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1章 始まりの高2編

目覚めた瞬間から

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「ん····あっ····イクぅ······」

(····イク?)

 お尻の快感にて、ハッと目を覚ます。横になったまま、後ろから八千代が僕のナカをこねくり回していた。

「八千代!? んっ····何してんの?」

「んー? えっち」

 腰を打ち付けながら、耳元で言うんだから意地が悪い。僕が耳でイッちゃうのを知ってての悪行だ。

「ひぇっ、んぁあっ、やぁ····イッちゃ······」

「イッていいぞ。お、そうだ。結人、おはよう」

 なんってイイ声でおはよう····。

「お、おは····よ······んふぅっ」

「朝から盛りやがって····。うるっせぇよ」

 寝起きの啓吾は機嫌が悪いらしい。けど、髪が爆発していて可愛い。

「ん~····あ、俺も次挿れる······から······」

 りっくんは昔から朝が弱い。幼稚園のお昼寝の時も、最後まで寝てたなぁ。起きるまでに何度寝かするんだ。今でも、スッキリ起きれないのかな。
 なんて、2人の寝起きを観察していると、足元から朔が布団に入ってきた。

「ひあぁっ!? なっ、なに!?」

 布団を捲ると、朔が僕の足の指を舐めている。指の間を舌でペロンとされると擽ったい。

「やんっ、朔、だめぇ····あっ、くすぐったい····あぁん····」

 段々、擽ったいのか気持ち良いのかわからなくなってきた。八千代もぐんぐん突き上げてくる。
 朔が僕の眼前まで上がってきて、前を扱き始めた。

「待って、今、イッたばっかりで····だ、めぇ······んっ、ふぅっ、んぁー······」

「ぅあ···。すっげぇ締まる。俺もイクぞ」

 寝起き、布団の中で射精からの潮噴き。お尻はローションでぐちょぐちょ。早くシャワーを浴びたい。
 けど、そうは問屋が卸さないんだね。

「次、俺な」

「俺、シャワー浴びてくるわ」

 八千代は全裸で浴室へ向かった。そして、僕のナカには、朔の大きな朔が押し拡げながら入ってくる。

「結人、おはよう」
 
「ん····朔、おはよ····んあっ」

 これまた、いい声でのおはよう。耳が溶けてしまいそうだ。
 入口から奥まで、ゆっくりねっちょりと出し入れする。それはまるで、僕のナカをじっくりと堪能しているようだ。

