ちっこい僕は不良の場野くんのどストライクらしい

よつば 綴

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2章 覚悟の高3編

言わんこっちゃない

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 洗浄では何とか声を抑える事ができた。けれど、本番はこれからだ。
 啓吾と八千代が、ローターで遊んで満足するとは思えない。だが、部屋には冬真と猪瀬くんが居るのだ。今日は何としても流されず、断固としてえっちだけは阻まなくてはならない。
 僕に課せられたミッションにしては、いささか難易度が高すぎる気がするのだが······。


 部屋に戻ると、啓吾が手早く僕のナカにローターを仕込む。そして、人差し指を口に当て、やらしい笑みを浮かべながら『しー』と僕を黙らせる。

「スイッチ入れるよ」

「待って····ねぇ、やっぱり無理だよぉ」

 僕が弱音を吐くと、八千代が僕を膝に乗せて甘くて蕩けるようなキスをしてくれた。流石に激しくするつもりはないのだろうか。
 なんて思ったのも束の間。キスだけで何度かイかされると、啓吾が振動の強さをMAXにした。小刻みで激しい刺激が前立腺を襲う。
 僕のおちんちんに幾重にも当てられたタオルは、精液と潮で既にぐしょぐしょになっている。もうダメだ。ローターだけではお尻が寂しくて堪らない。

「やちぉ、おち····おちんちん····欲しぃ」

 僕は、八千代の胸にしがみついて言った。

「ふはっ、必死かよ。声我慢できんのか?」

 頬に手を添え、耳元で優しく問いかけてくる。

「が、頑張りゅ」

「俺が口塞ぐから、ゆっくりヤッてあげれば? あ、奥は抜くなよ。あと当て堀りはマジでやめろよ。絶対声殺しきれねぇだろうから」

 どうやら結腸責めはされないらしい。啓吾が厳重に注意した“あてぼり”というのは分からないが、とにかく優しくしてくれるのだろう。

「わーっとるわ。ローター抜いたら挿れっから、しっかり口塞いどけよ」

「りょーか~い」

 啓吾が振動を止めると、八千代がゆっくりとローターを引き抜く。抜ける瞬間、俯き唇を噛み締めて声を抑えた。

「結人、唇噛んだら切れるよ。ほら、こっちおいで」

「ん····ふ··ンぁっ····んんっ」

 啓吾が僕を膝に乗せキスで口を塞ぐと、八千代が慎重に穴を押し拡げながら入ってきた。浅く前立腺を撫でながら、静かに奥へと突き進む。

「馴染んだか? ゆっくり動くぞ」

「へぁぃ····」

 八千代は、奥の扉を開いてしまわないように気をつけながら、少しずつピストンを速めてゆく。背後から時々聴こえる、八千代の苦しそうな声がえっち過ぎる。きっと、やりすぎないように衝動を抑えてくれているのだろう。

「結人、イクぞ。奥、ちょっとだけ開けっから、ここで飲めよ」

 八千代が僕のおへその下を揉みながら耳元で言う。流石にこれは我慢できない。

「ふぅ··ん゙ん゙ん゙っ!!」

 唇が痺れてしまうくらいキスをしているが、これが最後だと言わんばかりに激しさを増す。おかげで、声にならない声が漏れただけだった。


「最後危なかったな。結人、絶叫するかと思った」

「癖で奥挿れそうになって焦ったわ」

「僕、酸欠で死にゅかと思った····」

「まだできる? 俺も挿れたい」

 啓吾が耳元で囁く。こんなの、断れるわけがない。

「んゃぁ····啓吾のおちんちんも欲ちぃ。挿ぇてくらしゃい」

 今度は八千代が僕の口を塞ぐ。明日、唇が腫れてないといいんだけど。
 啓吾は、焦らすように入り口をこねくり回す。僕が焦れったくなって腰を押しつけると、啓吾は嬉しそうに奥を抉る。

「自分で腰振っちゃってさ、んなに気持ちイイ?」

「やっ、気持ちぃ····けろ違っ、こひ··腰、勝手に····動いちゃ····」

「んはっ♡ 勝手に動いちゃうんだ。なんかさぁ、ケツでちんこしゃぶってるみてぇ」

「んぁぁっ····♡ しょんなの、耳元れ言っちゃ··らめぇ」

「なんで? すげぇ可愛いよ。ほら、ゆっくり動くから合わせて腰振って」

 僕が合わせているのか、腰が勝手に動きに合わせて振れているのか分からない。僕ではなく、啓吾が僕の拙い動きに合わせてくれているのではないだろうか。
 僕が悦ぶ所を優しく抉り、声を抑えられるように加減してくれている。けれど時々、指先で背筋を撫でて遊んだり、お尻を揉むように掴む。その度に、声を上げそうになるのを必死に堪える。
 そして、2人が僕に息をする間をくれる時、『あっつー』と言って啓吾の上体が揺れる。きっと、髪をかき上げているのだろう。もう夏が間近に迫っているのだ。無理もない。
 きっと半端ない色気を醸し出しているであろう啓吾を、是非とも振り返って見たい。まぁ、そんな余裕なんてないのだけれど。

