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1章 始まりの高2編

どうしていつもそうなの!?

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 女子に捕まっているであろう3人を迎えに行った僕と朔。自販機前で女子に捕まっていた筈の3人は、どこにも居なかった。

「居ないね。どこ行ったんだろう」

「大畠に電話してみる」

 朔が啓吾に連絡をとってくれた。が、なかなか出ない。

「出ねぇな」

「スマホ、部屋に置いてってるのかな」

 八千代とりっくんにもかけたが、誰も出ないしかけ直してもこない。
 心配になり、連絡をしながらホテル内を捜索していた。すると、微かにりっくんのスマホの着信音が聞こえた。

「朔、この中から聞こえるんだけど····」

「だな。女子部屋じゃねぇか」

「だよね。え? どういう事?」

「······ノックしてみるか」

 と、言いながらノックをしていた。僕に考える隙も与えず、朔は行動力があるなぁなんて、ポカンとしていた。

「はーい····」

 出てきたのはりっくんだった。僕を見た瞬間のりっくんの青ざめた表情を、暫く忘れられそうにない。
 これはもう、完全に修羅場になるのだろうと、僕は瞬時に覚悟をした。

「お前、女の部屋で何やってんだ」

 朔が、僕に代わってお怒りモードだ。

「えっ、あ·····違うよ? あーっと····啓吾、場野····ゆいぴ来ちゃった」

「あ、の、なんか、邪魔しちゃってごめんね。僕、部屋に戻るから····」

 朔の服の袖をギュッと掴み、唇を噛み締めてぐっと涙をこらえた。そして、そそくさとその場から立ち去ろうとした時だった。

「武居くんと瀬古くん!? もう誰でもいいからちょっと来て!!」

「えっ、なに!? わぁっ!!」

 僕と朔は、クラス委員長の谷川さんに部屋へと引っ張り込まれた。

(谷川さんの班の部屋だったんだ。でも、なんで僕と朔まで!?)

「奥の部屋にね、おっきいゴキブリが出たの!! 退治して!! お願い!!!」

 谷川さんをはじめ、女子たちが手前の部屋で固まっている。そこに、りっくんも混じった。

「りっくん、何してるの?」

「や~····。俺、虫ダメだから····女子の護衛、的な?」

「莉久、情けねぇな。場野と大畠は中か?」

「うん。すんっごいすばしっこくて、2人がかりでもダメみたい。殺虫剤もないし、めちゃくちゃデカいし····え、朔もいけんの?」

「たかがゴキブリだろ? さっさとぶっ殺して部屋に戻る」

 そう言い残して、お怒りな朔は奥の部屋に入った。

 しばらくすると、中から朔の叫び声が聞こえ、こちらは一同ビクッと跳ねた。

「うわぁぁっ!! 場野!! 早くとれ!! 早くっっ!!」

「ちょっ、朔こっち来んなって! あぁぁぁっ!! 飛んだ! わぁぁぁぁっ!! 無理無理無理無理っ!! デカすぎだってぇぇ! 場野とって!! 早くぅっ!」

「うるっせぇな! 大畠、そのままゆっくりこっち来い」

「ひぃぃぃっ!! うごっ、動いてるぅぅ! 場野ぉぉぁい゙っっっっだぁぁっ!!!」

 啓吾の悶絶を最後に、シンと静まり返った。部屋から出てきた3人は疲れ切っていて、啓吾は泣きそうな顔をしていた。
 啓吾の背中にとまったアイツを、八千代が雑誌で思い切り叩き潰したらしい。痛みと不快感を押し殺し、啓吾は無言のまま先に部屋に帰った。
 僕たちは、谷川さんたちにお礼だと言ってジュースを買ってもらった。断り続けても、半ば押し付けるようにくれた。啓吾にはエナジードリンクを預かった。「元気出してね」と言う言葉を添えて。

