21 / 51
21街までお買い物(フレア)
しおりを挟む
ある日の休日。
ここは王都中心部……から、少し離れた場所。
「おっかしいなぁ!絶対この辺なんだけど」
どーもー。
この物語のヒロイン、フレアちゃんでーす。
今日も、とっても可愛い私。
世の男どもの視線は、みーんな私に集まってるわ。
ほら、私の横にいるアイゼンも、ずっと私を見てるもの。
「フレアちゃん、探してる店って本当にコッチ?」
あ、説明まだだったわね。
今私の横に居る人は、アイゼン・アレクシス。
商人の家である、アレクシス伯爵家の嫡男よ。
そして、好きマジの主要攻略キャラの息子。
襟足を伸ばした金茶の髪に、少し垂れ目がちな猫目。
好きマジ内では、お調子者キャラだった、ラキア・アレクシスにソックリな男。
あの、とぼけたユリウスと違って、こっちは父親にホントそっくり。
本当に、堕としがいがあるわ!
「うん、確かこっちで合ってるはずなんだけどぉ」
今、私達はデートを兼ねて、街を散策中。
ゲームでは何度も来たところだけど、現世では初めてなのよね、この辺。
実は、今日私がこの場所に来たのは、ある目的があっての事。
私は、ある「店」に「限定販売」されている品を探しにやって来た。
その品とは、好きマジのキーアイテム、「笑う門には福来る」。
ふざけたネーミングセンスのアレは、運営の暴走としか言いようがないわね。
その実態は、「俵を担ぎ、熊手を持ったクマのぬいぐるみ」。
確かに縁起が良さそうだけど、いかんせん、そのクマの容姿がゴ◯ゴなんだもの。
あの彫りの深い顔に、眉毛……画面越しに初めて見た時は、吹き出したわ。
通称、「ゴル熊」は、廃課金勢のコミニュティ間では有名なアイテム。
ランダムで起こる、ヒロインの「ざまぁ」を絶対回避してくれる。
コミュニティ間では有名だけど、微課金勢や、ケチな無課金達は、多分知らない情報なんじゃないかしら。
見た目は、ふざけた高価な課金アイテム。
一見したら、単なるコレクションアイテムだもの。
フレーバーテキストは、「これさえ有れば、幸福間違いなし!幸せを掴むのは君だ!……<持つ者に幸せを運ぶ、ありがたい ぬいぐるみ。譲渡可能>」だった。
アレを、学園のあるイベント時に王太子にプレゼントすれば、ミッション完了。
それさえしとけば、ヒロインの完全勝利ね!
「確か、この角を曲がった先……あ、あった!」
パステルグリーンの壁に、白い扉。
看板は「魔道具屋」を表す、杖と宝石。
「マルルーン魔法堂?……フレアちゃん、魔道具探してたの?」
まぁ、普通のか弱い令嬢が、魔道具なんて買わないわよね。
私はニッコリと微笑み、アイゼンの腕にスルリと自身の腕を絡めた。
一応、サービスで胸もくっつけてあげるわ。
「アイゼン君、私、今魔法の勉強を頑張ってるのぉ。それで、どうしても欲しい魔道具があるんだけどね?このお店限定販売みたいで」
「ふ~ん、なら先に言ってくれたらいいのに。オレの家知ってるでしょ?貴族にして、大商人だよ?それくらい先に探してあげたのに」
デレた顔で私を覗きこむアイゼン。
本当、男ってチョロいわね。
と言うか、「このお店限定販売」って言っただろーが!話し聞いてないの?
他で売ってないから、態々来たんだっつーの!
イベントアイテムが、ほいほい色んな所で売ってる訳ないじゃん。
とは言え、今から「買ってもらう」んだから、愛想よくしとかなきゃ。
なにせ、クソみたいな「高額アイテム」だったものね。
現在の私のお小遣いでは、絶対に買えないわ!
