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1章 始まりの高2編

明日からは······

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 僕は、りっくんに抱き潰されて気を失ってしまった。純平くんに目を舐められた事を伝え忘れていて、怒ったりっくんから執拗に責められたのだ。僕は、りっくんの長い射精に耐えられなかった。
 目を覚ますと、満足そうな顔をしたりっくんが、僕の太腿を枕にして寝ていた。

「これ、どういう状況?」

「お前の意識が飛んだ後、莉久が1人で全部片付けて、なんか満足そうに寝たんだ。んなとこで寝るから、俺らはお預け食らってた」

 りっくんとは対照的に、不満そうな朔が説明してくれた。
 
「りっくん、起きて。足痺れた····」

「ん····。ごめん、重かったよね」

「大丈夫だよ。りっくん、首痛くないの? 変な角度で寝てたけど」

「大丈夫。ゆいぴの太腿、すべすべで気持ち良かったよ」

「うわぁ····りっくん、それ完全に変態だよぉ」

 快感とは違う、ゾワッとしたものを感じた。
 りっくんは、僕の太腿を撫で回しながら口付け、沢山キスマークをつける。

「莉久、起きたんならさっさと退け。次俺な」

 八千代がりっくんをベッドから蹴落とし、僕の目の前に来た。何故だか、すごく見つめられている。

「八千代? なに? そ、そんなに見られたら穴空いちゃうよぉ····」

 八千代が僕の首に手を添えて、親指で頬を撫でる。僕が思わず視線を逸らすと、八千代は親指で下唇をふにっと押さえて言った。

「思いっきり舌出せ」

「んぇー····?」

 僕が全力で舌を出すと、八千代と僕の舌を大きく擦り合わせるように舐めた。少しザラついた感触が妙に気持ち良くて、ビクッと腰に力が入る。

「んなっ!? 何!?」

 僕は、両手で口を覆い隠した。顔面がボボボッと紅潮してゆくのがわかる。

「お前、こないだ上からキスした時気持ち良さそうだっただろ」

「き、気持ち良かったけど! 急にしたらびっくりするでしょ····。それにこれ、なんかすっごく恥ずかしいんだけど······」

 これが暫く、僕たちの間で流行るなんて、この時は思わなかった。

「ははっ。お前、すぐ真っ赤になんな。マジで可愛い」

 そう言って、八千代は普通にキスしてくれた。普通と言っても、息ができなくなるほどの激しく深いキスだけど。

「ん····ふぁ······んぇ゙っ」

 キスをしながら、八千代が僕のナカに入ってくる。大きなそれで押し拡げながら。ゆっくりと奥の入り口にキスをする。僕の奥が吸いつくんだとか言われたけど、自分ではよくわからない。ぐりぐりと奥を潰されるのは、ただただ気持ちが良いだけだ。

