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1章 始まりの高2編

結局、僕得じゃないの?

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「結人、大丈夫か? まだイけっか?」

 八千代が心配そうに、僕の頬を指で撫でながら聞いた。

「んぅ? うー····へぁ······らいじょぉぶ。けど、ちょっとだけ、休ませてぇ」

「結人、水飲めるか?」

「今、起きれにゃい····」

 朔は、僕を仰向けにすると少し上体を抱き上げて、口移しで水を飲ませてくれた。

「んはぁっ。ありがと、朔。もう、大丈夫だよ」

「無理はすんなよ。場野も大畠も、容赦ねぇからな」
 
「啓吾はハイになるとSっ気ヤバいよね。ゆいぴ壊しそうでヒヤヒヤするんだけど」

「ハァ····お前らに言われたかねーよ。莉久もハイんなった時やべぇからな」

「りっくんも啓吾もね、興奮した時凄いよ。ホントに壊されちゃいそうで、ドキドキするの」

「じゃ、またドキドキさせてやろっか」

 八千代が耳元で囁いた。そして、舌で口内を犯される。息をする余裕もない、唾液が垂れたってお構い無しな激しいキス。それはもう、キスと言うよりも捕食だ。

「んっ····はぁ····ひゃ、ひお····」

「ん?」

「いっひゃう····」

 僕は、キスだけでイッてしまう変態らしい。さっきはもう出ないと思ったのに、しっかりと射精してしまった。

「はぁー····しっかり息してろよ。挿れんぞ」

 八千代が僕のナカに入ってくる。ペニスリングをつけている部分が少し引っかかる。けれど、その引っ掛かりが新しい刺激となって、僕のナカで快感へと変わる。

「痛くねぇか?」

「痛くない、気持ちぃ····あんっ、だめっ、これ····すご······いつもと、擦れ方、違っ、う、からぁ····」

「そっか。なら、もうちょい動くぞ。痛かったら言えよ」

「んあ゙ぁ゙あぁぁ! じぇんりつしぇん····ゴリゴリ、して、あっ、らめぇ····んぉぁぁ······出るの、止まんな····」

 まるで噴水の様に、勢い良く噴き出す潮が止まらない。腰が勝手に動いてしまう。僕の身体は、どうしてしまったのだろう。自分の身体じゃないみたいに、僕の意志とは関係なく、お尻を八千代に押し付けてしまう。

「んはっ····。お前、可愛過ぎんぞ。ケツ振って押し付けてきて、そんなにちんこ好きかよ」

「おちんちん、好き····。らけど、八千代がね、好きなの。らから、もっとくっちゅきたくって····」

「おい大畠、リモコン寄越せ」

(今日は慣れさせるだけと思ってたんだけどな····。こいつの煽り癖、マジで危ねぇな)

「どこだよ」

「テーブルの上にねぇか?」

「んー、あった。ほい」

「さんきゅ。結人、もっと気持ち良くしてやっからな」

「もっと····?」

 八千代が、リモコンのスイッチを押すと、リングが振動しだした。なかなかに強い振動だ。

「うおっ。思ってたより強ぇな。んっ、あー、やべぇなコレ。結人、大丈夫か?」

「ふあぁぁぁぁ····しゅご····なにこぇぇ····あっ、ダメダメダメっ! イッちゃ····う····」

「良さそうだな。動くぞ」

「いっ、ひゃぁぁぁ!! 待っ、らめっ、あ゙ぁ~~~っ、イクイクイクイクッ! イッ····くぅぅ····はぁぁぁんっ」

「すっげぇな。締まりやべぇぞ。はぁ····俺も、もう無理だわ。イクぞ、結人」

「八千代っ、好きっ、大しゅきぃ····もっと、奥、ちゅぶしてぇ! ナカに、奥に、いっぱい出してぇ」

「ん゙ん゙っ····はぁっ、結人、愛してる······ん゙ぁっ」

 八千代は奥まで挿れず、こじ開ける手前まで抉って奥に流し込んだ。
 僕は横たわったまま、力なく八千代見上げる。イッた後おちんちんを抜く前に、髪を掻き上げて息をつく八千代が好きだ。