「え~、だって、わざわざアイゼン君にお願いするのは悪いかなぁって……いつもお勉強一緒にしてくれてるし、これ以上迷惑掛けられないわ」
ちょっと上目遣いで、うるうる目も忘れずに。
「何言ってるのさ、フレアちゃんは大事な大事なトモダチだよ。オレは君の力になれるなら嬉しいなぁ」
「アイゼン君……ありがとう」
はぁ~、チョロ~。
ーカラン、コロンー
店の扉を開けると、よくある鐘の音が鳴った。
店内は、そこまで広くないけど、中にはガラスの陳列台が並び、その中に色々な魔道具が並べられている。
すごい!ゲームとまったく一緒だわ。
生で見るとやっぱり違うわね!
「フレアちゃんが探してるのって、どれ?見た所、どれもウチの店にもある品ばっかりだけど」
キョロキョロと、店内を見回すアイゼン。
まぁ、アンタの家に比べたら、天と地の差がある店でしょうね。
その時。
「いらっしゃいませ~」
ウサギ耳の獣人店員来たー!
ゲームまんま!、超ちっちゃい、超可愛い。
まぁ、私には劣るけどね。
「こんにちはぁ。実は、私欲しい魔道具があるんですけどぉ、「笑う門には福来る」って言う幸せのクマさんなんですけど、あります?」
その瞬間、ウサ耳店員の耳がビョーンって、真っ直ぐ伸びた。
「アレをご存知なんですか?」
「はい!あるんですね」
やったわ!レアアイテムはまだ存在してた。
お母さまの時代のアイテムだから、少し心配だったけど、問題なさそうね。
「少々お待ちください」
いそいそとバックヤードに向かう店員。
これで一安心ね!ざまぁエンド回避!
後は、このバカ高いアイテムをアイゼンに買わすだけだわ。
そして数分後、ウサ耳店員が長方形の箱を抱えて戻って来た。
「お待たせしました」
木製カウンターに、大切そうに置かれる箱。
さて、ご対面ね。
「見せてくださいね?」
「はい、どうぞ」
ゆっくりと箱を開ける。
その中には、目的のゴル熊………。
じゃない!
クマのぬいぐるみ…、それは間違いない。
でも。
「あれ?フレアちゃん固まってどうしたの?………ん、このクマ可愛いね。ピンクだし、花束持ってる。頭にはティアラか……魔道具と言われなかった分からないね」
ゴル熊じゃなあーーーーーい!
何、どう言う事!
違うアイテムじゃない!
年数たって、モデルチェンジでもしたの⁉︎
「あ、あの……この魔道具、モデルチェンジしたの?」
私の問いに、ウサ耳店員は、満面の笑み。
「はい、実はお店が経営難になりまして、その時、「ある貴族様」に助けて頂いたんです。その時に、お店の商品も一新しまして。今お店に並んでいる商品も、見た目は既製品と変わりませんが、付与されている魔法などは一級品ばかりですよ?」
「じゃあ、このクマもその時?」
「はい、その貴族様がオーナー様になって下さり、此方の「限定販売品」もリニューアルしました。……まぁ、確かにアレでは売れませんよね……可愛くないし」
ちょっと待って!
貴族って何?そんな設定知らないわ。
「その貴族様って……誰かしら?」
「え?ドロッセル侯爵家ですよ?」
なっ、なんですってーーーーー!!!!!
ここは王都中心部……から、少し離れた場所。
「おっかしいなぁ!絶対この辺なんだけど」
どーもー。
この物語のヒロイン、フレアちゃんでーす。
今日も、とっても可愛い私。
世の男どもの視線は、みーんな私に集まってるわ。
ほら、私の横にいるアイゼンも、ずっと私を見てるもの。
「フレアちゃん、探してる店って本当にコッチ?」
あ、説明まだだったわね。
今私の横に居る人は、アイゼン・アレクシス。
商人の家である、アレクシス伯爵家の嫡男よ。
そして、好きマジの主要攻略キャラの息子。
襟足を伸ばした金茶の髪に、少し垂れ目がちな猫目。
好きマジ内では、お調子者キャラだった、ラキア・アレクシスにソックリな男。
あの、とぼけたユリウスと違って、こっちは父親にホントそっくり。
本当に、堕としがいがあるわ!
