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4話
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怠くてまだずっと寝ていたかったが、意識を失う前の記憶を思い出して咄嗟に勢いよく起き上がった。部屋のどこにも奏多は見当たらず、視界に入るのはモノトーンを基調とした綺麗な内装だけだ。
(今は何時だ?奏多は?なんでこんなことに…!)
気持ちを落ち着けようと目をつぶって考えるが、起こった出来事が衝撃的過ぎるあまり一向に落ち着かない。
(とにかく今はここから離れないと…)
そう思い、ここから出ようとドアに向かった時だった。
——ガチャン
「な、これ……手枷…くそっ!」
ガチャガチャ!ガチャン!
「取れない…」
(まずい…奏多が戻って来たら脱出なんて出来なくなる…)
そう考えた俺は部屋に何か無いか探ることにした。幸いにも手枷は部屋の中を歩き回れるぐらいの長さはあるため、タンスやクローゼット、机の棚なんかも必死に探した。
「なんもない…….」
だか、部屋には何もなかった。正確にはこの部屋を出るのに役立ちそうなものは何も無いということだ。服や教科書ぐらいはあったがどれも役立たない。どうしようか考えていると部屋のドアがゆっくりと空いた。
—ガチャ
「……!奏多……」
「あぁ俊起きてたんだね。ご飯持ってきたから食べて?」
ご飯を食べろ?この状況で?どれぐらい時間が経ったかは分からないが夜か朝だろう。普通ならお腹がすいているのかもしれないが、俺は先程まで奏多に犯されていたのだ。その事を思い出してしまっては食べる気にもなれない。
「いらない……」
「………食べないと駄目だよ。それにここから出られないのは俊もわかったでしょ?飢え死にしたいの?俺は嫌だし、俊がそんなことで死ぬぐらいならちゃんと自分の手で殺すよ。」
「…!わ、わかった…食べる、食べるから…」
奏多の発言に俺はぎょっとした。どうして自分の手で殺すなんて軽々しく言えるのだろうか。可愛い可愛いと言っていたからてっきり俺のことが好きなのかと思っていたが違うのか?幼馴染なのに未だに奏多の考えていることがイマイチ分からない。
「はい、あーん」
「え…、」
「ほら、はやく食べて」
「え、あ、うん…」
あーんにはびっくりしたが、逆らえる雰囲気ではなかったので仕方なく了承した。こうして謎のあーんをしながら奏多が持ってきたご飯を俺は全部食べた。途中で奏多が「食べてる俊も可愛いなぁ」なんて言ってたけど狂気的だったので触れないようにした。
食べ終わり、奏多が片付けに行っている間に考える。なぜ奏多は俺を犯して、監禁してるのだろうかと。可愛いとは言いつつも簡単に俺を殺すとも言う。好きなやつを殺すなんてこと言うか?考えても考えても馬鹿な俺には答えが出るはずはずもなく、諦めて奏多が戻って来た時に聞くことにした。
そうして数分後には奏多が戻って来た。
「なぁ…なんでこんなことした…?なんでこんなことするんだよ…」
ただ理由を聞くだけだったのに、俺の口から出た言葉はあまりにも泣きそうで弱々しかった。″なぜ″なんて分からないが、信頼とか、裏切りとかそういう簡単に理由付けできるものじゃないような気がした。
「なんで?なんでってそれは俊が俺から離れようとするからだよ」
「離れる?自立のことか?それの何が駄目なんだよ!お前だって迷惑だろ?いつまでも1人じゃ何も出来ないなんて、そんなの俺はこの先駄目になる…….」
「俺は別に迷惑なんて思ってないし、もっと頼ってくれてもいいとすら思ってるよ。」
「でもそれじゃあいつまで経っても負担がかかるし彼女だっ……て出来な…い」
その言葉の最後がすぼんだ、苦しかった。奏多に彼女が出来たら俺は…俺は……?
「彼女ね……ねぇ、わざと?」
「…?」
「まだ伝わってなかった?足りない?まぁいいよ。まだ時間はあるし、俺がどれだけ俊のことが好きか分からせてあげる」
「……え」
考え込んでいた俺は反応が遅れ、一瞬奏多言っている言葉の意味が分からず、理解したと同時に奏多に押し倒される。
「ま…まって…」
「さっきははなにも、なーんにもわかってない状態からだったもんね、それにちょっと無理させちゃったし。でも大丈夫、次はもっと気持ちよくさせるから。ね?」
「あ……」
抵抗なんてする暇なく奏多に脱がされ、そこでようやく俺が間違えたことを知った。
(今は何時だ?奏多は?なんでこんなことに…!)
気持ちを落ち着けようと目をつぶって考えるが、起こった出来事が衝撃的過ぎるあまり一向に落ち着かない。
(とにかく今はここから離れないと…)
そう思い、ここから出ようとドアに向かった時だった。
——ガチャン
「な、これ……手枷…くそっ!」
ガチャガチャ!ガチャン!
「取れない…」
(まずい…奏多が戻って来たら脱出なんて出来なくなる…)
そう考えた俺は部屋に何か無いか探ることにした。幸いにも手枷は部屋の中を歩き回れるぐらいの長さはあるため、タンスやクローゼット、机の棚なんかも必死に探した。
「なんもない…….」
だか、部屋には何もなかった。正確にはこの部屋を出るのに役立ちそうなものは何も無いということだ。服や教科書ぐらいはあったがどれも役立たない。どうしようか考えていると部屋のドアがゆっくりと空いた。
—ガチャ
「……!奏多……」
「あぁ俊起きてたんだね。ご飯持ってきたから食べて?」
ご飯を食べろ?この状況で?どれぐらい時間が経ったかは分からないが夜か朝だろう。普通ならお腹がすいているのかもしれないが、俺は先程まで奏多に犯されていたのだ。その事を思い出してしまっては食べる気にもなれない。
「いらない……」
「………食べないと駄目だよ。それにここから出られないのは俊もわかったでしょ?飢え死にしたいの?俺は嫌だし、俊がそんなことで死ぬぐらいならちゃんと自分の手で殺すよ。」
「…!わ、わかった…食べる、食べるから…」
奏多の発言に俺はぎょっとした。どうして自分の手で殺すなんて軽々しく言えるのだろうか。可愛い可愛いと言っていたからてっきり俺のことが好きなのかと思っていたが違うのか?幼馴染なのに未だに奏多の考えていることがイマイチ分からない。
「はい、あーん」
「え…、」
「ほら、はやく食べて」
「え、あ、うん…」
あーんにはびっくりしたが、逆らえる雰囲気ではなかったので仕方なく了承した。こうして謎のあーんをしながら奏多が持ってきたご飯を俺は全部食べた。途中で奏多が「食べてる俊も可愛いなぁ」なんて言ってたけど狂気的だったので触れないようにした。
食べ終わり、奏多が片付けに行っている間に考える。なぜ奏多は俺を犯して、監禁してるのだろうかと。可愛いとは言いつつも簡単に俺を殺すとも言う。好きなやつを殺すなんてこと言うか?考えても考えても馬鹿な俺には答えが出るはずはずもなく、諦めて奏多が戻って来た時に聞くことにした。
そうして数分後には奏多が戻って来た。
「なぁ…なんでこんなことした…?なんでこんなことするんだよ…」
ただ理由を聞くだけだったのに、俺の口から出た言葉はあまりにも泣きそうで弱々しかった。″なぜ″なんて分からないが、信頼とか、裏切りとかそういう簡単に理由付けできるものじゃないような気がした。
「なんで?なんでってそれは俊が俺から離れようとするからだよ」
「離れる?自立のことか?それの何が駄目なんだよ!お前だって迷惑だろ?いつまでも1人じゃ何も出来ないなんて、そんなの俺はこの先駄目になる…….」
「俺は別に迷惑なんて思ってないし、もっと頼ってくれてもいいとすら思ってるよ。」
「でもそれじゃあいつまで経っても負担がかかるし彼女だっ……て出来な…い」
その言葉の最後がすぼんだ、苦しかった。奏多に彼女が出来たら俺は…俺は……?
「彼女ね……ねぇ、わざと?」
「…?」
「まだ伝わってなかった?足りない?まぁいいよ。まだ時間はあるし、俺がどれだけ俊のことが好きか分からせてあげる」
「……え」
考え込んでいた俺は反応が遅れ、一瞬奏多言っている言葉の意味が分からず、理解したと同時に奏多に押し倒される。
「ま…まって…」
「さっきははなにも、なーんにもわかってない状態からだったもんね、それにちょっと無理させちゃったし。でも大丈夫、次はもっと気持ちよくさせるから。ね?」
「あ……」
抵抗なんてする暇なく奏多に脱がされ、そこでようやく俺が間違えたことを知った。
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