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1章 始まりの高2編

場野くんの家は連れ込みお宿ですか

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 バイクに乗せられ、場野くんの家にのこのこ来てしまった。

「お邪魔します····」

「その辺テキトーに座ってろな」

「うん」

「····おい。なんでそんな暗い顔してんだよ」

「健全な高校生男子の、快楽に対する欲への素直さに嫌気が差してるの」

「はぁ? んだそれ。欲にっつーかお前さ、俺の事もう好きだろ。じゃなかったら、抱かれんのわかってて来なくね? もうお試し期間なんか要らねぇだろ」

「何言ってんのさ!? まだ好きって決まってないよ。今でも、えっちするなら女の子の方が良いと思ってるもん」

 トンッと肩を押され、あっけなくベッドに押し倒される。場野くんは僕に覆いかぶさり、激しく音を立てながらキスをしてきた。
 少し怒っているのか、なんとなくだけど雰囲気が怖くなった。

「んはぁっ····んんっ····ふっ····んぁっ······」

「こんだけでヘロってる奴が、女なんか抱けるかよ」

 キスひとつで思い知らされる。先走りで下着が濡れて気持ち悪い。

「キスだけでイクなよ?」

「んはぁ····イってないよぉ」

「でも濡れてんじゃん」

 いつの間にかズボンを下ろされ、硬くなったモノを弄られていた。
 しつこく指で、亀頭をぐりぐりされる。おちんちんを扱かれると、潤滑油が良い感じに機能している所為で、気持ち良すぎて声が我慢できない。

「やぁっ····ダメ、だよ。イッちゃう····んっ、あぁん」

「ははっ····、感じすぎだろ。まだ挿れてもねぇのにどんだけヨがってんだよ。お前、自分でシた事ねぇの?」

「んぇ? 自分で? よく、わかんなくて····んんっ、あんまり、した事ない」

「っそ。あー····これ無理だわ。我慢出来ねぇ。ちょっとだけ弄るぞ。痛かったら言え」

 そう言って、たっぷりとローションを垂らし、お尻の方を解し始めた。

「ちょっ、やだぁ····僕、ホントに挿れられる方なの?」

「マジでお前が突っ込む気だったんかよ」

 場野くんは、雄の顔のまま僕の強がりを笑った。そんな顔をされたら、本能的に雌になってしまうじゃないか。

「俺がお前に挿れてぇ。····ダメか?」

 耳を喰むりながら言うなんて、狡いにも程がある。

「いい····よ。でも、痛くしないでね」

 なんて、可愛い事を言ってしまったんだ。
 前フリか? そんな事言って「我慢できねぇ」「加減できねぇ」の前フリなのか? 脳内で瞬時にくだらない妄想が繰り広げられる。

「バカかお前。お前に痛い思いなんかさせねぇよ。じっくり慣らしてからだ。そうだ、洗浄もしねぇとだし····。ま、俺が全部やってやるから安心しろ。風呂場行け」

「····ふぇ?」

 いっぺんに言われて、何一つ理解できなかった。

「······無理か。よし····」

 僕はお姫様抱っこをされ、浴室へ運ばれた。
 しっかりきっちり綺麗にしてもらい、もう身も心も擦り減っていた。洗浄は苦しかったし辛かったけど、丁寧で優しくしてくれて、気持ち良い事も織り交ぜながらだった。そのおかげで、グズグズのままベッドに戻った。

「身体、大丈夫か?」

「むりぃ····」

「そうか。じゃ、そのまま寝てろ」

「うん、ごめんね」

「いいって。後は俺に任せろ」

 僕はそのまま、少しの間眠ってしまったようだ。この間に、僕のお尻を解していたなんて、夢にも思わなかった。
 目が覚めると、ギンギンに滾らせた場野くんが、息を荒くして構えていた。

