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2章 覚悟の高3編
もうやだぁ····
しおりを挟む僕が皆語りを終えると、八千代に押し倒された。
八千代はするっと僕の服を脱がせると、緩んだままのアナルにおちんちんを押し当てる。そして、くぷっとナカに入ってしまった。
「んゃっ····八千代、おっきぃ····」
「さっきは遊びすぎたわ。今度はちゃんと“セックス”してやるからな」
「ひぅっ····」
耳元で、なんてハレンチな事を言うんだ。セックスだなんて、甘い声で聞かされるには刺激の強いワードだ。
「やちぉのばかぁ! そんなえっちな事、耳元で言わないでぇ」
「ッハ······お前はンっとに変わんねぇな。ずっと、そのままでいろよ」
「ふぇ····このままって····?」
どういう意味なのだろうか。こんなに皆を好きになって変わったのに? もっともっと好きになっていくだろうに、“変わるな”だなんて無茶だ。
それに、どんどんえっちになっている気がする。変態や淫乱だと言われても、否定できないくらいに。
八千代はそれ以上何も言わず、見せる為ではない愛し合うためのセックスをした。甘くてヘロヘロになる、いつもの激しいえっちだ。
時々、癖であちこち噛みそうになる八千代。その度に、舌打ちをして唇で吸うように食む。何度目かで我慢の限界を迎え、耳輪を強く噛まれた。劈くような痛みで全身に力が入る。
当然、お尻も無駄に締めてしまう。すると、八千代は苦しそうな声を漏らしてラストスパートに入った。
奥の扉に先を押し込むと、キスで僕の口を塞ぐ。声を我慢させて、奥まで締めさせる気なんだ。アレ、物凄い深くイクから怖いんだけどな。
僕の不安なんて知らない八千代は、キスをしたまま奥を貫く。そして、八千代がイク為のぐぽぐぽが始まる。
「ん゙ん゙ん゙っ!! ンーッ! んぅっ····ん゙ぁっ·····」
舌を絡めながら奥を抉るのは勘弁してほしい。
「んっ····イクぞ。ドコに欲しい?」
「えぁ····お··く····結腸····八千代の雄汁で、お腹いっぱぃにちて♡」
全力で甘えたつもりだったが、舌が回らず上手く言えなかった。けれど、八千代はそれを察してくれたようで、僕のお強請りを聞き入れてくれた。
何度も深くイキ続けた僕は、八千代が抜けてイッたのを最後に、身体に力が入らなくなった。
「結人寝たのか?」
「あー····多分な」
「多分ってなんだ」
「とりあえず拭くわ」
八千代が僕の身体を拭いてくれている。だが、もう瞼は開かない。温かいタオルが気持ち良くてウトウトしてきた。本当に眠ってしまいそうだ。
皆は、僕が眠っていると思っているようで、突如として僕語りが始まった。
「今日も結人可愛かったな~。場野、めっちゃ噛むの我慢してたね。耳は噛んでたけど」
「ゆいぴめっちゃ痛そうだったじゃん。めっちゃイッてたけど。マジで可愛かった」
「なぁ、乳首は噛んでも痕つかないんじゃねぇか?」
「それだ。暫く乳首しか噛めねぇじゃん」
なんだか恐ろしい話になってきている。そのうち、本当に喰い千切られるのではないだろうか。
「乳首と言えばだよ。ゆいぴさ、指先で摘まむのと指の腹で摘まむのと反応違うじゃん? あれ可愛すぎない?」
「「「可愛い」」」
「俺あれ好き。不意にケツ触った時に全身跳ねんの。慣れるどころか感度増してんの可愛いくね?」
「「「可愛い」」」
「俺が1番好きなのは、やっぱ抜く時だな。絶対イクのもいいんだけどな、それよりすげぇ寂しそうな顔すんのが可愛い」
「「「それな」」」
「つぅかお前らそんなんばっかかよ。俺はアレだ。やっぱ結人が飯食ってる時がイイ。すげぇ幸せそうだろ。見ててこう····なんつぅか、こっちまであったけぇ気持ちになんだよ」
「「「わかる」」」
「で、ゆいぴは俺らのどんなトコが好きなの?」
「「「顔だろ」」」
「顔だけじゃないよぉ!!」
やってしまった。自爆だ。それに、どういうワケだか狸寝入りもバレていたらしい。
「結人、顔真っ赤にして寝たフリは厳しいぞ」
「なっ··そんなの自分でコントロールできないんだもん。それに、ホントに力入んなかったし、目も開かなかったんだよぉ······て言うかなんであんな恥ずかしい話してるの? せめて僕がいない所でしてよ····」
悔しいやら恥ずかしいやら、いたたまれなくなった僕は毛布に頭を突っ込んだ。すると、隠れていなかったお尻に、りっくんが痕のつきそうなキスを繰り返す。
「りっくん····痕、ダメだよ?」
「ん··わぁってぅよ」
ぢゅぅっと音を立てて吸われると、どうにも腰が跳ねてしまう。
「ね····そんな吸い方やだぁ····。なんか恥ずかしいよ」
「ゆいぴ、音立てんのすっごい恥ずかしがるよね。なんで?」
「なん··で····?」
「ぅあーっ♡ キョトン可愛いッ!!」
りっくんがお尻に顔を埋めて叫ぶ。興奮したりっくんはよく叫ぶなぁ。激昂した時は淡々と言葉責めをしてくるのに、この差は何なのだろう。
あまりの豹変ぶりに、別人格なのかと心配になる。
「音って、なんか脳に直接響いてこない?」
「それは結人が耳敏感なのと、脳イキできるからじゃね?」
啓吾がスマホを弄りながら言う。テキトーな事を言わないでほしいのだけど、それよりも聞いた事があるような単語が飛び出した。
「のういき····」
僕ができる“のういき”って何だ。前にも誰かが言っていた気がするのだが、よく覚えていない。何より、お尻に意識がいって会話に集中できない。
「ゆいぴがめちゃくちゃえっちな子だってこと。そんなのいいからさ、もう挿れるよ」
僕のナカに収まったりっくんは、さっきまでとは別人のように静かに言葉を落とす。
前立腺を潰しながら『ゆいぴのナカ凄いうねって俺のちんちん抱きしめてるみたい』だとか『この白い背中にいっぱい鞭の痕つけたいな』だなんて囁くんだ。
鞭って、馬のお尻を叩くヤツかな? 僕、たぶんいつか殺されちゃうんだ。
瞳にハートを浮かべて、こんな事をえっちの最中ずっと言っている。紛うことなき変態だ。時々、八千代が『気持ちわりぃ』と言うのが聞こえた。
鞭と変態はさて置き、僕たちもデートに行きたい。りっくんの変態攻めが終わり、シャワーを済ませた僕は皆に伝えた。
「デートって、銭湯と海行くだろ。他にもどっか行きてぇの?」
「僕たち、基本ここでえっちでしょ? いっぱいデートしたいよ」
「俺もしたい。ゆいぴと全国津々浦々巡りたい」
りっくんは瞳を輝かせて、至って真面目に言っているようだ。この夏休みの話なんだけどな。
「それは大人になってからだね。僕も、皆と色んな所に行ってみたいよ。けど、今はとりあえず残りの休みで行ける所ね」
「つっても、もう半分もないだろ。大畠の宿題もあるし、銭湯と海以外にも行くのは結構ハードじゃねぇか?」
朔の言う事も尤もだ。啓吾の宿題は、ゆっくりやっても4、5日で終わるだろう。だけど、やはりスケジュール的にはハードだ。
「とりあえず全部終わってから、行きたくなったら近場でも行きゃいんじゃね? コンビニでも結人と行ったらデートだろ」
皆は一瞬フリーズした。啓吾の言う通りだ。頭で考えるよりも、行きたくなったら行けばいい。それに、コンビニも確かにデートだ。
僕たちは啓吾の宿題を再開し、1回でも多くデートに行けるよう備える。俄然やる気の啓吾だが、だからと言って問題が解けるようになるわけではない。
休憩を減らし、僕がご褒美となってペースを上げてゆく。苦手な問題に頭を抱えている啓吾が可愛いだなんて、今は言っている場合ではない。
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