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1章 始まりの高2編

勉強会だ!

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 全員とのデートが終了した週明け。憂鬱な時間がやってきた。
 理科準備室に連行された僕は、誰とのデートが1番だったかを問われている。そんなの、決められるはずがないのに。

「皆、それぞれ良かったんだけどな····決めないとダメ?」

 困惑している僕に、言い出しっぺの啓吾が助け舟を出してくれた。言い出しっぺのくせに····。
 
「別にいいんじゃねぇ? 俺のデートなんか、最終的に場野も混じったし」

「まぁ、ゆいぴが楽しかったんなら何でもいいよ。それより啓吾、ゆいぴの事守ったんでしょ? 頑張ったじゃん」

「だろ!? けど、デートとしてはなぁ····。場野にいいトコ持ってかれたしなぁ~」

「僕は、啓吾とのデートも凄く楽しかったよ。それにね、守ってくれたのめちゃくちゃカッコ良かったんだからね!」

 啓吾が庇ってくれていなかったら、僕が殴られていたかもしれない。良くも悪くも無意識で煽るのは気をつけなさいと、ハプニングについて話した時りっくんに注意された。
 
 僕は皆にせがまれ、それぞれのデートについて、どこがどう良かったかを発表した。デートの内容については、互いの予定くらいは知っていたらしい。流石に被らないように気を配ってくれてたのだろう。内緒って言ってたのに····。

「2人デートも楽しかったけどさ、やっぱり皆で居ると落ち着くねぇ。えへへ」

 新鮮みがあって、2人デートも良かったのだが、どうしても他の皆の事が過ぎってしまう。ましてや、話題に出してしまうと会いたくなる。困ったものだ。

「結人は、皆に愛されてるからな。誰かが欠けると寂しいんだろ」

 朔がまた、恥ずかしい事をさらっと言う。仰る通りなのだが、言葉にされる恥ずかしさときたら尋常ではない。

「そうなんだけど、その通りなんだけどね。朔はどうしてそう、恥ずかしい事をさらっと平気で言っちゃうのぉ」

 僕はまた八千代の手で、自分の顔を隠した。例の如く、今日も八千代の膝の上に乗せられているのだ。

「別に恥ずかしい事言ったつもりはねぇけど······なぁ、たまには俺の膝にも座らないか? 俺の手で顔隠してもいいぞ」

 なんだそれ。と思ったが、ヤキモチなのかと瞬時に察した。朔の口が、少し尖っているように見える。
 朔がドスッと八千代の隣に座ると、僕を抱き上げ奪い取るように膝の上に乗せた。

