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56. 起源
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「…レヴォ、…ルーク…?」
かつて世界を壊したと言われる、伝説の存在。破壊の権化とも言われた存在。彼の力にあやかって、自分に似た響きの名前を付けた。それ程までに憧れた存在が目の前にいる。しかも、自分の父親だと言う。
目の前で目まぐるしく起こる光景と、ひっきりなしに耳に流れ込んでくる情報の洪水は、リュカの脳の処理能力を完全に超えていた。あんぐりと口を開け、固まることしかできない。
それは、隣にいる蘇芳も同様だった。
「ま、待て待て待て!レヴォルークって、世界をバラバラにして今の世界にしたって言う、あの伝説のか?」
「境界を壊したことについては否定しないよ」
「いや、待て…。今の世界になったのだって、めちゃくちゃ昔だぞ?明確な記録なんざ無くて、伝承で伝えられてるだけで、生き証人だっていねえ!なのに、今の今まで生きてるって言うのか?」
「そう言うことになるね。もっとも、竜族は長寿だし、僕自身そんなに時間が経ってるとは思わなかったんだけれど」
「信じらんねえ…」
蘇芳は言葉を失う。驚きと同時に、細められた目が如実にうさんくさいと語っているのがわかる。レヴォルークは竜の姿で苦笑いを浮かべた。
「…アンタの言葉を信じるとして、リュカには竜の血が半分流れてるってことか?」
自分の気持ちを代弁するように赤鬼が質問してくれて、とても心強い。聞きたいことは山ほどあるのに、何から聞けばいいのかわからないどころか、既に聞いた話もまだうまく咀嚼できずにいるのだ。
自分の父親が竜で、憧れていたレヴォルークで、自分にもその血が流れている。何が何だかもう分からない。
「違うよ。半分どころか、生粋の竜族だ」
「そ、そんなのおかしい!」
ようやく口から出た声は裏返っていた。竜だったレヴォルークの姿が縮み、再び人型に戻る。おかしい?と彼は首を傾げた。
「だって、俺の母親は下半身が蛇の異形だ。竜じゃないから、俺が生粋の竜族ってのはありえないっ!」
「ああ、それならおかしくないよ。その蛇女は本当の母親じゃないからね」
「えっ…」
「…どういう意味だ、それ」
「そのままの意味だよ。確かに彼女の胎を借りはしたけど、遺伝子上の実の母親は僕と同じ竜族なんだ」
さらりとのたまう竜に、蘇芳の眉間には深い皺が刻まれ、リュカはさらに動揺する。
「じゃ、じゃあ、俺の本当のお母さんはどこにいるんだっ!?」
「…死んだよ。僕が世界を壊す前に。彼女の死こそ、僕が境界を壊した理由の一つでもある」
レヴォルークはふと目を伏せた。口元にはうっすらと笑みが浮かんでいるが、表情には翳りが見られた。
「アンタの言ってること、さっきから支離滅裂だぞ。世界が壊れる前に、リュカは生まれてたってんなら、何でまだガキのままなんだ?長命で成長が遅いと仮定しても、妙だろ。辻褄が合わねえ」
「…確かに、君の言う通りだ。分かってもらうには、全てを話すしかない」
竜はリュカに向かってそっと手を伸ばした。指先が頬に触れる前に、少年は肩をびくつかせて蘇芳の背に隠れた。完全に無意識の行動だった。
まさか逃げられると思っていなかったのか、竜は銀色の目を軽く見開いた。だがそれも一瞬のことで、すぐに寂しそうな笑みを浮かべた。行き場のない手が下がっていく。彼にそんな表情をさせてしまったことに、胸が痛んだ。
「少し長くなるけど、聞いてくれるかな?」
どこかいたたまれなくて、視線を下に落としたまま頷く。レヴォルークは元の場所に腰を落ち着けると、ゆっくりと語り始めた。
かつて世界が壊されて一つに統合される前、竜族の世界では争いが絶えなかった。良くある、地位を巡っての争いだった。竜の国は君主制で、当時は女王の治世だった。
女王のイシュマエルは戴冠と時を同じくして伴侶を選んだ。それが、レヴォルークだった。王族の配偶者は次に格式高い貴族出身の者を選ぶのが慣例だった。しかし、レヴォルークはずば抜けて強い通力を持っていたものの、下級貴族の出身だった。自分が王配になるものと思っていた、将軍のギニラールは侮辱されたと感じて、クーデターを起こした。古くから続く名門の出のギニラールを信奉する者は多く、彼は言葉巧みに君主制に不満を持つ者たちを己の兵士として取り込んだ。それを発端に、国を二分する程の大きな戦争が始まった。
