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2章 覚悟の高3編
いつもと違うんだ
しおりを挟む今日のえっちは確かにゆっくりだ。だけど、大きく動かれるとその分、ストロークの長い快感が深く下腹を掻くように響く。
朔は、僕がイキ過ぎないように加減をしながら、奥の扉をクニクニ押し上げる。なんだか焦れったいな。
昨日も優しくシてくれたし、2日も続けて甘々だと変な感じだ。物足りないと言うワケではないけれど、皆が我慢してるんじゃないかと心配になる。
「ね、ねぇ朔····。いつもみたいに、いっぱいズポズポしなくていいの? 朔、ゆっくりで満足できる?」
「ん? 俺は大丈夫だぞ。結人が満足してくれたら······できてないのか?」
「やっ、そ、そういうワケじゃないんだよ!? 昨日も潰れるまでされなかったし、いつもあんなに激しいのに····その····優しいので満足できてるのかなって」
「はは~ん♡ ゆ~いとぉ、正直に言えよ。『抱き潰されたいです』ってぇ」
それは少し悔しい。絶対に言うものか。
皆に考えがあるのは分かっているのだ。それはきっと、僕を喜ばせる為のものだという事も。それなら尚の事、僕だって我慢できるもん。
「そんなんじゃないもん! 啓吾のイジワル····」
「大畠、目的忘れてねぇか。そんな事言って、結人が煽ってきたら耐える自信ねぇぞ」
「ねぇ、目的って何なの? 教えてくれないの?」
「······わりぃ、言えねぇ。」
朔は、とても苦しそうに目を逸らす。そんな顔をするくらいなら、言ってしまえばいいのに。
「もう、いい加減教えてよ。八千代に言われた通りね、た、楽しみにしてたんだよ?」
「ン゙····そうか。ならもう少し楽しみにしててくれ。まだ内緒だ」
朔は僕を抱き上げ、対面座位に持ち込む。逃げられないよう腰を抱き締めて、結腸口をグリグリ開こうとしている。
首筋を這う舌が熱い。同時に、尾骨の辺りを指で掻く。お尻の割れ目に、指先を少しだけ入れるように。これが、ゾワゾワしてたまらない。
「んぁ、ひぅ····もぅ····こないだ内緒にしないでって言ったで──んあぁっ」
八千代が背面を弄りに来た。肩を甘噛みすると、耳元で低音を唸らせる。
「内緒じゃねぇよ。“お楽しみ”だ、ばぁか。黙って甘く蕩けてろ」
「ひぁっ、あっ··んんんっ····」
八千代の声と甘い言葉でイク。その拍子に、朔の肩を握り爪を立ててしまった。
「いっ····」
「にゃっ!? 朔···ごめんなしゃい」
「ん、これくらい大丈夫だ」
痛いはずなのに、恍惚とした表情で僕を見る朔。何故だか嬉しそうだ。けれど、少し傷になっている。
「ら··ダメだよ。消毒しないと」
「要らねぇ。わりぃ····。ちょっとだけ激しく動くぞ」
「んぇ、待っ──んあ゙ぁ゙っ!! やっ、あぁっ、ひぅっ··ちょ、ちょっとって言ったぁ!」
「わりぃ、奥抜く····わりぃ」
朔は、謝りながら結腸を抜く。ぐぽぐぽしながら、真っ直ぐ僕の目を見て言う。
「結人が上でヨがってんの、すげぇ好きだ。突き上げたら、合わせて跳ねてくれんのも嬉しい。結人、愛してる」
「ひぁ、にゃ、やら····なんれ今言うの? も、いっぱいいっぱいらよぉ」
胸とお尻が、一緒にきゅぅぅっとしてイッてしまった。
「しょうがねぇだろ。結人が可愛すぎんのが悪い····」
そう言って、朔は僕の鎖骨に歯を立てる。ガリガリと、骨を噛み肉をすり潰す。時々漏らす声が、いつもより少し高くてえっちだ。
満足のゆくまで僕のデコルテを噛み、奥の扉を少し開いて射精した。かなり大量にぶっ放したのだろう。お腹の底がとても熱い。
トロトロで力が入らなくなった僕は、朔の肩に寄り掛かる。僕がつけた傷をペロッと舐めてみる。朔の身体がピクッと跳ねた。そして、まだ僕のナカを圧迫しているおちんちんを、奥に押し込んでおまけイキさせてくれた。
それから朔は、僕の側頭部を抱えて抱き寄せると、頬を擦り寄せ心の内を吐露した。
「結人が俺の誕生日祝えなくて拗ねてんの、可愛くて意地悪言っちまったんだ。本当は、結人がやりてぇならやってもいいと思ってたのに」
そんなの酷いや。それなら、ちゃんと当日にお祝いしたかった。皆にしたみたいに、沢山『好きだよ』って伝えたかったのに。
なんて、今更言ったって仕方がないから、今いっぱい言うしかないね。
「朔、大好きだよ。いつも僕のこと大切にしてくれてありがと。僕もね、朔のこともっともっと大切にしたい。愛してるよ、朔」
僕は、当日に言えなかった悔しい気持ちを腕に込め、朔の首をキツく抱き締める。僕を抱き返して、『苦しい』と言いながら嬉しそうに笑う朔。少し離れると目が合い、そっと唇を合わせた。
どんな時でも、朔の笑顔を見ると安心する。魔法みたいに、僕の心を絆てくれるんだ。
「ぉら、いつまでイチャついてんだよ。さっさと結人寄こせ」
八千代が僕を奪い取る。ガサツだけれど、僕たちの気持ちが落ち着くまでは待ってくれていたのだから、文句も言えない。
「八千代も優しく抱いてくれるの? ねぇ、何企んでるの?」
「人聞き悪ぃな。別になんも企んでねぇよ」
「でもさっき目的って──ひゃぁぁっ」
八千代が僕の乳首を抓る。黙れということか。だったら、僕にだって考えがある。
恥を忍んで、“煽って抱き潰されて企み破綻させちゃえ作戦”だ!