「うん、確かこっちで合ってるはずなんだけどぉ」
今、私達はデートを兼ねて、街を散策中。
ゲームでは何度も来たところだけど、現世では初めてなのよね、この辺。
実は、今日私がこの場所に来たのは、ある目的があっての事。
私は、ある「店」に「限定販売」されている品を探しにやって来た。
その品とは、好きマジのキーアイテム、「笑う門には福来る」。
ふざけたネーミングセンスのアレは、運営の暴走としか言いようがないわね。
その実態は、「俵を担ぎ、熊手を持ったクマのぬいぐるみ」。
確かに縁起が良さそうだけど、いかんせん、そのクマの容姿がゴ◯ゴなんだもの。
あの彫りの深い顔に、眉毛……画面越しに初めて見た時は、吹き出したわ。
通称、「ゴル熊」は、廃課金勢のコミニュティ間では有名なアイテム。
ランダムで起こる、ヒロインの「ざまぁ」を絶対回避してくれる。
コミュニティ間では有名だけど、微課金勢や、ケチな無課金達は、多分知らない情報なんじゃないかしら。
見た目は、ふざけた高価な課金アイテム。
一見したら、単なるコレクションアイテムだもの。
フレーバーテキストは、「これさえ有れば、幸福間違いなし!幸せを掴むのは君だ!……<持つ者に幸せを運ぶ、ありがたい ぬいぐるみ。譲渡可能>」だった。
アレを、学園のあるイベント時に王太子にプレゼントすれば、ミッション完了。
それさえしとけば、ヒロインの完全勝利ね!
「確か、この角を曲がった先……あ、あった!」
パステルグリーンの壁に、白い扉。
看板は「魔道具屋」を表す、杖と宝石。
「マルルーン魔法堂?……フレアちゃん、魔道具探してたの?」
まぁ、普通のか弱い令嬢が、魔道具なんて買わないわよね。
私はニッコリと微笑み、アイゼンの腕にスルリと自身の腕を絡めた。
一応、サービスで胸もくっつけてあげるわ。
「アイゼン君、私、今魔法の勉強を頑張ってるのぉ。それで、どうしても欲しい魔道具があるんだけどね?このお店限定販売みたいで」
「ふ~ん、なら先に言ってくれたらいいのに。オレの家知ってるでしょ?貴族にして、大商人だよ?それくらい先に探してあげたのに」
デレた顔で私を覗きこむアイゼン。
本当、男ってチョロいわね。
と言うか、「このお店限定販売」って言っただろーが!話し聞いてないの?
他で売ってないから、態々来たんだっつーの!
イベントアイテムが、ほいほい色んな所で売ってる訳ないじゃん。
とは言え、今から「買ってもらう」んだから、愛想よくしとかなきゃ。
なにせ、クソみたいな「高額アイテム」だったものね。
現在の私のお小遣いでは、絶対に買えないわ!
「え~、だって、わざわざアイゼン君にお願いするのは悪いかなぁって……いつもお勉強一緒にしてくれてるし、これ以上迷惑掛けられないわ」
ちょっと上目遣いで、うるうる目も忘れずに。
「何言ってるのさ、フレアちゃんは大事な大事なトモダチだよ。オレは君の力になれるなら嬉しいなぁ」
「アイゼン君……ありがとう」
はぁ~、チョロ~。
ーカラン、コロンー
店の扉を開けると、よくある鐘の音が鳴った。
店内は、そこまで広くないけど、中にはガラスの陳列台が並び、その中に色々な魔道具が並べられている。
すごい!ゲームとまったく一緒だわ。
生で見るとやっぱり違うわね!
「フレアちゃんが探してるのって、どれ?見た所、どれもウチの店にもある品ばっかりだけど」
キョロキョロと、店内を見回すアイゼン。
まぁ、アンタの家に比べたら、天と地の差がある店でしょうね。
その時。
「いらっしゃいませ~」
ウサギ耳の獣人店員来たー!
