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14実は、なお話。(マリアナ)
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「ラファエロ伯爵家の事かな?」
お茶を一口された、アズラエル様が、静かな口調で口を開きました。
「やはり、ご存じでしたのね」
「まぁね、マリーが自分の影を使って、今更あのラファエロ伯爵家を調べてるくらいはね」
やはり、この方に秘密をもつのは無理でしたわね。
流石は国王と言う名の「腹黒魔王」ですわ。
昔は「ちょっとヘタレぎみの、おっとり王太子」とか、思っていた次期もありまたが……。
あの頃の純粋な私……はぁ。
「で、あの脳内花畑女の娘が、アシェリーにつきまとってるんだろ?しかも、フィオまで巻き添えになってるみたいだし」
「アズ、貴方全て知ってるんじゃないですの」
思わず、額に手を当て溜息が漏れました。
やはり、この方につつぬけでしたか。
私の影は、実家から連れてきた専属侍女の内の一人。
私の家、ドロッセル家の「専属」とは、幼少期から一緒に育ち、その一生を私と言う主人に全て捧げた存在。
我がドロッセル家の直系は、代々そうやって専属の側仕えをおいてきた。
影と言えるくらい、王家と裏で繋がりをもち生きてきた、ドロッセル家の秘密。
だけど、私と婚約してから、アズラエル様ったら、私の可愛い侍女アリサと情報共有始めたのよね。
厳密に言うと、彼の直属の影とアリサとの情報共有。
あの二人、今では夫婦になってますし。やれやれですわ。
「私の事を守る会」を勝手に作ってしまったみたいですしね。
まぁ、あのクズインのせいで色々ありましたから…仕方ないと言えば仕方ないのでしょうが。
なんと言うか………過保護。
「で、その娘について君直々に話しがあるんでしょ?」
「まったく……えぇ、そうよ」
私は半ば呆れ顔で、紅茶を一口含み喉を潤した。
カチャリと、ソーサーに戻す手が、若干の緊張を表す。
「あの娘…多分「転生者」だと思いますわ」
少しの沈黙。
そして、それを破ったアズラエル様の盛大な溜息。
「はぁ~。それ、間違いない?」
「えぇ、九割間違いないかと思います」
その瞬間、アズラエル様は、国王らしからぬだらけた態度で、ソファーの背もたれにしずみました。
まぁ、気持ちは分かりますわ。
「あの時」もそうでしたから。
「昔、君から告白された時、信じるために、かなりの裏どりをしたのを思い出すよ」
そう、実は彼、私が転生者だと知っているのです。
話すと長くなるので簡単に説明致しますが、初めて彼がその事実を知ったのは、私達が婚約したその日。
私は幼いながら、前世の記憶があるため、とても利発な子になっておりました。
婚約成立の後、両親の計らいで散歩をした城の庭園での事。変にカンが鋭い彼に、笑顔で言われました。
『君、子供らしくない…って言うか、ちょっと普通の十歳の子がとる行動とは思えない事をしてるよね?私を初めて見た時だって、笑顔だったけど、遠回しに避ける感じだったし、大人達の態度を観察しながら動いてる感じだし、後は…』
出るわ出るわ。
いや、子供らしくないのは「貴方」ですよねって、思わずツッコミを入れてしまいましたわ。
質問攻めにあい、根負けした私は、自分が転生者だと白状させられてしまいました。
まぁ、だからと言って、はいそうですかと、直ぐに信じる事は出来ないでしょ?だがら、アズラエル様は、私が教えた公式情報を全て裏取りし、調べ上げ、結論を出したのです。
『信じられないけど、信じるしかないね。君が別の世界からの転生者だって……まぁ、この国は長いからね。何百年かに一度位で君みたいな人間がいた事実も文献に載ってたし、君がくれた情報は完璧だった………普通の貴族が知らない王家の内部事情までだもの…はぁ、聞いた時は目眩を起こしそうだったけど』
それからですかね。
私の事は絶対逃がさない、と、囲われたのは。
始めは監視目的もあったのかもしれませんが、子供にしてはスレていた……ゴホン、頭のよかった彼は、自分についてこれる私がいたく気に入ったようで、婚約について、義務から愛情に変わるのに時間は掛かりませんでした。
「で?ピンク頭の娘が転生者と言う事で、何か弊害が起きたのかな?アシェリーが付き纏われて、フィオラが絡まれ始めて、これ以上の面倒がまだあるのかな?」
アズラエル様……何だが楽しそうに見えるのは、気のせいですわよね。
「アズは、私が昔話したこの世界の事は覚えていますよね?」
「ああ、この世界が、君のいた世界の乙女ゲームとか言うものに「酷似」した世界って事だよね?まぁ、当時色々あったからね…嫌でも全部覚えてるよ」
昔を思い出してか、アズラエル様が少し遠い目をなさいました。
まぁ、気持ちは痛いほど分かりますわ。
「私の私感ですが、あの女の娘は、自分の代で改めてゲームのシナリオを実行している様なのです」
やはり、顔色が変わりましたわね。
ピクリと片眉が上がりました。
お顔が腹黒魔王の表情になってますわね。
「はぁ、なるほどね。だから……か。だから、ラングレーの阿呆息子を堕としたと。あー、本当ろくな事しないよなぁ、親子揃って。…………せっかく色々案を考えてたのに」
ん?
