ちっこい僕は不良の場野くんのどストライクらしい

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1章 始まりの高2編

問題は続けざまに起きる

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 朔とシャワーを浴び、再びお姫様抱っこで八千代の部屋に戻る。ベッドは綺麗に片付けられていて、そっと寝かせてもらう。
 テーブルの横で、大の字で寝ている啓吾が気になって、りっくんに様子を聞いてみる。

「啓吾、大丈夫?」

「ちょっと熱出てきたみたい。今、場野がアイスノン取りに行ってる」

「啓吾の隣に行きたい」

 僕の我儘に、りっくんが応えてくれる。脚に力が入らないので、抱っこをして啓吾の隣に移動させてもらった。

「ありがと、りっくん。······ホントだ。汗も凄いね。タオル····」

 おでこを触ると熱かった。いくらふかふかのカーペットの上とは言え、身体が冷えてしまいそうなので、手近にあったタオルで汗を拭う。
 八千代がアイスノンと毛布を持って戻ってきた。頭の下にアイスノンを置き、腕に気をつけて毛布を掛ける。

「啓吾、大丈夫かな····」

「脳は異常なかったんだろ? 腕もヒビだけだろ? 大した事ねぇよ。大丈夫だから、あんま心配すんな」

 八千代が、僕の頭をポンポンして言った。だが、心配せずにいられるわけがない。

「大した事あるよぉ····」

「大した事ないよ。結人、おはよ」

 騒ぎすぎたのか、啓吾が起きてしまった。

「おはよ、啓吾。どこが大した事ないの? 熱も出てきてるんだよ」

「あぁ、通りで····。あっついなーって思った。結人は? 綺麗にしてもらった?」

「あと、俺と場野が残ってる」

 りっくんがドヤ顔で言った。

「うーわ。めんどくせぇの残ってんな」

「めんどくせぇ言うな。大畠、アイス食うか?」

「食う」

「啓吾、僕が食べさせてあげるからね」

「ゆいぴ、右手は生きてんだから1人で食べれるよ。ゆいぴは俺とえっちすんの。ほら、ベッド行くよ」

 そう言って、りっくんは僕を抱き上げた。

「あっ、やだぁ。啓吾にアイス食べさせてあげるの」

「もう····、仕方ないなぁ。アイス食べさせたらするからね?」

 りっくんは、渋々下ろしてくれた。

「へへっ。怪我の功名ってヤツだな」

「もう! 何言ってんの。けど、今日のお泊まりはね、啓吾のお世話をする為でもあるんだよ」

「そうなの? んじゃ、いっぱい世話してもらお」

「いいよ! 何でも言ってね」

 八千代が持ってきてくれたアイスを、ゆっくりと食べさせてあげる。軽快な口とは裏腹に、やはり身体はしんどそうだ。

「アイス食べたら、もっかい寝る?」

「んや、もう眠くねぇわ。結構寝てたくない?」

「1時間ちょっとかな? いっぱい寝て、身体休めなきゃだめだよ」

「ん。眠くなったら寝るから大丈夫だよ」

 たぶん寝ないやつだ。僕は動けるようになったので、アイスを食べ終えた啓吾の着替えを手伝う。
 
「それ、腕抜いて大丈夫なの? え、動かせるの?」

 啓吾は、腕を吊っていたアームホルダーから、スルッと腕を抜いた。

「意外と大丈夫だよ。痛いけど」

「痛いならダメでしょ! 動くにしても、もっとゆっくり動かさないと」

「はーい。あ、風呂どうしよ」

「明日の朝一緒に入る? 手伝うよ。頭も洗ってあげる」

「マジで!? やった~」

「お前、怪我してるからって調子ん乗んなよ。ずりぃぞ」

「朔、狡いとかじゃないでしょ? 朔も洗ってほしいなら、今度洗ってあげるから」

「なにそれ、俺も!」

「はいはい。りっくんもね。なんなの? 僕、そんなに気持ち良く洗えないと思うよ」

「結人が洗ってくれるっつーだけで、気持ち良さそうなんだよ。うぉっ····引っかかった。ごめん、結人。服、下ろして?」

「うん。····わぁ······」

「なに? どったの?」

「や、なんでもない····」

「なんで顔真っ赤なの?」

「違っ、なんか····ね。啓吾、胸とかお腹とか、筋肉凄いなぁって····。お世話しててさ、恋人っぽいなぁって思って、僕のなんだぁって思ったら······ねっ!?」