「八千代ぉ····えへへっ······好きぃ」

「おまっ、ん? どした?」

「んぇ? 好きだなぁって思ったから。好きって言っちゃダメなの?」

「や、お前普段、そんなん言わねぇだろ」
 
「ゆいぴ、大丈夫? 俺もヤってる時言われた事ない」

「えー? そうだっけぇ? いつも思ってるよ? 声に出てないのかな····んへへ····りっくんもねぇ、大好きだよ」

 きっと、僕は今だらしない顔をしているのだろう。けど、顔がニヤけて戻らない。幸福感に包まれて、気持ちを伝えたくて仕方ないんだ。

「んっあぁぁぁぁぁぁ!! 破壊力!! 場野、お前よく壊さなかったな。偉い!」

「おう。正直、ちょっとテンパった」

「なぁなぁ、結人。俺は? さっき言ってくんなかったぁ」

「だって、言う余裕なかったぁ。····啓吾、大好きだよぉ」

「あぁ~。これはやっべぇ。マジで破壊力えぐぅ」

「あはは。啓吾、撃たれたみたいな反応····変なのぉ」

「結人····」

「えへへ。朔もね、大好きっ。僕ね、皆のことホントに大好きだよ。えっとね、えっと、あ、愛してるよ?」

「ふぐぁっ····」

 りっくんが死んだ。本当に、床に倒れ込んで動かない。

「りっくん、大丈夫? ····って、皆も大丈夫?」

 りっくん以外も、みんな胸を押さえて動かなくなってしまった。

「え、皆どうしたの? 怖いんだけど····」

「まさか、ゆいぴに愛してるなんて言ってもらえる日がくるなんて····ホントに心臓止まったかと思った」

「そんな大袈裟な····。結構前から思ってたよ? 恥ずかしくて、なかなか言葉にできなかったけど」

「結人、俺も愛してる」

 朔が僕を抱き締めて、耳元で愛を囁いた。超ド級イケメンのこれは、破壊力がケタ違いだ。テンパって、思い切り抱き返してしまった。

「さっ、朔····それは反則だよぉ」

「結人も観念した感じだな。もうさ、誰か1人選ぼうとか思えねぇだろ」

 啓吾が痛い所を抉ってくる。僕だって、迷いが無くなったわけじゃない。けど、誰か1人なんて、皆を愛おしく想ってしまった今ではもう選べない。

「えっ、と······」

「それでいいんだよ。つーか、そうなるように全員で甘やかしてきたんだしな。俺らはもうセットなの。俺らが望んだ事なんだよ? だから、結人は何にも気にしないで、ただ俺らを愛してくれてたらいいの。わかった?」

「うー······わかった」

 なんて都合のいい夢をみせてもらっているのだろうか。僕が想像していたよりもずっと、恋人って幸せをくれるんだね。
 けど、やはり僕は貰ってばかりだ。

「僕ね、すっごく幸せなの。でもね、もらってばっかで僕、皆に何も返せてないでしょ? 僕はね、皆にね、僕と居て幸せだって思ってもらいたい···」

 たどたどしくも思いを伝えると、八千代が朔から僕を奪い取り、膝の上に乗せた。

「お前、ほんっとにアホだな。勉強はできんのに、なんでそういうトコ繋がんねぇんだよ」

「ん? どういう事?」

「俺らは、お前が居て笑ってりゃ満足なわけ。んで、お前が俺らを選んだ時点で幸せだったんだよ。なのに愛してるとか、どんだけくれんだよって事」

「······??」

「あ~····結人わかってないよ、たぶん」

 啓吾がベッドに肘をつき呆れている。確かに、あまり理解はできていない気はするけど。

「えーっと、皆も幸せって事? 僕がみんなの事愛してるって言っても、良いってこと?」

「ゆいぴ、言っちゃダメだと思ってたの? なんで?」

「だって、やっぱりいつかは誰かを····って思ってたところがあって····」

「まだそんな事気にしてたのか。それはもういいってなっただろ。結人は、全力で俺らを愛してくれたらいい。俺らは、結人に愛してもらえるよう頑張る。そんだけの事だろ」

「そうだな。その通りだわ。朔はわかり易くざっくりしてて良いね~」

 こんなに都合の良い幸せがあっていいのだろうか。いつか、どんでん返し的な何かが起きたりしないだろうか。幸せ過ぎると、不安がどんどん膨らんでゆく。

「さてと、腹減ったな。なんか食わねぇ?」

 啓吾の発案と同時に、僕のお腹が鳴った。

「ははっ。結人、めっちゃ腹減ってたんだな。何食う?」

「恥ずかしいよぅ····。んーっとね、何があるの?」

「場野、何があんの?」

「何もねぇわ。なんか頼もうぜ。作んのだりぃ」

 そうして、ピザを注文した。少し嫌な予感がするのだが····。

「ピザさぁ、来る時いっつも結人啼かせるバカが居るよな」

「バカにバカって言われたくねぇよ。んだよ、お前も啼かせてぇだけだろ」

 啓吾と八千代が馬鹿な事を言い出した。雲行きが怪しい。

「今日は場野が受け取れよ。配達の兄ちゃんがあわあわしてんの見ろ! 申し訳なくなるから!」

「なんねぇよ。つーか女だったらどうすんだよ」

「あっ····」

「いつものピザ屋、配達に女の人いないらしいよ。友達がバイトしてて、女いねぇって喚いてたから」

「莉久ナイス!! じゃ、場野受け取りな。結人、おいで」

「ちょ、そんなのやだよ」

「いいから、おいで? 気持ちよくしてやるから、な?」

「啓吾、狡いよぉ」

 僕はリスクを蹴って、啓吾に悪戯される事を選んだ。気持ち良いには抗えない。

 僕だって、簡単に声を漏らしたりはしない。絶対に耐えてみせる、なんて思ってた数分前。啓吾が奥を貫いて、あっけなく白旗を掲げた。

「け、ごっ、おぐぅ、らめっ····もっ、じゅっとイッ、あ゙ぁ゙ぁぁぁ」

「まだピザ来てないから、そんな喘がなくてもいいよ」

「違っ、声は、勝手にぃっ、い゙あ゙ぁ」

「そっかそっか。今日ここ、よく声出んね」

 そうこうしていたら、ピザが来た。配達員さんに申し訳ないから、本当に恥ずかしいから、今から数分は我慢しなくちゃ。そう思って、自分で口を塞いだのに。

「そういう抵抗されると、余計気合い入んだよ、なっ」

 啓吾は、僕の両手首を頭の上で押さえつけ、同時に奥の弱い所を抉り抜いた。

「い゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁぁっ!! やっ、らめっ、イッくぅぅあぁぁっ!! ぅ゙え゙ぇ゙ぇぇ····ガハッ、ゲホッ、いぐぅ····んえ゙ぇ゙ぇ゙ぇ」

 ドタドタと足音が近づく。八千代が、扉を勢いよく開けた。

「お前、マジでアホか。今から食うのに吐かせてんじゃねぇよ」

「あ、わりぃ。結人、超気持ち良さそうだったから、つい····」

「啓吾、啓吾? 啓吾はイかないの? 僕のナカに、出してくれないの?」

「あー、はいはい。出すよ。もうちょい奥ぐぽぐぽしたらね~」

「あっ、そこ、らぁめぇぇ····出ちゃうっ、またイッちゃうぅ」

「いいよ。いっぱいイけよ。俺も、イクからっ」

 啓吾はとても満足そうに、僕のナカにぶち撒けてくれた。ピザの良い匂いがする。けど、ベッドを片付けるのが先だ。
 りっくんは僕を拭いてくれて、ピザも取り分けてくれた。啓吾は朔に手伝ってもらい、せっせとベッド片付けている。

「ゆいぴ、食べれる? え、食べれるの? さっき、かなり深く吐かされてなかった?」

「ん····たぶん大丈夫。気持ち悪いより、お腹空いた」

「ゆいぴ、細い割に身体強いよね。主に中身が」

「そうだよな。最初抱く時、どこまでやっていいんか不安だったわ」

「ちょっと強くしたら壊れちゃいそうだもんなぁ。ま、意外にも強いおかげで、めちゃくちゃしてやれるけど~」

「俺も、初めて挿れた時、壊しちまいそうで怖かった」

「いや、朔は初めからぶっ飛ばしてなかった? 俺らのがヒヤヒヤしたって。場野、シーツ洗濯機に突っ込んでいい?」
 
「おお。突っ込んで回しとけ」

「ゆいぴが強くて、俺ら助かってるけどね。しんどい時とか無理な時は、ちゃんと言ってね? 俺らゆいぴの事になると、ちょーとハメ外しちゃうことあるから」
 
「ちょっと····?」

「ちょっとじゃないです。ほら、ゆいぴピザ冷めるよ」

「あははっ。りっくん、誤魔化すの下手すぎだよ」

 
 僕たちはお腹いっぱい食べて、冬休みの事を話し合った。来週は終業式。そう、待ちに待った冬休みが始まるのだ。
 それに備えて、テストが終わってからというもの、啓吾とりっくんはバイトに明け暮れている。今日も、夕方からバイトらしい。
 まずはクリスマスだ。僕たちは既に、お泊まり会を計画している。だが、その前にひとつ、こっそりと企画している事がある。ああ、楽しみが多過ぎてキャパオーバーしそうだ。
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