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2章 覚悟の高3編

やらかしてくれるんだから

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 重くて熱い啓吾の射精を最奥で受け止め、僕たちは繋がったままソファで寝落ちした。


 小鳥のさえずりで目を覚ますと、毛布が掛けられていた。先に起きた誰かが掛けてくれたのだろう。
 そう思ったのだけれど、テーブルを挟んだ対面のソファに座っていたのは凜人さんだった。ページをめくる音も立てず、無音で本を読んでいる。長いまつ毛は影を落とし、きゅっと締まった唇が時々綻ぶ。どんな物語を読んでいるのだろうか。
 僕は体を起こせず、ジッと凜人さんを観察する。そして、不意に目が合った。

「おや、おはようございます。寒くはありませんか?」

「お、おはようございます····。大丈夫です。毛布、凜人さんが?」

「はい。朝食を作りに来たのですが、皆様ぐっすりとお休みでしたので」

「ぅあ··あ、ありがとうございます······」

 2人して力尽きたのはマズかった。まぁ、啓吾のおちんちんはいつの間にか抜けていて、お尻から精液が垂れ流しだっただけだけど。····“だけ”じゃないよね。

 凜人さんはテーブルに本を置いて立ち上がり、静かに僕へと歩み寄る。僕の前で片膝をつくと、そっと頬に指を這わせた。

「んぅ····、凜人··さん?」

「夕べは、とてもお可愛らしかったですね。皆さんに愛されて、お身体は辛くありませんか?」

「ぇと、ぁっと、だ、大丈夫です」

 本当に心配してくれているのだろうけれど、物凄く恥ずかしい。あれもこれも見られていた事を思い出し、火を吹きそうなほど顔が熱くなってきた。

「差し出がましいようですが、お身体を綺麗にして差し上げたいのでお風呂へ参りましょう。お腹を下されてはいけませんので、ね。結人様の許可を得てからと思いまして、お目覚めになるのをお待ちしておりました」

「なっ、そんな事っ──」

「シィー····。大畠様が起きてしまわれますよ。お静かに」

(今すぐ起きてほしいんだけど!?)

 凜人さんは、僕の唇に人差し指を当てて黙らせた。そして、耳元で静かに話す。

「結人様のナカを、私がお掃除してもよろしいでしょうか?」

 すらっと長い指で下腹部をグッと押さえられ、お尻がキュンとしてしまった。抵抗しようにも、ロクに力が入らない。

「んゃっ、ダ、ダメぇ····」

「しかし、皆様はまだ眠っておられますし、ご自身では立つこともままならないようですので····。指でもこちらでも、お好きな方でお掃除させていただきますよ」

 そう言って、凜人さんは膨らんだ股間を僕に触らせた。

「ひぁ····おっきぃ······」

「フフッ。大きいの、お好きですか? でしたら、こちらで致しましょうか。大丈夫です。あくまで“お掃除”ですので」

 と、甘い声で囁き、柔らかく耳を噛んだ。

「へぁぁっ··、はい····お掃除····」

 僕が蕩けてまんまと流されそうになった時、凜人さんの少し長い髪が後ろから引っ張られた。

「テメェ、結人にちょっかい出すなつっただろうが」

 恐る恐る顔を上げると、凜人さんの後ろ髪を掴んだ八千代が、あちこちに青筋を立てて凄んでいた。
 耳を噛まれたの、見られてないといいんだけど····。

「おはようございます。そのようなつもりはなかったのですが····申し訳ございません。皆様がぐっすりとお休みでしたので、結人様をお風呂に入れて差し上げようかと思っただけです。結人様には許可をいただきましたよ」

 凜人さんは立ち上がり、凄む八千代に対峙する。なぜ、一触即発状態なのだろうか。

「あ゙ぁ? 許可だと? 結人、こいつに風呂入れてもらうんか?」

「い、入れてもらわにゃい····です」

「だとよ。飯でも作ってろ。風呂は俺が連れてく」

「かしこまりました」

 凜人さんは残念そうにキッチンへ向かった。僕は八千代に担がれお風呂へ連れ込まれる。


「お前、クソ執事に掃除してもらいたかったんか」

「いぁっ····違っ、しょんな、事··思ってないぃ····」

「どうせ、やらしく触られて蕩けて流されたんだろ」

「ごめ、なさっ····やぁっ、奥グリグリしないれぇ」

「しっかり掻き出さねぇとな。なんなら吐くか?」

「やらぁ····やちぉ、優しくしてぇ」

「甘えた声出してんじゃねぇよ。クソ執事にもそんな声聞かせたんか」

 あぁ、妬き始めたら本当にみみっちいんだから。昨日、散々カメラ越しに見られて聞かれていたのに。今更何を言っているんだか。
 僕が何を言っても、八千代の嫉妬はおさまりそうもない。だったら、渾身のお強請りで気を鎮めてもらおう。