「あっはは! なるほどな。可愛い奴めぇ」

 啓吾は右手で僕を抱き締めた。額から耳へ、耳から頬を経由し口へと唇を這わす。熱の所為で舌が熱い。

「ふぁ····へーほ、むぃ、しちゃ····んぅ、らめ」

「ん····今、キスしかできねぇから。いっぱいさせて」

 りっくんが、恨めしそうな顔でこちらを見ている。きっと、啓吾の気持ちと状態を汲んで、物凄く我慢してくれているのだろう。
 僕は、そんなりっくんを横目に、啓吾の顔を両手で包みキスに応える。絡められる舌に合わせようとするが、まったく思うようにできない。

「んぇ゙····ぁ゙ぇ····んふぅ、はぁっ······」

「結人、キス顔可愛すぎな」

「りっくん、もうちょっと待っててね。啓吾の、苦しそうだから口でシてあげたい」

「っはぁぁぁ····。いいよ。ゆいぴのシたいようにシていいんだよ」

「ちょ、え、俺はいいよ? 結人に何もしてあげらんないし」

 啓吾は遠慮しているようだが、そんなの知ったことではない。熱がある上に、悶々していたら絶対に寝られないだろう。だって、啓吾なのだから。

「りっくん、ありがと。啓吾、動いちゃだめだよ? ぁむ····」

 僕は、啓吾のおちんちんを勝手に取り出して、口に含んで反応を窺う。どうやら、気持ち良くなってくれているようだ。時々腰が跳ねて、快感を得てくれている事が知れる。

「結人、喉奥挿れていい?」

「ん、おうあふう(僕がする)····んぇ゙、ぉ゙····ぇ゙····んぅぁっ」

 上手く飲み込めて、にゅるんと喉の奥に入った。流石に、この状態では苦しくて自分で動けない。啓吾はそれを察して、僕の頭を押さえ腰を振る。
 あぁ、苦しい。息ができない。今日の啓吾はいつもよりしぶとくて、ふわっと意識が飛びそうになった。
 焦点が合わなくなってきたところで、ようやく啓吾がイッてくれた。だが、僕は半分意識が飛んでいた。

「あーあ····。もう、ゆいぴ貰ってくよ」

「はいは~い。ふぅ····。結人、必死だねぇ」

「そうだな。誰一人、いつも通りになんてできてねぇもんな」

「そだね。結人も肌で感じてんだろうね。すげぇ献身的じゃん」

「たぶん、また不安でいっぱいになってんだろうな。どんだけ大丈夫だつってもダメみたいだ。それはそうと、大畠。お前、身体大丈夫なのか?」

「うん。ちょっと熱っぽいけど、薬効いてるみたいで痛みとかは無い。俺もヤりてぇなぁ」

「アホか。怪我した日くらい大人しくしてろ」

「今日だから抱きてぇんだろ? ったく、わかってるくせにさぁ····」

 皆、それぞれに思う事があって、それでも想いはひとつなんだ。僕が心に負った傷を、少しでも癒してくれようとしている。激しく抱くと言ったのも、何か思うところがあっての事だろう。

「りっくん、キスしたい····」

「俺から? ゆいぴから?」

「僕から····していい?」

「勿論。ん····」

 りっくんが目を閉じて待ち構える。綺麗だなぁ、なんて思いながら唇を重ねる。
 そして、勇気を出してりっくんの唇を少し舐めてみた。それが、りっくんのスイッチを押してしまったらしく、貪るようなキスを見舞われた。