「やっ、八千代ぉ····奥ぐりぐりしたら、イッちゃう····」

「イけよ。イクの辛くなるまで抉ってやろっか?」

「やだぁ! また失神したら、朔と啓吾とできなくなるよぉ」

「そうだな。時間もあんまねぇしな。んじゃ、奥でイかせてやるよ」

「待っ····んあ゙ぁ゙ぁぁっ!!」

「おい、ケツ締めすぎんな。お前····こんだけ俺らの相手してんのに何でこんなキツいんだよ」

「んぇ? 知らないよ、そんなのぉ····気持ちぃと、勝手にっ、ひんっ····ぅあぁっ、締まっちゃうんだもん」

「あっそ····。結人、こっち見ろ」

 八千代が片手で、僕の両手首を頭上で押さえる。反対の手で顎を持って、りっくんがしたように目玉を舐める。

「ひぁっ、にゃに····やちぉ····やっ····ふぇ····」

「気持ち良いか?」

「んっ、気持ちぃ····」

「怖くねぇか?」

「怖くないよ。皆になら、何されても怖くない」

「そうかよ。なぁ、お前からすんのは嫌なんか?」

「んぇ? ····する?」

「俺にキスマークつけてみろよ。お前からした事ねぇだろ。噛んでもいいぞ」

「えぇ····。上手にできるかな····。キスマークって、吸えばいいの? 噛むのは····無理だけど」

「待ってよ。俺もゆいぴにキスマつけてほしい。ゆいぴの“初めて”欲しい」

 なんて、りっくんが言ったから揉め始めた。結局、いつも通りジャンケンで決めるらしい。


「ぅおっしゃぁぁぁ!! 勝ったぁぁ!!!」

 そう叫んだのは八千代だった。りっくんがゴネて、3勝先取したら勝ちというルールを設けたせいで、まぁまぁ長い戦いだった。

「八千代のガッツポーズ、初めて見たかも。そんなに嬉しいの?」

「当たり前だろうが。お前の“初めて”は1個でも多く奪いてぇからな」

 やらしい笑みを浮かべて、なんとも破廉恥な言葉で僕を赤面させる。

「ばっ、バカなこと言わないでよ。もう! 僕の初めてなんて、ほとんど皆が持ってってるでしょ····」

 僕がツンとして照れを隠していると、八千代に押し倒されお尻を持ち上げられた。そして、八千代が上から僕を突き刺すように、ズンッと奥まで入ってきた。
 衝撃の重さに目がチカチカして、一突きで深くイッてしまった。

「んあ゙ぁぁっ!! 奥っ、ちゅおいよぉ····」

「ははっ。良いイキっぷりだな。さっき莉久に、もう出ねぇつってなかったか? まだまだイケそうだな」

 そんな事、言ったかもしれない。けれど、眠ったからだろうか。少し復活したようだ。

「んぅ····いっぱいイキたい。····待って、キスマークは? 僕、まだ吸ってない」

「おぉ、そうだったな。ドコにつけたい? 好きなトコにつけていいぞ」

「えっと····胸?」

「は? 首じゃねぇの? 俺は見えても気にしねぇけど」

「お前なぁ、首にキスマつけて結人に言い寄る気かよ。ヤッてますつってるようなもんだろ」

 啓吾が指摘をする。ごもっともだけど、少しだけ付けたいなと思ってしまった。
 八千代は、僕の視線が首に向いている事に気づいたのか、啓吾の忠告なんて無視して首筋を差し出す。

「ダ、ダメだよ····。啓吾が言ってたでしょ······」

「ココにつけたいんだろ? 俺がお前のモンだって、しるしつけてぇって顔してる」

 八千代が自分の首を指差して言う。完全に誘われている。

「し、してないよ····」

「してる。ほら、つけろよ。パーカーとか着て見えねぇようにしてやっから大丈夫だ」

 後頭部を持って、顔を首筋に寄せられる。ふわっと八千代の匂いを吸い込んで、ぶわっと顔が熱くなる。

「あんっ、待って····腰、動かしたら、ひぁっ、吸えない······」

「あぁ、わりぃ。動かねぇから、お前がつけたい所につけろ。なんも考えんな。お前のしたいようにしろ」

 僕は、その言葉に素直に従った。八千代に抱きつき、皆が僕にするように首に吸いついた。これでつくのだろうか····。
 そっと口を離し、吸った所を見てみる。少し赤くなっている。これは、成功じゃないだろうか。

