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1章 始まりの高2編
準備なんてそっちのけ
しおりを挟むあれほど八千代に念を押されていたのに。りっくんは、頬に添えていた手を口元にずらすと、上手く髪を垂らして隠し、唇と唇を触れさた。姫の演技なんて知らないけど、僕ほど目をカッ開いた姫は存在しないだろう。
周囲には本当にしたように見えただろうが、まさか本当にしているとは思わないだろう。しかしその際どさから、キャーと悲鳴に近い歓声があがった。
八千代と朔以外には気づかれなかったようで、しれっと僕を舞台から降ろし、そそくさと僕たちを帰らせた。
「アイツ、やりやがったな」
「後で説教だな」
「バ、バレてないかな····」
「バレてはねぇだろうけど····姫役の女、アイツ結人の事すげぇ顔で睨んでたぞ。女の嫉妬は怖ぇな」
「や、やめてよぉ····。まぁ、やっぱり良い気はしないよねぇ」
「本命相手なんだから、仕方ないんじゃないか? 俺だって、莉久の立場だったら似たようなもんだったと思うぞ」
八千代と朔は、気にするなと言ってくれた。けれど、やはり申し訳ない気持ちに苛まれた。
教室に戻ると、啓吾が燕尾服に着替えていた。少し着崩しているが、それが妙にハマっていてチャラいのにカッコ良い。下っ端感があるけど、それがまた可愛く見えてしまう。
ミスばかりする啓吾を、ベテランの八千代と朔がフォローする····みたいな妄想が容易にできてしまう。
「啓吾、執事さん似合ってるね。かっこいい····あ。僕たちね、宣伝がてら校内練り歩いてきたんだよ」
と、僕たちの帰還に気づかない啓吾に声を掛けた。啓吾は女装した僕を見るなり、無言でスマホを取り出し、周囲がドン引くくらい連写しだした。
ざわめきの中、鳴り続けるシャッター音。画面と僕を交互に見る啓吾。全身を舐め回すように撮っている。
「ちょ、やめっ、啓吾。いつまで撮ってんの? しつこいよ」
「だってお前、これヤバすぎだろ。どこの美少女かと思ったわ。んぁー····可愛いなぁ~」
これを、連写しながら真顔で言っているのだから怖い。僕たちの関係が秘密だと、頭からすっぽ抜けているのではないだろうか。
満足ゆくまで撮ると一息吐いて、自分も一緒に練り歩いてくると勝手に宣伝に出た。八千代と朔も、もう一度宣伝して来いと追い出された。
しかし、そんなのは教室を出る口実に過ぎなくて、まっすぐ理科準備室へ向かう。
準備室に入るや否やソファに押し倒され、スカートの中をまさぐられる。キスをしながらスルッと下着を抜かれ、お尻が解れている事を確認すると、早速挿れられる。この間、僅か1分足らず。
「やぁっ····服、汚しちゃ、ダメだよ」
「ん····わかんないなぁ。できるだけ気ぃつけるねぇ」
啓吾は、なんだか意気揚々と昂っている。
僕の身体を少し横に向けると片脚を抱き上げ、奥へ奥へと突き進んでくる。ごちゅごちゅと何度かノックをすると、ぐぽっと一突きに奥の部屋へ侵入した。
「い゙あ゙ぁっ! ゆっくり、け····ご····、激しっ····お゙ぁ゙ぁっ」
ぐぽぐぽ出入りする度にイッてしまい、潮を噴くのが止まらない。朔が親切に僕のおちんちんを持って、衣装にかからないようにしてくれている。だが、少し扱かれていて、おかげでさらに噴いてしまう。
もはや、自分から何が噴き出ているのかわからない。
「ごめんな、もうちょいだから····このまま······ん゙ぅっ」
「い゙あ゙ぁっ····ん゙っ、ゔぁ゙ぁ゙っ」
「はぁ~······朔、ナイスアシスト」
啓吾はそう言って、朔に“グッジョブ ”と親指を立てた。
「気持ちはわかるからな。結人のこんな格好見たら、止まんねぇよな」
「だよな。あのまま教室で犯したかったくらいだわ」
「「わかる」」
朔と八千代は声を揃えて言った。まったく、バカなことばかり言うんだから困ったものだ。
「さて、と。俺まだなんだよなぁ。メイドさん犯すの」
そう言いながら、八千代が啓吾と入れ替わる。僕の脚をガッシリ抑え、閉じさせてくれない。