「八··千代、おっぱい····痛いの気持ちぃ」
八千代の眉間に皺が寄る。効果はありそうだ。
「もっと、痛くて苦しいのシて··? いっぱい··ンンッ··気持ちぃの、欲しい····」
乳首の痛みに耐え、八千代の頬を包んでお強請りする。こめかみに走る青筋を中指で撫でながら、反対の手でおちんちんを撫でて····トドメだ!
「ねぇ··おっきいおちんちんで、僕のナカぐちゃぐちゃにシてくれる? ご主人様の雄汁、お腹の奥で飲みたいな」
もう限界だ。八千代の顔を見れない。いや、誰の顔も見れない。僕はなんてバカなんだ。えっちな漫画で見たまんまやってみたけど、これは恥ずかしすぎる。
真っ赤になっているであろう顔を伏せ、視界に入った熱り立つおちんちんに驚愕する。こんなの挿れられたら死んじゃうよ····。
顔の熱も引かないうちに、歯を食いしばり息を荒げた八千代に押し倒された。どうやら、盛大にやり過ぎたらしい。
「お前、それドコで覚えた? また大畠か」
「それ俺じゃない。知らない」
八千代に睨まれ、啓吾が首を横に振る。どうしてカタコトなんだ。
啓吾の仕業でないと分かると、今度は僕を睨む。良からぬ疑いを持たれていそうだ。
「あのね、女子が持ってたえっちな漫画に書いてたの。通りかかった時に見えちゃって····」
「そんで? お前それよく俺で試したな。度胸だけは褒めてやっけど、ぶっ壊される覚悟できてんだな?」
「おい場野、それじゃこの後──」
「うるせぇ。わーっとるわ。けどよぉ、こんなん我慢できっかよ」
静かな八千代は、饒舌に攻めてくる時よりも怖い。僕を見下ろす目が座っている。顎を掴まれ『目ぇ逸らすんじゃねぇぞ』と言われたれた。
そしてそのまま、ぬぽぬぽと亀頭を挿れたり抜いたりして遊ぶ。カリを引っ掛け、抜く瞬間にもイかされる。もどかしくて僕の涙が溢れると、ゆっくりと進んで今度は奥を焦らす。
目を逸らせず、羞恥心がピークを迎えた。涙が止まらない。それでも、えっちすぎる目をした八千代と強制的に見つめ合う。····限界だ。
「や、八千代····も··奥に頂戴····奥ね、寂しぃ」
八千代は一呼吸置き、ズンッと一気に奥まで挿れた。僕は、勢い良く潮を噴いてイク。目はチカチカするし、衝撃で息ができない。
激しく舌を絡め、食べるようなキスで蕩ける。けれど、奥はゆっくりぐぽぐぽして、僕が気を失わないよう加減してくれているらしい。
ギュッと抱き締め合って、肌と肌が触れ合う気持ち良さに心を融かされる。時々、甘い声で『好きだ』と漏らす八千代。
今日は、朔と八千代を幸せにしてあげたい日なのに、僕ばかり幸福感に包まれている。まだ、いつもほどはヘロヘロじゃないから、もっと頑張らなくちゃ。
「八千代····僕ね、き··騎乗位したい」
「······は?」
八千代は思わず停止して、丸くなった目で僕を凝視する。
「僕が上で動くから····。ごめんね、手握って支えてて?」
「おい、急にどした? またなんか不安なんか?」
「ち、違うよ。今日はね、八千代と朔に、いーっぱい幸せだって思ってもらいたいの。だからね、僕にできる事、できるだけいっぱいシたいの」
素直に気持ちを伝えられた。それを聞いて、真っ赤になった八千代。僕を抱き起こすと、観念したように後ろへ倒れ込んだ。
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