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30. スイートホーム
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馬車に乗り込む気配がして、リュカはほうっと息を吐いた。蘇芳の匂いと共に大きく息を吸い込む。戸惑いのあまり無意識に呼吸を止めていたらしい。
「リュカ、顔を見せろ。…チッ、あの糞餓鬼、派手にやってくれたな」
席に座らされ、大きな体が離れていく。蘇芳は床に跪いていて、自分よりも目線が低かった。顔がこわばっている。頬を包み込む両手が温かくて、リュカは鼻の奥がツンとするのを感じた。
「角…っ、引っ張られて…!俺、…し、死んじゃうのか…っ?」
「死なねえよ、心配すんな。少し皮膚が切れて血が出ちゃいるが、契角自体は何の問題もねえ。他にどこをやられた?」
「倒されて、頭打った…」
「たんこぶが出来てるな。帰ったら、殴られた頬と一緒にセキシに冷やしてもらえ。他は?」
「他は…、たぶん大丈夫だと思う」
「…違和感あったらすぐに言えよ。にしても、角を引っこ抜こうとするなんざ、胸糞わりぃな。痛かったろ」
顔をしかめる蘇芳に、リュカは小さく頷いた。あの時感じた激しい痛みを思い出して、膝の上でぎゅっと拳を握りこむ。引っ掻かれて血のにじむ手の甲を、蘇芳の手が覆った。
「ステラが…、俺のことを、銀の目をした怪物、って…」
「ああ、また目の色が変わってた。今はもう戻ってるけどな…。リュカ、一体何があった」
リュカは起こったことをゆっくりと言葉にした。青藍と言葉を交わしたことは黙っていた。会話の内容も大したものではなかったし、蘇芳の機嫌を損ねたくなかった。
「契角を引っ張られて、痛くてたまんなくて。そしたら何かが割れるような音が聞こえた。それからは何も覚えてない。気がついたら目の前に蘇芳がいて、離れたところでステラが倒れてた。……ステラの腕を折ったって、…あいつのこと殺そうとした、って何?…ステラが俺のこと殺そうとしてたのに…っ!」
「俺も分からねえけどな、俺が見たのは、ステラっていう餓鬼に馬乗りになって首を絞めるリュカの姿だ」
まさか、とでも言うように少年は目を見開いた。信じられないという面持ちで己の手のひらに視線を落とす。
「…じゃあ、俺…本当にステラを殺そうとしてたのか?」
「おそらくな。でも、お前のは正当防衛だ。手を出したのは向こうだろ。首元のこれも」
赤鬼は少年の襟を引っ張った。ステラにつけられた爪痕が露になる。まさか気づかれているとは思わなくて、リュカは目を丸くした。
「…気づいてたのか?」
「当たり前だ。くそ、思い出すだけで苛つくな。媚びるような話し方しやがって気持ちわりぃ」
相当に不愉快だったのか、蘇芳が吐き捨てる。リュカは少し面食らった。
ステラの客はこぞって、彼のことを可愛いと思っている。リュカには白々しい演技にしか見えないが、ステラは庇護欲をそそる、か弱い少年を演じて、リー・ジンさえ手玉に取っている。それで何度痛い目を見てきたことか。だが、そのぶりっ子演技も蘇芳には通用しなかったらしい。
ステラはリュカに成り代わりたいようだったが、蘇芳はきっと嫌がるだろう。蝶の少年の目論見通りにならないと知って、リュカは心の中でざまあみろと悪態を吐いた。蘇芳に気持ち悪いと言われて呆気に取られるステラを想像すると、少しだけ胸がすっとしたのだった。
屋敷に戻ると、蘇芳は大きな声でセキシを呼んだ。主人の声にただならぬ様子を感じ取ったのか、従者の青年は慌てて玄関へとやって来た。
「蘇芳様、リュカ様、おかえりなさいませ。どうかし—…っ!」
セキシは蘇芳の横に突っ立っているリュカを見て言葉を失った。顔面蒼白で駆け寄り、腰を落として少年の顔を覗きこむ。
「リュカ様!?このお怪我は…?一体誰がこんな酷いことを」
セキシの顔を見て、リュカは屋敷に戻ったのだと実感した。一緒に朝ご飯を食べて、たった数時間離れていただけなのに、それが遥か昔のことのように感じる。怪我した自分を心配してくれるその気持ちが、たまらなく心地良く、ありがたいと思う。彼のこの優しさがステラに向けられるなんて、絶対に嫌だ。
彼のことが愛おしいあまり、気がつけばリュカはセキシに抱きついていた。
「ああリュカ様、痛いですよね?とにかく手当しましょう。いいですか、抱き上げますよ?」
しがみついて離れようとしないリュカが泣いていると思ったのか、セキシは慌てた様子で少年を抱き上げ、自室に駆け込んだ。その後に蘇芳が続く。
処置はあっという間に終わった。リュカはただ座っているだけで良かった。セキシの動きには全く無駄がなく、感心しっぱなしで、いつまででも見ていられるなと思った。
「冷たすぎませんか?大丈夫です?」
「へーき。気持ちいい」
氷嚢枕を頭の下に敷いて横になった状態で、殴られた頬にも氷嚢を当てられる。じんじんと熱を持ち始めた患部に氷の冷たさが心地良い。
甲斐甲斐しく世話をされて、少し気恥ずかしくもあったが、純粋に嬉しかった。できることならセキシに抱きついて、彼の胸に顔を埋めて存分に甘えたい。オークションで目にした悪趣味な光景やバトーという最低な男のこと、それにステラとのいざこざまで全てを話して、大変でしたねと慰めて欲しいと思った。
「…俺、セキシの顔見てたら何だか眠たくなってきた」
屋敷に戻って来れた安心感から、途端に猛烈な眠気に見舞われる。色んなことが起こりすぎて、肉体的にも精神的にも疲れてしまった。
「眠っても構いませんよ。食事時になったら起こしますので」
「うん…」
眦の垂れた目が優しく細められる。セキシが了承して微笑むのを目にして、リュカは小さく頷くと意識を手放した。慈愛に満ちた表情を浮かべたセキシはしばらく少年の頭を撫でていたが、彼の寝息を耳にするや否や、己の主人に視線を向けた。
「蘇芳様、一体誰がこんなことを」
「ステラっていう餓鬼だ。今は身請けされてるみてえだが、リュカと同じテル・メルにいた男娼らしい。競りの会場で偶然会った。リュカと奴との間に何らかの因縁があるらしい。まあ想像はつくけどな」
それから蘇芳は自分が目撃して把握していることを全て話した。セキシは決して口を挟もうとせず、黙って耳を傾けていたが、ステラに対して怒りを覚えているのは明らかだった。
「角を引き抜こうとするなど、何て惨い…。さぞ痛かったでしょうに」
セキシはあどけない寝顔を晒すリュカの頬をそっと撫でた。彼が人間の少年を大層気に入ってるのが窺えて、蘇芳の表情が自然と緩む。
「それにしても、リュカ様の正体は一体…。自衛ができるのは良いことですが、蘇芳様を認識できない、リュカ様の記憶にも残らない程に暴走してしまうのは些か心配です」
「まあ…一人にした俺が悪い。琥珀を振り切ってでも、ついて行くべきだった。俺が傍にいれば、あのステラって奴も手出し出来なかった筈だしな。…それより俺が今一番危惧してるのは、琥珀と青藍にリュカの目の色を見られたことだ」
「青藍様はみだりに吹聴することはないと思いますが、琥珀様は…」
「あっという間に広まるな。…ああクソッ、一番知られたくねえ奴にバレちまった」
渋面を作るセキシに、あぐらをかいて座っている蘇芳は項垂れた。親指で眉間をぐりぐりと押し、重い溜息を吐いた。
「他種族にも知られるでしょうか?」
「そう見といて間違いねえだろ。琥珀に見られてなきゃ、ステラの妄言ってことで終わらせられただろうがな…。セキシ、警戒はしておいてくれ。来客があろうと屋敷には入れるな」
「勿論です」
二人とも明言はしないが、危惧していることは同じだった。
銀の瞳を持つ異形の存在など一般的には知られていない。新たな種族の出現となれば、他の種族が色めき立つだろう。銀の目はどの程度の力を持つのか、はたまたどの程度の財産になるのか、どのような身体構造をしているのか。強大な力を持っていれば戦争の道具にされ、希少価値に目をつけられれば見せ物とされ、特異な身体的特徴があれば解剖され実験動物としての運命が待つ。
「リュカ様が来てから毎日が楽しいです。もちろんそれまでも幸せでした。蘇芳様には感謝しきれません。私を拾ってくださり、何の不満もない生活を与えてくださった。リュカ様はまるで小さな嵐です。元気いっぱいに駆け回り、色々なことをかき回す。だけどそれが不思議と嫌ではないんです。危なっかしくてハラハラさせられもしますが…。それすら楽しいんです。蘇芳様がリュカ様に翻弄されているのを見るのも楽しいですしね」
「…性格が悪くなったんじゃねえか?」
にっこりと笑いかけるセキシに、蘇芳は口角を引くつかせる。赤鬼は細く息を吐き、ぐしゃりと赤い髪をかき混ぜた。
「…まあ、俺もこいつのことは気に入っている。他の奴等には指一本触れさせねえ」