「上手くできたか?」

「できたよ! えっとね、ちょっと赤くなってる」

「ははっ。そうか。満足か?」

「えっ····ま、満足····です」

「そりゃ良かったな。けど、もっと吸わねぇとしっかり残んねぇぞ。身体で覚えろよ」

 そう言って八千代は、僕の鎖骨と胸にキスマークをつけた。吸い方が、僕のなんかとはケタ違いにえっちだ。

「んっ、ふあぁっ····もっと、いっぱい吸ってぇ」

「いいぞ。背中向けろ」

 一度僕から出た八千代は、僕をひっくり返して肩に噛みついた。

「いあぁっ!! ん゙ゔぅっ····イ゙ッたぃ····」

 僕が痛みに悶えていると、八千代が再び挿入した。

「んにゃぁぁぁ♡‪♡‪ イッてぅ! 八千代、イッてぅからぁ!!」

「おー、イけ。好きなだけ吸って噛んでやるからイキまくれ」


 八千代は、僕の背中に沢山のキスマークと噛み跡を残した。朔と啓吾が待っているのに、容赦なく抱き潰されてしまった。

「おい場野。お前、後の事考えろよ。俺らがヤる時間ねぇだろ」

 朔がご立腹だ。

「わりぃ。コイツが痛がってイクん見てたらつい····な。わかんだろ」

「わかるけどね。これは痕つけすぎだろ····。えぐぅ。結人、痛くねぇの?」

「んぇ? らいじょぶ。ちょっと痛いけど、痛いと皆の事思い出すからね、幸せぇ」

「ははっ。なら、爪痕が嬉しいのわかった?」

「えへへ。わかったぁ」

「んじゃ、俺も痕だけつけよっかな~」

「うん。いっぱいつけて。あっ、首はダメだよ?」

「わかってるよ。そんじゃ、足開いて」

「待て。先に風呂入れてやんねぇとだろ。髪乾かしてる間にでもやれよ」

 そう言って、八千代は僕を担いでお風呂に連れ立った。


 八千代に髪を乾かしてもらっていると、待ってましたと言わんばかりに啓吾が寄ってきた。そして、僕の内腿にキスをし始める。
 啓吾は内腿に痕をつけるのが好きだ。絶対に、自分たちしか見ない所だからって言ってたっけ。
 啓吾は僕の内腿に噛みつき、その隣にキスマークをつけた。

「ふぇぇ····噛むのは聞いてない····」

「ごめんごめん。けど、イッたな。気持ち良かった?」

「····良かった」

「ん~っ、可愛いなぁ」

 悶えた啓吾に、激しいキスを見舞われる。髪を乾かし終えると、朔が腰にキスマークを刻みにやって来た。一体、何個つける気なのだろうか。


「んっ····やぁっ······啓吾、朔がやめてくれない····」

「朔、もういいだろ。結人が照れちゃって、顔上げらんなくなった」

「お、可愛いな。結人、こっち向け。俺ともキスしよう」

 僕を振り向かせると、朔は深く優しいキスをしてくれた。息をする余裕がなくて少し苦しいけれど、愛しい気持ちで胸がいっぱいになる。

「ん、ふぅ····朔、好き······」

「俺も好きだ。結人、舌出せ」

「んぇ····」

 朔は、八千代がしたように舌を擦り合わせる。

「ひゃっ!? 朔まで何してんの!? これ、恥ずかしいからヤだってぇ····」

「結人、俺もシたい。はい、べーして」

「や、やだよぉ····」

「べー、して?」

 少し威圧的に言われ、おずおずと舌を出す。

「ちっせぇ舌、可愛いなぁ」

 そう言って、啓吾が舌を擦り合わせ、そのまま僕の舌を吸う。

「はぅ、んっ····へーぉ、ふぅ······」

 舌が引っこ抜けそうなくらい吸われながら、啓吾の口の中で舌先を舐められる。腰から背中を、ぞくぞくと快感が抜けてゆく。
 そして、僕がイッてトロトロになったところで、漸く解放してもらえた。だが、僕は力が抜けてしまい啓吾に抱きつく。

「結人、気持ち良かった?」

「よ、良かった····」

「そっか。立てる?」

「ちょっとムリかも····」

「啓吾、ゆいぴ貰うよ」

 動けない僕を、りっくんが抱き上げて回収する。僕をベッドに座らせ、服を整えてくれる。

「りっくん、ありがと。そっか····帰らなくちゃね····」

「そうだよ。おばさん、心配しちゃうでしょ」

「うん。でも、もっと皆と一緒に居たいな」

「俺らだってもっと居たいわ。けど、今はお前の親に信用してもらうのが最優先だからな。卒業までの我慢な」

 八千代がそう言って、僕の頭をぐりぐりと撫でる。子供扱いされているようで、なんだか複雑な気分だ。
 だけどきっと、僕を帰したくない気持ちを抑えて、僕よりも沢山我慢をしてくれているのだろう。そうやって、いつも皆が僕の理性を留めてくれる。