 部屋に戻ると、啓吾は再びお風呂に入っていた。物凄く不機嫌だ。

「八千代、啓吾に謝りなよ?」

「おう。さっさと戻りたくて焦ったわ。朔と大畠うるせぇし」

「あぁ····。僕、朔が絶叫してんの初めて聞いた。虫ダメなのに入ってったの?」

「ダメじゃねぇけど、あのサイズは異常だ。結人の掌くらいあったんじゃねぇか?」

「そんなデケェわけねぇだろ。せいぜい10センチくらいだわ」

「充分デカいだろ。あのサイズは流石に無理だ。気持ち悪ぃ」

「朔が焦ってんのは面白かったけどな。大畠な。アイツうるせぇだけでなんもしてねぇの」

「なんもできなくて悪かったな」

 頭からタオルを被った啓吾が、ムスッとした顔で立っていた。

「あ、啓吾····大丈夫? これ、女子から預かったよ。元気出してねって」

「ありがとね。そんで、結人たちは何で来たの?」

 早速エナジードリンクを飲み始めた啓吾が、不機嫌そうに言葉を投げてきた。

「なんだよその聞き方。結人はお前らが戻らねぇから、連れ込まれてんじゃねぇかって心配してたんだぞ。連絡くらい入れてやれよ」

「あっ····。ごめんね、ゆいぴ。女子の気迫凄くてさ。殺人鬼でも出たみたいな勢いで言われて、強引にゴキブリがいる部屋に連れてかれてパニクってたんだ」

「····ごめんな。俺が行った時、丁度部屋に連れ込まれる寸前でさ。莉久なんか、部屋に入んのめっちゃ拒否ってんの」

「俺、マジで虫だけは無理なんだって」

「りっくん、昔から虫全般ダメだよね」

「ゆいぴだってハエでパニックになるじゃん。2人でカブト虫をゴキブリだーって騒いだ事あったよねぇ」

「あったねぇ。って····りっくん、部屋戻んなくて大丈夫? そろそろ点呼の時間だよ」

「あっ! マズイね。点呼終わったらタイミング見て抜け出してくるから。それまで可愛く待っててね」

 りっくんは僕に深いキスをして、一旦自分の班の部屋に戻った。


「ほら八千代、啓吾に謝んなきゃ。服も汚しちゃったんでしょ?」

「あー····。悪かったな。服、洗ってくっから貸せよ」

「ははっ。ホント、結人に言われたら素直だよな。いいよ、別に。けど、服は頼むわ」

 八千代が啓吾のジャージを洗っている間、僕は啓吾にからかわれていた。

「結人、俺らが女子部屋に浮気しに行ったと思ったんだ?」

「だって····、全然帰ってこないし連絡つかないんだもん。まさかとは思ったけど、りっくんが女子の部屋から出てきた時は、修羅場になるんだ····って思った」

「あっははは!! マジか。ホントに浮気だったらとんでもねぇ修羅場じゃん!」

「もう! 本気で焦ったんだからね!?」

「ごめんな。けどさぁ、結人····つぅコトはだよ? まだ俺らの事信用してねぇの?」

「そうじゃないけど、そうなのかな····」

「どっちだよ。んっとにもぅ····。俺らもうね、結人以外に欲情しないよ? 俺なんか、AV見てもあんま興奮しねぇの。マジで重症なんだからさ、もう口尖らせんのやめろって。可愛すぎんぞ」

 啓吾は僕を膝に乗せ、優しく食むようなキスをする。またこうやって、簡単に丸め込まれてしまうのか。啓吾たちが悪かった訳では無いが、チョロいと思われるのは癪だ。

「おい、いつまでやってんだ。ジャージ、洗えたぞ。乾かすからそこ退け」

 コンセントの前でイチャついていたものだから、啓吾は八千代に足蹴にされてしまった。

「も~、痛ってぇなぁ。結人、布団行こっか」

「エッ····。点呼まだだよ?」

「我慢できねぇよ」

「えぇ~····さっきお風呂でシたでしょ?」

「結人とキスしてたら勃ったんだもん」

 手を捕まれ股間に持っていかれた。本当にガチガチだ。けれど、これから先生が各部屋を回って点呼をとりに来るのに、今から致すわけにはいかない。

「せめて、点呼が終わるまで待とう?」

「待てない。待たな~い」

 啓吾は僕を押し倒し、はやばやとパンツの中に手を忍ばせた。

「やぁっ····啓吾、ホントにダメだよぉ」

「声出さなかったらバレないよ。だから、シーッ····な?」

 啓吾が自分の口に人差し指を当て、静かにしてろと合図をした。そのえっちな表情を眼前に、僕は従うしかなかった。

 短時間で終わらせるつもりだからか、初めからピストンが激しい。これは、啓吾がイクためのえっちだ。
 それでもイキまくってしまう僕は力一杯両手で口を塞ぎ、声が漏れないように我慢する。

「それ可愛いなぁ。あ~、声我慢してるからかな。めっちゃ締まる。これ、もたねぇわ」

 突く勢いがさらに強まり、奥で啓吾がぶち撒けた。相変わらず声を我慢させる気がないのか、僕がイッてしまうような抜き方をする。その瞬間、ノックの音が響いた。
 八千代に手伝ってもらい、慌てて服を着て点呼を受ける。

