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2章 覚悟の高3編

おバカしかいなかったんだ

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 啓吾は僕の腰を抱き、意気揚々と浴室へ連れ込む。既にヘロヘロなのに、これから洗浄だなんて····。

 僕とのえっちを見せつけられるとあって、凄く興奮している啓吾。その所為か、いつもよりも激しめの洗浄だった。
 そして、いつも通り立てなくなった僕を、八千代が回収しに来てくれた。柔らかいバスローブに包まれベッドへと向かう。
 部屋に戻ると、真尋が『可愛い』だの『エロい』だのと騒ぐ。煩いけど、可愛いと思ってしまった。初期の頃のりっくんを見ているようで、どうにも懐かしさが込み上げる。
 そうして、啓吾が戻るのを待ってゴングが鳴らされた。

 
「んで、真尋は昨日ゆいぴに何シたの?」

「つぅか、なんなのアンタら。昨日から真尋真尋って、初対面で馴れ馴れしいんだけど」

「お前も態度悪いじゃん。んな事よりお前さ、俺らの嫁に手ぇ出したんだろ? どこまでヤッたの?」

「誰が誰の嫁だよ。······結にぃに聞いたの?」

「結人は俺らの嫁な。聞いても頑なに言わねぇからお前に聞いてんの」

 啓吾が僕の頭を撫でながら言う。さりげなく耳を弄るのをやめてもらいたい。

「結にぃ、俺のこと庇っt──」

「違うよ。はぁ····。皆と真尋が揉めるの嫌だったから、んっ··誤魔化しただけだよ」

 本日、何度目の溜め息だろう。皆が口を開く度に漏れている気がする。

「揉める気なんかねぇぞ。ただ、結人が誰のもんかはハッキリさせとかねぇとな。真尋も、そのほうが次に進めるだろ」

「真尋の気持ちは痛いほど分かるからね。だからこそ、ちゃんと決着させてあげたいんだよ。これホント、俺たちの優しさだから。まぁ、どう頑張ったってゆいぴは俺たちのものだもんねぇ」

 そこでドヤ顔を決めるものだから、真尋の為を思っての行動だとは思えなくなってしまう。まったく、りっくんらしいや。

「中坊なんかに結人の相手ができっかよ。とりあえず、誰がコイツを満足させれんのかはキッチリ教えてやんねぇとなぁ」

 皆、本当に大人気おとなげがない。特に八千代は、目的が“教える”のではなく“思い知らせる”に振り切りそうな勢いだ。啓吾も然り。
 いくら童貞を卒業しているとはいえ、中学生相手にどこまで見せるつもりなのだろうか。朔とりっくんが止めてくれないと、とんでもない事になりそうなのだが····。

「んでさ、真尋は結人にどこまでシたの?」

「······言わない」

「そうかよ。結人、来い」

「んぇー····」

 僕は八千代の膝に乗せられ、耳を責められながら詰問される。トロトロになった僕は、ついに白状してしまった。


「ちゅうされた····。あと、お、お尻····指でイかしゃれたぁ····。ごめ、なしゃ····。皆以外に、イかされて····ごめんなしゃい」

「そこは期待してねぇわ。お前がそうなるように躾たんは俺らだしな」

「なっ··はぁ? 何だよそれ····。んぁーっ····結にぃとろっとろじゃん。可愛い····じゃねぇや。いやホントマジで、アンタら俺の結にぃに何仕込んでんだよ。つぅか結にぃもチョロすぎだよぉ····」

 真尋は、顔を覆った指の隙間から僕を覗き見て言う。おちんちんをギンギンにおっ勃てて、涎を垂らしそうなほど顔が蕩けている。
 大変だ。真尋が完全にバグっている。まぁ、元々よく情緒がバグる子だし、こんな状況なら致し方ないか。

「だぁからよぉ、お前ンじゃねぇつってんだろうが。俺らの嫁だわ。調子ン乗ってんじゃねぇぞ」

「お前、この程度でそんなになってたら、結人抱くとか無理だぞ? なんか、1年くらい前の莉久見てるみたいで面白いな」

 朔が呆れたように言う。そして、僕がトロける度に騒いでいたりっくんを思い出して笑い始めた。

「あぁ~、確かに。結人のエロさに慣れるまで大変だったよなぁ。いっちいち騒いで煩かったもん」

「しょうがないでしょ!? 未だに俺の心臓爆ぜそうな時あるんだけど。そんだけゆいぴが可愛すぎるんだよ」

「悔しいけど、変態の気持ちはすっごいわかる。あんなエロい結にぃ、一生慣れる気しないんだけど····。慣れたとかアンタら狂ってんじゃねぇの? 結にぃの尊さわかってないだろ」

「は? ゆいぴの尊さは俺が1番理解してるから。てか誰が変態だよ。つぅかそれさ、なんで初対面で俺のコト変態って言ったの?」

 僕が尊いだとか、わけのわからない事で言い合いをしないでほしい。それにしたって、りっくんと真尋は何故ずっと喧嘩腰なのだろう。同族嫌悪というやつなのかな。

「結にぃからアンタの話聞いてたから、俺と同類だって知ってたんだよ」

「それ、自分の事も変態だって言ってるようなもんじゃん」

「ははっ。莉久、それブーメランな~」
 
 僕は、りっくんがストーカーだとか全然気づかなかったのに、真尋は凄いや。
 登下校時によく鉢合わせるとか、教えていないのに僕の好きなおやつをくれて凄いとか、そんな事しか話していないのに。
 そういえば真尋も、教えていないのに僕の事をよくわかってくれてたっけ。2人とも凄いや。