「はぁ~、明日から学校かぁ。めんどくせぇな~。腕も治りきってねぇし」

「まだ痛む?」

「たまーにね。まぁ、イイ感じに治ってきてるみたいだから大丈夫だよ。来週くらいから、リハビリかなんかに来いって言われたけど。めんどくせ~」

「僕、一緒に行こうか? 荷物とか持つよ」

「マジで!? 荷物は持たなくていいけど、一緒に行こ。デートしようぜ」

 病院について行くと言っただけなのに、啓吾が嬉しそうにニコニコしている。犬が尻尾を振っているのを思い出して笑ってしまった。

「そうだね。デートしようね」

「俺も行く。結人に何かあっても、その腕じゃ守れねぇだろ。大畠のリハビリ待ってる間1人になっちまうし、待ってんの退屈だろう」

 朔が名乗りを上げた。八千代とりっくんは、出遅れたという顔をしている。病院に大勢で行くわけにもいかないので、ここは引き下がってくれるようだ。

「あ~そうだ、クラス! 皆一緒だといいね。って、5人一緒は難しいか····」

 話題を変えようと思ったのだが、ミスったかもしれない。

「そうだねぇ。流石に全員一緒は厳しいんじゃない? けど、1人だけが違うクラスじゃなかったらまだいいよ。ホント辛いから」

「あははっ。莉久、マジで行事毎に苛ついてたもんなぁ。なんだかんだ言って、こっちに乱入してきてたけど」

「まぁね。俺だけゆいぴと居られないとか、何の陰謀だよって思ってたもん。クラスも気になるけどさ、それより双子だよ」

「だよなぁ。アレから何もないっつぅのが気になるな。正直、それどころじゃなかったから放置してたけど。埋めた後、どうなったか知ってんの?」

「一応、監視で杉村つけといた。仲間みたいのが来て掘り起こしたらしいぞ。手首だけ出して、スマホ持たせてやってたから呼んだんじゃねぇ? 流石にマジで殺す気は無かったからな。そん後は知らねぇ」

 2人は地面から抜け出したあと、大人しく家に帰ったそうだ。杉村さんは爆笑しながら、八千代に報告を寄越したらしい。

「今日まで何も無かったっつぅのが気になるな。学校始まったら嫌でも会うだろうし、何かしらのアクションがあるかもしれねぇぞ。暫くは、厳戒態勢を維持しとかねぇと危ねぇかもな」

「僕、今度は戦うよ!」

「「「「は?」」」」

「僕もね、戦うんだ。朔に空手教えてもらってたの」

「あぁ、護身術的なやつな。あれは空手じゃねぇぞ。合気道だ」

「そうなの? よくわかんないけど、頑張るよ!」

「頼もしいねぇ。そういや結人、なんかすげぇ頑張ってたもんね」

「おー、人ん家でドタバタやってたもんな。じゃれてんだと思ってたわ」

「失礼だなぁ····。僕ね、八千代だっていなせるくらいになるまで頑張るんだ」

「はぁ~ん····まぁ、頑張れよ。いつでも相手してやんぞ。けどお前それ、ヤる時にいなしたらマジで潰すからな。考えてやれよ」

「····ん? うん」

(何をやる時だろ。けど、そっか····。八千代をいなしたら潰されちゃうんだ。喧嘩になっちゃうのかな? やだなぁ。ホントにするわけないのになぁ)

 僕が考え込んでいると、りっくんが呆れた顔をして言う。
 
「ゆいぴ、わかんないのにテキトーに返事しないの」

「んぇ? ご、ごめんなさい····」

「あ? わかってねぇの? 何がわかんねぇんだよ」

「やるって、何をやる時かなぁって。あと、ホントに八千代に技かけたりしないよ? 喧嘩したくないもん」

「ははっ。俺がお前を犯そうとした時にいなしたら、抱き潰すぞって意味だ。お前とは口喧嘩もできる気しねぇわ」

「あぁ、そういう事か。····そんな事、するわけないでしょ。ん? 待ってよ。口喧嘩なら僕だって、八千代に勝てるかもしれないよ」

「違ぇよ。口じゃどうせ、俺がお前に勝てねぇんだよ。惚れた弱味っつぅやつだな。お前に手ぇあげるとか、もっと考えらんねぇ」

 なんて恥ずかしい事を言いながら、八千代は僕の荷物を手渡してくれた。

「ほら帰んぞ。送ってやるから」

「あっ、バイク!」

 以前、乗りたいと言ったらタイミングが悪くて乗れなかったのだ。だから、今度八千代が送る時にと約束していた。その日が来たのだ。

 僕をバイクで送ると、八千代は母さんに挨拶をして帰った。公認になってからというもの、送り迎えの時、皆が母さんに挨拶をするのが習慣になっている。それもこれも、母さんに信頼してもらう為である。

 明日は皆で迎えに来てくれるらしい。一緒にクラス発表を見るのだ。
 今日はドキドキして眠れそうもない。と思っていたが、皆とのグループ通話の途中で寝落ちして、バッチリ22時には夢の中だった。
 可能性は低いかもしれないけれど、みんな同じクラスだといいな。心配事は残ったままだけど、これからも皆で乗り越えていくんだ。そんな事を思ったのは夢だったのか、はたまた口に出してしまっていたのか。
 翌日、朝から皆に撫でられて、寝言で言っていたんだと知るのだが、その話はまた次の機会に······。
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