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2章 覚悟の高3編
冬真の真意
しおりを挟むベッドに腰掛けた冬真に呼ばれ、猪瀬くんはおずおずと歩み寄る。
「なぁ冬真····、マジでここでヤんの?」
「隣で結人が気持ち良さそうなの見てたらさ、駿もイケそうかなって。嫌ならやめるけど?」
冬真は意地の悪い聞き方をする。それじゃぁ断れないじゃないか。僕なら100%断れない。
「い··嫌なわけじゃ····」
「あそ、良かった。じゃ、脱いで」
「脱··ぐの? ····自分で?」
「俺に脱がしてほしいの? 脱がしてあげよっか?」
「や、え····いや、自分で脱ぐよ····」
「お前さ、女の子にもそんななの?」
たまりかねた啓吾が問う。啓吾が聞かなければ僕が聞いていただろう。恥じらう猪瀬くんを弄び、試すような態度だ。酷すぎる。
「女の子にさせるわけないじゃん。駿だからだよ」
またズルい言い方だ。猪瀬くんを特別扱いして、逆らえないように仕向けているみたいに聞こえる。
猪瀬くんは言葉に従い、ゆっくりとボタンを外してゆきシャツを脱ぐ。冬真が腰に手を添えただけで、猪瀬くんの身体は小さく跳ねた。きっと、凄く緊張しているのだろう。
「お前はこっちに集中してろ」
八千代がキスをしながらプラグを抜く。ご褒美をとられた啓吾の小さな舌打ちが聞こえた。
けれど、八千代はお構いなしに僕のナカへ指を差し込む。意地悪く、前立腺をくりくりしては何度も寸止めをして遊ぶ。
猪瀬くん達の前で、あまりはしたない事を言わないようにと思っていたのだが、どうにも我慢の限界が来てしまった。
「んっ、や、八千代····イキたいよぉ····。そこ、コリコリ潰してぇ」
「ん、まだな。もっと蕩けてんの見せてやれ」
八千代の寸止めは、皆の中でもタイミングが完璧だ。本当にイク一瞬手前で止める。数値でも測っているかのような正確さだ。なんて才能を持ち合わせているんだ。
八千代の指に夢中になっていた僕は、猪瀬くん達が頑張っているのを忘れていた。不意に、猪瀬くんのえっちな声が耳に届き、2人の存在を思い出す。
僕はりっくんに涙を吸われながら、チラッと猪瀬くんを見る。冬真に胸を吸われて気持ち良さそうだ。時々甘い声を漏らしている。
言葉とは裏腹に、優しく胸を弄っている冬真を見ると、本当は猪瀬くんの事が好きなんじゃないかと思ってしまう。
「ゆいぴも胸、気持ち良くシてあげるね」
「ふぁぁ··胸、気持ちぃ····。りっくん、ちゅぅシたい」
「んはっ♡ 今日言える日なんだ」
僕が手を伸ばすと、りっくんは僕を食べてしまうようなキスをした。そして、キスに満足したりっくんが嬉しそうに言う。
「ねぇゆいぴ、もっといっぱい甘えてね? 猪瀬が触発されてトロットロになったら、神谷も頑張れるかもよ」
「猪瀬くんが····とろっとろ······いいねぇ」
「今日はふわふわすんの早ぇな。見られてるからか? この淫乱が····。挿れんぞ」
結局指ではイカせてくれなかった八千代が、漸くおちんちんを挿れてくれた。僕を淫乱と言ったのはいただけないが、与えられた快感の衝撃で何も言えなかった。
亀頭をぐぷっと押し挿れ、ぬぷぬぷと抜き挿しするだけでイカされる。僕がイッたって、構わず奥に進み前立腺を潰しながら浅い所を執拗く擦る。
僕だって、人前でするのは恥ずかしいんだぞ。なのに、お尻でイクのも噴くのも止まらない。
「見てみ、駿。結人すげぇ気持ち良さそうだな。駿もああなりたい?」
「んっ····なり··たい····」
「んじゃ、下も脱いで。優しくしてあげるから、ちゃんとケツ弄らせろよ」