「ベッドでお前におはようって言えんの、幸せすぎてやべぇ····。ちょっと激しくしていいか?」

「僕はいいけど、啓吾とりっくんがまだ寝てるよ?」

「知らねぇ。もう9時だぞ。寝てるやつが悪い」

「そんな····ひあぁぁっ」

 僕に声を出させる為だろうか、ズゴンと一気に奥まで突き上げた。

「あっ、ん゙あ゙っ、んぇっ····」

 寝起きだからなのか、いつもより吐き気が来るのが早い。

「朔、だめ····吐いちゃう······」

「タオル敷いてるから大丈夫だ。キツいか?」

「だいじょぶ。気持ちぃけど、声、煩くない?」

「もっと聴きてぇ」

 そう言って、朔は奥を貫いた。声を聞きたいなんて、そんな恥ずかしい事を言われると出ちゃうじゃないか。

「い゙あ゙ぁぁっ、んゔぇ゙ぇ····」
 
「もう! お前らマジでうるせぇ! 朝っぱらから激しすぎだろ。も~~~っ、俺もヤる!」

 起きるなり怒り出した啓吾が、ギンギンにそびえ勃ったモノを口に突っ込んできた。

「ん゙お゙っ、ぶぇ゙っ····ぁがっ····ぅ゙え゙ぇ゙ぇぇ」

「あ~····喉奥めっちゃ締まる。朝勃ち突っ込めんのやっべぇ····幸せすぎんだろ」

「ケツもやべぇぞ。ギチギチだ。千切れそう····」

「結人、イクぞ。吐くなよ~」

「俺も、イクぞ。奥、挿れるからなっ」

「ん゙ん゙ん゙~~~っ······ゔえ゙ぇ゙ぇぇ······ゲホッ」

「朝からゆいぴ吐かせてんじゃねぇよ。お前ら鬼畜かよ」

「お。莉久、おっはよ~」

「おはよじゃねぇよ。ゆいぴが可哀想だろ。寝起きなんだから、もっとソフトにヤれよ」

「りっくん、僕、大丈夫····おはよぉ」

「ゆいぴ、おはよう♡」

 声のトーンが違いすぎる。清々しいほどに、僕には甘い。

「ここ片付けとくから、結人は大畠とシャワー浴びてこいよ。場野が浴びてるから、浴室あったまってんだろ」

「んー、あったまってんぞ。····って、大畠もヤってたんか。おーおー····。お前ら、朝から飛ばしすぎだろ」
 
 シャワーから戻った八千代が言った。タオルを頭に掛けたままで、それがまたカッコイイのなんの。
  
「しっかしお前、挿れられてもなかなか起きねぇのな。危ねぇぞ」

「え。場野、寝てるゆいぴに挿れたの?」

「どんだけ弄っても起きねぇからよ。挿れたら起きんだろうと思ったんだけどな。コイツ、イクまで起きねぇの」

「あ~····俺も前に寝てる時弄ったけど、全っ然起きなかったよね。俺は起きてから挿れたけど」

 そう言えば、以前りっくんが部屋に来た時にされたんだった。あれは本当にびっくりした。
 確かに、挿れられても起きないのはマズいと思う。けど、だからってどうすれば良いのか······。

「結人が俺ら以外と寝るこたぁねぇと思うけど、ホント····マァジで心配が尽きねぇなぁ」

「だねぇ。ふぁ~····コンポタ飲みたい。確か粉のやつあったよね? 場野、立ってるついでにお湯沸かしてよ」

「自分でやれや」

「どうせコーヒー飲むのに沸かすんだろ? ついでに俺の分も沸かしてよ」

「しゃーねぇな。結人は、ココア飲むか?」

「飲む! 八千代が入れてくれるココア好きなんだぁ」

「だったら早くシャワー浴びてこい。美味いの入れといてやっから」

 八千代が甘々だ。こんなに心がほかほかする朝は初めてだ。僕はにまにまが止まらないまま、啓吾とシャワーを浴びに行く。


 部屋に戻ると、温かいココアとトーストが用意されていた。

「美味しそ~。トーストも八千代が作ってくれたの?」

「いや、トーストは莉久。俺は飲みもんだけな。サラダは朔が盛り付けてた」

 なんだかんだ、全員分の朝食が準備されていた。みんなで朝ご飯なんて、こそばゆい感じがする。

「ゆいぴ、なんかご機嫌だね。寝起きえっち、そんなに良かったの?」

「え、えっちも良かったけどね。こんなに幸せいっぱいな朝、初めてだなぁって思って」

「一緒に住んだら毎朝幸せにしてやるよ。早く住みたいな」

「ぇへへ。早く住みたいねぇ」

 なんてイケメンな台詞をサラッと吐くのだろうか。朔は、トーストにかぶりつきながら王子スマイルを炸裂した。口の周りにトーストの粉が付いていても、可愛さが増しただけの良い笑顔だ。
 
「で、お誕生日の場野くんは、何かリクエストはないのかね? 行きたいとことか、やりたい事とか」

 啓吾が鬱陶しい感じのノリで聞いた。八千代はコーヒーを啜り、少し考えてから答えた。

「別にねぇ。けど、強いて言うなら····」

「なに? 何かあるの? 今日はね、八千代のリクエスト何でも聞くつもりだからね!」

「んじゃぁ····」


 
 八千代のリクエストを聞いて、やってきたのは遊園地。真冬に来てみたかったらしい。どんな勇者だよ。

「寒いね。で、ジェットコースターに乗るの? 八千代ってやっぱりバカなの?」

「なんかわかんねぇけど、チャレンジ精神っつーか、ガキの頃から真冬に乗ってみたかったんだよ」

「へぇ~····。それにしても、八千代が遊園地って意外だね」

「だよな。自分でも意外だわ。よし、せっかく来たし絶叫系は全部回るぞ」

「嘘でしょ····。僕、絶叫系やだ······」

 僕と朔は、絶叫マシンが苦手だ。なのに、どういう訳か、僕は八千代と先頭に乗っている。朔は、啓吾にチョークスリーパーを掛け、全力で拒否していた。

 急降下に向けて、やかましい音を立てながら空が近づいてくる。ふと下を見ると、朔が逆ナンされていた。

「あぁっ! 朔が、女の人に声掛けられてる····」

「「「えっ?」」」

 3人が下を見た瞬間、ほぼ直角に急降下が始まった。ほんの一瞬意識が飛んだ。声も出なかった。凍てつく風が顔面を突くのが痛くて意識を保てた。隣の八千代は楽しそうに笑っていて、僕はキャパオーバーで笑うしかなかった。