 静かで甘いセックスをしている。なんて、なかなかレアな事なので、慣れのないペースだから啓吾のイキそうなタイミングが分からない。

「啓吾··まだイかない?」

「まだイかねぇ····」

 いつもみたいに激しくできないからだろうか。僕はそろそろ、声を我慢するのもイキ続けるのも限界なのだが。
 けれど、啓吾は容赦なく僕でおちんちんを扱き続ける。そんな中、八千代が何かに気づいたようだ。

「大畠。····ん」

 八千代が目配せをしたようで、啓吾がそちらをチラリと見る。僕の斜め後ろなので見えないが、何があるのだろう。
 八千代は小さな溜め息を吐き、再び僕の口を塞ぐ。まさか、朔が起きたのだろうか。しかし、怒られるどころか声すら掛けられないので、どうやら朔が起きたわけではないようだ。ならば、一体なんなのだろう。

「結人、片足上げるよ」

 そう言って、啓吾は僕の左足を持ち上げ、これまでよりも少し深く押し挿れた。それと同時に、八千代の舌打ちが聞こえた。

「やちぉ? んっ··ふぅぅ····」

「結人、横。左見てみ」

 啓吾に言われ、八千代にキスされながらも横目で左側を見る。そこには冬真が居て、思わず悲鳴を上げそうになった。
 そうか。啓吾は冬真に見せる為に、わざわざ足を持ち上げたんだ。本当にイイ性格をしている。

「気持ち良さそうだね。俺も次、挿れていい?」

「いいわけねぇだろ。アホか、死ね」

「やちぉ、そんな事言っちゃらめれしょ····」

「そーそ。俺らが居んのにヤッてるお前らが悪いんだからな」

「冬真、寝てたんじゃねぇのかよ」

「結人の可愛い声で起きちゃった」

「ごめ····僕が、起こしちゃ····ひぅ」

 啓吾が少し動いた所為で、小さな喘ぎ声を漏らしてしまった。

「んで、冬真はなんでわざわざこっちに来たんだよ。もう終わっからさ、布団に戻れば?」

「お前鬼なの? こんなん見て寝れるわけないじゃん。なぁ、俺にもヤラせろよ」

 冬真の口調が変わった。なんだか怖い。

「ふざけんなよ。はいどーぞって差し出すとでも思ってんの?」

「あ~っそ。いいの? 瀬古起こしちゃうよ? そろそろマジで殴られんじゃね?」

 口調は戻ったが、雰囲気は依然として怖いまま。本格的に脅されているようだ。

「勝手にしろ。朔ぐらい俺が止めれっからよ」

「やら····八千代と朔が喧嘩すぅの、やらぁ」

「だってさ。起こしたら瀬古と喧嘩になんだろうね。そしたら先生にバレちゃうかもよ?」

「テメェ····つぅか結人は黙ってろ。ややこしくなんだろうが」

「なぁ冬真、お前マジで脅してんの? そんなに俺らに喧嘩売りてぇの?」

「喧嘩売ってるつもりはないんだけどさ、ただ結人を抱きたいだけ。つぅか結人が欲しいんだよ」

 我慢できずにえっちをしていた僕たちが悪い。けれど、冬真の要求をのむわけにもいかない。どうすればいいのだろう。

「どうする? 問題起こすか、黙っとく代わりに俺にもヤラせるか」

「「ヤラせねぇ」」

 2人は即答した。それが何を意味するのか、鈍い僕ですらわかる。

「んじゃ、問題になってもいいんだ」

 おそらく、冬真は本気だ。本当に朔を起こされたら困る。寝起きの悪い朔の事だ。冬真だけでなく、もちろん八千代と啓吾にもキレるだろう。そうなれば、騒ぎになるのは必至だ。
 けれど、僕は朔の止め方を知っている。

「だ、大丈夫だよ。朔は、僕が止めるから。僕なら、止めれるもん」

「ははっ、確かにな。お前だったら止めれんだろうな」

「だね。朔も結人にだけは敵わねぇもんな。····だってさ、冬真。うちの結人さんも逞しいんだぜ? やってみるか?」

「······ハァ。負~けた。もういいや。頑張って寝るわ。けど、マジでもうやめて寝ろよ! 結人が明日しんどくなんだろ」

 意外にも、アッサリと引き下がった。僕を困らせたいわけではないという事なのだろう。それに、僕の身体を気遣ってくれる辺り、やっぱり優しいんだよね。

「お前に心配されるまでもねぇわ。それになぁ、万が一にも結人がグダったら俺らが面倒みんだよ。お前に関係ねぇわ」

「え、そんなのやだよ。自分で動けるもん」

「そういうトコで負けん気出すのやめろよ。ったく····。お前は黙って、俺らが居ねぇとダメだっつぅとこ見せつけてやりゃぁいいだろ」

 そういう事だったのか。冬真に情けない所を見せるわけにはいかないと思い、強気に出てしまった。

「お前らもういいからマジで寝ろよ」

 冬真はこちらを見ずに、静かに布団に戻った。流石に、もうやめて寝るのかと思ったが、えっちは啓吾がイクまで続いた。何度か冬真の舌打ちが聞こえた気がするが、八千代と啓吾は気にも留めなかった。
 りっくんと朔を起こしては申し訳ないので、僕は八千代の布団で2人と手を繋いで眠る。啓吾は半分布団からはみ出ていたが、朝には僕に抱きついていたので寒くはなかっただろう。
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