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2章 覚悟の高3編

アホな大会が始まった

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 カミングアウトから数日。案外これといった出来事もなく、いつもと変わらない日常を過ごしていた。

 翌日なんて、学校に行く勇気を振り絞っただけで、胃がチクチクと痛かった。けれど、行ってみると何のことは無く、教室は普段通りの空気だった。
 冬真と谷川さんが積極的に話しかけてくれたし、他のクラスメイトもこれまでと変わらずに接してくれた。それもこれも、きっと僕の彼氏たちが偉大なのだろう。
 元々人気のあった人達だ。やる事なす事好意的な目で見られるらしい。イケメンは無敵なのだろうか····。
 特に朔は、ぽやんとしているからか、女子からお世話を焼いてもらっている始末。僕の扱い方から教示されている。当然のように、僕を女の子役として話が進んでいるのが納得いかなかった。まぁ、間違ってないんだけどね!

 皆の何が凄いって、周囲の目なんて全く意に介さず、さも当然の如く僕を恋人扱いする事だ。そこに、啓吾の懐っこさときた。幸い、僕の彼氏たちを恋愛対象として見ていない人達からは、蔑まれるような事はなかった。
 しかし、一部の人からは心無い声が聞こえてきた。皆を狙っていた人達は勿論、僕たちの関係を流せない人達からだ。まぁ、こんな特殊な関係だもの。仕方の無い事だ。
 それは覚悟していた範疇なのだから、敵意がないうちは不快にさせないよう注意すればいい。頭から湯気が立っちゃいそうなりっくんに、作った笑顔を浮かべてそう言われた。正直、それが1番怖かった。

 こんなの、皆との関係を隠したまま、皆が狙われ続けるのに比べれば平気だもん。耳と胸が痛むのは、皆が抱き締めてくれれば大丈夫。きっと、大丈夫だから····。


 僕は、いつもより周りに意識が向いていて、多分皆もそれに気づいている。ここ数日、僕の元気がカラ回っている事も、皆は初めから勘づいていた。

 
 メンタルを削られながらも、ようやく静かな週末を迎えた。今日は、朝から八千代の家で癒されている。
 着くなり洗浄されたが、特にそれ以降えっちな事をするでもなく、クテクテになった僕は八千代の膝の上で愛でられていた。
 そして、何故かりっくんが僕の足の爪を切っている。どうしても、やってみたかったらしい。

 それぞれに僕のお世話をしてくれて、いつも以上に甘やかされている。皆は、僕ほどメンタルやられてないのかな? 僕ばかり気にして、のっけからこれじゃダメダメだ。皆みたいに、凛とした態度で臨まなきゃ。
 まずは、お腹の虫が騒ぎ出しそうなので腹拵えからだ。腹が減っては何とやら、だもんね。そろそろお昼ご飯をと思っていたら、啓吾がくっだらない事を言い出した。

「そういや結人さ、修学旅行ん時にザーメンの味で誰のか分かるって言ってたよな」

「ざー····めん?」

「あ~··っはは、精液ね。暇だしやってみよっか」

 言った····ような気がする。分からなくはないと思うけど、今じゃなくてもいいと思う。僕、お腹空いたんだけどな。
 
「え、今から?」

「外したらお仕置きな。あ、ワザと外すなよ」

 八千代がニヤッと笑って言う。それが無性に悔しくて、僕は買い言葉を放つ。

「は、外さないもん!」

 かくして、とんでもない大会が始まった。


 目隠しをされた僕は、順番に皆のおちんちんを咥える。誰が何番かを当てるという単純なゲームだ。
 これ、凄く簡単なんだ。皆の匂いですぐにわかる。咥える前から、顔の前に近づいた時点でわかってしまうのだ。
 けれど、このゲームの趣旨は“精液の味で当てる”なのだ。だから、一応最後まで付き合ってあげよう。皆だって、バカな事をして気を紛らわせたいのだろう。
 それにしても、咥えたらサイズや形ですぐにわかるじゃないか。皆バカだなぁ。なんて思っていたら、これはそんな生易しい遊びじゃない事が判明した。