 ジェットコースターから生還し、朔のもとへ急ぐ。

「朔!」
 
「ん? おかえり。楽しかったか?」

「死ぬかと思ったよ! それより朔、大丈夫?」

「見てたのか? 大丈夫だぞ。俺がお前意外に靡くはずねぇだろ」

「そうじゃないよ。すっごく鬱陶しそうって言うか、嫌そうな顔してたから、何か嫌な事とか言われたのかなって」

「ふはっ。違ぇよ。女に声掛けられんのが面倒だっただけだ。けど、ありがとな。心配してくれたんだな」

「や、別に、嫌な思いしてたんじゃないならいいんだけどね」

 勘違いをしていたと気づき、途端に恥ずかしくなった。

「結人は優しいねぇ。ジェットコースター降りるなり、朔が大変かもしれない~って走り出すんだもん」

「なっ、なんで言うの!?」

「ごめんごめん。あんまり可愛かったから、朔にも教えてやろうと思ってさ」

「もぉ! 次、行くよ! 八千代、次何乗る?」

「ははっ。お前、むくれてても可愛いな。そんじゃ、お化け屋敷だな」

「や、それはホントにちょっと····やだ」

「結人、お化け屋敷入ったらマジでヤバいぞ」

 また啓吾は余計な事を言うんだ。2人デートで行った、お化け屋敷での痴態を皆に晒されてしまった。おかげで皆、お化け屋敷に入るとは思えないくらいワクワクしている。

「僕を囲んでくれるのはありがたいんだけど、全く周り見えないね」

「じゃ、ゆいぴ先頭行く?」

「見えなくていいです」

 八千代とりっくんが両脇で手を繋いでくれていて、啓吾が先頭、朔が殿しんがりを担ってくれている。

「雰囲気あるねぇ。ゆいぴ、大丈夫?」

「結人、腰抜かすなよ。誰が担ぐかで揉めそうだからな」

 啓吾はケラケラ笑って軽口を叩いていたが、直後、落ち武者の奇襲に遭う。

「おわぁぁ!」

 僕は、啓吾で前がよく見えないから、啓吾の叫び声に驚く。

「ひゃぁぁぁぁぁ!! なななっ、なに!?」

「落ち武者だね。啓吾、ブブッ····おわぁぁって····」

「めっちゃ気ぃ抜いてたわ。ビビったぁ」

「啓吾の声にびっくりしたんだけど。はぁ····もう出たいよぉ」

「んなに怖ぇんだったら、俺の腕にしがみついてろよ」

「でも、りっくんとも手繋いでるから····」

「絶対離さないから。場野が離せよ。んで、ゆいぴは俺の腕に抱きついてていいよ」

「俺、今日お誕生日様なんだけど」

 八千代が立場を利用してきた。りっくんは仕方なく惜しみながら渋々ゆっくりと、僕の手を離した。僕は否応なく八千代の腕に抱きつく。歩きにくいけど、密着度が増したおかげで怖さは軽減された気がする。
 
「ねぇ、ゴールまだ?」

「知ったら絶対入んないと思って、ゆいぴには黙ってたんだけどね。このお化け屋敷、1キロ近くあるんだって」

「イ、イチキロ······戻った方が早くない?」

「そうだな。まだ100メールくらいしか進めてないもんな。けど、後戻りはできないぞ」

「そんじゃ、ちょっとペース早めよっか。結人、大丈夫? また抱えてやろっか?」

 啓吾が意地悪く聞いてくる。

「大丈夫だもん! 頑張るも····んわぁぁぁぁぁぁぁっ」

「「「「おわっ!!」」」」

 全員、僕の絶叫にビクッとしていた。

「ビビったぁ····。ゆいぴ、どしたの?」

「八千代の上、上に、お化け····、目玉がいっぱい····」

 身長差のなせるアレだ。啓吾の顔を見ようと、顔をあげたのが運の尽きだった。天井には無数の目玉が蔓延はびこっており、蒼白い手や長すぎる舌が垂れている。血走った目玉が妙に生々しくて、心臓が飛び出るかと思った。