戦女神と呼ばれ、元帥も兼任するイシュマエルと将軍ギニラールの戦いは熾烈を極め、何年にも渡った。だが、イシュマエルが身籠ったことが転機となった。以前のように戦えなくなり、女王軍は押され始めた。レヴォルークを始め女王軍の徹底抗戦のおかげで、将軍側の軍勢を大分削ぐことに成功する。決着をつけようとした女王だったが、ギニラールと相討ちとなってしまった。幸運にも今際の際に駆けつけることが出来たレヴォルークに、イシュマエルは子供を守るように約束を取り付けた。不幸中の幸いで、凶刃は子供には届いていなかったのだ。彼女は己の腹部から小さな卵を取り出し、夫に託すと息を引き取った。
「頭であるギニラールが倒れたことで、彼の軍勢は瓦解するかと思われた。けど兵士たちは完全に暴徒化し、止まらなかったんだ。この戦時下では、イシュマエルとの約束は果たせないと思った。国を離れても、追っ手は地の果てまで追いかけて来るだろうとね。そこで別の世界に逃げ込むことを思いついた。けどただ異世界に行くだけじゃ捕まる恐れがあった。だから、数多ある世界を全て壊して、ごちゃまぜにしてしまえば、潜伏できるんじゃないかって考えたんだ」
レヴォルークは話を続ける。
ずば抜けて並外れた通力を持っていたレヴォルークだったが、彼一人ではさすがに不可能だった。そこで彼の案に賛同した、女王の臣下たちが己の命を投げうってまで通力を譲渡した。数多の者の命を犠牲にし、女王の王配は世界の境目を破壊し、生き残った者達と脱出した。その余波で、竜の世界は跡形もなく消滅した。
「とりあえず、ここまでが僕が世界を破壊した顛末だよ」
予想だにしなかった話に、リュカは言葉を失っていた。どういう反応を返せばいいのか、分からなかった。
「…女王の忘れ形見がリュカってことか」
そうだ、とレヴォルークが頷く。
「…俺がいたから世界はこうなったってこと…?俺の…俺のせいで」
「違うよ。君のせいじゃない。責任は全て僕にある。僕の意志で、僕が起こしたことだからね。世界がどうなろうと、故国が滅ぼうが、イシュマエルと僕の子供である君を死なせたくなかったんだ」
竜の眼差しは優しく温かく、慈愛に満ちていた。親からの愛情。生まれてからずっと蔑まれて生きてきた自分が、何より欲していたものだ。素直に享受したいが、同時に黒い靄が心を覆っていくのがわかった。
「…じゃあっ!そんなに俺のことが大事なら…、なんで、なんで捨てたんだ…っ!」
「え、捨てた?」
「名前だって…っ!名付けてもらえなかったから、…だから俺、…自分でリュカって…ッ!」
「ま、待って待って!」
自分でも感情のコントロールが出来なかった。レヴォルークの話を聞いて発生した疑問が、大きな感情となり、涙に変換されてあふれてしまう。竜からの愛情を感じたからこそ、責めるような口調になる。
我が子の涙に、レヴォルークは目を見開いた。これまで飄々とした態度を見せていたが、明らかに困惑している。弁解させてほしいと言われ、少年は口を噤む。
「…抱きしめても、いいかい?」
ためらいがちに両手が伸ばされる。先程彼の手を避けてしまったのを、気にしているのは一目瞭然だった。リュカは無言のまま、恐る恐る近づき、彼の懐に飛び込んだ。胸に身を預ければ、頭上からほっと安堵の息を吐くのがわかった。体に両腕が巻きつき、優しく、だが力強く抱きしめられる。
胸が張り裂けそうに悲しいのが、楽になっていく。
「可愛い可愛い、僕の息子。ようやく抱きしめられた。卵だった時には、こうやってずっと胸に抱いて名前を呼んでたんだけど、覚えてないかな?」
リュカは小さく首を横に振った。そっか、と悲しそうな呟きが返ってくる。
「覚えてないなら、仕方がないね。名前がないって思わせてしまったのは、完全に僕のせいだ。ごめんね。でも、自分でつけたリュカって名前もすごく素敵だよ」
後頭部を撫でられ、頭に何度も口づけを受けるが、全く嫌ではなかった。温もりと甘い声音に安心感を覚える。先程までは彼が本当に自分の父親かどうか半信半疑だったが、こうして腕に抱かれてようやく確信を得た。自分の心の奥底、本能の部分が訴えて来る。自分はこの温もりを知っていると。
蘇芳ともセキシとも違う意味で、とても安心する。
「こんなに愛おしくてたまらないのに、リュカのことを捨てるはずないよ。言い訳にはなるけど、手放したのには理由があるんだ。可能ならずっと傍で、誕生からの成長を見守りたかった。本当だ」
レヴォルークの言葉に嘘はなさそうだった。真摯で真っ直ぐな愛情が伝わってくる。
「弁解、聞いてくれる?」
リュカは小さく、だがしっかりと頷いて返事をした。
かつて世界を壊したと言われる、伝説の存在。破壊の権化とも言われた存在。彼の力にあやかって、自分に似た響きの名前を付けた。それ程までに憧れた存在が目の前にいる。しかも、自分の父親だと言う。
目の前で目まぐるしく起こる光景と、ひっきりなしに耳に流れ込んでくる情報の洪水は、リュカの脳の処理能力を完全に超えていた。あんぐりと口を開け、固まることしかできない。
それは、隣にいる蘇芳も同様だった。
「ま、待て待て待て!レヴォルークって、世界をバラバラにして今の世界にしたって言う、あの伝説のか?」
「境界を壊したことについては否定しないよ」
「いや、待て…。今の世界になったのだって、めちゃくちゃ昔だぞ?明確な記録なんざ無くて、伝承で伝えられてるだけで、生き証人だっていねえ!なのに、今の今まで生きてるって言うのか?」
「そう言うことになるね。もっとも、竜族は長寿だし、僕自身そんなに時間が経ってるとは思わなかったんだけれど」
「信じらんねえ…」
蘇芳は言葉を失う。驚きと同時に、細められた目が如実にうさんくさいと語っているのがわかる。レヴォルークは竜の姿で苦笑いを浮かべた。
「…アンタの言葉を信じるとして、リュカには竜の血が半分流れてるってことか?」
自分の気持ちを代弁するように赤鬼が質問してくれて、とても心強い。聞きたいことは山ほどあるのに、何から聞けばいいのかわからないどころか、既に聞いた話もまだうまく咀嚼できずにいるのだ。
自分の父親が竜で、憧れていたレヴォルークで、自分にもその血が流れている。何が何だかもう分からない。
「違うよ。半分どころか、生粋の竜族だ」
「そ、そんなのおかしい!」
ようやく口から出た声は裏返っていた。竜だったレヴォルークの姿が縮み、再び人型に戻る。おかしい?と彼は首を傾げた。
「だって、俺の母親は下半身が蛇の異形だ。竜じゃないから、俺が生粋の竜族ってのはありえないっ!」
「ああ、それならおかしくないよ。その蛇女は本当の母親じゃないからね」
「えっ…」
「…どういう意味だ、それ」
「そのままの意味だよ。確かに彼女の胎を借りはしたけど、遺伝子上の実の母親は僕と同じ竜族なんだ」
さらりとのたまう竜に、蘇芳の眉間には深い皺が刻まれ、リュカはさらに動揺する。
「じゃ、じゃあ、俺の本当のお母さんはどこにいるんだっ!?」
「…死んだよ。僕が世界を壊す前に。彼女の死こそ、僕が境界を壊した理由の一つでもある」
レヴォルークはふと目を伏せた。口元にはうっすらと笑みが浮かんでいるが、表情には翳りが見られた。
「アンタの言ってること、さっきから支離滅裂だぞ。世界が壊れる前に、リュカは生まれてたってんなら、何でまだガキのままなんだ?長命で成長が遅いと仮定しても、妙だろ。辻褄が合わねえ」
「…確かに、君の言う通りだ。分かってもらうには、全てを話すしかない」
竜はリュカに向かってそっと手を伸ばした。指先が頬に触れる前に、少年は肩をびくつかせて蘇芳の背に隠れた。完全に無意識の行動だった。
まさか逃げられると思っていなかったのか、竜は銀色の目を軽く見開いた。だがそれも一瞬のことで、すぐに寂しそうな笑みを浮かべた。行き場のない手が下がっていく。彼にそんな表情をさせてしまったことに、胸が痛んだ。
「少し長くなるけど、聞いてくれるかな?」
どこかいたたまれなくて、視線を下に落としたまま頷く。レヴォルークは元の場所に腰を落ち着けると、ゆっくりと語り始めた。
かつて世界が壊されて一つに統合される前、竜族の世界では争いが絶えなかった。良くある、地位を巡っての争いだった。竜の国は君主制で、当時は女王の治世だった。
女王のイシュマエルは戴冠と時を同じくして伴侶を選んだ。それが、レヴォルークだった。王族の配偶者は次に格式高い貴族出身の者を選ぶのが慣例だった。しかし、レヴォルークはずば抜けて強い通力を持っていたものの、下級貴族の出身だった。自分が王配になるものと思っていた、将軍のギニラールは侮辱されたと感じて、クーデターを起こした。古くから続く名門の出のギニラールを信奉する者は多く、彼は言葉巧みに君主制に不満を持つ者たちを己の兵士として取り込んだ。それを発端に、国を二分する程の大きな戦争が始まった。
戦女神と呼ばれ、元帥も兼任するイシュマエルと将軍ギニラールの戦いは熾烈を極め、何年にも渡った。だが、イシュマエルが身籠ったことが転機となった。以前のように戦えなくなり、女王軍は押され始めた。レヴォルークを始め女王軍の徹底抗戦のおかげで、将軍側の軍勢を大分削ぐことに成功する。決着をつけようとした女王だったが、ギニラールと相討ちとなってしまった。幸運にも今際の際に駆けつけることが出来たレヴォルークに、イシュマエルは子供を守るように約束を取り付けた。不幸中の幸いで、凶刃は子供には届いていなかったのだ。彼女は己の腹部から小さな卵を取り出し、夫に託すと息を引き取った。
「頭であるギニラールが倒れたことで、彼の軍勢は瓦解するかと思われた。けど兵士たちは完全に暴徒化し、止まらなかったんだ。この戦時下では、イシュマエルとの約束は果たせないと思った。国を離れても、追っ手は地の果てまで追いかけて来るだろうとね。そこで別の世界に逃げ込むことを思いついた。けどただ異世界に行くだけじゃ捕まる恐れがあった。だから、数多ある世界を全て壊して、ごちゃまぜにしてしまえば、潜伏できるんじゃないかって考えたんだ」
レヴォルークは話を続ける。
ずば抜けて並外れた通力を持っていたレヴォルークだったが、彼一人ではさすがに不可能だった。そこで彼の案に賛同した、女王の臣下たちが己の命を投げうってまで通力を譲渡した。数多の者の命を犠牲にし、女王の王配は世界の境目を破壊し、生き残った者達と脱出した。その余波で、竜の世界は跡形もなく消滅した。
「とりあえず、ここまでが僕が世界を破壊した顛末だよ」
予想だにしなかった話に、リュカは言葉を失っていた。どういう反応を返せばいいのか、分からなかった。
「…女王の忘れ形見がリュカってことか」
そうだ、とレヴォルークが頷く。
「…俺がいたから世界はこうなったってこと…?俺の…俺のせいで」
「違うよ。君のせいじゃない。責任は全て僕にある。僕の意志で、僕が起こしたことだからね。世界がどうなろうと、故国が滅ぼうが、イシュマエルと僕の子供である君を死なせたくなかったんだ」
竜の眼差しは優しく温かく、慈愛に満ちていた。親からの愛情。生まれてからずっと蔑まれて生きてきた自分が、何より欲していたものだ。素直に享受したいが、同時に黒い靄が心を覆っていくのがわかった。
「…じゃあっ!そんなに俺のことが大事なら…、なんで、なんで捨てたんだ…っ!」
「え、捨てた?」
「名前だって…っ!名付けてもらえなかったから、…だから俺、…自分でリュカって…ッ!」
「ま、待って待って!」
自分でも感情のコントロールが出来なかった。レヴォルークの話を聞いて発生した疑問が、大きな感情となり、涙に変換されてあふれてしまう。竜からの愛情を感じたからこそ、責めるような口調になる。
我が子の涙に、レヴォルークは目を見開いた。これまで飄々とした態度を見せていたが、明らかに困惑している。弁解させてほしいと言われ、少年は口を噤む。
「…抱きしめても、いいかい?」
ためらいがちに両手が伸ばされる。先程彼の手を避けてしまったのを、気にしているのは一目瞭然だった。リュカは無言のまま、恐る恐る近づき、彼の懐に飛び込んだ。胸に身を預ければ、頭上からほっと安堵の息を吐くのがわかった。体に両腕が巻きつき、優しく、だが力強く抱きしめられる。
胸が張り裂けそうに悲しいのが、楽になっていく。
「可愛い可愛い、僕の息子。ようやく抱きしめられた。卵だった時には、こうやってずっと胸に抱いて名前を呼んでたんだけど、覚えてないかな?」
リュカは小さく首を横に振った。そっか、と悲しそうな呟きが返ってくる。
「覚えてないなら、仕方がないね。名前がないって思わせてしまったのは、完全に僕のせいだ。ごめんね。でも、自分でつけたリュカって名前もすごく素敵だよ」
後頭部を撫でられ、頭に何度も口づけを受けるが、全く嫌ではなかった。温もりと甘い声音に安心感を覚える。先程までは彼が本当に自分の父親かどうか半信半疑だったが、こうして腕に抱かれてようやく確信を得た。自分の心の奥底、本能の部分が訴えて来る。自分はこの温もりを知っていると。
蘇芳ともセキシとも違う意味で、とても安心する。
「こんなに愛おしくてたまらないのに、リュカのことを捨てるはずないよ。言い訳にはなるけど、手放したのには理由があるんだ。可能ならずっと傍で、誕生からの成長を見守りたかった。本当だ」
レヴォルークの言葉に嘘はなさそうだった。真摯で真っ直ぐな愛情が伝わってくる。
「弁解、聞いてくれる?」
リュカは小さく、だがしっかりと頷いて返事をした。
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