「おい、そっちで喋ってんならもう抱くからな。焦らされっぱなしで限界だろ。挿れてやんねぇとそろそろ泣くぞ」

「挿れないと····泣く?」

 八千代に押し倒されるや、足を掴んで開かれる。僕は、必死に手繰り寄せた枕で顔を覆い隠した。
 横から、りっくんが僕の乳首で遊ぶ。真尋に声を聞かれるのが恥ずかしい僕は、枕を強く抱き締めて声を隠す。
 そんな僕の羞恥心などクソ喰らえな八千代が、容赦なくアナルに指を差し込んだ。もう我慢できない。

「んぁっ····八千代、指激しぃっ!! ん、ぐぅ··あ゙ぁっ····りっくん··おっぱい、噛まなにゃいでぇ」

「なぁ、お前ら唐突に始めてるけど、真尋と話とかしねぇのか? コイツ、中学生だろ。どこまで見せる気だ?」

 朔がまともな意見を出してくれた。けれど、2人は止まらない。

「いつも通りの見せたらいいんじゃない? それにさ、別に話す事とか無くない? どうせ、結末は変わんないんだし」

「だな。結人は俺らので、真尋は諦めるしかねぇんだからよ。俺らはそれ手伝ってやってんだろうが」

「そうそ。さっさと見せて、1秒でも早く諦めてもらわないとね」

 なるほど。2人とも、かなり妬いていたんだ。目がマジなんだもん。中学生相手に、遠慮や加減といったものをする気は無いらしい。

「誰が諦めんだよ!? 俺、諦めるとか言ってねぇし。つぅか俺も結にぃ抱くつもりなんだけど。なんでアンタら勝手に話進めてんの?」

 誰も彼も勝手だ。僕の気持ちなんて、いつだって蚊帳の外なんだから。
 て言うか、揉めるかえっちをするか、どっちかにしてほしいのだけれど。どちらにも集中できないじゃないか。
 それでも、どちらかと言うとえっち寄りな自分が信じられない。

「誰が抱かせるかよ。一応聞くけどさ、真尋はゆいぴに告白して断られたの?」

「振ら··れてないし。」

「僕····ちゃんと、断ったよ?」

 真尋の、本気で泣きそうな顔が視界に飛び込む。僕が心配をかける度に見た、泣き出す直前の顔だ。
 あぁ、ダメだ。真尋が泣くのは耐えられない。

「真尋····泣かないでぇ」

「えっ、ゆいぴ? どしたの? マジ泣きしだしたんだけど。まだそこまでヤッてないよね?」 

「真尋が泣いちゃう····。僕、真尋が泣くのやだぁ」

「「「「えぇー······」」」」

 真尋を泣かせて、彼氏たちを困らせて、僕は何をやっているのだろう。

「真尋、お前男だろ。泣くな」

 困り果てた八千代が言う。僕だって男なのに、僕には決して言わない言葉だ。

「まだ泣いてねーよ! ····すげぇ悔しいだけだし。俺もアンタらみたいに、結にぃに色々シてあげたい。俺が結にぃを喜ばせたいのに。なんで俺じゃないんだよ····」

「真尋······おいで」

 心臓を鷲掴みにされた僕は、何も考えずに真尋を呼んでしまった。

「「おいで?」」

 りっくんと八千代が声を揃える。真尋はりっくんを押し退け、僕の胸に収まった。
 僕は、真尋の頭を撫でて落ち着かせる。前戯の最中である事を忘れるほど、真尋の心を抱き締めてあげたくなったのだ。

「お前なぁ、状況わかってんのか····」

 首筋や腕に青筋を浮かべ、怒りを抑えながら八千代が言う。

「あぇ? ごめん··なさい。真尋が可哀想で····僕、どうにもしてあげられないから····」

「結にぃ、おっぱい舐めていい?」

「····真尋のばか」

 朔が、真尋の肩を掴んで下がらせる。

「おわっ!?」

「コイツ泣かねぇだろ。そんなヤワな神経してねぇよな。舐めていいって、どういうつもりで聞けたんだ? 頭悪いのか? 全然可哀想じゃねぇぞ」

「いたたたたっ!! 肩抉れるって!!」

 肩を掴む手に力を込め、朔がボロカスに言う。
 その隙に、再びりっくんが胸に吸いつく。そして、これみよがしに僕が胸でイクところを見せつける。

「ゆいぴ、真尋の事なんか気にしないでさ、俺らに集中してよ」

 さらに、耳責めで僕を蕩けさせ、その間に八千代がお尻を解し終えた。

「挿れんぞ」

「ホントにするの? 真尋が見てるのに····」

「ばーか。見せてんだろ? お前も覚悟しろよ。今日は容赦なく抱き潰すからな」

 “今日は”って、いつも容赦なく抱き潰すクセに。けれど、その言葉にトキメいてしまう自分が、この中で1番のバカなのだと思う。

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