「結人、あんなデケェ声出せんだな。俺、まだ心臓バクバクしてんぞ」

「朔、ごめんね····。びっくりしちゃって。目玉がギョロギョロ動いてて、ホントにびっくりしたぁ····」

「腰、抜けてないか? 歩けるか?」

 啓吾に言われると、本当に心配してくれているのか、揶揄われているのかわからない。

「大丈夫。僕、強くなるって決めたから、お化け屋敷くらいで腰抜かさないもん」

「わぁ。ゆいぴ、かっこいいねぇ」

「ホント!?」

 ぱぁぁぁっと、視界が明るくなった気がした。かっこいいだなんて、言われた事がなかったものだから凄く嬉しい。

「や、心意気はかっこいいけど、その笑顔は反則だって。可愛すぎだよ····」

「また可愛いなの····?」

「可愛いもんはしゃーねぇだろ? それより結人、次墓地だって」

 啓吾が次のルートを指差して教えてくれた。

「お墓····お化け屋敷って全体的に不謹慎だよぉ····」

「あはは。確かにねぇ。」

 と言いながら、りっくんは僕にカメラを向けた。

「なんでりっくんは撮ってんの?」

「手空いたから、ゆいぴの絶叫でも記録しようかと思って」

 なんだか凄く悔しい。どうして皆は怖がらないのだろう。
 
「絶対叫ばないもん!」

「そっかぁ、頑張ってね~」

 墓地に足を踏み入れ、決心なんてものは数歩で翻された。しかし、これは僕の決心が薄っぺらいとか、そういう理由ではない。
 突然、啓吾がしゃがんだ。啓吾と入れ替わりに、白装束の幽霊が飛び出してきたのだ。

「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「ブハッ····猫かよ」

「ゴフッ、おまっ、にゃあって····」

 八千代と朔が、僕の悲鳴を聞いて吹き出した。ピコンと録画終了の音が聞こえ、腹を抱えているりっくんが声を殺して笑っている。

「けっ、啓吾! なんでしゃがんだの!?」

「何か来るな~って思ってさ。俺が前に居たら、結人見えねぇだろ? だからさ、しゃがんでみたらさ····、んふっ····にゃぁぁって····」

「啓吾のバカァッ!」

「あ~、啓吾がゆいぴ泣かした~」

「りっくんの意地悪! 泣いてないもん!」

「ふはっ、とりあえず、ぐふっ、進もう。後ろが来るだろ」

「朔はいつまで笑ってんのさ! もう! 皆さ、自分が怖くないからって酷くない!?」

「結人····ほら」

 そう言って、八千代が小道具のドクロを僕の顔に近づけた。

「ぴぁぁぁぁっ」

 僕は八千代の手を離し、りっくんの腕に強くしがみついた。

「良い反応すんなぁ。けど、俺から離れんなよ」

「だだだって! 八千代がそんなの持ってるからぁ!」

「ん~、可愛いなぁ····。さ、意地悪な場野は置いといて、俺と行こうね~」

「お前らはしゃぎすぎだろ。ここ、お化け屋敷だぞ。怖がってやれよ」

 後ろから朔が呆れて言った。僕は、はしゃいでるつもりはないのだけど。むしろ、お化け屋敷を満喫させられている。

「も、もう脅かすのやめてね。普通にゴールまで行こう? まだ半分も来てないでしょ?」

「そうだな。本当にちょっとペース上げんぞ。莉久も場野も、ちゃんと結人と手ぇ繋げ。大畠は結人を怖がらせるな」

「お化け屋敷なんだから、怖がらないと面白くないだろぉ」

「怖がってんの結人だけだろ。それに、あんな悲鳴あげさせて、結人が可哀想だろ」

 朔の過保護も重症だ。お化け屋敷の目的を忘れつつある。

「と、とにかく早くゴールしよう。ホントに後ろの人来ちゃうよ」

 僕たちは、なんとか脱出することができた。結局、朔以外に脅かされながらゴールまで、1時間近く耐えきったのだ。二度とお化け屋敷になんて入らないと、今度こそ固く心に誓った。

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