「んふぁ····りっく··んっ······は、ぁ····ぇ゙ぅ····」

 奥まで舌をねじ込まれ、上手く息ができない。ボーッとしてきて、また意識が遠退きそうになる。

「ゆいぴ、挿れるよ」

 耳に甘い声を流し込まれ、ぶわゎっと込み上げた。おかげで飛びかけていた意識が戻った。

「ひゃい、挿ぇてくらしゃい····」

「あはは。なんで敬語なの? ゆいぴ、たまに敬語になるよね。なんで?」

「わ、わかんにゃ、いぁ゙っ····」

 りっくんはニマニマと笑みを浮かべながら、僕のナカへ入ってくる。

「結人さぁ、迫られてパニクった時よく敬語になんだよなぁ。本音っつぅか、本能なんじゃねぇ?」

 また啓吾が訳のわからない事を言っている。

「服従させられてぇとかってMっ気が出んてじゃねぇの? どう考えても結人、根っからのドMだろ」

「「「確かに····」」」

 朔とりっくん、啓吾は何を深く納得しているのだろうか。まぁ、Mっ気がある事は認めよう。けど、服従だなんて、そんなはずは····。

「ゆいぴ、高圧的に言われた時の返事が『はい』になってきたもんね」

「そ、そうにゃの? 良く、ない?」

「ううん。俺らとしては嬉しいかな。もっともっと、俺らに溺れさせたい」

 なんという破廉恥な事を、耳から脳へと送り込んでくれるのだ。

「っひあぅ! 溺っ、も、溺れてるよぉ····皆の所為で、上手に息できなくなっちゃうのぉ····ドキドキし過ぎて、く、苦しいよ······」

「あはっ。まだ足りないよ。もっと、もっとだよ。俺らを見るだけで発情するくらい躾てあげるからね」

「そんな、事、されたら····外に行けないよ?」

「外でもどこでも発情してたらいいよ」

 ······それは、マズイのではないだろうか。いや、決して胸が高鳴ったりはしていない。

「ゆいぴ、近々挨拶に行くよ」

「あい、さつ? 誰に?」

「ゆいぴのお父さんとお母さん」

「····んぇ!? なんれ急に?」

 僕が朔とシている時、八千代と話していたらしい。カラオケからの帰りに、八千代と朔が話し合って決断したそうだ。

「ちゃんと挨拶してから、周りにも洩らしてくよ。ゆいぴは俺らのだから、手出したら怒るよって」

 “怒る”なんて柔らかい物言いだが、容赦なく断罪するぞという意味なのだろう。笑顔の下に垣間見える本心を、今はまだ知らないでおこう。

「そんな事、して、んぁっ····らいじょーぶなの? 皆、困らにゃい?」

「何に困るの? ゆいぴを傷つけられる以上に困る事なんてないよ」

「そ、そうなの? わかった。お願いしましゅ」

「あーはは。これわかってないね。まぁいいや。今日はとにかく、ゆいぴが安心して眠れたら、それでいいんだよ」


 その後も、りっくんのねっちょりとしつこい耳責めと、僕のイイ所責めが続いた。そうして、漸くりっくんが僕のナカに大量の精液を注ぎ込んで終わった。
 お腹に籠る熱が心地良い。そのまま、ふわふわした僕の頬を優しく撫でてくれるから、僕はもう瞼も身体も重くて仕方なかった。