「そうそう! いっつも当たり前みたいに場野の膝の上だもんね。場野ばっか、ゆいぴ独占すんなよな~」

「そうだそうだ~! 俺らも結人を膝に乗せたいんだ~!」

 りっくんと啓吾から野次が飛ばされた。これには八千代も呆れ、「へいへい」と軽くあしらった。

「こんなん早いもん勝ちだろ。悔しかったらお前らも、さっさと結人確保しろや」

「そうだな。次からはそうする。負けても文句言うなよ」

 朔がナチュラルに八千代を煽る。

「上等だァ。ぜってぇ結人は譲らねぇかんな」

「ちょっと、喧嘩しないでよぉ。喧嘩するんだったら、僕これから1人で座るよ」

 朔と八千代は押し黙った。

「大丈夫だ。喧嘩なんかしねぇ。結人争奪戦は早い者勝ちだもんな。セックスの時もそんな感じになってるしな。文句はナシだからな」

「「「おう」」」

 朔の煽り文句に、皆が賛同して声を揃える。なんだか、よからぬ方向に進みそうなので、話を逸らすことにした。パンッと合掌して、あの話題をぶっ込む。

「そうだ。明日からテスト1週間前だよね」

「あーっ! やな事思い出させるなよ~。俺、また補習になんないように頑張んねぇとなんだよ~」

「じゃ、啓吾の目標はそれだね。僕と付き合って成績落ちたとか、勉強集中できなかったとか言い訳されたら困るからね。僕も協力するよ!」

「ゆいぴ、結構キツいこと言うね。はぁ~······ゆいぴがそう言うなら、頑張ってあげますか」

「そうだな。俺の教えれる範囲なら協力するぞ」

「お前ら、神かよぉ~。って、俺別に言い訳しないけどね? 元々バカだからさ」

「大丈夫だよ。啓吾だって、やればできるよ! ねぇ、八千代の家で勉強してもいい? 僕もわかんないトコ教えて欲しいな」

 何を隠そう、僕たちの中で成績がトップなのは八千代なのだ。登校すらしていなかったのに····。続いて朔、そして僕、りっくんの順だ。とは言っても、僕とりっくんはほぼ同順なのだが。

「いいけど。その代わりご褒美付きな」

「······勉強する体力残してくれるんなら良いよ」

「よし。じゃ、今日の放課後からすんぞ」

 こうして、放課後の勉強会が催されることが決まった。そしてまず、啓吾には授業中の居眠りを禁止した。



 放課後、八千代の家で勉強始める。が、その前に。

「はーい。今日の5限目、啓吾くんが寝てました~」

 僕は挙手して、啓吾の約束違反を報告した。啓吾は斜め前の席だから、一応消しゴムを投げて起こしたのだが、全く起きなかった。
 これに、りっくんがある提案をした。啓吾は昼休みのえっちを禁止するというのだ。そこで体力を消耗させる訳にはいかないから、と。
 しかし、そんな啓吾の目の前でするのは可哀想だと僕が言ったら、テストが終わるまでえっち自体が禁止になった。僕たちはもう、一心同体なのだ。けれど、それは明日から。

「俺の所為でごめんな。ホントに頑張るから。もう居眠りもしないから! だから、俺にもフェラッツィオしてください!!」

「僕はいいけど······」

「どうする? あんなこと言ってるけど、啓吾だよ?」

「信用できねぇだろ。夏休みの事忘れたんか」

「まぁ、結局やり切ったんだから、別にいいんじゃねぇか? 咥える結人がいいつってんだし」

「朔ぅ····お前ホント良い奴だな!」

 啓吾が喜びのあまり、朔の肩をバシバシと叩く。

「痛てぇ····。その代わり、明日からちゃんと頑張れよ」

「おう! これ以上、結人にだせぇトコ見せらんねぇしな」

「ん? これと言って、啓吾のダサいとこって見た事ないと思うんだけど」

「ゆいぴはホント女神だね」

「僕、男だよ。りっくん減点ね」

「何からの減点!? もう、そんな事よりほら。早くしゃぶってよ」

「んっ····んあ────」

 こうして、皆のおちんちんをしゃぶって、皆の気持ちいいトコを教え込まれた。僕だって、皆に気持ち良くなってもらいたいんだ。だから、勉強と同じくらい頑張るんだ。

 
「じゃ、次は結人の番だな。来い」

 朔に背を向けて膝に乗せられ、何をされるのかと思えば耳責めが始まった。
 同時に、啓吾が乳首を舐める。なんだか擽ったいような気持ちいいような、勝手に甘い声が漏れてしまう。
 りっくんは、僕のモノを美味しそうに咥えている。いっぺんに攻められすぎて、頭がおかしくなってしまいそうだ。

「やぁっ、待っ、そんな一緒に、いっぱいシちゃダメぇ」
 
「結人、俺の声好きか?」

「ふぁぁん····す、好きぃ····」

 意図して流し込まれる、ねっとりとした甘い囁き方だ。さらに、反対側の耳に、啓吾が呟く。

「乳首、好きだよな。強くしていい?」

「好きっ····強くしていいから、耳やめてぇ」

 両耳が溶けそうだ。喉が痛くなりそうなほどの甘い声を、吐息に混ぜながら囁く。
 同時にギュッと乳首を抓られ、簡単にイッてしまった。りっくんは、僕の精液を飲み込むと「ごちそうさま」と、うっとりとした表情で言った。