「気に入っている、なんてそんな可愛らしい言葉には当てはまらないのでは?蘇芳様」
「お前、本ッ当に良い根性してんな」
「お褒めに預かり光栄です」
青筋を浮かべる主人にちっとも物怖じせず、セキシはくすくすと笑った。
「リュカ、顔を見せろ。…チッ、あの糞餓鬼、派手にやってくれたな」
席に座らされ、大きな体が離れていく。蘇芳は床に跪いていて、自分よりも目線が低かった。顔がこわばっている。頬を包み込む両手が温かくて、リュカは鼻の奥がツンとするのを感じた。
「角…っ、引っ張られて…!俺、…し、死んじゃうのか…っ?」
「死なねえよ、心配すんな。少し皮膚が切れて血が出ちゃいるが、契角自体は何の問題もねえ。他にどこをやられた?」
「倒されて、頭打った…」
「たんこぶが出来てるな。帰ったら、殴られた頬と一緒にセキシに冷やしてもらえ。他は?」
「他は…、たぶん大丈夫だと思う」
「…違和感あったらすぐに言えよ。にしても、角を引っこ抜こうとするなんざ、胸糞わりぃな。痛かったろ」
顔をしかめる蘇芳に、リュカは小さく頷いた。あの時感じた激しい痛みを思い出して、膝の上でぎゅっと拳を握りこむ。引っ掻かれて血のにじむ手の甲を、蘇芳の手が覆った。
「ステラが…、俺のことを、銀の目をした怪物、って…」
「ああ、また目の色が変わってた。今はもう戻ってるけどな…。リュカ、一体何があった」
リュカは起こったことをゆっくりと言葉にした。青藍と言葉を交わしたことは黙っていた。会話の内容も大したものではなかったし、蘇芳の機嫌を損ねたくなかった。
「契角を引っ張られて、痛くてたまんなくて。そしたら何かが割れるような音が聞こえた。それからは何も覚えてない。気がついたら目の前に蘇芳がいて、離れたところでステラが倒れてた。……ステラの腕を折ったって、…あいつのこと殺そうとした、って何?…ステラが俺のこと殺そうとしてたのに…っ!」
「俺も分からねえけどな、俺が見たのは、ステラっていう餓鬼に馬乗りになって首を絞めるリュカの姿だ」
まさか、とでも言うように少年は目を見開いた。信じられないという面持ちで己の手のひらに視線を落とす。
「…じゃあ、俺…本当にステラを殺そうとしてたのか?」
「おそらくな。でも、お前のは正当防衛だ。手を出したのは向こうだろ。首元のこれも」
赤鬼は少年の襟を引っ張った。ステラにつけられた爪痕が露になる。まさか気づかれているとは思わなくて、リュカは目を丸くした。
「…気づいてたのか?」
「当たり前だ。くそ、思い出すだけで苛つくな。媚びるような話し方しやがって気持ちわりぃ」
相当に不愉快だったのか、蘇芳が吐き捨てる。リュカは少し面食らった。
ステラの客はこぞって、彼のことを可愛いと思っている。リュカには白々しい演技にしか見えないが、ステラは庇護欲をそそる、か弱い少年を演じて、リー・ジンさえ手玉に取っている。それで何度痛い目を見てきたことか。だが、そのぶりっ子演技も蘇芳には通用しなかったらしい。
ステラはリュカに成り代わりたいようだったが、蘇芳はきっと嫌がるだろう。蝶の少年の目論見通りにならないと知って、リュカは心の中でざまあみろと悪態を吐いた。蘇芳に気持ち悪いと言われて呆気に取られるステラを想像すると、少しだけ胸がすっとしたのだった。
屋敷に戻ると、蘇芳は大きな声でセキシを呼んだ。主人の声にただならぬ様子を感じ取ったのか、従者の青年は慌てて玄関へとやって来た。
「蘇芳様、リュカ様、おかえりなさいませ。どうかし—…っ!」
セキシは蘇芳の横に突っ立っているリュカを見て言葉を失った。顔面蒼白で駆け寄り、腰を落として少年の顔を覗きこむ。
「リュカ様!?このお怪我は…?一体誰がこんな酷いことを」
セキシの顔を見て、リュカは屋敷に戻ったのだと実感した。一緒に朝ご飯を食べて、たった数時間離れていただけなのに、それが遥か昔のことのように感じる。怪我した自分を心配してくれるその気持ちが、たまらなく心地良く、ありがたいと思う。彼のこの優しさがステラに向けられるなんて、絶対に嫌だ。
彼のことが愛おしいあまり、気がつけばリュカはセキシに抱きついていた。
「ああリュカ様、痛いですよね?とにかく手当しましょう。いいですか、抱き上げますよ?」
しがみついて離れようとしないリュカが泣いていると思ったのか、セキシは慌てた様子で少年を抱き上げ、自室に駆け込んだ。その後に蘇芳が続く。
処置はあっという間に終わった。リュカはただ座っているだけで良かった。セキシの動きには全く無駄がなく、感心しっぱなしで、いつまででも見ていられるなと思った。
「冷たすぎませんか?大丈夫です?」
「へーき。気持ちいい」
氷嚢枕を頭の下に敷いて横になった状態で、殴られた頬にも氷嚢を当てられる。じんじんと熱を持ち始めた患部に氷の冷たさが心地良い。
甲斐甲斐しく世話をされて、少し気恥ずかしくもあったが、純粋に嬉しかった。できることならセキシに抱きついて、彼の胸に顔を埋めて存分に甘えたい。オークションで目にした悪趣味な光景やバトーという最低な男のこと、それにステラとのいざこざまで全てを話して、大変でしたねと慰めて欲しいと思った。
「…俺、セキシの顔見てたら何だか眠たくなってきた」
屋敷に戻って来れた安心感から、途端に猛烈な眠気に見舞われる。色んなことが起こりすぎて、肉体的にも精神的にも疲れてしまった。
「眠っても構いませんよ。食事時になったら起こしますので」
「うん…」
眦の垂れた目が優しく細められる。セキシが了承して微笑むのを目にして、リュカは小さく頷くと意識を手放した。慈愛に満ちた表情を浮かべたセキシはしばらく少年の頭を撫でていたが、彼の寝息を耳にするや否や、己の主人に視線を向けた。
「蘇芳様、一体誰がこんなことを」
「ステラっていう餓鬼だ。今は身請けされてるみてえだが、リュカと同じテル・メルにいた男娼らしい。競りの会場で偶然会った。リュカと奴との間に何らかの因縁があるらしい。まあ想像はつくけどな」
それから蘇芳は自分が目撃して把握していることを全て話した。セキシは決して口を挟もうとせず、黙って耳を傾けていたが、ステラに対して怒りを覚えているのは明らかだった。
「角を引き抜こうとするなど、何て惨い…。さぞ痛かったでしょうに」
セキシはあどけない寝顔を晒すリュカの頬をそっと撫でた。彼が人間の少年を大層気に入ってるのが窺えて、蘇芳の表情が自然と緩む。
「それにしても、リュカ様の正体は一体…。自衛ができるのは良いことですが、蘇芳様を認識できない、リュカ様の記憶にも残らない程に暴走してしまうのは些か心配です」
「まあ…一人にした俺が悪い。琥珀を振り切ってでも、ついて行くべきだった。俺が傍にいれば、あのステラって奴も手出し出来なかった筈だしな。…それより俺が今一番危惧してるのは、琥珀と青藍にリュカの目の色を見られたことだ」
「青藍様はみだりに吹聴することはないと思いますが、琥珀様は…」
「あっという間に広まるな。…ああクソッ、一番知られたくねえ奴にバレちまった」
渋面を作るセキシに、あぐらをかいて座っている蘇芳は項垂れた。親指で眉間をぐりぐりと押し、重い溜息を吐いた。
「他種族にも知られるでしょうか?」
「そう見といて間違いねえだろ。琥珀に見られてなきゃ、ステラの妄言ってことで終わらせられただろうがな…。セキシ、警戒はしておいてくれ。来客があろうと屋敷には入れるな」
「勿論です」
二人とも明言はしないが、危惧していることは同じだった。
銀の瞳を持つ異形の存在など一般的には知られていない。新たな種族の出現となれば、他の種族が色めき立つだろう。銀の目はどの程度の力を持つのか、はたまたどの程度の財産になるのか、どのような身体構造をしているのか。強大な力を持っていれば戦争の道具にされ、希少価値に目をつけられれば見せ物とされ、特異な身体的特徴があれば解剖され実験動物としての運命が待つ。
「リュカ様が来てから毎日が楽しいです。もちろんそれまでも幸せでした。蘇芳様には感謝しきれません。私を拾ってくださり、何の不満もない生活を与えてくださった。リュカ様はまるで小さな嵐です。元気いっぱいに駆け回り、色々なことをかき回す。だけどそれが不思議と嫌ではないんです。危なっかしくてハラハラさせられもしますが…。それすら楽しいんです。蘇芳様がリュカ様に翻弄されているのを見るのも楽しいですしね」
「…性格が悪くなったんじゃねえか?」
にっこりと笑いかけるセキシに、蘇芳は口角を引くつかせる。赤鬼は細く息を吐き、ぐしゃりと赤い髪をかき混ぜた。
「…まあ、俺もこいつのことは気に入っている。他の奴等には指一本触れさせねえ」
「気に入っている、なんてそんな可愛らしい言葉には当てはまらないのでは?蘇芳様」
「お前、本ッ当に良い根性してんな」
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