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1章 始まりの高2編

はちゃめちゃな元旦

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 初めて皆と一緒に迎える元旦。と言っても、数時間前まで乱交紛いのえっちをしていたのだが。
 それにも関わらず、寝起きに八千代のモノをお尻に、啓吾のモノを口に突っ込まれていた。りっくんはマイペースにシャワーを浴びに行った。
 朔はまだ寝ている。眠いのを我慢して、欲に任せて最後までシていたのだから仕方ないだろう。
 八千代と啓吾は、僕が起きるのを待ってくれていたらしい。が、そんな事よりも、寝起きで奥まで抉られるのは些か辛い。

「やぁっ、八千代····奥、ゆっくり····」

「辛いか?」

「まだちょっと、苦しい····かも。もっと、奥解して?」

「ん。じっくり解してやっからな」

「結人、先ぺろぺろして。あー、可愛いなぁ····。吸って······ん、気持ちぃ。そろそろゴックンできる?」

「ふ····ん······んっ····んぇ゙っ····お゙ぁ゙っ、ふぅ゙っ」

 啓吾が喉の奥まで挿れると、苦しくて意識が飛びそうになる。ふわふわして、また眠ってしまいそうだ。
 しかし、八千代がそうはさせてくれない。啓吾が喉に精液を流し込むと、続いて八千代が奥をこじ開けようとする。

「喉イキしただろ。イイ感じに緩んでんな。奥挿れんぞ。辛かったら言えよ」

「んっ、もう大丈夫····きて」

「腹、ここ持ってろ。力····そう。上手くなったな」

 八千代は耳元で甘く囁き、一息に奥を貫いた。

「んあ゙ぁぁっ!! 奥゙っ、イッちゃう!! らめぇっ、あっ、あ゙ぁっ!! んぐぅ····イ゙ッ····おぇ゙っ····」

 昨日、散々シたのに、そんな事を微塵も感じさせない突きを見舞われる。そこへ全裸で戻ってきたりっくんが、そのまま僕の口を使う。

「んぼっ····あ゙っ····ぅ゙え゙ぇっ、お゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙····」

「お前ら、結人寝起きだぞ? 加減してやれよ····」

「啓吾だって、寝起きのゆいぴに流し込んだんでしょ? 奥までぬるぬるで挿れ易かったんだけど」

「まぁな。寝てる結人のちっせぇ口見てたら突っ込みたくなってさ。ちょろ~って涎垂れてたんだぜ? 可愛すぎな。起きるまで我慢してたから、突っ込んだらすぐイッちゃった」

「んで、こんなトロントロンなわけね。めっちゃ美味しそうに咥えてくれるんだけど」

「んっ····ほぃひぃぉ(美味しいよ)?」

「ん゙ん゙っ······。ゆいぴ、どっちで飲む? 奥? 舌に出す?」

「ぅー····おぅ(奥)」

「あはっ。苦しくしてほしいの? いいよ。思いっきり挿れたげる」

 りっくんが僕の頭を鷲掴み、喉の奥に挿れようとした時だった。勢い良く、部屋の扉が開いたのは。

「あっけお····め~」
 
 扉を開くと同時に、元気な新年の挨拶が聞こえた。それは、千鶴さんの気の抜けるような軽い声だった。
 家出でもしてきたような、大きな荷物を持った千鶴さんが、笑顔のまま固まっている。

「ひあぁぁぁっ」

「てめぇ····。何勝手に入ってきてんだよ。出てけ。殺すぞ」

「え、オレも混ぜてよぉ····」

「来い。今すぐ殺してやっから」

「ウソウソ! 待ってるから早くイッちゃって」

「一旦出てドア閉めろ。耳塞いで息殺してそのまま死ね」

 八千代に言われるがまま、千鶴さんは後退りで出ていこうとする。

「クソッ、何なんだよ····。結人、もっかい奥抜くぞ」

「嘘でしょ!? 千鶴さん居るんだよ!? やだっ、待っ、い゙あ゙ぁぁぁ」

 千鶴さんが部屋から出ると、八千代は容赦なく再び奥をこじ開けた。
 
「場野ぉ、よく続けれんねぇ」

「アイツは俺ん中で上手い具合に存在してねぇからな」

「いや、意味わかんないけどね。結人の声聞かれんのはいいの?」

「こんな中途半端でやめれるわけねぇだろ。····しゃーねぇ」

「え、莉久もすんの?」

「あんな寸前で終わるとか無理だろ。俺が突っ込んでたら、声もマシでしょ?」

「うわー····これだから鬼畜は······。でもまぁ、わかるよ」

 啓吾が納得しているのはどうでもいいが、2人は千鶴さんがいるのに本当に再開した。しかし、八千代は苛ついているのか、突くペースが速い。さっさとラストスパートって感じだ。

「ん゙お゙っ、やぢぉ····イ゙グっ、イッぢゃう····ん
゙ぅっ」

 声を抑える事など無理だと悟った。すると、りっくんがおちんちんを突っ込んで口を塞ぐ。僕の声を聞かれるのが耐えられなかったのだろう。

「んんっ、ん゙っ、んぅ····ぉ゙え゙ぇっ」

 息ができなくて意識が朦朧とする。が、りっくんと八千代が奥に出した快感で、なんとか持ち直した。

「はぁ····はぁ······死ぬかと、思った······」

「わりぃな。誰か結人頼むわ。千鶴締めてくる」

 そう言って、八千代は全裸で部屋を出た。りっくんが一旦拭いてくれて、後でお風呂に入ろうと微笑んだ。
 すると、廊下で激しい物音がした後、きっと千鶴さんが倒れたのであろう鈍い音がした。

 数秒後、八千代だけが戻った。啓吾が恐る恐る廊下に顔を出す。

「あ~っははははっ!! 千鶴さんがちんこ握って死んでんだけど。めっちゃオモロい」

 啓吾はお腹を抱えて笑いながら、スマホを向けてパシャパシャしている。

「えぇ!? どういう状況なの····? 千鶴さん大丈夫?」

 千鶴さんは、八千代に殺される覚悟を決め、僕をオカズに1人で致していたらしい。そこを八千代に襲撃されたようだ。
 僕はりっくんに連れられて、お風呂で綺麗にしてもらった。お風呂から上がると、千鶴さんはまだ下半身裸で廊下に転がっていた。
 そんな千鶴さんは放置で、啓吾に髪を乾かしてもらっていると、八千代がとんでもない事を言い出した。

「あーっと······お前ら、俺ん家来るか?」

「····今、八千代ん家に居るけど。大丈夫?」

「バカにしてんのか····。俺の実家な」

「えっ!? なんで? どうしたの?」

 突然の提案に、僕と啓吾は驚いた。りっくんは、千鶴さんが来た時点で察していたらしい。
 毎年、元旦に家族で集まり挨拶をするそうで、八千代も来いと言われていたらしい。僕と過ごすから帰らないと言ったら、連れてきたらいいと言われたんだとか。だが、それも断ったと言っていた。
 千鶴さんは、八千代と僕を拉致る為に桜華さんにパシられたようだ。昨晩から、桜華さんが八千代に何度も連絡していたそうなのだが、既読すらつかないので痺れを切らしたんだとか。

「いや、やっぱいい。挨拶は明日行くから気にすんな」

「僕はいいよ? 別にこれって予定もなかったでしょ?」

「は? いや、俺ん家だぞ?」

「俺も行ってみたい! ヤクザん家行けるなんて超レアじゃん」

「啓吾はもうちょっと言葉選びなよ····。俺はゆいぴが居るならどこでもいいよ。けど、それって俺ら行っていいの? 流石に迷惑でしょ。連れて来ていいって言われてんの、ゆいぴだけじゃないの?」

 意外にも、りっくんが常識的な考えを持っていた。僕に会えなくなるかもしれないのに。

「皆来ていいよ~」

 復活した千鶴さんが、軽くオッケーをくれた。あまりに予想外の展開で、八千代が1番たじろいでいる。八千代には悪いけど、滅多に見れるものじゃないので少し面白い。

「んでぇ、桜華から結人くんにって服預かってんの。せっかくだから着てやってくんない?」

「え、はい。わかりました」

 そう言って渡された服を、強制的に八千代に着せられた。髪を整え、飾りつけられる。僕は、想定外の衣装に身を包む羽目になっていた。なんでも安請け合いするべきではないと猛省した。
 その間に、啓吾が朔を起こし事情を説明する。よくここまで寝ていたなと、千鶴さんまで感心していた。ようやく起きた朔は寝惚け眼で、ぼーっとしたまま準備を始めた。
 そして僕たちは、千鶴さんの車で八千代の家に向かう。5人乗りの車だからぎゅうぎゅうだ。
 最終的に、僕は朔の膝に乗せられた。それを、八千代が助手席からチラッと見ては笑う。誰が小さい子だ。


