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たじろぐ八千代

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「ねぇ朔、八千代にせまってみてほしいんだけど····ダメ?」

「ブフッ··ゴホッゴホッ····あ゙ぁ゙?!」

「わぁ····八千代きちゃなぁい。ほらぁ、早く拭かないとコーヒーシミになっちゃうよ?」

「ゲホッ····や、そうじゃ、ね、だrゴホッ····」

「迫····あー······ダメじゃねぇけど嫌だな。つぅか急になんなんだ?」

「りっくんと啓吾とね、面白そうだなぁって話してたんだ。八千代ってさ、朔には甘いじゃない? それに、朔の顔好きだって言ってたし」

「チッ··おいこら、好きとは言ってねぇだろ」

「好きじゃないの?」

「じゃねぇわ。綺麗だとは言ったけどな、好きとかそういうんじゃねぇ」

「えー、それって何が違うん? あ、ンじゃさンじゃさっ、俺の顔は?」

「アホ」

「は? 顔面偏差値アホってこと?」

「内面のアホさが滲み出てるって事でしょ」

「はぁぁ!? なんだよそれ! 関係ねぇじゃん! つぅか~、顔の良さにはそこそこ自信あるんですけど!」

「やっぱアホで正解だろ。ちなみに莉久はムカつく」

「あ? 俺聞いてねぇだろ。何? ケンカ売ってくれてんの?」

「もう、りっくんと八千代はすぐケンカしないの! 仲良くできないなら、おやすみのちゅーしないからね」

「ムリ」

「やだ!」

「だったらケンカしないでね。····って、そんな事より朔、八千代に王子スマイルだけでも····ダメ?」

「····ハァ。俺が場野に笑いかけたところで、面白くもなんともねぇだろ」

「そうかな、面白いと思うんだけどな····」

「だったらさぁ····────ってのは?」

「····お前、それやって俺が殺されたらどう責任とってくれんだ」

「大丈夫だって~。朔だったら殺されはしないっしょ。俺か莉久だったら秒殺だろうけど。なっ、絶対オモロい反応するからやってみてくんね? 結人も喜ぶよ」

「なんで結人が喜ぶんだ」

「そりゃ結人だもん」

「······あぁ、なるほどな。はぁ····。結人、勘違いすんなよ。俺はお前以外に何の感情も湧かねぇからな」

「え、うん。知ってるけど····ねぇ、何するの? 啓吾、朔に何言ったの?」

「まぁ見てなって。撮っといて後で送ってあげんね」

「チッ····。おい八千代」

「······は?」

「お前、俺の顔好きじゃねぇのか? 俺はお前のこと、カッコイイと思ってるぞ」

「あ? お、テメ····離れろ。殺すぞ」

「口悪ぃな。塞いじまうぞ」

「な··は? おい結人、今すぐやめさせろ」

「ひゃぁぁ/// 朔が八千代に顎クイしてるよ! 見て見てりっくん! すっごいえっちだね!」

「見てるけど····絵面キツくない?」

「俺らからしたらな。けどさ、イケメン同士のあーゆーのって結人は好きみたいだしいーんじゃね?」

「っざけんな! 離れろ朔、マジで殴んぞ」

「あーっははっ!! 場野、顔赤くなってきてるぅ!」

「啓吾··、後で殺されるよ? 俺知らないからね」

「結人に助けてもらうもんねー。ぉっし朔、トドメさしちゃえ!」

「なぁ、俺もお前のこと名前で呼んだらダメか? いいだろ、八千代」

「······っ、だぁぁーっ!! いい加減にしろ!」

「んぐっ····、ってぇ····」

「うーわ、前蹴り痛そ。朔もバカだねぇ。啓吾の口車に乗るからだよ?」

「八千代が朔に手出すなんて珍しいね。出たの足だけど」

「そんだけ追い込まれてたってコトだろ。っはぁ~、おんもしろかったぁ~」

「あ··啓吾、後ろ····」

「んぇ? わっ──っでぇぇっ!! ゲンコツすることねぇだろぉ!? 頭割れ····ぅあー··マジで割れそ····」

「それで済んで良かったと思え。テメェ、今度朔使ってくだんねぇ事してみろ、マジでブッ殺すぞ」

「なぁおい、結局ダメなのか?」

「あ゙ぁ!? ぁにがだよ」

「八千代って──」

「結人以外は許さねぇつってんだろ! 次呼んだら顔面殴っからな。覚悟しやがれ」

「あっ、八千代! どこ行くの?」

「コンビニ。なんか菓子買ってきてやっから待ってろ。帰ったら滅茶苦茶に抱き潰すから覚悟しとけよ」

「ひぇ····」

「あ~あ~····めっちゃキレてんね」

「そりゃそうでしょ。あんだけおちょくられてさ、あれで済んでむしろ良かったよね。よっぽど動揺してたんじゃない?」

「八千代、やっぱり朔の顔好きなんだろうね。あそこまでされて手出さないなんてさ。あ、出せないんだっけ」

「好きとかじゃねぇつってただろ。ただ単に、まだ慣れねぇだけじゃねぇのか?」

「まぁ··さ、んなじっくり見ることはないけど、慣れてないって事はねぇだろ。言わねぇけどアイツ、朔と結人がヤッてる時たまにボーッと見てんの。絵画とか観る感じで」

「あぁ、それ俺も見たことある。なんか一線置いて見てることあるよね」

「結人と朔の絡みが好きなんじゃねぇ? 好きと好きの相乗効果的な」

「だから、俺のことは好きとかじゃねぇだろ。場野は結人にしか興味ねぇぞ。俺もだけどな」

「朔と八千代かぁ····。キレイ系同士で絡むのとかヤッバイね!」

「俺はゆいぴ以外に興味ないから分かんない」

「興味はねぇけど、場野と朔だったら見てれっかも」

「だよね! 絵になるもんね。そう言えばさ、りっくんと啓吾はカッコイイけどカワイイ系だと思うんだ。だからね、2人の絡みも──」

「「ムリ」」

「えぇ~····むぅー··見たいなぁ~」

「うっわ、結人それずっる」

「上目遣いの我儘マジで断れないから! 知っててやってるでしょ。もぉ~! ゆいぴ悪い子ぉ♡」

「だめ?」

「ダメじゃねぇけど嫌だな」

「啓吾のばーか。朔のマネ似てない。ねぇ、りっくんもだめ?」

「も··ずる····んぐぅぅぅ······でもやっぱダメ。ゆいぴ以外とはもうシないもんね」

「そっかぁ····。じゃ、しょうがないか。啓吾、さっき撮ってたの送ってね♡」

「おっけ~」

「おい、それ凜人には送るなよ」

「え、今結人と凜人さん朔フォルダに同時送信しちゃった」

「おま····よし、場野が帰ってきたら殺す」

「うわぁ····マジでさーせんした。殺さないで? ね、さっくん、ねぇ、目ぇ怖いってぇー····」

「ホント、啓吾って学習しないよね」

「だね。八千代と朔のことあんなに怒らせるのって啓吾くらいだよね。まぁ、見てるぶんには面白いけど」

「それね。巻き込まれなかったら勝手にやってろって感じ。さ、ゆいぴはリビングでココアでも飲もっか。入れたげる♡」

「わーい♡」

「え、ちょ! 置いてくなよぉ!」

「「頑張れ~」」

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