ゲームまんま!、超ちっちゃい、超可愛い。
まぁ、私には劣るけどね。
「こんにちはぁ。実は、私欲しい魔道具があるんですけどぉ、「笑う門には福来る」って言う幸せのクマさんなんですけど、あります?」
その瞬間、ウサ耳店員の耳がビョーンって、真っ直ぐ伸びた。
「アレをご存知なんですか?」
「はい!あるんですね」
やったわ!レアアイテムはまだ存在してた。
お母さまの時代のアイテムだから、少し心配だったけど、問題なさそうね。
「少々お待ちください」
いそいそとバックヤードに向かう店員。
これで一安心ね!ざまぁエンド回避!
後は、このバカ高いアイテムをアイゼンに買わすだけだわ。
そして数分後、ウサ耳店員が長方形の箱を抱えて戻って来た。
「お待たせしました」
木製カウンターに、大切そうに置かれる箱。
さて、ご対面ね。
「見せてくださいね?」
「はい、どうぞ」
ゆっくりと箱を開ける。
その中には、目的のゴル熊………。
じゃない!
クマのぬいぐるみ…、それは間違いない。
でも。
「あれ?フレアちゃん固まってどうしたの?………ん、このクマ可愛いね。ピンクだし、花束持ってる。頭にはティアラか……魔道具と言われなかった分からないね」
ゴル熊じゃなあーーーーーい!
何、どう言う事!
違うアイテムじゃない!
年数たって、モデルチェンジでもしたの⁉︎
「あ、あの……この魔道具、モデルチェンジしたの?」
私の問いに、ウサ耳店員は、満面の笑み。
「はい、実はお店が経営難になりまして、その時、「ある貴族様」に助けて頂いたんです。その時に、お店の商品も一新しまして。今お店に並んでいる商品も、見た目は既製品と変わりませんが、付与されている魔法などは一級品ばかりですよ?」
「じゃあ、このクマもその時?」
「はい、その貴族様がオーナー様になって下さり、此方の「限定販売品」もリニューアルしました。……まぁ、確かにアレでは売れませんよね……可愛くないし」
ちょっと待って!
貴族って何?そんな設定知らないわ。
「その貴族様って……誰かしら?」
「え?ドロッセル侯爵家ですよ?」
なっ、なんですってーーーーー!!!!!
1
お気に入りに追加
156
あなたにおすすめの小説

今更何の御用でしょう? ウザいので止めて下さいませんか?
ノアにゃん
恋愛
私は3年前に幼馴染の王子に告白して「馬鹿じゃないの?」と最低な一瞬で振られた侯爵令嬢
その3年前に私を振った王子がいきなりベタベタし始めた
はっきり言ってウザい、しつこい、キモい、、、
王子には言いませんよ?不敬罪になりますもの。
そして私は知りませんでした。これが1,000年前の再来だという事を…………。
※ 8/ 9 HOTランキング 2位 ありがとう御座います‼
※ 8/ 9 HOTランキング 1位 ありがとう御座います‼
※過去最高 154,000ポイント ありがとう御座います‼

今更ですか?結構です。
みん
恋愛
完結後に、“置き場”に後日談を投稿しています。
エルダイン辺境伯の長女フェリシティは、自国であるコルネリア王国の第一王子メルヴィルの5人居る婚約者候補の1人である。その婚約者候補5人の中でも幼い頃から仲が良かった為、フェリシティが婚約者になると思われていたが──。
え?今更ですか?誰もがそれを望んでいるとは思わないで下さい──と、フェリシティはニッコリ微笑んだ。
相変わらずのゆるふわ設定なので、優しく見てもらえると助かります。

家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。

なんで私だけ我慢しなくちゃならないわけ?
ワールド
恋愛
私、フォン・クラインハートは、由緒正しき家柄に生まれ、常に家族の期待に応えるべく振る舞ってまいりましたわ。恋愛、趣味、さらには私の将来に至るまで、すべては家名と伝統のため。しかし、これ以上、我慢するのは終わりにしようと決意いたしましたわ。
だってなんで私だけ我慢しなくちゃいけないと思ったんですもの。
これからは好き勝手やらせてもらいますわ。

【完結】仕事を放棄した結果、私は幸せになれました。
キーノ
恋愛
わたくしは乙女ゲームの悪役令嬢みたいですわ。悪役令嬢に転生したと言った方がラノベあるある的に良いでしょうか。
ですが、ゲーム内でヒロイン達が語られる用な悪事を働いたことなどありません。王子に嫉妬? そのような無駄な事に時間をかまけている時間はわたくしにはありませんでしたのに。
だってわたくし、週4回は王太子妃教育に王妃教育、週3回で王妃様とのお茶会。お茶会や教育が終わったら王太子妃の公務、王子殿下がサボっているお陰で回ってくる公務に、王子の管轄する領の嘆願書の整頓やら収益やら税の計算やらで、わたくし、ちっとも自由時間がありませんでしたのよ。
こんなに忙しい私が、最後は冤罪にて処刑ですって? 学園にすら通えて無いのに、すべてのルートで私は処刑されてしまうと解った今、わたくしは全ての仕事を放棄して、冤罪で処刑されるその時まで、押しと穏やかに過ごしますわ。
※さくっと読める悪役令嬢モノです。
2月14~15日に全話、投稿完了。
感想、誤字、脱字など受け付けます。
沢山のエールにお気に入り登録、ありがとうございます。現在執筆中の新作の励みになります。初期作品のほうも見てもらえて感無量です!
恋愛23位にまで上げて頂き、感謝いたします。

【完結】護衛騎士と令嬢の恋物語は美しい・・・傍から見ている分には
月白ヤトヒコ
恋愛
没落寸前の伯爵令嬢が、成金商人に金で買われるように望まぬ婚約させられ、悲嘆に暮れていたとき、商人が雇った護衛騎士と許されない恋に落ちた。
令嬢は屋敷のみんなに応援され、ある日恋する護衛騎士がさる高位貴族の息子だと判明した。
愛で結ばれた令嬢と護衛騎士は、商人に婚約を解消してほしいと告げ――――
婚約は解消となった。
物語のような展開。されど、物語のようにめでたしめでたしとはならなかった話。
視点は、成金の商人視点。
設定はふわっと。

断罪される一年前に時間を戻せたので、もう愛しません
天宮有
恋愛
侯爵令嬢の私ルリサは、元婚約者のゼノラス王子に断罪されて処刑が決まる。
私はゼノラスの命令を聞いていただけなのに、捨てられてしまったようだ。
処刑される前日、私は今まで試せなかった時間を戻す魔法を使う。
魔法は成功して一年前に戻ったから、私はゼノラスを許しません。

精霊の愛し子が濡れ衣を着せられ、婚約破棄された結果
あーもんど
恋愛
「アリス!私は真実の愛に目覚めたんだ!君との婚約を白紙に戻して欲しい!」
ある日の朝、突然家に押し掛けてきた婚約者───ノア・アレクサンダー公爵令息に婚約解消を申し込まれたアリス・ベネット伯爵令嬢。
婚約解消に同意したアリスだったが、ノアに『解消理由をそちらに非があるように偽装して欲しい』と頼まれる。
当然ながら、アリスはそれを拒否。
他に女を作って、婚約解消を申し込まれただけでも屈辱なのに、そのうえ解消理由を偽装するなど有り得ない。
『そこをなんとか······』と食い下がるノアをアリスは叱咤し、屋敷から追い出した。
その数日後、アカデミーの卒業パーティーへ出席したアリスはノアと再会する。
彼の隣には想い人と思われる女性の姿が·····。
『まだ正式に婚約解消した訳でもないのに、他の女とパーティーに出席するだなんて·····』と呆れ返るアリスに、ノアは大声で叫んだ。
「アリス・ベネット伯爵令嬢!君との婚約を破棄させてもらう!婚約者が居ながら、他の男と寝た君とは結婚出来ない!」
濡れ衣を着せられたアリスはノアを冷めた目で見つめる。
······もう我慢の限界です。この男にはほとほと愛想が尽きました。
復讐を誓ったアリスは────精霊王の名を呼んだ。
※本作を読んでご気分を害される可能性がありますので、閲覧注意です(詳しくは感想欄の方をご参照してください)
※息抜き作品です。クオリティはそこまで高くありません。
※本作のざまぁは物理です。社会的制裁などは特にありません。
※hotランキング一位ありがとうございます(2020/12/01)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる