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2章 覚悟の高3編

だからって····もう!!

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 休み時間が終わる頃。教室に駆け込んできた啓吾が、矢庭に僕を抱き締める。そして、女子が追いかけて来たのを確認すると、啓吾は僕にキスをした。
 女子達の悲鳴が響く。一体、何が起きたのだろうか。状況が飲み込めない僕を置き、啓吾は女の子達の方を見て強い口調で言う。

「わかった? マジだから。もう皆とは遊ばないの。ごめんね」

 啓吾は僕の肩を抱いたまま、ひと仕事終えたかのように一息吐いた。啓吾の言葉を聞いて、走って逃げてしまう子や泣き崩れる子まで居た。
 そんな女子の間隙を縫って、りっくんが僕に歩み寄る。りっくんについて来た女の子達でギャラリーが増えた。
 そして、りっくんは啓吾を押し退けると、僕の頬に手を添えてそっとキスをした。僕は、女子の叫喚に驚き体が跳ねた。

「俺、本命はゆいぴだけだから」

 そう吐き捨てるや、啓吾とりっくんは八千代に頭をはたかれた。

「テメェら何やってんだよ! アホすぎんだろ!」

「だぁ~ってぇ····、みんな全然信じてくんないんだもん」

「俺も。俺がゆいぴに甘いの、全く信じてもらえなかったんだよね。あんなに可愛がってたのに」

「莉久はこれまでの塩対応の所為だろ。俺なんか、結人の事も遊びだとかフザケてるんだとか言われたんだぜ!?」

「それはお前らの自業自得だろ。それより、早く収拾つけろよ」

 朔に言われて、啓吾とりっくんはウンザリした顔で女の子たちを見る。教室のざわめきも収めなくてはならない。本当にバカなんだから····。
 りっくんと啓吾は廊下で説明をして、2人について来ていた女の子達を見事に退けた。問題は、教室に残された僕たちだ。
 周囲からの視線が痛い。人前で、それも学校でキスするなんて、本当に信じられない。後で絶対に文句を言ってやるんだ。
 僕は、俯いて頬を膨らませた。そして、少し泣きそうになっていた僕の手を取り、朔が王子ごっこを再開した。

「姫、群衆を退けて見せましょうか」

「ど、どうやって?」

「いけ、場野。威嚇しろ」

 朔は八千代を繰り出した。もはや、王子ではなく某トレーナーだ。しかし、八千代はそっぽを向いた。まぁ、当然だろう。
 朔の『使えねぇな』とでも言いたげな顔を見て、八千代は小さく舌打ちをした。間違いなく機嫌を損ねている。啓吾だったら、確実に蹴られていただろう。

「朔、威嚇はダメだよ。あとね、面倒な時に八千代使うのやめようね」

「ダメなのか····。だったらしょうがねぇな」

 そう言って朔は、こう続けた。

「騒がしくして悪かった。俺ら、本気で付き合ってるんだ。できたら、あんまり騒がないでほしい。あと、結人に手ぇ出したら許さねぇのも本気だから、それだけは気をつけてくれな」

 なんて、バカみたいに真っ直ぐ言って王子スマイルを炸裂したものだから、思わず男子までもが嘆称した。これは流石に予想外の展開だ。
 想定していたよりも酷い反応ではなく、『瀬古くん頑張って』だとか『武居くん羨ましい』なんて言葉が飛び交った。男子からしてみれば、学年の4大勢力が僕に集中しているのだから、願ったり叶ったりという所だろうか。寛大な世の中になったものだ。


 お昼休み、僕はりっくんと啓吾をしこたま叱った。いくら隠さないと言っても、やっていい事とダメな事がある。
 2人は反省している様子だが、女の子達に納得してもらう為だから仕方なかったと反論してきた。
 けれど、八千代に『これまで遊んできたツケだ』と言われ、2人は本気でヘコんでいた。これは、放っておいたらそのうち、本当に僕がアレを言わされるかもしれない。それだけは、絶対に避けたい。

 今日は放課後までずっと、僕たちの所為で学校がザワついていた。それと言うのも、啓吾とりっくん目当ての女の子達が騒ぐから、瞬く間に学校中に広まったのだ。
 湧き上がったように騒がれるのなんて、きっとほんの数日の事なのだろうけれど、あまりの注目度にくたびれてしまった。
 ぐったりした僕の為に、朔が沢山苺の乗ったケーキを買ってくれた。食べて元気を出せと言って、八千代の家に着くなり朔が食べさせてくれた。苺の酸味とクリームの甘みのバランスが良い。
 八千代がココアを入れてくれて、ようやくホッと一息つく。そして、それを飲んだら洗浄に行くと言われた。

 宣言通り、ココアを飲み終えると拉致られた。正直、今日は少し気分が乗らなかったのだが、八千代に触れられるとスイッチが入ってしまう。
 ベッドに戻ると、八千代が深いキスを何度も強請る。

「ココア飲んだ後のキス甘ぇな。ぁんでそんなに可愛いんだよ」

 僕の乳首を弄り首筋を吸いながら、八千代は眉間に皺を寄せて言った。褒められたのか怒られたのか分からない。そもそも、キスが甘くて可愛いって、どういう事なんだ。

 バカな事を言って、八千代は美味しそうに僕の乳首を舌で転がす。吸いながら唇で食むのが気持ち良すぎて、八千代の髪をくしゃっと握ってしまう。すると、何故だか嬉しそうに笑うんだ。
 八千代が胸ばかり弄っていると、後ろからりっくんが項にキスをした。ローションを馴染ませると指を挿れ、息を荒くしながらも優しく解してくれる。そして、余った手で存分にお尻を揉みしだく。

