12 / 387
1章 始まりの高2編
付き合うってナニするの?
しおりを挟む僕は今、大きな疑問を2つ抱えている。
1つ目は、付き合うって何をするんだろうという、単純ながら僕には未経験故の疑問。2つ目は、僕は誰が好きなのかという超難問。答えを出さなければいけない事は、重々承知している。
けれど、皆の好意に甘えて結論を先延ばしにしている。だって、結論を出してしまうと、もう皆とは一緒に居られなくなる。だから、3人が結論を求めてくるまでは、答えを出したくないと思ってしまった。
僕は、最低な人間だ。
今日は3人の猛攻から上手く逃げ延び、久々に1人を謳歌している。と言っても、自分と向き合い河川敷で一人百面相しているだけなのだが。
「付き合うって、先ずは手を繋いだり、寝る前に電話したりするんじゃないのかなぁ····」
ポソッと漏らした独り言に、背後から答えが返ってきた。
「概ね、合っていると思うわ。初々しい恋のイメージね。相変わらず可愛いわね」
「希乃ちゃん! わぁ~、久しぶりだね」
「お久しぶりね、ゆいぴ」
希乃ちゃんはりっくんのお姉さんで、とてもミステリアスな女性。小さい頃から物静かで、本気で魔女か魔術師だと思っていた。
そして、りっくんには内緒で僕をゆいぴと呼んでいる。余談だが、りっくんの『ゆいぴ』は甘えた感じだけど、希乃ちゃんの『ゆいぴ』は上品な感じがする。
「何か悩み事があるのかしら」
「····うん。実は──」
洗いざらい話しそうになって、僕は言葉を止めた。
りっくんのお姉さんに、りっくんを含めた男4人の醜態を暴露してしまうところだった。
希乃ちゃんには、よく相談しては何度も助けてもらっていた。1つしか年が変わらないのに、いつだって的確なアドバイスをくれる。
1番驚くのは、希乃ちゃんが僕の心を見透かしている事。確信的な事は言わないのに、僕の考えている事や思いを察して、いつもそっと背中を押してくれる。
「えっと····何て言うか、悩んでるんだけど詳しくは言えなくて、えーっと······」
僕の頭の中は、言い訳を考えるのにグルグルフル回転している。が、何も思いつかず、目まで回ってしまいそうだ。
「ゆいぴは今、愛に揉まれているようね。あわや揉みくちゃね」
ほらきた。あの呟きから、どうしてそうなるのか検討もつかない。やはり、何か視えているのではないだろうか。
「愛に····愛ってまだわかんない。けど、うーん····みんな大切に想ってくれてるんだと思うんだ」
「そう。なら簡単な話だわ。全員とお付き合いを楽しむといいわ」
「全員と····え? えぇ!?」
「全てお見通しよ」
希乃ちゃんは、くすっと微笑んで帰ってしまった。
僕の置かれている状況をわかっているのだろうか。もしかすると、りっくんから何か聞いているのかもしれない。
そう疑って、翌日りっくんにそれとなく聞いてみたが、何一つ話してはいないと言う。本当に不思議な人だ。りっくんもゾッとした様子だった。
希乃ちゃんのミステリーに、頭を悩ませていた昼休み。教室には疎らだが人が居た。少なく見積っても、10人くらいは居た。それにも関わらず、そんな事などお構い無しな八千代。
「結人、こっち来い」
八千代に呼ばれ、はいはいと駆け寄った。すると、頭を撫でられ、膝に座らされた。ここ、教室なんだけど。
周囲はザワつきはしたものの、いつもの事と言わんばかりのスルーっぷり。おかしな慣れだが、説明を求められないだけありがたい。
「どうしたの? なんかご機嫌だね」
「おお。昨日お前が逃げ帰った後な、フラっとド●キ行ったら良いもん見つけてよぉ。お前にプレゼント買ったんだわ。今日、家に取りに来いよ」
「わぁ! ありがとう。何だろ、楽しみだな」
なんて、浮かれてた数時間前の僕をボコってやりたい。
りっくんと啓吾を振り切って、コソコソと八千代の家に連れて行かれた。そして着くなり、渡されたプレゼントの包みを開けて、僕は目玉を落としそうになった。
「何コレ····」
「知らねぇの? バイブ」
「聞きたいのはそう言う事じゃない····」
「お前、気持ち良い事好きだろ?」
そう意地悪く聞く八千代の顔は、確実に何かを企んでる様子だった。
「これは、僕に1人で使えって事なの?」
(だったら普通、オ、オナホとかじゃないの?)
「は? 1人で楽しむ気かよ。俺がヨくしてやんだよ」
否応なしに僕の体中にキスをして、僕の弱いトコロを弄って遊ぶ。良い感じにふわふわしてきたところで、八千代は遠慮なしに僕の洗浄を始める。
いつもながら手際良くこなし、既にデキあがった僕をベッドで弄ぶ。ただし今日は、指の次に挿れられたのは八千代のデカブツではなかった。あの、なんか光ってるバイブだ。よく見ると、八千代Jrよりワンザイズほど小さい。
「ひゃぁっ! なんか変な感じ····んんっ」
「どうだ? 気持ち良いか?」
「んぇ····わかんないよぉ」
ローションに塗れたバイブを、僕の穴に馴染ませるようにゆっくりと抜き差しする。
「痛くねぇ?」
「八千代のより、小さいから大丈夫····だけど、なんか焦れったい」
「煽んな。んー····モノ足りねぇか?」
八千代がカチッとスイッチを入れると、バイブがウィンウィンと機械音を響かせながらうねり始めた。
「ひあぁっ、やだぁっ····何っ、これぇ····。すごぉ····んあぁっ」
僕のナカで暴れている。しっかりと慣らしてから、奥まで挿れたままうねっているから、ずっとイッたままだ。それも、ナカでイキ続けている。
気持ち良すぎて、もうわけがわかんない。出しすぎて出なくなって、それからはずっとナカでイッてて、なんだか変な感じがする。
「やっ、待って、抜いてぇ! ん゙ん゙あ゙ぁ゙ぁ!! 先っぽ、やめてぇぇ! トンじゃう! やらぁっ!」
「ん。キツいかもしんねぇけど、大丈夫だから」
「何か変なの! もう出ないのに、何か出ちゃうのぉっ」
「いいから、そのまま。大丈夫だから、イッてみろ」
「ん゙ぁ゙ぁっ、ひぅっ····ダ、メ····出るぅ····出ちゃうぅぅ!」
僕は、初めて与えられた強すぎる刺激に、精液でもおしっこでもない、知らない何かを噴いてしまった。
「あぁ····上手く噴けたな。やべぇだろ」
「あっ、ああっ、やんっ····と、止まんないよぉ」
「ははっ。潮すげぇな。エロ過ぎ····」
八千代が自分のモノを突っ込むためバイブ抜こうとした瞬間、インターホンが鳴った。間髪を容れず鳴り続ける。
「や····ちよぉ?」
「うるせぇから見てくるわ。そのままヨがってろ」
「ぅえ!? ちょっ、抜いてぇ····また、イッっちゃうよぉ」
「すぐ戻るからイッとけ」
八千代にそう言われたからなのか、本当にイクのが止まらない。もう、ちゃんと勃っていないのに、ずっと何か出ている。ベッドがぐしょぐしょだ。
「あっ、あっ、やぁっ! やち、八千代ぉ····助けてぇ」
ドダダダッと走る足音が聞こえる。誰か来た。1人じゃない。いや、これ見られたらマズイでしょ。
44
お気に入りに追加
642
あなたにおすすめの小説
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~
無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。
自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。
ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
クラスのボッチくんな僕が風邪をひいたら急激なモテ期が到来した件について。
とうふ
BL
題名そのままです。
クラスでボッチ陰キャな僕が風邪をひいた。友達もいないから、誰も心配してくれない。静かな部屋で落ち込んでいたが...モテ期の到来!?いつも無視してたクラスの人が、先生が、先輩が、部屋に押しかけてきた!あの、僕風邪なんですけど。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる