悪人喰らいの契約者。

八剣晶

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異世界転移の章

9   出会い

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 うち捨てられた水車の軋む音で、朔は目を覚ました。夢を見ていたようだ。

 つい昨日までの、あちらの世界に居たときの夢。

 人の脳は、寝ている間に記憶の整理をすると聞いた事が有る。恐らく新しいく生まれ変わったこの体に、魂の記録を自らの記憶として定着させようと、脳が動いた結果があの夢なのだろう。思い出したくも無く、忘れる事も出来そうに無い、魂に刻まれた記憶。

 このまま、あの出来事は夢だったと決め付け、可能なら忘れてしまいたくなる。それとも、今の世界に生きている事が夢なのかもしれない。もしそうなら、この先夢のような事が待っていてくれたら嬉しいし、出来る事ならそうなって欲しい。

 あばら家の水車小屋に差し込む朝日を見ながら、寝ぼけた頭で朔は、そんな取り留めの無い事を考えていた。

 放置されて久しいのだろう、軸はぶれ、所々朽ちて欠けた水車が、朔の不安を煽る如く不規則な音を立てている。それでも、暫く聞いていると、どこかでまた、最初の音に戻っているような気もしてくる。

『おはよう! いい朝だよ!』

 朔の顔の上に、コウモリ羽をパタパタ動かして飛んで来た悪魔が元気に話しかけてくる。

(その台詞、悪魔としてどうなんだ?)

 自分と契約している悪魔の醸(かも)し出す、悪魔らしからぬ爽やかな朝の雰囲気に、些(いささ)かの疑問を感じつつ、こいつが悪魔らしくないのは今更かと、思い直す。

「おはよう」

 一声かけると、朔は横に寝かしてあった槍を手に取り、起き上がる。昨日殺した盗賊の一人が持っていた槍だ。

『何処に行くの?』

「川で顔を洗って、食事の準備。 少し魔力借りるぞ」

『えぇ~! また魚~!?』

 槍を見ながら不満そうに文句を言ってくる悪魔。その後に「お肉食べたい、お肉~!」と、フレーズが浮かんだのは、朔がノスタルジックな雰囲気漂うあの年号の生まれだからだろうか?

 この悪魔は、近くで死んだ物の魂を無制限で捕食してしまう。それは人に限らず、動物や魚なども一緒らしい。もっと言うならば、虫や草木も同じで、細菌やバクテリアも含まれているみたいだ。

 流石に余り細かいのは、呼吸をするように吸収してしまうみたいだ。

 だから、あえて人間の魂を食べなくても、放っておけば魔力は僅かずつでは有るが、回復するらしい。

 悪魔から聞いた分類を朔なりに考察した結果だが、味に変わりが出てくるのは、脳が有るか無いか、さらに、知性が発達しているかどうかが関係しているようだ。

 刻印を付けた者の追跡移動中に、朔が暇に開かせて、こうじゃないかと結論付けただけなので、本当の所は分からないが……。

 朔は、今日一日をこの廃村で過ごそうと考えていた。

 この先何が待っているか分からないのだ、食料だけでも確保しておきたい。

 だから、出来るだけ魚を沢山捕るつもりで居る。そして、干物か燻製みたいな保存食を作って、確保しておく方針だ。

 上手く作れたら、村か町等に辿り着けた時、売ったりできるかもしれない。

 自営自活の田舎暮らし&異世界生活のスターットっぽい自分の行動に、妄想(夢)を膨らましながら、川へと歩き出す。

 ちなみに、昨日洗った服は外に干していた性で夜露に濡れて、まだ着れそうも無かった。なので、パオパオさんのお鼻はブラブラしたままだったりもする。

 今の朔には魚を獲るのは簡単だった。何せ常人離れした能力があるので、槍でも捕えることができる。昨日獲った魚のアラや、食べ残しの骨等を、流されないように、木の棒で押さえて沈めておいたのが効果的だったのだろう、思ったよりも多く集まってくれたようだ。

 食品スーパーでのアルバイト経験がある朔には、魚を捌く事もそれなりに出来た。

 だが、問題は其処からだった。

 今、朔の目の前には、その辺で見つけた木の板の上に並べられた30匹近い魚が並んでいる。大きめの15匹程は不恰好だが腹開きにしてある。

 (燻製ってどうやって作るんだっけ? 干物は、塩?)

