戦場10のお題

灰雲

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2.敵、それとも味方?

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「君を担当することになった、これからヨロシク頼む。」

出会いは、俺が傭兵となった日のオペレーターとの顔合わせ。

第一印象は、“デキる女性”だった。

以降、専任としてサポートしてくれたが、

持ってくる依頼は俺の限界を試すようなギリギリの物ばかりで。

いざ文句を言おうにも、

「お前の実力は判っているつもりだ、これくらいはこなせるだろう?」

と、言われてしまえばそれ以上文句も言い辛くて。

だからひたすらに、腕を磨いて、期待に応え続けた。

でも、いつからだろう…持ってくる依頼に何かの意図を感じて、

ちょっとした反抗のつもりで彼女を通さずに依頼を受けてみた。

しかし、ソレが決定的な決裂となってしまった。

「もう、お前とはやってられんよ。」

そう、言葉を残し消えた彼女が切欠になったように、急速に進む世界の歯車

彼女と連絡が取れなくなってからも世界の流れに疑問を持った、

とかで後援を名乗り出てくれた企業のサポートを受けつつ戦場に向かい続けた。

いくら戦ってもどうにもならない位、この世界に末期症状が見え始めた頃に

彼女から届いたメール

『その存在すら知る者のいない一つの工場施設がある。
 そこで私は待っている。』

そんな一通のメールと共に招待された巨大地下施設

「力を持ちすぎた者…」

そこで対面したのは…

「秩序を破壊する者…」

こちらを冷徹に見つめる貴方は…

「この世界には… 不要だ!!」

そこで微笑んでいる貴方は…

―敵、それとも味方?―

――あとがきという名の言い訳――

書いている時のイメージはAC MoAのラナ・ニールセンさんでした。
私はあのシリーズの作品群では、最終決戦に勝利したとしても
決して救われないストーリーの物がお気に入りです。
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