「ゆいぴ寝たよ。場野、悪いけど明日にしてあげてね」

「わーってるよ。お前、シャワー浴びてこいよ。結人は俺がやっとくから」

「マジで? 場野が優しいの怖いんだけど」

「あ? デコ弾いて割ってほしいんだな?」

「あっはは。それじゃ、あと頼むね。洗濯する分だけ持ってくよ」

 僕は八千代に抱えられ、その間に朔がベッドを整える。りっくんがそぅっと部屋を出て、身綺麗にされた僕はベッドに寝かされる。ここで、完全に意識が落ちた。



 深夜3時過ぎ。
 目が覚めたら誰も居なくて、置いてあったりっくんのスマホがぼんやりと光って震え始めた。画面には“智香ちゃん”と表示されている。
 僕が知る限り、思い当たる人物は居ない。こんな時間に連絡してくるなんて、一体誰で、どんな用なのだろう。
 再びウトウトしていると、ガヤガヤと皆が帰ってきた。夜食を買いに、コンビニへ行っていたらしい。よく見ると、テーブルに置き手紙があった。『コンビニ行く。目が覚めたら電話しろ』と。おそらく八千代だろう。

「りっくん、さっきスマホ鳴ってたよ」

「え? あぁ、置きっぱだったんだ」

 りっくんはスマホを確認して、恐る恐る僕に聞いた。

「ゆいぴ····見た?」

「うん、ごめんね。僕の知らない人だったけど····聞いていいの?」

「ダメじゃないけど····嫌だな」

「何だよそれ。で、誰なんだよ」

 八千代が面白がって聞く。

「元カノ」

「は? 元カノの連絡先残してんのかよ。みみっちい··な······なんだよ、ただの元カノなんか? ····訳ありみたいだな」

 りっくんの沈んだ顔を見て、八千代が何かを察したように聞く。

「元カノの連絡先なんて残さないよ。けど、この子はちょっと別で······えっと、ストーカー的な?」

「こないだ言ってたヤツだよな。いよいよヤバいじゃん。つぅかストーカーのストーカーって····」

 啓吾はストーカーについて知っていたようだ。これが、りっくんの弱味だったのだろうか。

「啓吾、俺ストーカーじゃないからね」

「で、何か実害はあるのか? 結人が心配してるぞ」

「まぁ、それなりに····? 最近ちょっとヤバい感じ····かも」

「どんな? また家に押しかけてきたりしてんの?」

 “また”という事は、以前にもあったのだ。僕は、何も知らない。何ひとつ聞かされていない。

「押しかけは最近ないけど、えーっと····、こないだカッターの刃が入ったラブレター貰っちゃった。直接家のポストに入れたみたい」

「うわぁ····。熱烈だなぁ」

「そんなにヤバい人なの? 怪我は? 手切ったりしなかったの? 大丈夫?」

「大丈夫だよ、ゆいぴ。怪我も何もしてないよ。めちゃくちゃ警戒して開けたから。あの子からなのは予想できたし」

「うちの学校の人なんだよな?」

「うん、3年生なんだけどね。しつこく言い寄られて、お試しでって1週間くらい付き合ったんだけど····もう怖くって······」

「先輩か····やっかいだな~。で、付き合ってる時はどんな感じだったん?」

「全部が異常だったよ。付き合った初日に抱けって言われてドン引き。あと、嫉妬心の塊だったね。女の子どころか、男友達と遊ぶのもダメ。5分以内に返信しないと鬼電。この手のタイプで、一番酷かった子じゃないかな」

「すげ····。よく1週間ももったなぁ。そんなん初日で別れるだろ」

「それが、そうもいかなくてさ。2日目に別れ話したら、死ぬって言われた」

「あぁ~····めんど」

 啓吾は、我が事のように項垂れた。

「なんか凄いね。ドラマみたい····。それで、その人とはどうやって別れたの?」

「え~····あんまり覚えてないんだよね。付き合ってたの俺が1年の時だし」

「なんでそんなインパクトある奴覚えてねぇんだよ。つぅか卒業してからも連絡してくるってどんだけめんどくせぇんだよ」

 八千代が、心底理解できねぇって顔をしている。確かに、そんな強烈な人を忘れてしまうなんて、僕も不思議に思う。が、次の一言で、半分くらい理解できた。

「ゆいぴ以外興味無いから、元カノなんて覚えてないよ······。そういう子ってちょこちょこ居たし」

(ちょこちょこ居るんだ······。りっくん、もう感覚麻痺してるよね····)

