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7話
しおりを挟む目が覚めるとそこは相変わらず殺風景な部屋だった。
「俺は確か…奏多に押し倒されて…そのまま………っ!」
そこまで考えて恥ずかしくなったのでやめた。最中のことなんて、奏多がずっと何か言ってるなぐらいしか覚えていないのだ。自分の事に必死すぎて。ただ、最後の方は俺からいイ、イきたいとか言ってた気がする…いや、考えるのはよそう。
「はぁ…どうしよ…この部屋なんもないし、俺、今度は足が繋がれてるし…」
本当にどうしようか。ここからは足枷をどうにかしないと出られないし、最初こそ混乱と怒りが混ざって半ばパニック状態で奏多にぶつけてしまったが、皮肉なことにこんな状況で目が覚めることが2度続けて起これば最初の時より多少落ち着いて考えられそうだった。
奏多は今何をしてるのだろうか?しばらくしたら来ると思うけど、それまでに聞きたいことを整理しておかなければいけない。
「まずは…なんでこんなことしてるのかだよな…もしかして俺が今更頼りっぱなしだった事に気付いて怒ったとか?ありえるな…いや、でも奏多が勝手に世話して来たし…」
他に考えられるのは、理由も言わずいきなり避けたから…とか?でも仲直りしたよな?俺が勝手にそう思ってるだけでもしかしてまだ許してくれてない?
「あとは…俺が好きで好きで仕方ないとか?いや…ないだろ…」
桜庭奏多という男は爽やかな風貌と明晰な頭脳、おまけに気立てのいい性格を兼ね備えた男で周囲からは非の打ち所がない完璧な人間と評価されている。それが奏多だった。そんな奏多なら可愛い女の子も選びたい放題なわけで、仮に奏多が男しか好きになれなかったとしても、俺より可愛くて愛嬌のある男なんて世の中に溢れかえってる。わざわざ俺なんか好きになるのか?寧ろ面倒くさがられてると言われたほうが納得する。奏多は基本的に表を感情を出さない奴だから余計に考えてることが読めない。
「んー…わかんね」
分からないので諦めた。
「なんか喉渇いたな。あ、あった。」
ペットボトルが近くにあったのでそれを貰うことにした。渇いた喉を潤したら少しすっきりした気がした。
「奏多が俺をなんて…ね」
──ガチャ
ペットボトルの半分ぐらいまで一気飲みしてまたモヤモヤと考えそうになっていた時いきなりドアが空く音がした。もちろん入ってきたのは先程まで頭を悩ませていた男だ。
「あ、か…奏多……えっと、……」
「起きてたんだね。」
いきなり入ってきたから少しどもってしまった。にしても奏多はいつも通りというか、普通な感じだ。どうすればいいのだろうか、とにかくなんでこんなことになってるのか聞かなくては。大丈夫。今まで親友やってきた奏多だからちゃんと聞ける。
「ぁ、あの、なんでこんな…」
頑張って絞り出した声は思ったりより小さかった。
「…ごめんね」
「えっ」
奏多の口から1番に出てきた言葉が謝罪だったので驚いた。
「ごめん…俊には悪いけど、もう離してあげられない。ずっと好きだったんだ、俊のこと。」
「え?」
待って欲しい。ずっと好きだったって…それってつまり奏多は…俺のことが…好き!?
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お久しぶりすぎて忘れちゃいましたよね🥺ほんとに申し訳ないです。モチベが全てなマイペース人間なもので…
俊と奏多のお話はハッピーエンドかバットエンドかメリバかは秘密ですが、いい感じのところで終わらせようと思ってます。
私に数話続くお話は向いてないので…1、2話で終わるような話は今後は更新して行けたらなと考えてます😊
今後もよろしくお願いしますm(*_ _)m
応援ありがとうございます!
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