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1章 始まりの高2編
クリスマスはお泊まりするんだよ
しおりを挟む待ちに待った冬休みに突入した。早速迎えるイベントと言えばクリスマス。と言うことで明日、24日は八千代の家にお泊りだ。
今日は八千代の家で、クリスマスに何をするか相談している。
休みに入る前、勇気を振り絞って母さんに言った。友達と泊まりがけで、クリスマスパーティーをしたいと。
母さんは心配性だから、てっきり僕を小学生扱いしているんだと思っていた。なのに、あっさりと許可が下りた。「そういう年頃よねぇ」と、目がポロッと落ちそうなくらい拍子抜けだった。
母さんもお友達と遊びに行くから気にするなと、気を遣われてしまった。りっくんも居ると言うと「じゃあ安心ね」だって。騙しているようで心苦しい。
なんなら、今まで僕がそういう事をしたことがなかったから、逆にりっくん以外に友達が居ないんじゃないかと心配されていたんだそうだ。朔と啓吾にも会ったことがあるのに。なんにせよ、心配性は僕の方だったらしい。
それはそうと、ベッドが1つしかないのが問題だ。デカい男が4人も居て、どうやって寝るつもりなのだろうか。
いくら部屋が広くとも、床で寝るには寒い季節。僕はどこかの隙間にでもハマればいけるだろうけど。
なんて思っていたのだが、そんな心配は無用だった。
「朝までヤッてたらベッド1つで充分じゃね?」
啓吾の弾けた思考に仰天した。けれど、弾けていたのは啓吾だけではなかった。僕以外、皆そのつもりだったらしい。
「や、でもさ、シてない人は寝ないの? ん? 待って待って。その予定だと僕、寝れなくない?」
巨ちん4人と朝までなんて、いよいよ僕を壊す気なのだろうか。
「誰も寝る気ねぇだろ。つーか結人くんよ····。逆に聞くけど、せっかくの“初めてのお泊まり”なのに寝るの?」
「うぇ? あー····え~······。そう言われると勿体ない気がするなぁ。えーっと、えっとね、僕も寝ない!」
(わーっ。夜更かしなんて初めてだ!)
((((チョロい──!! んで可愛い!!))))
皆が目を逸らした。なんだか今、皆の心の声が聞こえた気がする。チョロいとでも思ったのだろう。皆だって、思っている事が顔に出るじゃないか。こと僕に関しては、僕でさえわかる程度に。
「でさ、クリスマスパーティ何するの? 僕、家族でしかした事ないんだけど」
「恋人たちの聖夜は、愛を育むしかないよなぁ」
「はいはい。啓吾、それだと俺ら万年聖夜だね。そうだなぁ····チキンとかケーキ食ったり、プレゼント交換したり? ゆいぴは何したい?」
「家族でするのとそんなに変わらないんだね。そっか。それじゃ、せっかくだし家族とはしない事したいな····」
「セックスは家族とできねぇだろ」
「朔まで····。それはパーティが終わった後するんでしょ? 別なの考えてね」
「つっても、クリスマスだからって特にする事なくねぇか?」
八千代が怠そうに言った。そういう催し自体、あまり好きじゃないのだろうか。
「八千代、パーティとかあんまり好きじゃない?」
「好きでも嫌いでもねぇよ。お前がしたいんならしてやりてぇし。結人が喜ぶんなら何でもやるつもりだからな」
「今更だけど、乗り気じゃないのかなって思って····」
「ん? や、んな事ねぇよ。お前と居れんなら、パーティでも何でも楽しみだからな」
八千代が浮かない顔をしているように見えた。それについては、思い当たる事が一つある。八千代の誕生日だ。
明日、24日は八千代の誕生日。あまりいい思い出がないと言っていた。そこで僕たちは、八千代に内緒でお祝いしようと企んでいるのだ。
休みに入る前から計画していて、実は母さんに、お泊まりは今晩から2日間と言っている。誕生日のサプライズをするのだと言ったら、なんだか凄く嬉しそうにしていた。
「それじゃ、パーティでやりたい事はゆいぴに任せようか。何でもするから考えててね。あ、そうだ。ゆいぴはサンタさんの衣装着てね」
「なんでぇ!?」
「可愛いからに決まってるでしょ。衣装は朔が持ってきてくれるってさ」
りっくんがウインクを飛ばしたが、違う理由で動悸が激しくなる。
「任せろ。いい感じのサンタの服持ってくるからな」
「えぇー····任せらんないよぉ」
「俺らは着ねぇの?」
啓吾がワクワクしながら言った。そんな、浮かれた啓吾をぶった斬るりっくん。
「俺らが着るって、需要あんの?」
「······無いです」
「あ~····。啓吾、そんなあからさまにしょぼんてしないでぇ。啓吾も着たらいいんじゃない? 僕と一緒にサンタさんしようよ」
「あ~、ホンット結人は優しいなぁ~」
腰に抱きついてきた啓吾は、潤んだ瞳で僕を見つめる。仔犬みたいで可愛い。思わず頭を撫でてしまった。
「とりあえず、明日の昼頃ここに集合ね。俺はゆいぴ連れてくるから、それぞれ担当のもの準備してよ。特にチキンとケーキね。場野、忘れんなよ」
「なんでいきなり仕切ってんだよ。うぜぇな。結人をガッカリさせるような事しねぇよ」
「はぁ~? 誰かが仕切んないと話まとまんないじゃん。えっと、後は啓吾だね。1人で大丈夫? 持てそう?」
「おう! 無駄に鍛えてっからな。それぞれ好きな飲みもんはちゃんとメモった。メモった紙忘れるから、スマホのメモにメモった! 結人には、俺がホットカルピス入れてやるからな~」
「やったぁ。ありがと、啓吾」
「メモメモってアホっぽいな····ぶはっ······」
なんだか朔がツボっている。予定を話し合うところから楽しいなんて幸せだ。
そして、僕たちは八千代の家を出ると、お泊まりの荷物を取りに一旦帰った。すぐにまた集まり、予約していた八千代の誕生日ケーキをみんなで引き取りに行く。プレゼントはそれぞれで準備している。サプライズに抜かりはない。
日付が変わる少し前、23時58分。
「啓吾、そろそろ火つけて」
りっくんが、チャッカマンを振り回して遊んでる啓吾を小声で急かす。
「ねぇ、廊下で火なんかつけていいの?」
急に不安になって、ボソッとりっくんに確認した。
「あー····どうだろ。まずいかな? なるべく早く消してもらお」
(りっくんって、案外大雑把な所あるよね····)
「今何分? もう全部つくよ~」
朔が時計を確認した。
「23時59分54秒だ」
大きなホールケーキに立てられた、17本のロウソクに火が灯る。0時丁度になったところで、インターホンを鳴らす。
反応がない。寝てしまったのだろうか。そう思って焦ったが、どうやら覗き穴から確認しに来たようだ。玄関でガタガタと物音がした。
時間が時間だし、そりゃ警戒もするだろう。しかし、覗き穴を覗いたところで、啓吾の顔しか見えなかっただろう。だって、啓吾も覗き穴を覗いていたのだから。そして、おそらく啓吾に当てるつもりだったのであろう、扉が勢いよく開かれた。
「おい、何してん──」
「八千代。誕生日、おめでとう」
僕は、啓吾から引き受けたケーキを、八千代に見せて言った。目をまん丸にした八千代の顔は、とても珍しくて可愛かった。
「····は? え、お前····ん?」
「八千代、パニックだね。えへへっ。サプライズ成功かな」
「あー····マジか」
八千代は手で口元を隠した。顔を隠したいのだろうが、耳まで真っ赤になっている。残念だが、その大きな手は意味をなしていない。
「八千代、前に言ってたでしょ。誕生日とクリスマス一緒にされるって。だからね、別々にお祝いしたいって皆に言ったんだ。そしたら、当然だろって言ってくれたの。だって、八千代の生まれた日だもんね。毎年、絶対別々に祝うからね!」
「お、う····。毎年······頼むわ」
「あはは。場野真っ赤じゃん! かーわい~」
揶揄った啓吾が悪い。脇腹に綺麗なボディブローが入った。
「うるっせぇな。近所迷惑だろ。とりあえず入れよ」
「先に火消してよ。ゆいぴが消防法の心配してた」
八千代は呆れて笑いながら、短くなったロウソクの火を吹き消した。
「あ、俺ら今日から泊まるから」
「は? いきなりかよ····って、ん?」
「えへへぇ~····僕もね、2日間お泊まりの許可貰ってきたんだよ。へへっ。今日からずっと一緒に居られるね」
僕は誇らしく、ピースサインを八千代に見せつけた。
「よし、風呂だ。もう我慢できねぇ」
そう言うと、八千代は僕を担いで浴室へ連れ込んだ。啓吾たちが荷物を回収して部屋に運んでくれる。先にケーキを食べたかったのだけど、八千代は僕を食べたいと言った。
「八千代、今日、激しくない? も、脚に力入んないよ····」
「····ハァ。ちょっと浸かれ。身体あっためろ」
八千代に抱えられたまま湯船に浸かる。既にヘロヘロなもんで、八千代にもたれ掛かるようにして、完全に身を任せて温まる。
「ん····何してんの?」
八千代が僕の下腹部を揉み始めた。そして、耳元で声をゴロつかせる。
「よくあっためた方が楽だろ。ここにぶち込むの」
「ふあぁんっ」
「ふはっ。耳隠す力も入んねぇのかよ」
後ろから両脇下を支えてもらって脱力しきっていたものだから、首を傾げるくらいしか抵抗ができなかった。それよりも、なんだか八千の代機嫌が良い。いつになく楽しそうだ。
「八千代、誕生日楽しめそう?」
「お前とずっと一緒に居れんだろ。最高の誕生日だわ」
「そっか。へへっ。来て良かったぁ」
僕の緩んだ顔を見て、八千代はキスでさらに腰を砕くと啓吾を呼んだ。例の如く僕は啓吾に引き渡され、ふわふわのバスローブに包まれベッドに運ばれる。
八千代が戻るまで、みんなが僕をやりたい放題に弄る。皆、なかなかのハイテンションだ。
「こんな時間に結人と居れんの、新鮮過ぎてテンションやべぇわ」
「それな。この後帰さなくて良いって思ったら····やべぇな。本当に抱き潰しちまいそうだ」
朔が僕の両手を押さえ、興奮した顔で僕を見下ろすと、ガチガチに勃ったおちんちんを口に突っ込んできた。
「啓吾も朔も落ち着きなよ。夜は長いし、明日の夜もあるんだから。ゆいぴ壊さないようにしなくちゃ」
りっくんが僕の乳首に吸い付きながら言った。説得力なんて皆無だ。
早くも3人とも目が座っていて、理性が迷子になっているように見える。
「お前ら退けよ····」
戻った八千代の目が誰よりもヤバかった。それはそれは、朔が一瞬慌てるほどに。控えめに言って、怖い。
「おい、場野····。壊すなよ? 結人、無理な時はちゃんと言うんだぞ。俺らで場野抑えるからな」
「ひぇ····お願いね」
「ふぅー······。お前ら、俺を野生のゴリラか何かだと思ってんだろ。ったく、アホか。壊したりしねぇよ」
と言いつつ、一呼吸吐くと奥の扉まで一突きに入ってきた。
「んお゙っ、あ゙っ····やぁ~~~っ、激しっ、やち····ぉん゙ん゙っ」
入口までズルルと引き抜き、再び奥までごちゅんと突き上げる。大きくピストンされると、気持ち良い所を全部一気に擦られて、八千代が動く度にイッてしまう。
突かれる度に、僕は射精を繰り返す。いつの間にか潮に変わっていたが、イキっぱなしの僕が気付く由もない。
「おい。誰か、結人の口に突っ込まねぇの?」
「お、じゃぁ俺挿れる~」
啓吾が名乗りを上げ、そこそこ一気に喉奥にねじ込んだ。
「ぅえ゙っ····がっ、ごぼぉっ······がはっ····」
「もうちょい入るかな。結人、息してね~。挿れるよ」
「こっちも、そろそろ奥挿れんぞ」
2人は同時に奥へとねじ込んできた。息ができない。目がチカチカして、脳が酸素を求めている。
「おぇ゙ぇ゙····ゔぇ゙ぇっ····ゴホッガハッ」
啓吾は喉奥に流し込むと、ズルンとおちんちんを引っこ抜いた。この抜ける瞬間までも気持ち良い。
酸素が脳に行き渡り、身体に微弱な電流が流れたような痺れを感じる。
これが癖になってしまっている僕は、マゾと呼ばれるに相応しいのだろう。というのを最近自覚した。
「吐いたらめっちゃ締まんな。お前のケツ、立派なまんこに仕上がってんじゃん」
八千代が何やら嬉しそうに言ったが、うまく聞き取れなかった。僕のお尻がなんだと言うのだろうか。
「ま、まん····? ぁに? 僕のおしぃ、変なの?」
「ははっ、違ぇよ。お前んナカが最高だつってんの」