「なんか急にさ、年明けくらいからたまーに連絡くるようになったんだよね。最近俺が女の子の相手してないから、ワンチャンあると思ったみたいでさ」

「あぁ~、そういう子たまにいるよな。俺も未だに来るわ。全部スルーだけど」

 りっくんと啓吾には、取り留め珍しい事ではないらしい。

「朝見たら着歴が何十件もあってビビるよ。まぁ正直、そろそろ対処に困っててね····。場野と朔が挨拶に行くって言い出して、ちょっとホッとしてる」

「それで、結人の事はそいつにバレてないのか?」

「ゆいぴとの関係はバレてないみたいだけど、時間の問題かもしれないからさ。挨拶に行ってから、堂々と浸透させていくのが1番良いかなと思うんだよね」

「それ、結人に矛先向かねぇか? 敵増やすって事だろう?」

 朔の言うことには一理ある。刃を仕込んだ手紙を贈るようなヤバい人だ。黙って引き下がるとは思えない。

「まぁ、心配が無いわけじゃないけどね。そこでフェーズ2だよ、朔」

「フェーズツー····。結人の両親への挨拶までがフェーズ1か」

「そう。浸透させていくって言ったけど、ありのまんまの関係が広がるのは良くないでしょ。それじゃ、ホントにゆいぴがただのビッチだと思われるよ」

 そうだ。確かに、そう思われるのが妥当だろう。

「だから、そこは恋人じゃなくて片想いを通す。そしたら、ゆいぴは言い寄られてるだけで、ビッチ扱いはされない。だけど、ゆいぴに手出したら俺ら全員を相手にするっていうリスクがつく。多分、一緒に暮らせるようになるまでは、それが1番ローリスクだと思う」

 これが、りっくんと八千代が出した結論らしい。ざっくりしているが、腹の底ではもっと色々考えているのだろう。
 八千代とお試しで付き合い始めた頃、りっくんと八千代が僕を取り合っている、なんて噂も流れたっけ。懐かしいな。
 あの時は、ほんの一瞬で噂は鎮火していた。けれど、今回はあの頃の比ではない真実味と内容で広めるのだろう。
 しかし、僕の保身ばかりに頭を回して、肝心なストーカーの対処がずさんな気がする。