「やちぉ····僕ね、凜人さんじゃヤらよ。やちぉにね、甘やかしてほしい」

「あン?」

「デロッデロに甘やかしてくれるんらよね? ね、いっぱいチュゥして? えっちで甘いのがいい」

「ックソ····しょうがねぇな」

 八千代は僕の望み通り、甘いキスをしながら優しくお掃除をしてくれた。八千代は、僕のお強請りにめっぽう弱いんだ。

 お風呂から出ると、りっくんと朔が食事の支度を手伝っていた。

「あ、ゆいぴ。おはよう」

「結人、おはよう。身体大丈夫か?」

「おはよ、りっくん、朔。大丈夫だよ。2人はよく眠れた?」

「おかげさまで。あんなに出し切ったの初めてだよ。もうホントぐっすり」

「そっか。えへへ、よかったぁ。····あれ? 啓吾は?」

「まだソファで寝てる。あの後もずっと大畠とヤッてたのか?」

「まぁ、うん。結構長いことシてたかな」

「お前さ、腰とかケツ痛くなったりしねぇの?」

「んぇ? 力入んなくてヘロヘロにはなっちゃうけど、痛いのとかは大丈夫みたいだよ」

「お前マジでそういうの強ぇのな。もしどっか調子悪くなったら、誰にでもいいからすぐ言えよ」

「あはは! 八千代、お母さんみたい」

「どこがだよ。つぅかわかったんか」

「はぁい。でも、皆優しくシてくれてるから大丈夫だと思うよ」

「「「····はぁ?」」」

「······え?」

「ゆいぴ、あんだけ滅茶苦茶にされて、俺らが優しいと思ってんの?」

「ダメだ。コイツ感覚狂ってるわ」

「結人、俺らが言うのもなんだけどな、相当キツい事シてると思うぞ? なぁ、昨日のも優しいのか?」

「抱き方は激しいけどね、愛されてるなぁ····って。あ··でも、昨日の啓吾は····」

 僕は啓吾との最終戦を思い出し、瞬時に顔が紅潮したのを自覚した。
 昨日、あれから何があったのか。朔に問われ口ごもっていると、凜人さんがUSBを持ってきた。

「どうぞ。皆様の分もご用意してあります。今朝までの分を編集してまいりました」

 仕事が早すぎる。本当にデキる執事さんなんだなぁ、なんて感心している場合ではない。皆も、何を普通に受け取っているんだ。

「結人様の分もございますが、いかがなさいますか?」

「いっ、要りません!!」

「そう仰ると思いましたので、結人様がお喜びになりそうな場面だけを切り取ったものをご用意してありますよ。朔様と場野様のアレや、皆様のカッコイイところなどを。川遊びをされている様子も、実はございまして····」

 川遊びをしている時、凜人さんはコテージで僕の警備をしていたはずなのだが。けど、そんなのどうでもいいや。是非とも欲しい。

「ほ····欲しいです。けど、僕こんなの自分で再生できない····」

「帰ったら俺がどうにかしてやる。結人が自分で見れるように、DVDか何かにしてやるから大丈夫だぞ」

「朔、そんなのできるの? 天才だね!」

 僕が目を輝かせて言うと、とても嬉しそうに僕の頭を撫でた。
 僕たちが騒がしくしていると、のそのそと啓吾が起きて来た。前くらい隠そうよ。

「ふぁ~····おっはよ~」

「啓吾、おはよ。よく寝てたね」

「うん。めっちゃ体重い。ヤリ過ぎたわぁ····。結人は? 体大丈夫?」

「僕は大丈夫だよ。さっき、八千代に綺麗にしてもらったの」

「マジで? 結人強ぇ~」

 なんだか、強いと言われるとすっごく嬉しい。自分の耐久性の良さを誇らしく思い、僕はドヤ顔で言う。

「ねぇ、皆『もう出ねぇ』って思った?」

「「「「思った」」」」

「えっへへぇ~♡ やったぁ」

「んぁ~っ!! 今スマホ持ってねぇのにぃ!」

「えっ····何?」

 啓吾は、僕の満面の笑みを撮れなかったのが悔しかったらしい。

 啓吾が服を着るのを待って、僕たちは朝食と昼食を兼ねた食事をとった。
 そして、僕は皆に連れられて川へと向かう。

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