「う、うん····」
猪瀬くんは裸になると、冬真に言われるがままベッドに横たわる。なんだか可愛いなと思ったのは、僕だけではなかったようだ。
「駿、痛かったら言えよ? 場野、ローション使うよ」
「おう。好きに使え」
八千代は僕のイイ所を潰すのに忙しいから、空返事で許可する。
冬真は、緊張の解れない猪瀬くんに優しくキスをした。きっと、猪瀬くんのタイミングを窺っているのだろう。当の猪瀬くんは、キスに驚いた様子だ。冬真とキスするのは初めてなのだろうか。
りっくんは冬真を煽りたいのか、それとも猪瀬くんを焚きつけたいのか、容赦なく僕の乳首を捻り潰す。
「ん゙あ゙ぁ゙ぁぁっ!! り゙っくんヂグビ痛゙いぃぃ!! ひに゙ゃぁあ゙ぁぁ!!! 取れぢゃう! 乳首取れぢゃうぅ!!」
「見ろよ駿。痛いとか言って噴いてんの。駿もアレくらいになるまで育ててあげよっか?」
冬真って、ドSで変態さんだったんだ。僕とシた時は、皆ほどじゃないやって思ったんだけどな。て言うか、育てるって何だろう。
「育っ······べ、別にいいよ。冬真が俺で気持ち良くなってくれたら充分だから····」
「は?」
「あはは。駿哉ってホント献身的だよな。まぁ結人の場合、元々感度ヤバかったみたいだし」
「キスだけで蕩けてたもんな。マジで心配ンなったわ」
「ゆいぴはイケメンに弱いし耐性がなかっただけだよね~? どんだけ可愛いんだよって、ね~?」
りっくんが乳首を指先で弾きながら言う。全くもって可愛いの意味がわからない。
それよりも、猪瀬くんの言葉を聞いて冬真が機嫌を損ねたようだ。どうしたのだろう。
「あのさぁ、ヤるんだったら駿も気持ち良くなんないとだろ。なんで俺だけヨくなったらいいってスタンスなの?」
「そ、そうじゃないけど、ちゃんと気持ち良くなれるか不安だし····」
「あっそ。んじゃ結人レベルになるまで躾てやっから、覚悟しろよ」
冬真は猪瀬くんの耳を摘まんで『覚悟しろ』と囁いた。猪瀬くんの身体がビクッと強ばる。
何故か、冬真がキレてしまったようだ。本当に、冬真の考えはいつも読めないなぁ。なんて、呑気な事を考えている場合ではないのだった。
八千代が奥をぐりぐり押し上げて解し始める。鎖骨や肩を甘噛みして、痕がつかないように加減をしてくれているようだ。
噛みたい衝動を抑えているのだろう。時々、舌打ちが聞こえる。
「や··ちぉ····噛んれいーよ····痛いのシてぇ····」
「チッ····噛まねぇよ。銭湯行きてぇんだろ? そんくらい我慢できるわ」
そうではない。痛く噛んでほしいのだ。僕が言い出した事なのに、勝手なのは重々承知している。だが、今は思い切り噛まれたい。
痛いものは痛いし、4人とも噛むのが好きだから回数が多い時はいい加減にしてくれと思う事もある。けれど、されないとなると寂しい気がしてならない。
「わ、我儘言って、ごめ··ね? あにょね、噛んれほしぃの」
「····ハァ。銭湯行けなくなんぞ」
「いい····銭湯より··んんっ····八千代に、噛まれたい」
八千代は、八重歯を突き出し肩に食い込ませる。いつもみたいに、グッと食い千切るような噛まれ方をするのかと思ったが、そうではなかった。
一瞬の痛みだけで、全身に力を込めて耐えるような噛み方はしてくれなかった。そして、耳に口を寄せて囁く。
「噛んでやるよ。痕になるような噛み方しなきゃいいんだろ。けど、あんま煽んな。マジで食い千切りそうになっからな」
「あっ、やぁ····やら、やちぉ····イッた····耳でイッちゃったよぉ」
「ふはっ、知ってる。ナカすげぇ締まってっからな」
