上 下
178 / 396
2章 覚悟の高3編

力を合わせて制覇だ!

しおりを挟む

 お風呂から出て、ロッカールームで湯上りのミックスジュースを飲む。僕は一気飲みして、そそくさとロッカーに向かう。
 そして、着替えている最中につい気になってしまい、ジュンくんのタオルを手に取り改めて見る。かっこいい····。思わず、タオルを抱き締めて顔を緩めてしまった。
 ハッと気づいた時にはもう遅かった。背後に迫る圧を感じずにはいられない。
 けれど、皆は何も言わずに着替え始めた。逆に不気味だ。

「えっと····、ねぇ、この後どうする? 何か食べに行く? あ、先にゲームとかする?」

「飯でいいぞ。コラボメニュー食ったらグッズが貰えるんだろ? それ目当てに来たんだから、いっぱい集めねぇとな」

 朔が頭をポンポンとして、優しく笑ってそう言ってくれた。さっきの圧は気のせいだったのだろうか。皆が機嫌を損ねていないのなら良かった。

 僕は、楽しみにしていたコラボメニューをどれから食べようかと心を弾ませていた。皆の本心に気づくこともなく。

((((後で絶対犯す))))

 なんだか背筋を悪寒が駆け抜けた気がしたが、大丈夫だろうか····。


 食堂はコラボ目当ての女の子でごった返していた。こんな中に皆を連れて入るのは申し訳ない。諦めようかと思った時、啓吾がスッと順番待ちの列に並んでくれた。

「結人、ここ最後尾だって。俺並んどくから遊んできていいよ。結構かかりそうだし。ゲーセンにも推し居るんだろ?」

「そ、そんなのダメだよ! 僕の我儘で来てるんだし、それに····こんな女子ばっかりの所に置いていけないよ····」

 学校とは違い、外に出ると声を掛けられるのは相変わらずなのだ。心配しないわけがない。

「んじゃ、皆でここ並ぶの? すげぇ目立つよ?」

 それは確かに。既にめちゃくちゃ見られている。

「僕が並んでるから、皆こそ遊んできてよ」

「それはない」

 りっくんが食い気味に返す。言うと思ったけど。

「皆で待てばいいんじゃないか? 見られんのくらい気になんねぇし」

 こうして、僕たちは男5人、溢れ返る女子の中で長蛇の列に並ぶことになった。

 回転が早く、思いのほか待ち時間は長くなかった。
 いよいよ、コラボメニュー制覇の時だ。と言っても、どうしても無理そうな物もいくつかあった。仕方がないから、ジュンくん関係の物だけでも制覇しよう。

「うっわ、何だよこれ····。すげぇ数あんのな。こんなん女子だけじゃ絶対食いきれねぇだろ」

「俺らでもキツイぞ。ん? なんだこの地獄の激辛餡蜜って····。どっちなんだ」

「それカイトくんが好きなやつだよ。食べれるか不安だったんだけど、とりあえず頼んでみようと思ってるの。カイトくんとジュンくんのツーショットフォトが貰えるからね」

「なんかゆいぴ、目つき違うね。周りの女の子たちと同じ目してる····」

「オタクの目だな。俺コレにするわ。鬼辛ナポリタン。結人食えねぇだろ」

「んじゃ、俺らは激辛系処理したらいいんだな? つっても、あとは激辛····かき氷······?」

 朔がメニューを見ながら固まってしまった。

「朔、無理しなくていいからね。皆も、食べたいヤツ食べてね?」

 と言ったのに、皆は僕が食べられそうにない物を全て引き受けてくれた。朔なんて、辛いものは得意じゃないと言っていたのに頑張ってくれたんだ。
 おかげで、本当にコラボメニューを制覇できてしまった。


「こんなに食べたの初めてかも····。最後ムキになっちゃった····」

 りっくんがベンチに座り、頭をゴツンと壁に預けて言った。

「マジでもう食えねぇ····。んだよあのジュースの数。種類エグくね?」

「腹たぷたぷだな。ちょっと休もうか」

「ゲーセン行くか?」

 みんな食べすぎてぐったりしているが、僕と八千代はまだまだ元気だ。

「休むつってんじゃん。バカなの? つぅかお前あのナポリタンよく食ったよな。アレ食えんなら、前に俺がタバスコかけまくったヤツ食えただろ」

 啓吾の話を聞き流し、八千代は僕を連れてゲーセンに向かう。皆は少し休憩してから来ると言っていた。

 僕と八千代はゲーセンに向かう。向かっているはず····なのだが。
 何故か僕たちは今、2階の隅っこにある人があまり来ないトイレに居る。手を引かれ、あれよあれよと連れ込まれてしまった。

