上 下
26 / 43

天の川まで

しおりを挟む

「今年も天気悪いね····」

「ん? 今日って毎年天気わりぃの?」

「啓吾、今日何の日か知ってる?」

「えーっと、今日って何日?」

「ジジィかよ。今日7日だよ。七夕でしょ」

「あぁ~。なんかそんなんあったねぇ。結人好きそうだよな。あっ! 小学校ん時さ、七夕ゼリーとか出なかった?」

「出た出た。微妙に不味いの」

「僕、結構好きだったよ。中にある星が変な食感で癖になってた」

「結人は何でも来いだもんな~。なんでも美味そうに食うの可愛いから好きぃ♡」

「ゆいぴは好き嫌いが少ない良い子だもんねぇ~♡ で、ゆいぴは天の川が見たいの?」

「え? あぁ、うん。えっとね、見てみたいなぁって思ってるんだけど、いっつも天気悪いんだよね」

「結人は毎年見上げてんのか。可愛いな」

「う··うん? まぁ、一生に1回くらいは見たいかなって」

「でもねぇ····見事に毎年天気悪いよね」

「なんでなんだろうね。僕、1回も天の川見たことないや」

「梅雨だからじゃねぇか? 来年は車で、天の川見れるとこ行こうか。何処まででも連れて行ってやるぞ」

「あはは。ありがと、朔。ホントにどこまでも連れてかれそうだよ。なんなら、しれっと海外まで行きそうだよね」

「日本全国ダメだったら行くぞ」

「さっくんは行動力あっていいね~。俺ら、パスポートも無いかんね」

「なら、そこからだな」

「今年は場野ん家で我慢だねぇ」

「莉久は今すぐ帰んのか? そのまま2度と入れねぇからな」

「冗談だって。場野くん、許してー」

「ふっ····莉久は相変わらず大根だな」

「失礼だなぁ。名演技でしょ?」

「堂々と演技とか言ってんじゃねぇぞ。つぅか、くん付けやめろ。鳥肌立つわ」

「ねぇ、雲は威嚇できないの? 場野くんなら蹴散らせそうじゃない?」

「あっはは! 場野くんならできそ~」

「テメェら····」

「八千代、怒らないでね。啓吾とりっくんが悪いよ! 悪態ばっかりついてたら、そのうち本当に追い出されちゃうよ。ごめんなさいしてね」

「ゆいぴに免じてやめたげるね」

「結人に免じてだな~」

「ちょ、なんでそんなに煽るの!? や、八千代····怒らないでね?」

「チッ····。んならお前が宥めろ。来い、洗浄すんぞ」

「えぇ!!? ちらし寿司は!?」

「俺に抱かれてる間に莉久と大畠が作んだろ。結人の為だもんなぁ?」

「お前ら、仲良いな」

「「「良くねーよ!」」」

「朔。朔も仲良しだよ?」

「ふっ····そうだな。よし、俺も洗浄手伝う」

「ひぇっ····。八千代と朔2人がかりなんて怖いよぉ····」

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

強くありたい心のままに

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:547pt お気に入り:2

悪魔皇子達のイケニエ

BL / 連載中 24h.ポイント:2,727pt お気に入り:1,968

ちっこい僕は不良の場野くんのどストライクらしい

BL / 連載中 24h.ポイント:681pt お気に入り:561

ラヴィニアは逃げられない

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:71,867pt お気に入り:2,084

天然美人魔性植物と強面冒険者のアレコレ(仮)

BL / 連載中 24h.ポイント:291pt お気に入り:417

処理中です...