁ、ゆいぴ以外にそんな事できるの?」

「やった事ねぇからわかんねぇけど、糸電話の時は面白かったぞ」

「朔も人おちょくったりできるようになってきてんだろ。いい傾向なんじゃねぇの」

 八千代はうっすらと笑みを浮かべながら、コーヒーのマグを片手に言う。それほどまでに打ち解けたという事なのだろうけど、人をおちょくるのをいい傾向と言っていいのだろうか。
 是非は問いがたい。けれど確かに、朔にとっては大きな進歩かもしれない。

 それよりも、皆の身体を知るどころじゃなくなってきている。これはどうすればいいのだろう。
 上半身を触られて舐められて、噛まれるだけでイキまくっているのだけれど。

「啓吾··の、おちんちん····触っちゃダメなの?」

 啓吾は少し悩み、バツバツにテントを張ったパンツから、熱く滾ったそれを取り出した。痛そうなくらい硬く反り勃っている。

「····いいよ。けど、1回出したい。結人にあんなエロい事言われたから、こんななっちゃった♡ 雄汁、たっぷり飲ませてあげんね」

 啓吾は僕の頭を押さえ、おちんちんにキスをさせる。

「ひぇ····こんな大っきいの··全部入らないよぉ」

「喉使ったらいつも入ってんだろ」


 興奮した啓吾は、少し喉を慣らすと根元まで咥えさせた。喉ににゅるんと入る瞬間が気持ち良い。
 脳がバグったように、息ができない苦しささえ快感へと換わる。喉奥は、まるでそのスイッチなのだ。

「んっは♡ 結人イッてんね····。俺も出すよ」

 啓吾が出し切る頃には、僕のおちんちんからは精液ではなく潮が溢れていた。自分でも分かるほど、瞼が重いくらい蕩けている。
 ぬるんと喉から抜くと、すぐに僕を四つ這いにして後ろから挿れる。圧迫感から伝わる、まったく治まらないままの大きさ。早く結腸を抜きたいようで、少し乱暴に奥をこつく。
 まだ少し痛いかもしれない。快感に換わると分かっていても、痛いのはいつだって怖い。それでも、僕はその痛みさえ欲しい。だってそれは、貪欲に僕を求めてくれる証なのだから。

「啓吾、奥··挿れて?」

「あ? まだダメ。痛かったらヤだろ」

「いいの····。痛いの、すぐ気持ちくなるから」

「あっそ。んじゃ、抜くぞ」

 腰を上から押さえつけ、挿れやすい角度を作る。それから、お尻を掴んでクパッと開き、容赦なく根元までぶち込んでグポッと結腸を貫く。

「ひあ゙ぁ゙ぁっ·····ン゙ッ··くぅ····」

 思っていたより痛みはない。けれど、まだ少し馴染みきっていない違和感が下腹に響く。そして、啓吾が痛みを与える覚悟をして挿れた事実に、僕は興奮して腑抜けた顔を晒してイッた。
 こんなイキ方は初めてで、戸惑いが隠せない。与えられる快感よりも、気持ちが昂ってイクだなんて、なんだか変態っぽい。
 それを息も絶え絶えに啓吾に伝えると、普通だと言われた。触れられて先を想像しただけでイけるんだから、そのくらいはとっくに経験済みだと思われていたらしい。

 りっくんが、僕の上体を起こす。奥がグリッとひねられたようで、鋭利な快感が背筋を駆け抜ける。
 りっくんは艶かしい表情かおで、僕の肩にガリッと噛みついた。痛みでまたイク。きゅぅっと締まるお尻。そんな圧に構わず、啓吾は突き続ける。

「ゆいぴ、俺の身体も触ってみて」

 りっくんは僕にお強請りをする時、凄くえっちな雰囲気を醸し出す。僕の両手を自分の肩に乗せ、うっとりと僕に頬擦りをした。

 突かれる反動で、りっくんの鎖骨に食むようなキスをする。それが精一杯だ。そうしている間も、両乳首を指先で弄ぶりっくん。
 もっと触れたくなって、首をグイッと引き寄せる。そして、頬にキスをして耳元で囁く。

「りっくん····おっぱい、強く揉んで? 乳首、痛いのシてぇ」

 りっくんは僕のお強請りを聞き入れ、要望通りに胸をイジめてくれた。後ろからは啓吾が奥をぐぽぐぽしていて、快楽に身を委ねた僕は噴くのが止まらない。

 そのまま気を失うまで、沢山お強請りをして、沢山りっくんと啓吾に触れた。朦朧としながらも、2人への愛おしさをしきりに感じて、それが心地よくて瞼が落ちてしまった。

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