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42. 不和
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「先日、我らが遠征で不在にしているところ、蘇芳の屋敷が赤足族によって襲撃を受けたことは皆承知のことと思う。幸いにも死傷者はなく、目立った被害も無かった。死体を調べさせたが、襲撃の理由になり得そうな手がかりは何も見つからなかった。よって、赤足族の里に偵察隊を送った」
またの日、黒鳶の屋敷では一族の会合が行われていた。集まった鬼達の表情は一様に硬く、強張っている。黒鳶の発言に注意深く耳を傾けている。皆、招集された理由を承知していた。
「残念ながら、何も得られなかった。赤足族の里は壊滅し、一族郎党、大人から子供まで皆殺しにされていた」
まさかの報告に、大広間はどよめいた。驚きを隠せない鬼達が顔を見合わせ、どういうことかと囁き合う。だが、黒鳶が再び口を開いたのを見て、皆沈黙した。
「一般的な武器によって虐殺され、特徴的な痕跡は見られん。どこの一族の仕業かは判別できない。ただ、長達は串刺しになった状態で磔にされていた。まるで見せしめのように」
「親父、虐殺は襲撃の後か?」
「ああ、血は乾いておらず、死体もまだほのかに温もりがあった。襲撃に失敗したことへの代償として、皆殺しにしたのだと思われる」
「今回の襲撃は、裏で手を引いてる奴がいるってことか」
「俺ァてっきり、以前赤足族からの依頼を断ったことに対する報復とみとったんじゃがなァ…」
「親父、そう言えば、依頼を断った後、赤足族は一体どうしたんです?他の一族に依頼を?」
「いや、號斑族からの謝罪を受け、和解したそうだ」
「ハーッ、そう簡単に受け入れられるかねえ。號斑に殺されたのは長の一人息子だろお?」
「何でも、號斑族の家宝を詫びの品として贈答したそうだ」
一人の質問を皮切りに、そこかしこで鬼達が意見を交わし頭をひねる中、蘇芳は沈黙を貫いていた。彼の中では既に答えは出ているからだ。
クルクドゥア族が一族を人質にリュカを攫うよう赤足族をけしかけ、遠征で留守中を狙って襲撃させた。誘拐の失敗を知り、情報の漏洩を危惧したクルクドゥア族によって一族は惨殺された。
だが、クルクドゥア族単独の犯行とは到底思えなかった。彼らは蒐集一族として有名だ。財力はあれど、武力はない。となれば、クルクドゥア族に金で雇われ、彼らの代わりに汚れ仕事を遂行している者がいるはずだ。それさえ分かれば簡単なのだが、どうにも手掛かりが少なすぎる。
「蘇芳、心当たりはねえのか。明らかにオメーに恨みを持った一族の襲撃だろ」
屈強な体の鬼に話しかけられ、蘇芳の脳裏には一番にクルクドゥアの男の顔が浮かんでいた。リュカと顔見知りであるステラの飼い主。下卑た面で舐め回すように少年を見ていた視線を思い出し、胸糞が悪くなる。
奴以外に考えられない。だが不用意に名を挙げれば、何故恨みを買ったときっと問い詰められる。そうなれば、一切合切全てを話さなければならない。リュカが人間ではなく、銀の瞳を持つことも。内部に裏切り者はいないという疑念を振り払えていない今は、みだりに少年のことを漏らしたくはない。
「そりゃあ滅茶苦茶あるに決まってんじゃん。蘇芳がぶちのめした一族どれだけいると思ってんだよ」
黙っていると、両手を頭の後ろに組んだ琥珀が笑いながら答えた。
「そっちじゃねえよ。俺が聞きてえのは、戦場外で何か問題起こしてんじゃねえかってことだよ。戦で一番手柄をあげてるからって親父が大目に見てんのにかこつけて、随分好き放題やってるじゃねえか。仕舞いには、人間の雄を嫁に迎えるだあ?ふざけやがって」
鬼は吐き捨てるように言った。汚らわしいものを見るかのように、その目は嫌悪に満ちている。
蘇芳の出自や活躍ぶり、時には一族の掟に逆らい自由気ままに振る舞う彼へ反感を持つ者は多い。それは赤鬼を睨め付ける視線の多さからも明らかだった。
「ハッ!何だよ僻みか?羨ましけりゃお前も戦功積めよ!…まあテメェみてえな、いかにも愚鈍そうな肉ダルマには無理か」
「何だと!?」
「一回で理解できなかったのかよ?見た目通り、頭の中まで筋肉詰まってんだな!」
激昂した鬼は蘇芳の胸ぐらを掴んだ。だが赤鬼はかすかな動揺すら見せず立ち上がり、舌を出しておちゃらける。更なる挑発に、顔を真っ赤にした鬼は言葉を忘れて、怒りに体を震わせていた。
容易く逆上する鬼に、赤鬼は口角を吊り上げて笑いながら、内心感謝していた。正直なところ何の情報も得られず、むしゃくしゃしていたのだ。目の前の鬼が手を出してくれれば、思う存分暴れて、内に燻る憤怒を発散できる。
「貴様、ふざけるのも大概にしろっ!」
「蘇芳、なんて口の利き方じゃ!わきまえんか!」
「うるせえな、雑魚は引っ込んでろよッ!」
「どこまでも愚弄しやがって!」
額に血管を浮かび上がらせた鬼が蘇芳の頬を殴る。赤鬼はすぐさま応戦した。笑みを浮かべ、お返しだと言わんばかりに殴り返す。そこからは他の鬼も加わり、殴る蹴るの大乱闘となった。
目の前で繰り広げられる乱痴気騒ぎに、琥珀は手を叩いて囃し立て、青藍は額に拳をあててため息を吐いた。
「止めぬかッ!!」
黒鳶の声は大きなものではなかったものの、大気を震わせた。頭領の一喝に、皆が動きを止める。直前に髭面の鬼から背後から蹴りを食らっていた蘇芳は素早く振り返り、男の脳天に回し蹴りをお見舞いした。軋む音と共に、髭面の鬼は床の上に倒れた。そこでようやく蘇芳も黒鳶に視線を向ける。
「内輪で争い、我らが分裂すれば、それこそ敵の思う壺だ。蘇芳も、流石に言が過ぎるぞ。双方冷静になれ」
「けど、親父…っ!」
若い鬼が反論の声を上げたが、すぐに言葉を失った。胡坐をかいて座る黒鳶が頭を下げていたのだ。一族の頂点に立つ黒鬼のまさかの行動に、大広間内は騒然とした。
「親父ッ!?」
「皆が蘇芳を不満に思うのは分かる。蘇芳を甘やかしていた自覚はある。完全に儂に非がある。一族の中で最も手柄を立てているということもあるが、こやつの母親を救えなかった負い目もあってな」
突然母親の話を持ち出され、蘇芳は動揺した。それは彼だけでなく、広間に集った他の鬼も同様だ。
「蘇芳の父とその正妻、何かしらの予兆は感じていたものの、見て見ぬ振りをして彼らの好きにさせていた。そのせいで悲劇を招いた。儂には頭領として皆の身を守る責があるというのに、情けないものだ。幸いにも蘇芳は生きてここに戻って来たが、罪悪感を拭えんのだ。だが儂の身勝手な罪の意識のせいで、結果皆を苦しませる羽目になってしまった。すまない」
黒鳶の謝罪に誰も身動きを取れないでいた。静寂が広間を包みこむ。
「…親父、顔を上げてくれ。確かに襲撃は蘇芳の何らかの言動で引き起こされたものかもしれない。だが、一度里に攻めこまれてしまった以上、もはや個人の問題ではなく、俺達一族の問題へと発展した。内輪で揉めようと何の意味もない。そうだろう」
「…そう、だな。青藍の言う通りだ。カッとなっちまって、すまねえ。親父に頭を下げさせるなんて、自分が情けねえ」
青藍から非難するような鋭い視線を向けられ、最初に蘇芳に手を上げた男は、短く刈りこんだ頭を掻きながら座った。それに続いて他の者も溜飲を下げ、元の場所へと戻っていった。
「蘇芳も、わざと挑発するな。我々はお前の敵ではなく、仲間だ。もう少し和を尊ぶべきだ。守りたいものがあるのならば」
「…分かった。悪かった。……親父、同情なんかいらねえからな。悪いのは、俺の実の糞親父とその正妻だ。親父が俺に対して申し訳なく思う必要はねえよ」
「…そうか。蘇芳、感謝する。それに皆にも」
きっぱりと言いのける赤鬼に、黒鳶は顔の緊張を解いた。口角を微かに上げて微笑み、彼は再度軽く頭を下げた。
それからすぐに元の調子を取り戻した黒鳶は、里の防衛体制をどう強化するべきか意見を募ったのだった。
またの日、黒鳶の屋敷では一族の会合が行われていた。集まった鬼達の表情は一様に硬く、強張っている。黒鳶の発言に注意深く耳を傾けている。皆、招集された理由を承知していた。
「残念ながら、何も得られなかった。赤足族の里は壊滅し、一族郎党、大人から子供まで皆殺しにされていた」
まさかの報告に、大広間はどよめいた。驚きを隠せない鬼達が顔を見合わせ、どういうことかと囁き合う。だが、黒鳶が再び口を開いたのを見て、皆沈黙した。
「一般的な武器によって虐殺され、特徴的な痕跡は見られん。どこの一族の仕業かは判別できない。ただ、長達は串刺しになった状態で磔にされていた。まるで見せしめのように」
「親父、虐殺は襲撃の後か?」
「ああ、血は乾いておらず、死体もまだほのかに温もりがあった。襲撃に失敗したことへの代償として、皆殺しにしたのだと思われる」
「今回の襲撃は、裏で手を引いてる奴がいるってことか」
「俺ァてっきり、以前赤足族からの依頼を断ったことに対する報復とみとったんじゃがなァ…」
「親父、そう言えば、依頼を断った後、赤足族は一体どうしたんです?他の一族に依頼を?」
「いや、號斑族からの謝罪を受け、和解したそうだ」
「ハーッ、そう簡単に受け入れられるかねえ。號斑に殺されたのは長の一人息子だろお?」
「何でも、號斑族の家宝を詫びの品として贈答したそうだ」
一人の質問を皮切りに、そこかしこで鬼達が意見を交わし頭をひねる中、蘇芳は沈黙を貫いていた。彼の中では既に答えは出ているからだ。
クルクドゥア族が一族を人質にリュカを攫うよう赤足族をけしかけ、遠征で留守中を狙って襲撃させた。誘拐の失敗を知り、情報の漏洩を危惧したクルクドゥア族によって一族は惨殺された。
だが、クルクドゥア族単独の犯行とは到底思えなかった。彼らは蒐集一族として有名だ。財力はあれど、武力はない。となれば、クルクドゥア族に金で雇われ、彼らの代わりに汚れ仕事を遂行している者がいるはずだ。それさえ分かれば簡単なのだが、どうにも手掛かりが少なすぎる。
「蘇芳、心当たりはねえのか。明らかにオメーに恨みを持った一族の襲撃だろ」
屈強な体の鬼に話しかけられ、蘇芳の脳裏には一番にクルクドゥアの男の顔が浮かんでいた。リュカと顔見知りであるステラの飼い主。下卑た面で舐め回すように少年を見ていた視線を思い出し、胸糞が悪くなる。
奴以外に考えられない。だが不用意に名を挙げれば、何故恨みを買ったときっと問い詰められる。そうなれば、一切合切全てを話さなければならない。リュカが人間ではなく、銀の瞳を持つことも。内部に裏切り者はいないという疑念を振り払えていない今は、みだりに少年のことを漏らしたくはない。
「そりゃあ滅茶苦茶あるに決まってんじゃん。蘇芳がぶちのめした一族どれだけいると思ってんだよ」
黙っていると、両手を頭の後ろに組んだ琥珀が笑いながら答えた。
「そっちじゃねえよ。俺が聞きてえのは、戦場外で何か問題起こしてんじゃねえかってことだよ。戦で一番手柄をあげてるからって親父が大目に見てんのにかこつけて、随分好き放題やってるじゃねえか。仕舞いには、人間の雄を嫁に迎えるだあ?ふざけやがって」
鬼は吐き捨てるように言った。汚らわしいものを見るかのように、その目は嫌悪に満ちている。
蘇芳の出自や活躍ぶり、時には一族の掟に逆らい自由気ままに振る舞う彼へ反感を持つ者は多い。それは赤鬼を睨め付ける視線の多さからも明らかだった。
「ハッ!何だよ僻みか?羨ましけりゃお前も戦功積めよ!…まあテメェみてえな、いかにも愚鈍そうな肉ダルマには無理か」
「何だと!?」
「一回で理解できなかったのかよ?見た目通り、頭の中まで筋肉詰まってんだな!」
激昂した鬼は蘇芳の胸ぐらを掴んだ。だが赤鬼はかすかな動揺すら見せず立ち上がり、舌を出しておちゃらける。更なる挑発に、顔を真っ赤にした鬼は言葉を忘れて、怒りに体を震わせていた。
容易く逆上する鬼に、赤鬼は口角を吊り上げて笑いながら、内心感謝していた。正直なところ何の情報も得られず、むしゃくしゃしていたのだ。目の前の鬼が手を出してくれれば、思う存分暴れて、内に燻る憤怒を発散できる。
「貴様、ふざけるのも大概にしろっ!」
「蘇芳、なんて口の利き方じゃ!わきまえんか!」
「うるせえな、雑魚は引っ込んでろよッ!」
「どこまでも愚弄しやがって!」
額に血管を浮かび上がらせた鬼が蘇芳の頬を殴る。赤鬼はすぐさま応戦した。笑みを浮かべ、お返しだと言わんばかりに殴り返す。そこからは他の鬼も加わり、殴る蹴るの大乱闘となった。
目の前で繰り広げられる乱痴気騒ぎに、琥珀は手を叩いて囃し立て、青藍は額に拳をあててため息を吐いた。
「止めぬかッ!!」
黒鳶の声は大きなものではなかったものの、大気を震わせた。頭領の一喝に、皆が動きを止める。直前に髭面の鬼から背後から蹴りを食らっていた蘇芳は素早く振り返り、男の脳天に回し蹴りをお見舞いした。軋む音と共に、髭面の鬼は床の上に倒れた。そこでようやく蘇芳も黒鳶に視線を向ける。
「内輪で争い、我らが分裂すれば、それこそ敵の思う壺だ。蘇芳も、流石に言が過ぎるぞ。双方冷静になれ」
「けど、親父…っ!」
若い鬼が反論の声を上げたが、すぐに言葉を失った。胡坐をかいて座る黒鳶が頭を下げていたのだ。一族の頂点に立つ黒鬼のまさかの行動に、大広間内は騒然とした。
「親父ッ!?」
「皆が蘇芳を不満に思うのは分かる。蘇芳を甘やかしていた自覚はある。完全に儂に非がある。一族の中で最も手柄を立てているということもあるが、こやつの母親を救えなかった負い目もあってな」
突然母親の話を持ち出され、蘇芳は動揺した。それは彼だけでなく、広間に集った他の鬼も同様だ。
「蘇芳の父とその正妻、何かしらの予兆は感じていたものの、見て見ぬ振りをして彼らの好きにさせていた。そのせいで悲劇を招いた。儂には頭領として皆の身を守る責があるというのに、情けないものだ。幸いにも蘇芳は生きてここに戻って来たが、罪悪感を拭えんのだ。だが儂の身勝手な罪の意識のせいで、結果皆を苦しませる羽目になってしまった。すまない」
黒鳶の謝罪に誰も身動きを取れないでいた。静寂が広間を包みこむ。
「…親父、顔を上げてくれ。確かに襲撃は蘇芳の何らかの言動で引き起こされたものかもしれない。だが、一度里に攻めこまれてしまった以上、もはや個人の問題ではなく、俺達一族の問題へと発展した。内輪で揉めようと何の意味もない。そうだろう」
「…そう、だな。青藍の言う通りだ。カッとなっちまって、すまねえ。親父に頭を下げさせるなんて、自分が情けねえ」
青藍から非難するような鋭い視線を向けられ、最初に蘇芳に手を上げた男は、短く刈りこんだ頭を掻きながら座った。それに続いて他の者も溜飲を下げ、元の場所へと戻っていった。
「蘇芳も、わざと挑発するな。我々はお前の敵ではなく、仲間だ。もう少し和を尊ぶべきだ。守りたいものがあるのならば」
「…分かった。悪かった。……親父、同情なんかいらねえからな。悪いのは、俺の実の糞親父とその正妻だ。親父が俺に対して申し訳なく思う必要はねえよ」
「…そうか。蘇芳、感謝する。それに皆にも」
きっぱりと言いのける赤鬼に、黒鳶は顔の緊張を解いた。口角を微かに上げて微笑み、彼は再度軽く頭を下げた。
それからすぐに元の調子を取り戻した黒鳶は、里の防衛体制をどう強化するべきか意見を募ったのだった。
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