「ぅわ! ど、どうしたの?」

「フゥー······黙ってケツ向けろ」

 あまりの気迫に、何も言えぬまま素直に従った。

「ゆっくり挿れるから、痛かったら言えよ」

「待っ──」

 くちゅっと音を立て、場野くんのガッチガチのモノを押し当てられた。僕のお尻が、キュッと先っちょを吸い込んだのがわかった。

「んっ····」

「挿れるぞ」

「ひぐっ、んあぁぁっ」

 おそらくだけど、亀頭がすっぽり入った気がする。

「痛くないか?」

「んんっ、だいじょぶ」

 入り口でぬぷぬぷと、馴染ませるように小刻みに動いている。なんだか、焦れったいようなもどかしいような。

「もう少し挿れるぞ」

「うん。んふっ····はぁっ····」

「力抜けるか? ゆっくり息吐いてみ。ゆっくりでいいから」

 場野くんに言われた通り、懸命に息を吐く。少し落ち着いた所為か、場野くんの形を感じてしまった。

「おい、あんま締めんな。マジでもってかれる····」

「わかんないよぉ。場野くんのが入ってるって思ったら、勝手にキュってなっちゃったのぉ」

「マジかぁ····。もうちょい挿れるぞ。耐えろよ」

「えっ、まだ無理だよ。怖いよぉ····」

「悪ぃ、もう我慢できねぇ」

「い゙っ····っひあぁぁぁん」

 一気に奥まで捩じ込まれ、あまりの快感に目がチカチカした。思っていたよりも痛くなくて、むしろ気持ち良くて、一突きでイッてしまった。
 脱力してしまい、下半身を残したままベッドに顔を埋めるように落ちた。少し気になって、チラッと場野くんの顔を覗き見た。余裕そうな声とは裏腹に、全く余裕のない表情が見えた。

「場野くん····やだぁ、僕、イッっちゃったよぉ······」

「ん。そんでいいんだよ。じゃ、動くぞ」

 後ろ手に腕を引かれ、腰を支えられて四つ這いに戻った。

「んあぁっ····やぁっ、やんっ······またイッちゃうぅぅ」

「いいぞ。ほら、イけよ」

「やだっ、もうだめぇ····」

 腰を打ちつけられる度、部屋にパンッパンッと音が響く。ぼんやりとした思考の片隅で、ぐちゅぐちゅと厭らしい水音も混じっている事に気づく。

「場野くぅん····」

 自分でも、顔も身体も脳までも、蕩けているのがわかる。

「結人、俺も、イクぞ······ん゙っ」

 耳元で囁くように言われ、腰からゾワッと快感が走り、一緒に達してしまった。のだが、僕はもう何も出なかった。でも、イッた感覚はある。不思議だ····。
 僕の記憶は、そこで途切れてしまった。


 ぐっすり眠ってしまい、7時に起こされ慌てた。

「おはよ」

「お、おはよ。······帰るね」

 焦った僕は、衣服も整えないまま、ベッドから降りようとした。だが、腰に力が入らず、立ち上がることすらままならない。

「大丈夫か? ほら、着せてやっから貸せ」

 場野くんは、献身的に僕のお世話をしてくれた。身体が綺麗なのも、きっと場野くんのおかげなんだろう。

「あの、ごめんね。寝ちゃったみたいで····」

「寝たっつーか、イキ過ぎて気絶した感じだったぞ」

「····そんな事あるの?」

「あったんだろ」

「そっか····。もうシない。絶対シない」

「なんで? 気持ち良かったんだろ? 俺はすっげぇ気持ち良かったんだけど」

 ぐっと抱き寄せ、甘くねっとりと囁く。そんな事をされると、ゾワゾワして身体が変な感じがする。嫌じゃないけど、なんだか落ち着かなくなる。

「ぼ、僕も気持ち良かったけど、やっぱりまだ····」

「なぁ、早く俺のコト好きなん認めろよ。もっとデロンデロンに甘やかしてやんのに」

「これ以上に····デロンデロン····」

 僕は、色々とふしだらな事を想像してしまった。
 その間にも、場野くんは断りもなく、キスをしたり胸を弄ったり、やりたい放題だ。

「んっ、あんっ····だめぇ····」

「もう1回していいか? 身体しんどい?」

「はっ!! 身体は大丈夫だけど、帰らなくちゃ!」

「まだ7時だろ」

「僕、遅くても6時には帰ってるんだけど。母さんに心配かけたらまた····」

「はぁ····。そうか。送ってやるから、服整えろ」

「え、うん。ありがと」

「別にお前を困らせたいわけじゃねぇからな。お前の母さんが大変なんは知ってるし」

「············なんで?」

「秘密だって言っただろ」

「もう、怖いよぉ····」

「何もヤバイ事はしねぇから安心しろ」

 どこに安心できる要素があるのだろうか。
 とにかく、急いで帰らなくちゃ。そう思うと、ボタンもまともに留められない。

「貸してみ。ほい、できた。ちょっと落ち着け」

「ごめんね。ありがとう」

「いや、いいよ。お前優しいもんな。ほら、行くぞ」

 何故なのか、理由は追々問い詰めるとして。本気で僕も母さんの事も、心配してくれているみたいだ。
 けど、場野くんの優しさを知る度に惹かれている事は、まだ教えてあげない。
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