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37. 慈悲
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衝撃の後、痛みと燃えるような熱さが襲ってくる。視線を落とせば、肩に暗器が突き刺さっていた。振り返れば、鳥の怪物の猛攻を逃れた数名の仮面が迫ってきている。
「ふむ、致命傷ではないな」
沙楼羅は至極残念そうに溜息を吐いた。宙に浮いた状態で顎を撫でるばかりで、心配する素振りは微塵もない。
「貴様っ、何者だ!我等の邪魔立てするのであれば、容赦せんぞ!」
「そう殺気立つでない。お主らの邪魔をする気など、毛頭ない。傍観はさせてもらうがのう」
「傍観…?何が目的だ」
「目的も何もない。言葉通りじゃ。お主らがこの子を捕まえようと追いかける様子を見たいだけじゃ」
警戒心剥き出しの仮面達に対し、沙楼羅はにっこりと人好きしそうな柔和な笑みを浮かべた。手出ししないという証拠か、両手のひらを見せながら、すいとリュカから離れて空中に浮かび上がる。
「構うな。最優先事項は、あのガキだ。絶対に逃がすな!」
一目散に疾走する仮面に、リュカは歯を食いしばりながら足を動かした。暗器を抜き、患部を手で庇う。地面を踏みしめる度に鈍い痛みが襲ってくる。
今しがた起こったことが理解できない。ついこの間、楽しく話をしたばかりだと言うのに。会う度にリュカのことが好きになるわい、と言って優しく頭を撫でてくれたのに。あれは本当に沙楼羅なのか?沙楼羅の姿を真似た異形なのではないか?けれど、彼はリュカが闇オークションでステラを殺しかけたことを蘇芳から聞いたと言っていた。やっぱり、本物の沙楼羅なのか?
混乱と痛みと恐怖で、少年の頭の中はぐちゃぐちゃだった。唯一の頼みの綱だった沙楼羅にさえ見捨てられて、もうどうすればいいか分からない。仮面が山の異形にやられるまで逃げ続けることが確実かと頭をよぎった。自分が異形に狙われないのは、沙楼羅からもらった御守りの紐の為だとリュカは理解していた。だが、負傷した状態で長く走り続けるのは難しい。足もだんだんと鉛のように重く感じて、今や根気だけで動かしているのだ。
肉体的には限界が来ていた。もういっそのこと捕まってしまおうか、とそんな考えに蝕まれそうになる。リュカは頭を振って弱い自分を振り払う。捕まりたくない。実験体やバドーの奴隷のような仕打ちを受けたくない。捕まってたまるか。足を止めてたまるか。考えろ。活路を見い出せ。
そこでリュカは、少し先に生えた大木の根と地面の間に隙間があるのに気がついた。都合のいいことに穴はそんなに大きくなく、小柄な自分しか通れないような気がした。きっと小動物の巣穴か何かだ。中に何が待ち受けているかわからないが、ただ逃げ回るよりはいいかもしれない。何より他に手が無い。イチかバチかだ、とリュカは唇を引き結んで、穴に向かって体を滑らせた。
仮面達の罵声が聞こえたが、すぐに何も聞こえなくなる。穴は思いのほか深いようだった。滑らかな斜面を体が勝手に落ちていく。底知れない感覚に、怖くなってしまう。何かにつかまって勢いを殺そうとするも、視界は闇に覆われていて、手に触れるのもツルツルとした断面ばかりだった。
「あぐ…っ!」
唐突に滑落が終わり、リュカの体は硬い地面へと投げ出された。受け身を取る暇すらなく、刺された肩を強く打ち付けてしまい、少年は悶絶した。
落ちた先は、広い空洞のようだった。しんと静まり返っている。空気がひんやりとしていて、吐く息が白くなるのがわかった。
仮面達が追ってくる気配はなく、リュカは安堵した。立ち上がって、出口を探さねば。そう分かってはいるのに、疲労と痛みで体に力が入らない。負傷した肩に力が入らず、流血しているのが分かる。血が服に染みこんで、温かいと感じる程だった。