「······え?」
「せっかくだから、脱がさねぇでヤろうな」
「待って? そろそろ戻らないと····」
流石に、いい加減教室に戻らないといけないと思い、勇気を振り絞ってお断りした。なのに八千代ときたら、ソファの背に手をつかせ、お尻におちんちんを押し当ててきた。
後ろから抱き抱えるようにして顎を掴み、耳元で低い声を唸らせる。
「うるせぇな。お前んナカ食わせろ」
「ふぅっ、ん····あぁっ」
また、耳でイッてしまった。それと同時に八千代がずぬっと押し挿ってくる。イッたのがバレていないといいのだけど。と、思った矢先だった。
「そうだ。莉久から聞いたんだけど、結人さ、耳でイけるらしいよ」
「ちょ、啓吾!? なんでバラすの!?」
そんな事を知ったら、八千代が面白がるに決まっている。よくもまぁ、こんな突っ込まれたタイミングで言ってくれたものだ。
「へぇ····。莉久にイかされたんか。耳だけで?」
「り、りっくんが意地悪だったんだよぉ」
「じゃ、俺も」
八千代は奥にグイッと押し込むと、耳元でワザと喘ぎ始めた。普段、声なんてイク時しか漏らさないくせに。それも『うっ』とか『ぐぅっ』とか、押し殺したような声しか出さない。
「やっ、ダメっ、あんっ····耳やだっ····イッちゃうよぉ」
「んぁ····、気持ちぃな。はぁー······ん、ナカ、ビクビクしてんな。いいぞ、イけ」
「あっ、やぁっ! ひゃぁぁんっ」
「可愛ーっ! 俺も反対の耳でやろ」
「け、啓吾····も、むりぃ」
八千代がまだ耳元で吐息を漏らしているのに、反対側の耳に啓吾が口付ける。そして、耳を指で摘まんで撫でながら言葉を放つ。
「だーいじょーぶ。イけるよ。ほらぁ ····ね? 顔真っ赤で可愛いなぁ。上手にイけるよな? 俺の声好きだろ? ちゃんとイけよ? ほら結人、イけ」
「ひああぁぁっ」
「すげぇイキっぷりだな。俺もやってみてぇ」
「待っへ····ホント、も、やぁ、むぃらよぉ」
一生懸命、無理だと訴えているのに、無情にも朔に耳を占領されてしまった。
「そんな事言うなよ。俺も耳でイかせたいんだ。なぁ、俺の声でイけよ」
「んやぁぁっ······はぁん····もぉ、耳らめぇ」
立て続けに耳でイかされてしまった。なんて幸せに満ちた苦痛だろう。息も絶え絶えに、僕は八千代に言った。
「も、イけない····気持ち··良過ぎて、ふわふわでぇ····死んじゃうよぉ····」
全身の力が抜けて、涎も垂れ流しだ。唾を飲み込む力すら入らない。
「限界か。んじゃ、俺もイクから、最後に気張れよ」
八千代は僕の両腕を引っ張り上体を起こすと、最奥にズゴンと挿れた。朔のフォローの甲斐あって、衣装が汚れる事だけは回避された。しかし、僕は腰が砕けてしまい、暫く立てなかった。
八千代には、色気ダダ漏れのまま部屋を出るなと言われる始末。誰の所為でこうなっているか、わかっているのだろうか。
抑え込むように気持ちも身体も落ち着かせ、教室に戻り平然を装う。ついさっきまで、あんな事をしていたと気づかれないか、僕は気が気でなかった。
教室に戻ると、啓吾が先輩に呼び出されて連れていかれてしまった。
啓吾は、同じ中学だった先輩に頼まれ有志でダンスを披露する事になっていた。と言うのも中学の頃、人数合わせでダンス部に入れられていたらしい。
僕が練習を見たいと言うと、イタズラっ子のように笑い『本番のお楽しみな』と言われた。知る人によると、とてもセクシーらしい。····どうして皆、僕の心配を膨らませるのだろう。
みんな、僕の事を危機感が無いだの心配だの言う割に、自分たちはどうなのだろうか。
元々モテるし、体育祭の時の事だってあるのだから、色々と自重してほしい。けれど、楽しんでもほしい。日に日に頭と心がバラバラになってゆく。
一通りの準備を終え、本番を残すのみとなった。あとは、問題なく過ごせることを祈るばかりだ。
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