「場野、長ぇ。いつまでもイチャついてないでさっさと代われ」
痺れを切らしたのか妬いたのか。朔が、ご機嫌に奥をコツいている八千代を急かす。
「ぅるっせぇな。わーってるよ」
言葉に覇気を感じないのは、朔が相手だからだろうか。それとも、僕が推しより八千代を選んだ事が嬉しかったのだろうか。
どちらにしても、わかっていると言いつつ急ぐ気はなさそうだ。
「おい猪瀬、ビビんねぇでもいいんは結人見てたら分かんだろ。いい加減、神谷に任せてやれよ」
八千代の言葉に励まされたのか、猪瀬くんは恐る恐る足を開いた。猪瀬くんの勇気が出るのを、胸や耳なんかを弄りながら待っていた冬真。待ちわびた様子でローションを手にする。
ローションを猪瀬くんの股間に垂らし、お尻に落ちてきたものを馴染ませてゆく。
「駿、指挿れるよ」
つぷっと指が入ると、猪瀬くんは苦しそうな声を漏らした。
「····んぅっ」
「キッツ·····。駿、力抜ける?」
「ふ··ぅ····んぁ····無理······やだ、やっぱ怖い」
僕は、怯える猪瀬くんの手を握った。
「大丈夫だよ。怖くないから····。あのね、冬真の事、信じてあげて?」
八千代に奥をぐぽぐぽされながら、意識が朦朧とする中で声を掛けた。ささやかでも、励ましになればと思ったのだ。
猪瀬くんは、僕の手を握り返して言った。
「あ、りがと。頑張る····けど、武居は大丈夫なの?」
「僕··? 大丈夫だよ。んんっ····気持ちぃよ····」
猪瀬くんの手を握ったからだろうか。八千代の奥責めが激しさを増す。
そして、隣で懸命に恐怖心に耐えている猪瀬くんなど気にも留めず、結腸に長い射精をして僕のナカから出た。
「んあぁっ♡」
「え、抜いただけでイクの? つぅか生で中出ししてんの!?」
「駿、こっちに集中して。前も一緒にシたら気持ちぃ?」
「んぁ····気持ち··イイ、かも····」
冬真は指を増やしてゆく。猪瀬くんは、少しずつだけど感じるようになってきたらしい。
ぼんやりと2人を見ている隙に、朔の巨チンを捩じ込まれる。そして、亀頭で入り口をくぽくぽしながら聞く。
「結人、浅い所と奥、どっちがいい?」
いつもはそんな事聞かないのに、今日は皆少し変だ。
「え··っとね、浅い所ぉ····前立腺、潰ひてぇ」
「はは、喋れてねぇな。可愛すぎんぞ」
朔は僕を抱き上げ、頬や首筋にキスをする。吸ってしまうのは癖みたいで、何度もハッとしている朔のほうこそ可愛い。
「ひぇ····瀬古のアレ、マジで入んの?」
「ずっぽり飲み込むよ。慣れたら駿哉も挿れてもらう?」
啓吾が軽口を叩き、朔が真面目に怒る。
「結人以外に挿れるわけねぇだろ。そんなの浮気じゃねぇか」
「あっはは。わーかってるってぇ。冗談だよ~」
くだらない冗談を聞き流し、朔は肉厚な亀頭で前立腺を押し潰す。とっくに射精なんてできなくなっている僕は、お尻でイキながら噴き続ける。
冬真のおちんちんが限界らしく、指が3本入るようになったところで挿入を試みる。
「駿、ごめん。もう無理····。挿れたい」
猪瀬くんは“挿れたい”と言われ、覚悟が決まったようだった。自分のナカに入りたいと言われ、胸だかお尻だかがキュンとしたのだろう。ふと、八千代との初体験を思い出してしまった。
「結人、余所見する余裕あるのか。····なぁ、吐かせてもいいんだよな?」
片足を持って僕を半回転させながら、朔は独り言のように確認する。誰かがそれに『いいよ』と言った所為で、容赦なく奥をぶち抜かれた。
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