「えへっ····そっかぁ。気持ちぃ····んだよね? やったぁ~····」
「あ、おい。結人?」
「寝たね。ゆいぴ、遅くても普段11時には寝てるからね。とっくに限界だったんじゃない?」
「うっそだろお前······。まぁ、いいわ。今日は俺がイクまで付き合ってもらうからな」
「出ぇたよ。場野の鬼畜っぷり。結人起こしてやんなよ」
「まぁ、あの状態でやめんのも地獄だろ。今日に至っては、寝ちまった結人が悪ぃ」
「そりゃそうだな。んじゃさ、今のうちに風呂入ってきていい?」
「勝手にしろ。んで、その辺で寝ろ。床暖入ってっから」
「んー。りょうか~い。朔と莉久は入んねぇの?」
「入るけど、一緒に入るわけないでしょ。後で入るから、お先にどーぞ」
「えー、広いから入れそうじゃん」
「いや、結人と2人で入ってギリギリだろ。足伸ばせねぇのは嫌だ。俺も後でいい」
「朔も~? なんだよ~。皆で入った方が絶対楽しいだろ~」
「ブツブツ言ってないで早く入ってよ。後つかえてんだから」
「わかったよ~。つれねぇの~」
「ん····あっ····やぁ····イッちゃう····イッちゃ····ぅぅんっ」
「あれ? ゆいぴ起きたの?」
「いや、寝てる。寝ながら喘いでイッた。こいつ、寝ながら煽ってくんのかよ」
「ホント、煽んの天才だよね」
「俺も前に注意したんだけどな。寝てる時はどうしようもねぇな」
「朔にまで注意されたんだ。ゆいぴ、ホントやばいねぇ」
「心配が尽きねぇ。結人がこのまま大人になったら、どうなるんだろうな」
「大人になったゆいぴ····。想像できないね。案外、今のままじゃない? 見た目も中身も」
「りっくん····失礼過ぎるでしょ······」
「わぁっ! ゆいぴ起きてたの!?」
「イッて目ぇ覚めたの。僕だって、もうちょっと、成長する····もん······」
「あ~、もう限界じゃない? 場野、イッたんでしょ? 続きはまた明日にしよ」
「そうだな。·····はは。ちょっと浮かれてたわ」
「珍しいじゃん。場野が浮かれんのなんて」
「そんだけ結人がすげぇんだろ。場野が不良辞めたのも、結人のおかげなんだろ?」
「あぁ。こいつ、不良は嫌だとか言って、タバコも金髪もやめたわ」
「人を変えるってすげぇよな」
「そうだねぇ。ゆいぴの純真さって言うか、裏表の無さのなせる技だよね」
「んっ····」
「あ、ゆいぴ起きちゃう。早く綺麗にして寝かせてあげよ」
「タオル足りねぇな。あっためてくるわ」
「ん。俺と莉久でベッド片付けとく」
僕は薄ぼんやりと、皆のやり取りを聞いていた。夢現で、現実と夢の境がわからなかったけれど、凄く幸せな気持ちだったのを憶えている。
温かいタオルで拭いてもらった心地良さも、お誕生日様だからって八千代が僕を抱き枕にして眠った事も、薄ぼんやりとだけ憶えている。
一緒に住んだら、これが毎日なんだ。なんて幸せな日々なんだろう。目指す未来への期待に胸が踊った。
朝起きると、僕と八千代は全裸のままだった。服を取りに行こうとベッドを抜け出すと、八千代が起きてしまった。
「んだよ····さみぃだろうが。俺から離れんな」
と、八千代は僕をベッドに引き戻した。どうやら寝惚けていただけのようだ。
抱き締められると、胸筋に埋もれてしまい息苦しい。八千代の寝息が額にかかってくすぐったい。抜け出そうとしたが、がっちりホールドされていてビクともしない。
なんとか半回転し、息をするスペースを確保した。そうすると、ある物に気づく。
お尻に当たる硬くて大きいモノ。あぁ····僕に触れた瞬間、もっと大きくなった。お尻の割れ目に割り込んでくる。
ベッドの周囲を見渡すと、寒いのか啓吾が朔にくっついて寝てる。りっくんは少し離れた床で、大の字で寝ている。意外と豪快な寝方をするんだ。
なんだろう、この幸せしかない空間は。時計は、まだ6時19分を指していた。もう少し、この温もりに包まれて眠ろう。八千代のおちんちんを太腿で挟んだままだけど、おやすみなさい。
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