「…血の匂いを撒き散らし、眠りを妨げるのは何者か」
暗闇の奥から、厳かな声がした。空洞内に反響し、空気をも揺らす。何か重いものがずるずると這うような音も聞こえる。リュカは返答することが出来なかった。寒さで唇はこわばり、か細い呼吸の音しか出ない。得体の知れないものであると言うのに、リュカは不思議と恐怖を抱かなかった。仮面や沙楼羅の方がよっぽど恐ろしい。
まるで暗闇に切り込みが入ったかのように、灯りのようなものが二つ浮かび上がる。それが何なのかは、よく分からなかった。目が霞んできたのだ。瞼も重く、目を開けていられない。二つの灯りがどんどん近づいて来ているのに気づきつつも、閉じていく目蓋に抗えない。意識を失う直前に脳裏に浮かんだのは、蘇芳とセキシの姿だった。
一方、リュカが姿を消した大樹の根元では、仮面達が言い争いをしていた。小さな穴に彼らの体は入らず、腕を限界まで差し込んでも何も手ごたえが無い。しまいには、互いを責め始める。
「ほう、そこに逃げ込むか。…これもまた、宿命かのう」
リュカと追いかける仮面の後ろを悠々と飛翔して追尾していた沙楼羅は、感慨深げに呟いた。だがその呟きは風に浚われ、誰の耳にも届くことはなかった。
「おい、貴様!この穴はどこに繋がっている!?」
「さあなあ」
口元に笑みをたたえて空中を浮遊する沙楼羅に、仮面は苛立ちを募らせていく。
「嘘を吐くな。大体、貴様の目的は何だ。我等が小僧を捕獲する様を見たいなどと戯言を…」
「他意はない。言った通りの意味じゃ。おぬしらに追い詰められたあの子がどう出るか見たくてのう。まさかそこに逃げ込むとは予想外じゃった」
「貴様…!やはりこの先がどこに繋がっているか、知っているな!?」
「儂に刃を向けるか。命知らずじゃのお」
「黙れ。言わぬなら力づくで吐かせるまでだ」
仮面達はそれぞれ武器を取り出し、沙楼羅に向けて構えた。
「知らぬとは言っておらんじゃろう。教えても構わんが、漏れなく主ら全員死ぬぞ?そこまでしてまで追いかける価値があの子にあるかのう」
「うるさいっ!貴様に何が分かる!このままおめおめと引き下がったところで、命はない。一族郎党が助かるには、あの小僧を連れ帰るほか道はないのだッ」
「主らにも退けぬ事情があると言う訳か。…良いだろう。儂に膝をつかせることが出来たら、教えてやらんこともない。ハンデとして、翼は使わぬとしよう」
烏天狗の挑発に、仮面達は更に殺気立った。逃げ場すら残さないよう、彼の周囲を取り囲む。
「膝をつかせるどころか、頭を地面に擦りつかせて慈悲を乞わせてやる!」
「威勢が良くていい!殺す気でかかってくると良いぞ。そうでなくては詰まらん」
「ぬかせ!」
仮面の者たちは一斉に沙楼羅に飛び掛かった。息の合った動きで、同時に攻撃を仕掛ける。着物に刃が食い込む感触に、仮面達は己の勝利を確信する。だが、次の瞬間沙楼羅の姿が視界から消えた。状況を理解する暇すらなく、凄まじい衝撃を受けて彼らの体は後方に吹き飛んだ。地面に手を突いて勢いを殺し、体勢を整える。仮面達の武器は全て地面に落ちていた。一拍遅れて、手刀によって全ての武器を叩き落されたのだと彼らは理解した。手がじんじんと痺れている。
「何じゃ、この程度か?詰まらん」
「ハッ、舐めるな」
興が削がれたとばかりに、沙楼羅は顔をしかめた。だが仮面はどこからともなく新たな武器を手にすると、再び烏天狗に襲いかかる。近接武器だけではなく、飛び道具をも放ち、完全に退路を断とうとする。
「許せよ。ひと思いに殺してやるのは、せめてもの情けじゃ」
そう呟いた沙楼羅は仮面の一人から短剣をもぎ取り、心臓に刃を突き立てた。的確に心臓を一突きされた仮面達が一人、また一人と倒れていく。皆、苦しむことなく即死していた。亡骸は砂塵のように崩壊し、風に吹かれて飛んでいく。
「はてさて、出てくるのをゆるりと待つとしよう」