「ホントはさ、文化祭の時にそうなってほしかったんだよな、莉久は。ま、そんなガチなストーカーが出たんじゃ、悠長な事も言ってらんねぇな」

「ストーカーに関しては、ゆいぴに手出ししなかったら放っておいてもいいんだけどね。ウザイけど。ついでに撃退すんのも良いかなって」

「放っておくのはダメだよ。りっくんが危ないでしょ」

「俺の事心配してくれんの? 嬉しい~♡」

 りっくんが抱きついて頬擦りをしてくる。ちょっと鬱陶しい。僕は、りっくんを引き剥がして言う。

「当然でしょ。こ、恋人なんだからね····。りっくんは1人で対処しようとし過ぎだよ。僕にもできる事ないの?」

「ない。けど、大丈夫だよ。ゆいぴに片想いしてるって言う時点で、ストーカーにも思い知ってもらうから。ちゃんと牽制はするつもり」

 僕が本命だと見せつけ、諦めさせる事と僕に手を出す事へのリスクの提示を、同時にしてしまうつもりなんだそうだ。

「そう上手くいくかな····。りっくん、刺されたりしない? やだよ。りっくんが死んじゃうの」

「なんで刺されて死ぬ前提なの? 大丈夫だよ。俺、ゆいぴと結婚するまで死なないから」

「それじゃ、一生しないよ?」

「ん゙ふぅっ····!! ゆいぴ、抱いていい? あー無理、抱く」

「ちょっ、待っ····ひゃんっ」

 りっくんは僕を押し倒し、キスをしながらパンツ越しにアナルを弄る。そして、耳元で意地の悪い囁きをする。

「ここ、熱くなってる。もう欲しがってんでしょ。ねぇ、お強請りして?」

「ひぅっ······ぼ、僕のア、アナルに、りっくんのおちんちん、硬くておっきいおちんちん、挿ぇてくらしゃい」

「はぁっ····可愛いなぁ。挨拶に行く前に壊しちゃったらどうしよ」

「こ、壊しちゃっ、やだ····。もっと、皆と一緒に居たいもん····。りっくん、好きだよ。だからね、ずっと一緒に居ようね? 死んじゃやだよぉ」

「あ゙~~~っ····!! ずっと一緒に居るよ。ゆいぴがおじいちゃんになんの見届けるまで死ぬつもりないから。ホントにもう手放してあげらんないからね。逃げたくなっても逃がしてあげらんないからね。結人は一生俺らのモノだからね」

 大きな手で僕の顔を包み、泣きそうな顔をしてドロッドロに甘い声で囁く。耳を舐める音が、脳にキーンと響いて痺れる。

「ひっ、んふぅ····りっくん····んぁ····莉久ぅ······」

「ん。おいで」

 両手を伸ばすと、いつも通り優しく抱き締めてくれる。ただ、いつもと違うのは、デロ甘な言葉とは裏腹なえっちの激しさだ。



「り゙っくん、奥ぅっ····ちゅぉい、ごぢゅごぢゅちゅおぃぃ! やっ、おにゃか破けちゃうよぉ」

「そんな怖い事しないよ。奥やだ? やめる?」

「や、やめないぃ····ずりゅいよぉ······やめないの、わかってぅんれしょぉ」

「うん。ゆいぴ、気持ちぃの好きだもんねぇ。ゆいぴがやめてって言うまでは、絶対やめない」

「ひあぁぁぁっっ!! みっ、耳溶けちゃうぅ!」

「あっはは。溶かしちゃおっかぁ。結人、愛してるよ。んっ、奥締まって気持ちぃ。結人のナカ、俺でいっぱいにしてあげ····あーあ。啓吾来ちゃった」

 りっくんが、呆れた顔をして言うから振り返って見る。すると、ギンッギンにおっ勃てた啓吾が、激昂した表情で迫ってきていた。相当ハイになっているようだ。昨日できなかったし、怪我の所為もあるのだろうか。
 だが、僕もまた然り。怖いのに期待している自分がいる。

「啓吾、ヤんの?」

「ヤる。もう我慢できねぇ。結人、無理なら言えよ」

「お前マジかよ。無理はさせんなよ」

 これまた呆れた顔で、八千代が注意を促す。

「わーかってるって。莉久、拡げて」

「はいはい。痛がったらすぐやめろよ。ったく、啓吾のとくっつくのはヤだけど····」

「場野、大畠は何する気なんだ?」

「····挿れんだろ?」

「もう莉久のが入ってんぞ。····まさか!? おまっ、バカかっ!」

「まぁ見てろって。あの双子のサイズで余裕あったみたいだし、莉久と大畠だったらギリいけんだろ。アイツらも、結人に怪我させるようなことはしねぇよ。特に莉久がな」

「場野、わかってんじゃん。そうだよ~、朔。俺がゆいぴに痛い思いさせるわけないじゃん」

 なんだか盛り上がっているようだが、イキ過ぎた所為かふわふわしてわけが分からない。

「え····、ねぇ、何するの? 啓吾、まだりっくん終わってにゃいよ?」

「うん。だから来たんだよ」

「ふぇ····?」

 啓吾が僕のお尻を鷲掴む。りっくんが、既におちんちんの入っている穴に指を挿れて拡げる。そうして、啓吾のおちんちんを招き入れた······。
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