 買い食い、外食、人任せ。朔はこの時ほど、自分の食生活を呪った事はない。

(お料理チートの夢、破れたり…)

 その場でがっくりと膝を突く朔。

 結局朔は、「天日干し」なる、未知数の魔法の言葉に腹開きの魚は任せ、小さめの奴を遠火でじっくり水分が抜けるまで焼いてみる事にした。

 ここは廃村で燃やすものなら幾等でも有るのだ、時間に追われている訳でもない、のんびりと行こう。

 朔の社会人生活を表すように、自分への言い訳は完璧である。

 とりあえず、その場で食べる分を火の傍で焼き、串に刺した魚を遠巻きに並べておく。

 火は悪魔にお願いして魔法で着けて貰った。魔法と言っても、身体強化&自動治癒で木の棒高速回転の力技だったが。

 途中で魚の口を下にしないと、上手く水が流れ出ないことに気が付き、慌てて刺し変えようとして、焼けた魚の身がボロボロと崩れるのに愕然としたり、日干し魚に虻(あぶ)や、蝿っぽい虫が集(たか)って来て慌てて追っ払ったりしながら、太陽が丁度中天に差し掛かりかけた頃、

『向こうから、誰か来るよ』

と、朔の悪戦苦闘に笑い転げていた悪魔が、声をかけてきた。

 悪魔が指差した方は、昨日朔達が来た方角だ。

『不味そうな感じだから、いいけどね』

 武器と服、どちらを取るべきか見比べていた朔は、続く一言でいそいそと服に袖を通し始める。

(俺…、なんで今まで裸で居たんだろう?)

 心の中に若干の恐怖が過(よ)ぎったのは、朔だけの秘め事だ。


 **********


「お嬢様。あれを」

 タルラはそう言われて、従士のトーレスが指差した方角を見やった。

 森に挟まれた古い街道の進む先に、木々の切れ間から、微かに煙が立ち上っている。

「全員、止まれ」

 タルラは身振りと合わせ、静かに号令をかけると、旅鎧(りょちゅう)の頬面を上げ、後ろを振り返り、意志の強そうな切れ長の瞳で、今回の任務を供にする仲間達を見やる。

 従士一人に、王国騎士一人、冒険者が三人。そしてタルラを合わせた六人が今回のメンバーだ。

 移動手段は、タルラと従士、そして騎士が各々(おのおの)騎乗し、冒険者の三人は、旅の荷物を積んだ、馬車で追走するという贅沢なものになっている。

 元々現地調査をするだけの、簡単な任務のはずであったが、タルラのボナホート伯爵家令嬢と言う出自故(ゆえ)に、同行者が膨れ上がってしまったのだ。

 タルラ自身は、列国に名を轟かす、サルバー王国《王立魔法騎士団マジックナイツ》の一員である。

 自分の身くらいは、自分で守れるだけの自信は有があり、三人ほどでの移動とする予定だったのだが、妹思いの兄がそれを許してくれなかったのだ。

「どう思う?」

「罠ってことは無いと思います。 今、俺達を殺しても、次に来るのは軍隊だ。 そんな危険を冒すやつは居ませんて」

 タルラの問いに、皮鎧に槍を持った冒険者のテットンが応える。

 斥候(スカウト)としても、有能な彼が言うのなら、間違えないだろう。タルラ自信もそう思っている。

「しかし、タルラ様にもし万が一が遭ってはなりません。 ここは私が先行して見に行ってきましょうか?」

 次に口を開いたのは、騎士のナムルであった。

 暑いのだろう、兜を脱ぎ、大柄な身体に似合わない朴訥とした顔と、短い黒髪を出している。

「ナムル卿。 いい加減「様」は止めてくれないか? 卿と私は同じ国王に仕える騎士なのだ、様を付けられる程、位も離れていないのだし」

 王国騎士団と王立魔法騎士団、所属こそ違えど同じ王に仕える立場であり、その特殊性から、魔法騎士団(マジック・ナイツ)は一階級上に扱われはするが、共に部下も持たない入団して間もない平騎士なのだから、そこまで謙(へりくだ)る必要も無い立場でもある。

 タルラとナムルは元々王立学園での同窓であり、このやり取りはその頃から続いている。であった当初は「タルラお嬢様」だったのだから、そこから考えれば大分の進歩ではある。それでも、ここまで来るのに5年。お互い対等に騎士として呼び合える様になるのには、この先何年掛かるか想像も付かないが。

「しかし、タルラ様を、そのう…呼び捨てにする訳には…」

「ナムル卿、別に呼び捨てでも構わないが、呼び辛ければ、タルラ殿とでも呼んでくれ。 対等に呼び合うことも出来ねば、お互い騎士としての友情・・・・・・・・にも、響こう」

 顔を赤くしてトーレスの方をチラチラ気にしながら、言いよどんでいたナムルだったが、続くタルラの言葉に「そうですよね。分かっては居ますが、そうですよね」とぶつぶつ言いながら、肩を落として沈んでいく。

「だ~か~ら~! タルラ様は駄目なのです! 折角、魔法騎士団(マジック・ナイツ)に選ばれて、貴族の馬鹿坊ちゃん達との政略結婚から解き放たれたのですよ! ここで好い男を見つけようとしないで如何(どう)するんですか!?」

 そんなタルラとナムルのやり取りに業を煮やしたのか、馬車から、かしましい声が聞こえてくる。

 見れば、冒険者のチェミーが杖を片手に、膝丈の赤いローブが捲くれ上がるのも気にせず、馬車の荷台に足をかけて此方に向かって指差し、叫び声をあげていた。

 タルラと同い年なのだが、小柄な体と瞳の大きな幼顔の為、とてもそうには見えない。

 その上瞳の色と同じ茶色の髪の毛先が触れる双房は、だぼ着(つ)いたローブの上からでもその存在感を主張し、説教をする教師の如く、何度も振り降ろされる指の動きに合わせて、たゆたゆと揺れている。

「この騎士様がタルラ様に似合っているとは、口が裂けても言えませんが、もう少し心の機微って物が有りますでしょう! タルラ様だっていいお歳なのですから、この先誰か好きな人が出来た時、今のままの朴念仁では苦労するのが目に見えておりますよ!?」

「好きな人…って、私は当分結婚などする積りなどない! それにチェミー! お前だって私と同い年ではないか! そっちこそ誰かいい人でも居るのか!?」

「そんなの、居るわけ無いじゃない!」

 その言葉に少しだけほっとするタルラ、居たらチェミーに何か負けたような気になってしまいそうで、何とも言えない複雑な乙女心なのだ。

 だが、そんな不毛なやり取りをする二人の横では、先ほどの騎士ナムルと、斥候(スカウト)のテットン、そして金属鎧に身を固め馬車馬の手綱を握る、もう一人の冒険者、ツゥエルが揃って沈んでいた。似たもの同士の二人である。

「そもそも、私とナムル卿は国を守り、肩を並べて戦う者同士だ! その同胞をそのような目で見ることこそ不敬ではないか!」

「だから「美しくも凛々しき鎧中の華」なんて謳われるのよ!」

「そっ! それは、今は関係ないではないか!」

 タルラ専用に兄が作った頬面が大きく開く兜を見て、宮中の誰かが言った言葉なのだが、これを兄から伝え聞いた時、余りの恥ずかしさに顔から火が出るのではないかと感じるくらい赤くなったのを思い出す。