「その館内着イイな。浴衣みてぇでエロい」

 なんてバカな事を言いながら、個室で僕の鎖骨に八重歯を食い込ませる。

「いぁっ····八千代、ダメだよ····」

 僕は拒もうとするが、どうにも力が入らない。だって、今日はあまり触れていないから、触れ合えるのが嬉しいんだもの。
 けど、ここで致すのは本当にマズい。

「僕、絶対声我慢できないよ」

「なんの自信だよ。ぁんでそう思うんだ?」

「きょ、今日まだね、皆にあんまり触ってもらってないし、それに····」

「それに?」

「お風呂で皆のおちんちん見てたら欲しくなったの····。皆隠さないんだもん····」

「ふはっ。可愛い事言ってくれんな。止める気ねぇだろ」

 八千代は、服を捲りあげて中に手を忍ばせた。太腿からお尻を撫で上げ、腰をグイッと抱き寄せる。
 それだけで、この先を期待して先走りを溢れさせてしまう僕は変態なんだ。

「準備は?」

「えっと、家でシてきた····」

「マジかよ。え、マジでか?」

「こ、こうなる可能性も、ゼロじゃないかなぁって····思ったりして」

 本当にする気は無かったが、万が一に備えてのつもりだったのだ。

「チッ····お前だけイかせてやるつもりだったのに、ンなん無理だろ。わりぃ、口ちゃんと塞いでやっからな」

 耳を舐めながらそう言って、八千代はお尻を解し始める。ある程度解してきていたから、そんなに時間はかからなかった。
 壁に手をつかせると、八千代は僕の口を強く手で塞ぐ。そして、完勃ちしたおちんちんを一気にねじり込んだ。
 一突きで奥まで達しお尻でイッて、前は勢いよく潮を噴き上げる。床に水溜まりができてしまった。

「ふ··ゔぅ゙っ····」

「すぐ終わらせっから····もうちょい我慢な」

 二突き目からラストスパートに入っていた八千代は、一切ペースを落とすことなく僕のナカで暴れ回る。
 イクのなんて一突き目から止まらない。八千代がイク頃には意識が半分飛んでいた。奥に出し切った八千代は、満足そうに僕の肩に噛みつく。

「い゙ぅっ」

 おかげで意識がハッキリとした。痕はつけていないようだが、それよりも後始末をどうするかだ。

 僕はくてっとしたまま、八千代に抱えられて洗面台に座らされた。『ちょっと待ってろ。落ちんなよ』と言って、八千代は個室に戻る。ものの数分で、片付けを終えた八千代が戻って僕にキスをした。

「ダメって言ったのにぃ····」

「よく言うわ。お前も挿れて欲しかったくせによぉ」

 甘ったるい声で僕の耳を誑かす。ビクッと跳ねると、お尻から八千代の精液が溢れ出した。

「お風呂··入らなくちゃ····」

 そう言って、僕が八千代の首に手を回した時、トイレの外扉が開いた。
 若い男の人が2人、にこやかに話しながら入って来る。そして、僕たちを見て固まってしまった。

「あ゙? ぁに見てんだよ」

 八千代の必殺、低音威嚇だ。お兄さん達は何も言わず、後退るように出ていった。キスをしたくて堪らなかった僕としてはありがたい。

「僕たちが悪いのに、よくそんな堂々とキレられるよね」

「お前のンなエロい顔見たアイツらの運が悪ぃんだよ」

 なんて勝手な事を言って、再び僕たちは唇を重ねる。暫くキスをやめられなかった僕たちは、啓吾からの着信で現実に引き戻された。

しおりを挟む
感想 158

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜 ・不定期

ハッピーエンドのために妹に代わって惚れ薬を飲んだ悪役兄の101回目

カギカッコ「」
BL
ヤられて不幸になる妹のハッピーエンドのため、リバース転生し続けている兄は我が身を犠牲にする。妹が飲むはずだった惚れ薬を代わりに飲んで。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

ヤンデレBL作品集

みるきぃ
BL
主にヤンデレ攻めを中心としたBL作品集となっています。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

処理中です...