 1番手はりっくん。香水の匂いでバレると思わなかったのだろうか。
 りっくんはお仕置気じゃない限り、喉を痛めないよう丁寧に慣らしてくれる。皆、それぞれに慣らし方が違うんだよね。こんなゲームで、皆の癖を改めて知る。
 一応、声でバレないよう気をつけているらしく、一言も話さない。いつもの指示がないのだ。けれど、どうすればいいかは身体が覚えているらしい。
 りっくんは亀頭を舐められるのが好き。音を立てて吸うと喜ぶ。根元から裏筋を舐め上げると、いつも腰が跳ねる。
 無音の部屋で、僕の嬌声としゃぶる音だけが響く。耳栓もしてもらえばよかった。
 ラストスパートをかける時、いつもの癖で僕の頭を押さえながら耳を弄る。『あぁ、りっくんだなぁ』なんて思う。
 勢い余って、喉奥に流し込みそうになったのだろう。ギリギリで抜いて舌に射精した。
 
 次は啓吾だ。亀頭を少し舐めて濡らすと、一気に奥まで挿れてくる。啓吾が最初の時だと、りっくんみたいに慣らしてくれるけれど、それでも奥に到達するまでが早い。
 しゃぶってる僕の頬を撫でるのは癖なのだろう。あの“僕をイジメたい”と訴える、うっとりとした目を見られないのが残念だ。
 片手で頭を押さえ、興奮すると後ろ髪を掴む。僕を使いたいんだなって思うとドキドキする。イク時に『んぁっ』って声を漏らしてしまうのも啓吾らしい。

 八千代は初めての時から変わらない。壊れ物に触れるように、慎重に僕の唇に触れる。最近は扱いが雑になる事もあるが、基本的には丁寧だし優しい。
 僕の顎を持って、唇に亀頭を滑らせる。先っぽに舌を挿れ、そのまま舌を絡めながら咥える。舌の奥で裏筋を擦りながら、少しずつ飲み込んでゆく。
 僕が嗚咽を漏らすと、どんどん動きが激しくなっていく。とりあえず、八千代は吐かせるのが好きらしい。
 僕が苦しそうに喉奥で咥え込むと、奥で小さく動かす。いつもなら、このままさらにねじ込んでからイクのだが、今日は舌の上に射精した。

 最後は朔だ。いやね、サイズで分かるって思わなかったのかな?
 朔のを咥えるのは一苦労で、僕の小さい口では顎が外れそうになる。喉奥まで挿れても、根元までは入りきらない。まぁ、皆のもギリギリ全部入るかどうかって感じなんだけど。
 とにかく、朔のおちんちんを口で相手するのは大変なのだ。だから、沢山舐めて気持ち良くなってもらう。
 朔も、根元から裏筋までを舐め上げるのが好き。そのまま舌を離さず亀頭を咥える。
 口内で亀頭を舐め回すと、徐々に腰を振り始める。そして、少しずつ奥へと進んで、僕が壊れてしまわないように喉を突く。口のナカが朔でいっぱいになっていると思うと、それだけでイッてしまいそうになる。どうも、僕は変態らしい。
 朔は、僕の耳や顔を触るのが好きみたいだ。イクまでずっと、指を絡めて手を繋いだり涙を拭ったりする。それが嬉しくて、何も見えないけど必死に応える。
 兎にも角にも、終始僕に触れていたいらしい。愛されてるなぁって実感して心が緩んでしまう。

 僕は何をさせられていたのだろうか。皆の癖や好みを再確認して、心臓が痛くなるほどドキドキする羽目になった。
 視覚を奪われるだけで、他の感覚が研ぎ澄まされる。その所為で、いつもより感度が増していた。おかげで、顔や耳を触られて精液を飲んだだけなのにトロントロンだ。

 さて、全員出し終えたので目隠しを外す。外す前にシャッター音が聞こえたのだが、誰だ。

「今更だけどさぁ、目隠しマジでエロいんだけど」

 啓吾が言う。後で、もう一度目隠しをするよう言われた。そんな、期待を持たせるような事を言われても困る。まずは、既にトロトロになってしまった責任をとって欲しい。
 その前に、このくだらない遊びの結果発表だ。

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