 綺麗だが、その体は鎧に守られ、触れる事すら出来無いとの、裏の意味も篭められているが、この事にタルラは気が付いて居ない。

「ぅおっほん! お二人とも盛り上がっている所申し訳ありませんが、淑女(レディ)が大きな声でお話されるのは、余り感心できませんな。 そもそも、お二人は現状を理解してお出(いで)でかな?」

 次第に増して行くかしましさに耐えかねたように、従士のトーレスが口を挟んできた。

 彼は元々ボナホート家に仕える騎士であり、タルラと兄の剣術の先生でもあったのだが、タルラの父、すなわち先代の当主が突如隠居を宣言した時、四十にして、騎士の座を辞している。だがその後もボナホート家への忠誠は変わらず、今は若手の指導や王都の邸宅周りの雑事をこなし、兄の最も信頼の置ける家臣である事に変わりは無かった。

 そして、騎士でない事を理由に、今回の任務では護衛を兼ねて、タルラの従士として兄に押し付けられたのである。

 チェミーにしても、平民が伯爵令嬢にここまで言えば、不敬罪として訴えられそうなものだが、母がボナホート家に侍女として仕えており、タルラとは幼馴染でもある。

 タルラとしては、晴れて騎士となった暁には侍女か従者として、傍に置きたかったのだが、タルラが学園に通っているうちに、市井の老魔術師が開く塾に入り、冒険者として自立してしてしまったのだ。

 嫌われていたのかと、学園卒業後恐る恐る理由を聞いて見た所、冒険者になるのが幼い頃からの夢で、タルラが騎士になったら、私を傍仕えにしたいと言っていたから言い出せなかった、との事だった。

 早く言ってくれたら善かったのにと、寂しく感じながらも、冒険者として最近名を上げて来た彼女を、誇らしくも感じるタルラであった。

 それでも、未だにタルラに対して、歯に衣着せぬ物言いをしてくれる、得難い友人で有る事は変わらない。

 トーレスとしても、幼い頃から二人を見ており、多少(?)の言い合いなら、見てみぬ振りをしている。タルラの立場を鑑(かんが)みれば、意見を言う存在は貴重であり、将来それを聞く耳を持ち続けるのは大切な事である。

 願わくば、二人の友情が長く続く事を祈っても居るのだ。

「それで、お嬢様如何なさいましょうか」

「う、うむ。皆で行こう。 特に危険は無いと思うが、警戒は怠らないほうが良いだろう。 念のためナムル卿には馬車の後ろについて貰い、後方を任せたい」

「「「はっ(い)」」」

 グダグダではあったが、それなりに経験を積んで来た者たちである。タルラの指示に素早く配置に付くと、一行は再び森の中を進み始めた。


 **********


「これは…」

「魚を焼く匂いですね」

「おいしそうな香りですね。 タルラ様」

「お嬢様。 もうじき昼時でしたな」

 各々が森の中を漂ってくる香りに気が付いた時、一行は廃村へと到着した。

 そこで彼女ら一行を向かえたのは、天使と見紛うばかりの美しい子供。

 背はそれほど高くなく、十歳には足りてないだろう。肩の辺りで切り揃えられた、金色の髪。それは金髪には珍しい癖の無い真直ぐ(ストレート)で細やかな髪質は絹のようでもあり、辺りに光の粉を振り撒くかのごとくキラキラと輝く艶を醸し出していた。

 綺麗な孤を描く少し太め眉の下には、大きめの青い瞳。高くはないが筋の通った鼻に、小さくプックリとした健康的な色の唇とスッキリした顎先。そして染み一つ無い透き通るような白い肌は、肌理が細かく思わず撫で擦(さす)りたくなってくる。

 そんな誰もが見惚れてしまう少女が、サイズの合わない野暮ったいぶかぶかな服と靴を身に着け、串に刺した焼き魚を片手に、緊張した面持ちで立っていた。

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