「全員居るな。体調は····ん? 武居、具合悪いのか? 顔赤いぞ」

「だっ、大丈夫です。えっと、皆に教えてもらって、筋トレしてたんで····」

「ほぉ~。体鍛えんのは良い事だな。逞しくなれよ~。けど、そんなに菓子食ってたら意味無くないか? 食いすぎには気をつけろよ」

「沢っち、オカンみたい」

 先生が早く出て行ってくれないから、啓吾の精液が垂れてきた。穴を締めようと力を入れると、余計に溢れてきてしまう。パンツが受け止めてしまって気持ち悪い。

「沢っち言うな。誰がオカンだ。ったく····んじゃ、瀬古班問題なしっと····。もうすぐ消灯だから、静かに筋トレしろよ。おやすみ~」

「は、はい。おやすみなさい」

 臭いはお菓子で誤魔化せたようだ。本当にヒヤヒヤした。僕は、先生が出ていくと同時に布団に倒れ込んだ。

「おっ····結人、どうした?」

 朔は心配しながら、僕の口にチョコを放り込んだ。僕にとって、お菓子がポーションになるとでも思っているのだろうか。
 
「啓吾のが出てきたの。すっごい焦った····。はぁ····、先生に嘘ついちゃった」

「お前が筋トレって言った時、先生半笑いだったな。失礼だよな。結人、本当にランニングとか頑張ってただろ。満更嘘じゃねぇよ」

 朔は僕の頭を撫でながら、僕の努力を知らない先生に怒ってくれた。

「ん。最近はサボってたけどね。とりあえず、着替えたい。パンツぐしょぐしょ····」

 僕が着替え始めると、朔と八千代が襲いかかってきた。朔と八千代は我慢の限界と言った顔で、僕にキスと噛み付きの嵐を巻き起こす。

「んぁっ、八千代····乳首噛んじゃだめぇ····やんっ····朔、お尻食べないでぇ」

 八千代は、深くて激しいキスをやめてくれない。お尻を揉みながら噛み付いていた朔は、耐え切れず深く挿入した。衝撃で身体が仰け反る。

「ふぅっ····ん゙っ、朔····ゆっくり····声、頑張って我慢するから····お願い、ゆっくり····」

 朔は、ゆっくりと奥をこじ開けた。意図が伝わらなかったようで、僕は声をあげそうになった。
 八千代がおちんちんで僕の口を塞いでくれていなかったら、きっといつも通り喘いでいただろう。

「ん゙っ、ぁ····ぅ゙ぅ゙·····かはっ····んぇ゙っ」

「吐くなよ。ここじゃ片付けらんねぇからな」

 と、八千代が滅茶苦茶を言う。奥まで突っ込まれて吐くことすらできないが、だったら奥は遠慮してほしい。
 2人ともすぐに果ててしまい、即座に啓吾との3回戦目に突入する。

「お前ら、今日めっちゃ早いな。でもわかる。なんかこの状況、めっちゃ興奮すんだよねぇ」

「それもあるけど、今日はまだ一回も結人に抜いてもらってなかったからな。次は泣くまでヤれるから大丈夫だ」

 朔は、啓吾のくだらない話にも真面目に受け答えする。一体、何が大丈夫なのか。
 だいたい、抜くタイミングなんてなかったんだから、仕方ないじゃないか。それに、早いと言っても僕が足腰立たなくなる程度にはシたのに、なんの問題があると言うのだろう。
 そして、まだまだ臨戦態勢を崩さない3人に加えて、あのりっくんが来るのだ。夜が明ける前に、寝かせてもらえるだろうか。

「啓吾、優しくしてね? お願いだから、今日は奥挿れないで····?」

「ん~、結人次第だなぁ。煽んなかったら大丈夫じゃね?」

 これまた難題を。僕が意図せず煽ってしまうのをわかっていて、こんな無理な条件を出してくるのだ。本当に意地が悪い。
 しかし、僕だってやられてばかりではない。今日はもう、絶対に一言も喋らない。

