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後ろ姿
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仕事が終わって社を出た時、知っている女と似ている後ろ姿を見かけた。
シックな色合いのパンツスーツに手入れの行き届いた長い黒髪、モデルと言われても信じる高い背丈。
あれは恋人の葉瑠夏だ。
互いに忙しくて、もう半年近く会っていないけど、愛しい女を見間違える訳がない。
葉瑠夏の肩を掴み、
「元気にしていたか?」
と、声をかけたが、振り向いた女を見て驚いた。
美しい葉瑠夏とは似ても似つかない、「四谷怪談」のお岩さんのように顔が腫れた女が目の前にいる。
「すみませんが、どちら様ですか?」
という声も、鈴みたいな声をしている葉瑠夏とは違ってしゃがれたダミ声だった。
後ろ姿はそっくりなのに、本当に紛らわしい。
厄介な事になる前に、怪訝そうな表情の女を残してダッシュでその場を後にした。
シックな色合いのパンツスーツに手入れの行き届いた長い黒髪、モデルと言われても信じる高い背丈。
あれは恋人の葉瑠夏だ。
互いに忙しくて、もう半年近く会っていないけど、愛しい女を見間違える訳がない。
葉瑠夏の肩を掴み、
「元気にしていたか?」
と、声をかけたが、振り向いた女を見て驚いた。
美しい葉瑠夏とは似ても似つかない、「四谷怪談」のお岩さんのように顔が腫れた女が目の前にいる。
「すみませんが、どちら様ですか?」
という声も、鈴みたいな声をしている葉瑠夏とは違ってしゃがれたダミ声だった。
後ろ姿はそっくりなのに、本当に紛らわしい。
厄介な事になる前に、怪訝そうな表情の女を残してダッシュでその場を後にした。
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