 八千代の家から車でおよそ20分。閑静な住宅街から少し離れた奥地にある、立派すぎる門が佇む純日本家屋といった建物。千鶴さんがクラクションを鳴らすと、大きな門が開いた。
 
「すげぇな····。マジでこれ家なん?」

 啓吾が口をあんぐりと開け呟く。

「俺、先に親父に挨拶してくっから客間で待ってろ。千鶴、案内して結人に飯出しとけ」

「お前、兄ちゃんに偉そうに命令すんなよなぁ」

「誰が兄貴だよ。腐れちんぽが」

 八千代の、千鶴さんへの罵詈雑言が酷い。

 僕たちは客間に通され、見たこともないくらい豪華なおせちを出してもらった。

「遠慮しないで食べてね~」

「や、えっと····。八千代のご両親と桜華さんにご挨拶もしてないのに頂けません」

「結人くんは真面目だねぇ。それじゃ、先に挨拶しに行く?」

「でも、八千代がここで待てって····」

「いいよいいよ。皆ねぇ、形式張った事してるけど、本音じゃやりたがってないから。こんな面倒な事しなくてもいいのにねぇ。オレはこういうのスゲェ嫌」

 千鶴さんは自分に正直な人だ。僕たちに気を遣わせないようにしてくれているのかな。八千代が言うほど、悪い人には思えない。ちょっと自由過ぎる所はあるようだけど。

「勝手な事ばっか言ってんなよな」

 千鶴さんに促され、僕たちが席を立とうとした時、八千代が襖を開けながら言った。

「来客中だったから、親父に挨拶すんの後でいいわ。腹減ってんだろ? 食えよ」

「え、でも····」

「食え」

「それじゃぁ、お言葉に甘えて····いただきます」

 昨日の夜から吐きっぱなしで、お腹がペコペコだったのだ。正直言うと、食べられるのは本当に嬉しい。
 八千代に取り分けてもらい、見た事のない料理を食べる。

「何これっ、すっごい美味しい! え、何かわかんないけど、滅茶苦茶美味しいよ!?」

「カニとイクラの湯葉包みだな。うめぇだろ」

「マジだ。うんめぇ~。専属のシェフとかが作ってんの?」

「いや。毎年お袋が作ってる」

「へぇ~····八千代のお母さん、シェフなの?」

「ははっ。違ぇよ。ただの趣味な」

「これ、趣味のレベルじゃないでしょ····。マジで美味しい」

 りっくんが素直に感動する美味しさだ。八千代のお母さんの凄さもだが、それを当たり前と思っている八千代にも驚いた。環境が違うと、こんなにも生活レベルに差があるものなのか。

 そうこうしていると、桜華さんが来た。

「皆、あけましておめでとう。や~ん、結人くん! 着てくれたのね!? 可愛いわぁ~。すっごく似合ってるじゃない」

「あの、どうしてこれを僕に?」

「満からね、結人くんの頭染めたって写メが来たのよ。で、その髪に似合うんじゃないかって思って。アタシのお下がりで悪いけど、彼氏くんたちが喜びそうじゃない?」

 皆の顔を見ると、満更でもなさそうだ。啓吾とりっくんは、八千代の家で無言のまま真剣な眼差しで撮影会をしていた。けど、面白半分だと思っていた。

「あの、忘れてるかもしれないんですけど····。僕、男ですよ?」

「やだぁ。ちゃんと覚えてるわよ。まだボケてないからね」

「だったら、なんで振袖なんて····」

 そうなのだ。着せられたのは振袖だったのだ。髪飾りから草履まで揃っていた。見た目は今、完全に女の子になっている。
 八千代のご両親に挨拶するのに、こんなふざけた格好でいいのだろうか。絶対に勘違いされるじゃないか。そうだ、挨拶······。