「ひぁん!!? あん、やぁ····りっくん、お尻揉みすぎだよぉ」

「手に吸いついてくるんだよ。しょうがないでしょ」

 ちゅぱちゅぱと音を立てて肩に吸い付き、時々強めに噛む。凄く痛いんだけど、それが快感に変わる瞬間が好きだ。

「い゙っ、あ゙ぁ゙····っ!! りっくん、痛いぃ゙····ふぅ、んんっ♡」

 痛がる僕を見て興奮したりっくんは、ぬちゅぬちゅとアナルにおちんちんを押し当てる。ぬぷぷと押し込んで、ゆっくり動いて馴染ませる。

「うっは····キッツ。痛かったら言ってね。動くよ」

「痛くない····気持ちぃよぉ·····んやぁぁっ!!」

 コリコリを押し潰しながら、ゆっくりと奥へ進む。焦れったい進み方をされると、どうにも押し返そうと力が入ってしまう。
 しかし、奥まで到達すると、こちゅんという衝撃と同時に脱力する。この瞬間、僕は必ず一度イッてしまう。

「りっくん、もっと奥ずんずんしてぇ····気持ちぃ」

「いいよ。息止めないで··ねっ」

 そう言われたのに、思い切り突き上げられると息が止まる。目がチカチカして、全身を巡る快感があちこちで爆発する。
 八千代がキスをして、上手く息をさせてくれた。舌を甘噛みされ、胸とおちんちんを弄られる。もう、何処に意識をやればいいのかわからず、快感が涙となって溢れてくる。

 僕が泣くと、皆は例外なく昂ってしまうようで、途端にピストンが速まる。キスも激しくなり、イクのが止まらない。
 僕のピークが近いと察したのだろうか。しつこく奥の入り口を抉っていたりっくんが、僕の耳を噛みながら貫いた。八千代に口を塞がれている所為で声が出せない。
 ぎゅぅっと目を瞑り『んーんー』と唸る。2人の責めが止むことはなく、そのままの勢いでりっくんはナカにぶち撒けた。
 りっくんが自分の出したモノを掻き出すと、矢継ぎ早に八千代が入ってくる。僕は八千代に跨り、騎乗位という体勢で自ら動くよう言われた。いやね、無理だから。

「う、動けにゃい····。足、力入んないよぉ」

「ったく、しょうがねぇな。来い」

 八千代はふっと笑みを浮かべ、僕を優しく抱き寄せた。そして、両手でお尻を鷲掴むと、凄い勢いで突き上げ始めた。

「んあ゙ぁ゙ぁぁっ!!! 待っ、やぁぁっ!! 速っ、ちゅぉいっ!! やちぉ、らめぇっ♡ んぉ゙っ、イ゙ッぢゃうぅ!!」

「イケ。そのままイキ続けてろ」

 えっちな声で囁かれ、僕は何度も何度もイカされてしまった。

 八千代がようやくイク気になった時、僕はもうピクリとも動けず、八千代の上で丸まっている事しかできなかった。キスをしたくても、八千代の胸の上で拳を握り締めるのだけで精一杯だ。
 僕が動けないのをいい事に、八千代は好き放題に突き上げる。奥の扉の少し手前、でも奥に響く所。そこをずっと擦って抉って、今度は大きく出し入れする。
 
「やらっ、やちぉ····も、イクのっ、止まんにゃいぃ····んぅ゙あぁぁっ!! おっきく動くの、らめぇ······」

 僕が力なく言うと、八千代は『ふはっ』と笑ってラストスパートをかけた。僕の下半身が激しく上下する。それを八千代が押さえ、逃げられなくなったところに長い射精をした。


 八千代の上で気を失っていた筈だが、目が覚めると朔に膝枕をしてもらっていた。激しく犯され、時間ギリギリまで眠っていたようだ。

「朔、啓吾····寝ちゃってごめんね······」

「いいよ。明日、めっちゃ抱くから」

 啓吾が、僕の顎をクイッと持ち上げて言った。それに続いて、朔が僕の耳の裏を嗅ぎながら言う。

「俺も明日な。いっぱい気持ち良くしてやるからな」

「ふぁぁっ····朔、そんなとこスンスンしないでぇ」

「ん? なんでだ? なんか花みたいな甘い良い匂いだぞ」

「恥ずかしいよぉ····」

 僕のはシャンプーの匂いだろう。そう言う朔は、もっと良い匂いがするのだけど。
 恥ずかしいけど嬉しい。心があったかくなる。幸せな時間だ。しかし、それを惜しみながら僕は帰り支度をする。


 満足気な八千代にバイクで送ってもらい、明日に備える。きっと、今日よりも空気が痛くて辛いだろう。僕はぐっと拳を作り、自分に気合いを入れた。

「よしっ! 明日から皆の恋人として、が、頑張る!」

「ははっ、何をどう頑張んだよ。お前は何もしねぇでいいんだよ。俺らから離れんな。誰にも何も言わせねぇから大丈夫だ」

 そんな都合の良い話があるわけがない。けれど、八千代に頭を撫でられると、本当に大丈夫だと思えるのだから恋は偉大だと思う。
 僕だって、強くならなくちゃ。八千代の襟を引き寄せ、キスをしてから僕は家に入った。

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