短剣を放り投げた沙楼羅は、身近にあった倒木の上に寝そべった。だが視線は、リュカが消えた木の根元にじっと注がれていた。
「ふむ、致命傷ではないな」
沙楼羅は至極残念そうに溜息を吐いた。宙に浮いた状態で顎を撫でるばかりで、心配する素振りは微塵もない。
「貴様っ、何者だ!我等の邪魔立てするのであれば、容赦せんぞ!」
「そう殺気立つでない。お主らの邪魔をする気など、毛頭ない。傍観はさせてもらうがのう」
「傍観…?何が目的だ」
「目的も何もない。言葉通りじゃ。お主らがこの子を捕まえようと追いかける様子を見たいだけじゃ」
警戒心剥き出しの仮面達に対し、沙楼羅はにっこりと人好きしそうな柔和な笑みを浮かべた。手出ししないという証拠か、両手のひらを見せながら、すいとリュカから離れて空中に浮かび上がる。
「構うな。最優先事項は、あのガキだ。絶対に逃がすな!」
一目散に疾走する仮面に、リュカは歯を食いしばりながら足を動かした。暗器を抜き、患部を手で庇う。地面を踏みしめる度に鈍い痛みが襲ってくる。
今しがた起こったことが理解できない。ついこの間、楽しく話をしたばかりだと言うのに。会う度にリュカのことが好きになるわい、と言って優しく頭を撫でてくれたのに。あれは本当に沙楼羅なのか?沙楼羅の姿を真似た異形なのではないか?けれど、彼はリュカが闇オークションでステラを殺しかけたことを蘇芳から聞いたと言っていた。やっぱり、本物の沙楼羅なのか?
混乱と痛みと恐怖で、少年の頭の中はぐちゃぐちゃだった。唯一の頼みの綱だった沙楼羅にさえ見捨てられて、もうどうすればいいか分からない。仮面が山の異形にやられるまで逃げ続けることが確実かと頭をよぎった。自分が異形に狙われないのは、沙楼羅からもらった御守りの紐の為だとリュカは理解していた。だが、負傷した状態で長く走り続けるのは難しい。足もだんだんと鉛のように重く感じて、今や根気だけで動かしているのだ。
肉体的には限界が来ていた。もういっそのこと捕まってしまおうか、とそんな考えに蝕まれそうになる。リュカは頭を振って弱い自分を振り払う。捕まりたくない。実験体やバドーの奴隷のような仕打ちを受けたくない。捕まってたまるか。足を止めてたまるか。考えろ。活路を見い出せ。
そこでリュカは、少し先に生えた大木の根と地面の間に隙間があるのに気がついた。都合のいいことに穴はそんなに大きくなく、小柄な自分しか通れないような気がした。きっと小動物の巣穴か何かだ。中に何が待ち受けているかわからないが、ただ逃げ回るよりはいいかもしれない。何より他に手が無い。イチかバチかだ、とリュカは唇を引き結んで、穴に向かって体を滑らせた。
仮面達の罵声が聞こえたが、すぐに何も聞こえなくなる。穴は思いのほか深いようだった。滑らかな斜面を体が勝手に落ちていく。底知れない感覚に、怖くなってしまう。何かにつかまって勢いを殺そうとするも、視界は闇に覆われていて、手に触れるのもツルツルとした断面ばかりだった。
「あぐ…っ!」
唐突に滑落が終わり、リュカの体は硬い地面へと投げ出された。受け身を取る暇すらなく、刺された肩を強く打ち付けてしまい、少年は悶絶した。
落ちた先は、広い空洞のようだった。しんと静まり返っている。空気がひんやりとしていて、吐く息が白くなるのがわかった。
仮面達が追ってくる気配はなく、リュカは安堵した。立ち上がって、出口を探さねば。そう分かってはいるのに、疲労と痛みで体に力が入らない。負傷した肩に力が入らず、流血しているのが分かる。血が服に染みこんで、温かいと感じる程だった。
「…血の匂いを撒き散らし、眠りを妨げるのは何者か」
暗闇の奥から、厳かな声がした。空洞内に反響し、空気をも揺らす。何か重いものがずるずると這うような音も聞こえる。リュカは返答することが出来なかった。寒さで唇はこわばり、か細い呼吸の音しか出ない。得体の知れないものであると言うのに、リュカは不思議と恐怖を抱かなかった。仮面や沙楼羅の方がよっぽど恐ろしい。