「ねぇ、八千代。僕、このままご両親に挨拶するの?」

「今更何言ってんだよ。当たり前だろ」

「ねぇ、八千代。僕、深く考えてなかったんだけど、今日は新年の挨拶だけだよね?」

「婚約者だって言うか? 俺は構わねぇけど」

「や、待って? どこまで説明するの? 受け入れてもらえるの? 八千代、大丈夫なの?」

「ブハッ····俺の心配かよ」

「え?」

「俺ん家がこんなだからよぉ、自分の身の安全とか心配すんのかと思ったら····俺かよ。んっとに、お前らしいな」

 八千代がどうして笑っているのかはわからないが、言われてみれば一理ある。どうやら、お父さんはなかなか過激らしいし、お母さんに関しては未知数だ。

「それって、俺らは大丈夫? 殺されねぇ?」

「啓吾、失礼でしょ。流石に命までは····ねぇ」

 啓吾とりっくんは、少し怯えて緊張しているように見える。そんな横で、朔はパクパクとおせちを食べている。

「親父さん、怖ぇけど面白い人だぞ。小学校の行事でしか見た事ねぇけど。流石に勢いで殺されたりはしねぇだろ。それより結人、これも美味いぞ。緊張してんなら、しっかり食って元気だせ」

「朔····。自由だね」

「自由っつぅか····。もし、場野の親に拒否られたらどうすんだ? これから莉久と大畠ん家も攻略しないといけねぇだろ。1番難しそうなんは結人ん家だしな。ここでビビってる場合じゃねぇだろ」

「やだ、あんま現実突きつけないで? すげぇしんどくなってきた」

「まぁ、目逸らしてたところはあるよね。ゆいぴが1番、立場的に辛いだろうし」

「よし。俺ん家はさっさと攻略しとくか。公認の方が気が楽だろ」

「だから、それがいけんのかって話だろ。親父さん、認めてくれそうなのか?」

「後継さえいりゃ大丈夫だろ。たとえ親父だろうが、反対すんなら力ずくででも認めさせる」

「八千代、アンタ男になったわねぇ」

「うっせぇよ。ババァか──いでっ」

「誰に向かって口きいてんのかしら。よし、アタシも手伝ってあげる」

「手伝うって、どうすんだよ」

「先に母さん呼ぶわよ」

 そう言って、桜華さんがスマホをポチポチすると、1分もせずにお母さんが来た。心の準備も何もできていない。
 お母さんはスッと綺麗な正座をして、三指をついて深々とお辞儀をされた。

「明けましておめでとう御座います」

 僕たちは、慌てて姿勢を正し、畳に擦りつける勢いで頭を下げた。そして、挨拶を返すが、皆声が震えている。

「ちょっと母さん、皆怯えてるじゃない。何よ、そんな改まっちゃって」

「この方がビビるかと思って。うふっ」

 どうやら、かなりお茶目な人らしい。

「で、これ何の集まり? 八千代がお友達連れて来るなんて初めてじゃない」

 八千代が一通り僕たちの紹介をして、早くも本題に入ろうとする。

「待ちなさい。1人おかしいでしょ」

「あ? 何がだよ」

「そこの女の子····結人くん? どっちよ」

「男。名前でわかんだろ」

「じゃ、なんで桜華の振袖着てんのよ」

「それは桜華が面白がって着せただけな。可愛いから」

「かっ····は?」

 お母さんは、八千代の口から可愛いという単語が出た事に驚いたようだ。

「彼女····じゃないわよね。男の子だもんね」

「彼女なわけねぇだろ。嫁だわ──いってぇなっ」

 キャパを超えてしまった様子で、お母さんはとりあえず八千代を殴った。

「説明しなさい」

「説明しようとしてんだろうが。毎度毎度、先に手ぇ出してんじゃねぇよ!」

 八千代と桜華さんが事の経緯を説明した。そこでようやく、千鶴さんが戻った事に繋がったらしい。今までどう説明していたのだろう。

「わかったわ。そういう事······はぁ。八千代がそういうのに興味ないと思ってたら、ハマったらとことんなのね。まぁ、ちゃんと先を見据えて動いてるみたいだし、反対する理由はないけど」

「けど、何だよ」

「千理がどう言うかねぇ····。あの人、素直じゃないから」

「だぁら先にアンタに言ったんだろ。親父の駄々はお袋にしか処理できねぇからな」

「アンタ、それが人にモノを頼む態度なの? って······あぁっ!! その子ね? アンタがうちの店に連れてきてた彼女って。店の子に聞いて半信半疑だったのよ。アンタがすーっんごい甘い顔してたって言ってたから、人違いじゃないのって言ってたのよねぇ~」

 後ろで、桜華さんと千鶴さんが声を殺して笑っている。思っていたよりも、皆仲良さそうだな。なんて、呑気な事を思っていた。

「それじゃ、千理の所に行くわよ。ついて来なさい」

 来客中らしいが、いいのだろうか。僕たちは、お母さんの気迫に押され、ただただ後について行った。
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