「ははっ。結人、喋んねぇつもりだろ。俺、寂しいなぁ~」

 意地悪な啓吾が、僕の作戦を察して弱い所を突いてくる。

「んっ····やぁっ····深いよぉ····」

 僕が何も言わないのをいいことに、やりたい放題イジメてくる。
 
「深いのダメ? んじゃ、浅いとこいっぱい擦ってあげるね」

「ふぅぅぅぅっ····んっ、ダ··メ····出ちゃうぅ」

「出していいよ。ほら、イッて?」

「やら、耳元で、喋んないれ····」

「だって、あんまデカい声でえっちな事言えねぇだろ? 隣の部屋にクラスの奴ら居るんだぜ? 知られていいの? 結人が俺らにえっちな事されてんの」

「んぅぅっ!! やだぁ····啓吾、ダメ····けど、もぅ····お尻、イクの止まんないよぉ······」

 涙を浮かべ、啓吾に訴えかけた。すると、啓吾は僕の口を手で塞ぎ、容赦なく奥を貫いた。

「ん゙ん゙ん゙っっ!!!」

「ごめっ、けど、そんな顔で言うなよな。あーっ、ムリだわ。声出すなよ。もっかい抜くぞ」
 
「ふぅ゙ぅ゙ぅっ····ぅ゙っ、ん゙ん゙っ、んぅ゙っ」

「ん····結人、奥で出すよ。もっかいだけ、声我慢して」

「ふっ··ぅん゙ん゙っ······んはぁ····はぁ······啓吾のばかぁ······」

 僕は涙でぐしゃぐしゃだった。啓吾が優しく抱き締めて、涙を吸うように頬にキスをしてくれた。強ばっていた心を解きほぐすような、愛情に満ちた温もりを感じる。

「おい、もうすぐ莉久が来るって。俺、鍵開けてくるから声出させるなよ。····お前ら、結人で遊ぶなよ」

 朔に念を押された八千代と啓吾だったが、2人が揃うと僕で遊ばないわけがないのだ。朔も、それをわかった上で厳重に注意したのだろう。だが、それは逆効果だったのかもしれない。
 朔が鍵を開け、素早くりっくんを部屋に引き入れた。その扉が開いた数秒の間に、啓吾が僕の口をキスで塞ぎ、八千代がナカを掻き乱した。
 浅い所で速くコリコリを潰し、強制的にイかされる。その衝撃たるや、容易に声を抑えられるものではない。

「んぅ゙っ····ふぅぅ····」

「チッ······お前ら、待てもできねぇのか」

 朔の舌打ちなんて初めて聞いた。なんだか男らしくて、不覚にもドキッとしてしまった。

「できねぇな。こんなエロ可愛い生きもん目の前にして待てたら、男じゃねぇだろ」

「はぁ····。場野、ちゃんとリスク考えろ。莉久が移動してくるだけでもリスキーなんだぞ」

「なんか、ごめんね? しっかし、可愛く待っててとは言ったけど····。可愛すぎない?」

「結人の泣き顔が可愛いのはいつもの事だろ。けどお前ら、マジでちょっと落ち着けよ。いざって時に隠せる程度にしとけ」

 朔が真剣に怒っている。1人だけでもストッパーが居てくれて良かった。

「······ちょっと浮かれすぎてたな。わりぃ」

「俺も、スリルあんの楽しみすぎてたわ。ごめんな」

「あと2日もあるんだからね。ゆいぴの体力も考えて、ゆっくり優しく甘ーく抱いてあげないと」

「そうだな····。結人、こっち向け。デロッデロに甘やかしたるわ」

 八千代は僕を仰向けにさせると、ゆっくりピストンをし始めた。

「こんくらいだったら、声我慢できるか?」

「うん····大丈夫。んっ、はぁっ····八千代····」

 両手を伸ばし、八千代に抱き締めてもらう。言葉にしなくても伝わる、僕たちだけの合図が心地良い。

「八千代、好き····。声、我慢するから、1回だけ奥、挿れて?」

「······はぁ。また朔に怒られんだろうが」

「んっ····声、出さなかったら、大丈夫でしょ?」

「お前なぁ······。そんじゃ、絶対声出すなよ。最後、奥でイクからな」

「うん。頑張る····んぅっ····」


 八千代は約束通り、最後は抉り込ませて奥に出した。熱いのが沢山お腹に入って、凄く幸せだった。

「お前、意外と声我慢できんのな。大丈夫か? 苦しくねぇ?」

「えへへ····頑張ったぁ。声我慢してたらね、いつもよりお尻でイッちゃうの····。不思議らねぇ··········」

「えっ、ちょっ、ゆいぴ!? 嘘でしょ!? 寝ちゃうの!?」

「寝、ない····りっくんのも、食べたいもん······だからぁ、早くきてぇ····」

 大好きな彼氏たちと旅行を楽しめて幸せだ。たとえ、夜がどれほどスリリングになろうとも。と、そう思う事にしたら幾分か楽になって、素直に快楽に身を任せることができた。

 意識が薄れてゆく中、りっくんにおヘソを舐められてハッと目が覚めた。
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