まるで暗闇に切り込みが入ったかのように、灯りのようなものが二つ浮かび上がる。それが何なのかは、よく分からなかった。目が霞んできたのだ。瞼も重く、目を開けていられない。二つの灯りがどんどん近づいて来ているのに気づきつつも、閉じていく目蓋に抗えない。意識を失う直前に脳裏に浮かんだのは、蘇芳とセキシの姿だった。
一方、リュカが姿を消した大樹の根元では、仮面達が言い争いをしていた。小さな穴に彼らの体は入らず、腕を限界まで差し込んでも何も手ごたえが無い。しまいには、互いを責め始める。
「ほう、そこに逃げ込むか。…これもまた、宿命かのう」
リュカと追いかける仮面の後ろを悠々と飛翔して追尾していた沙楼羅は、感慨深げに呟いた。だがその呟きは風に浚われ、誰の耳にも届くことはなかった。
「おい、貴様!この穴はどこに繋がっている!?」
「さあなあ」
口元に笑みをたたえて空中を浮遊する沙楼羅に、仮面は苛立ちを募らせていく。
「嘘を吐くな。大体、貴様の目的は何だ。我等が小僧を捕獲する様を見たいなどと戯言を…」
「他意はない。言った通りの意味じゃ。おぬしらに追い詰められたあの子がどう出るか見たくてのう。まさかそこに逃げ込むとは予想外じゃった」
「貴様…!やはりこの先がどこに繋がっているか、知っているな!?」
「儂に刃を向けるか。命知らずじゃのお」
「黙れ。言わぬなら力づくで吐かせるまでだ」
仮面達はそれぞれ武器を取り出し、沙楼羅に向けて構えた。
「知らぬとは言っておらんじゃろう。教えても構わんが、漏れなく主ら全員死ぬぞ?そこまでしてまで追いかける価値があの子にあるかのう」
「うるさいっ!貴様に何が分かる!このままおめおめと引き下がったところで、命はない。一族郎党が助かるには、あの小僧を連れ帰るほか道はないのだッ」
「主らにも退けぬ事情があると言う訳か。…良いだろう。儂に膝をつかせることが出来たら、教えてやらんこともない。ハンデとして、翼は使わぬとしよう」
烏天狗の挑発に、仮面達は更に殺気立った。逃げ場すら残さないよう、彼の周囲を取り囲む。
「膝をつかせるどころか、頭を地面に擦りつかせて慈悲を乞わせてやる!」
「威勢が良くていい!殺す気でかかってくると良いぞ。そうでなくては詰まらん」
「ぬかせ!」
仮面の者たちは一斉に沙楼羅に飛び掛かった。息の合った動きで、同時に攻撃を仕掛ける。着物に刃が食い込む感触に、仮面達は己の勝利を確信する。だが、次の瞬間沙楼羅の姿が視界から消えた。状況を理解する暇すらなく、凄まじい衝撃を受けて彼らの体は後方に吹き飛んだ。地面に手を突いて勢いを殺し、体勢を整える。仮面達の武器は全て地面に落ちていた。一拍遅れて、手刀によって全ての武器を叩き落されたのだと彼らは理解した。手がじんじんと痺れている。
「何じゃ、この程度か?詰まらん」
「ハッ、舐めるな」
興が削がれたとばかりに、沙楼羅は顔をしかめた。だが仮面はどこからともなく新たな武器を手にすると、再び烏天狗に襲いかかる。近接武器だけではなく、飛び道具をも放ち、完全に退路を断とうとする。
「許せよ。ひと思いに殺してやるのは、せめてもの情けじゃ」
そう呟いた沙楼羅は仮面の一人から短剣をもぎ取り、心臓に刃を突き立てた。的確に心臓を一突きされた仮面達が一人、また一人と倒れていく。皆、苦しむことなく即死していた。亡骸は砂塵のように崩壊し、風に吹かれて飛んでいく。
「はてさて、出てくるのをゆるりと待つとしよう」
短剣を放り投げた沙楼羅は、身近にあった倒木の上に寝そべった。だが視線は、リュカが消えた木の根元にじっと注がれていた。
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