「あぁ、結人に突っ込みてぇ。奥ゴリゴリして、結腸ぶち抜きてぇ」

「俺も挿れたいなぁ。結人、奥ぐぽぐぽされんの、好きだもんなぁ」

 啓吾と朔が、交互に囁く。もう、脳が痺れて何も考えられない。ただひたすら、僕のおちんちんから、透明の汁がトロトロ溢れ出してくる。

「も、やめ····ダメ······頭、おかしくなっちゃうよぉ」
 
「おかしくなっていいんだぞ? ほら、苦しいだろ。イけよ」

「ひゃぁっ」

 朔が、とびきり甘い声でとどめを刺してきた。啓吾は、僕の下腹部を指先で撫でて、狡い事を言う。

「ここまで入ってんの想像して? もっとイけるだろ? イッてみろよ」

 下腹部をグイグイ刺激されながら、耳でそんなことを言われると、身体が過度な反応を示す。

「んあぁっ」

 連続でイかされ、僕はへばって朔にもたれ掛かった。

「お前らなぁ····。んなにしたら結人、すぐ寝ちまうだろうが」

「あははっ。可愛すぎてやり過ぎたわ」

「わりぃ。結人、大丈夫か?」

「だ、だいじょぶ····ん~····眠い······」

 啓吾が僕の下半身を拭いてくれている。朔は、ヘロヘロになった僕を支えてくれている。

「結人、飯食うか? さっき腹鳴ってただろ」

「食べぅ····けど、あとで······」

「おう。ちょっと休んだら食えな。おい、寝んなよ。寝たら食う時間ねぇぞ」

「わかったぁ····あー、良い匂い。何?」

「チャーハン」

「いーなー。俺らの分は?」

 啓吾が、はだけていた僕の服を整えながら聞く。

「あるわけねぇだろ」

「えーっ、ケチ~」

「俺は結人の為にしか動かねぇんだよ。食いたかったら自分で作ってこい」

「や~だ~。めんどくせぇよ~」

 八千代と啓吾は、なんだかんだ仲が良い。啓吾が物怖じせず物を言うからか、八千代も気が楽なのだろう。
 りっくんも、初めは敵対心剥き出しだったのに、いつの間にか何でも気兼ねなく言い合える仲になっていた。
 僕たちの関係は良好。僕は、そう思っていた。この居心地の良い空気に、ただ甘えていた。



 啓吾はテストまでの間、1度だけ居眠りをしてしまったことがあった。だが、八千代がそれを容赦なく叩き起こした。
 啓吾の席まで行き、丸めた教科書で頭をボコンと叩いたのだ。驚く啓吾に「お前、よく1番前の席で寝れんな」とボヤき、追い討ちをかけていた。それを機に、啓吾は居眠りを完全にやめた。周囲からの冷ややかな目が、余程効いたのだろう。それから、毎日のテスト勉強だって頑張った。それはもう、啓吾なりに。
 

 かくして、中間考査が終わった。日々のテスト勉強に加え、真剣な授業への取り組みの甲斐あって、啓吾はギリギリ補講を免れた。
 僕は、教えてもらう度にえっちなご褒美を求められた。勉強の妨げにならない程度に色々とさせられたけど、おかげで点数は良かった。


 さぁ、次は待ちに待った文化祭。週末のHRで色々と決めるらしい。僕と啓吾はワクワクが止まらず、2人で盛り上がっていた。
 
 去年の文化祭は、啓吾も朔もりっくんさえも捕まらず、1人で過ごしたからつまらなかった。けれど、今年は違う。絶対に、皆と目一杯楽しむんだ。
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