最後にボソリと言われた言葉はいったい。
疑問符が頭を埋め尽くしてますわ。
色々……何を考えてらっしゃったのかしら。
「ところでマリー、一つ聞きたい事があるんだけど」
お茶を一口された、アズラエル様が、静かな口調で口を開きました。
「やはり、ご存じでしたのね」
「まぁね、マリーが自分の影を使って、今更あのラファエロ伯爵家を調べてるくらいはね」
やはり、この方に秘密をもつのは無理でしたわね。
流石は国王と言う名の「腹黒魔王」ですわ。
昔は「ちょっとヘタレぎみの、おっとり王太子」とか、思っていた次期もありまたが……。
あの頃の純粋な私……はぁ。
「で、あの脳内花畑女の娘が、アシェリーにつきまとってるんだろ?しかも、フィオまで巻き添えになってるみたいだし」
「アズ、貴方全て知ってるんじゃないですの」
思わず、額に手を当て溜息が漏れました。
やはり、この方につつぬけでしたか。
私の影は、実家から連れてきた専属侍女の内の一人。
私の家、ドロッセル家の「専属」とは、幼少期から一緒に育ち、その一生を私と言う主人に全て捧げた存在。
我がドロッセル家の直系は、代々そうやって専属の側仕えをおいてきた。
影と言えるくらい、王家と裏で繋がりをもち生きてきた、ドロッセル家の秘密。
だけど、私と婚約してから、アズラエル様ったら、私の可愛い侍女アリサと情報共有始めたのよね。
厳密に言うと、彼の直属の影とアリサとの情報共有。
あの二人、今では夫婦になってますし。やれやれですわ。
「私の事を守る会」を勝手に作ってしまったみたいですしね。
まぁ、あのクズインのせいで色々ありましたから…仕方ないと言えば仕方ないのでしょうが。
なんと言うか………過保護。
「で、その娘について君直々に話しがあるんでしょ?」
「まったく……えぇ、そうよ」
私は半ば呆れ顔で、紅茶を一口含み喉を潤した。
カチャリと、ソーサーに戻す手が、若干の緊張を表す。
「あの娘…多分「転生者」だと思いますわ」
少しの沈黙。
そして、それを破ったアズラエル様の盛大な溜息。
「はぁ~。それ、間違いない?」
「えぇ、九割間違いないかと思います」
その瞬間、アズラエル様は、国王らしからぬだらけた態度で、ソファーの背もたれにしずみました。
まぁ、気持ちは分かりますわ。
「あの時」もそうでしたから。
「昔、君から告白された時、信じるために、かなりの裏どりをしたのを思い出すよ」
そう、実は彼、私が転生者だと知っているのです。
話すと長くなるので簡単に説明致しますが、初めて彼がその事実を知ったのは、私達が婚約したその日。
私は幼いながら、前世の記憶があるため、とても利発な子になっておりました。
婚約成立の後、両親の計らいで散歩をした城の庭園での事。変にカンが鋭い彼に、笑顔で言われました。
『君、子供らしくない…って言うか、ちょっと普通の十歳の子がとる行動とは思えない事をしてるよね?私を初めて見た時だって、笑顔だったけど、遠回しに避ける感じだったし、大人達の態度を観察しながら動いてる感じだし、後は…』
出るわ出るわ。
いや、子供らしくないのは「貴方」ですよねって、思わずツッコミを入れてしまいましたわ。
質問攻めにあい、根負けした私は、自分が転生者だと白状させられてしまいました。
まぁ、だからと言って、はいそうですかと、直ぐに信じる事は出来ないでしょ?だがら、アズラエル様は、私が教えた公式情報を全て裏取りし、調べ上げ、結論を出したのです。
『信じられないけど、信じるしかないね。君が別の世界からの転生者だって……まぁ、この国は長いからね。何百年かに一度位で君みたいな人間がいた事実も文献に載ってたし、君がくれた情報は完璧だった………普通の貴族が知らない王家の内部事情までだもの…はぁ、聞いた時は目眩を起こしそうだったけど』
それからですかね。
私の事は絶対逃がさない、と、囲われたのは。
始めは監視目的もあったのかもしれませんが、子供にしてはスレていた……ゴホン、頭のよかった彼は、自分についてこれる私がいたく気に入ったようで、婚約について、義務から愛情に変わるのに時間は掛かりませんでした。
「で?ピンク頭の娘が転生者と言う事で、何か弊害が起きたのかな?アシェリーが付き纏われて、フィオラが絡まれ始めて、これ以上の面倒がまだあるのかな?」
アズラエル様……何だが楽しそうに見えるのは、気のせいですわよね。
「アズは、私が昔話したこの世界の事は覚えていますよね?」
「ああ、この世界が、君のいた世界の乙女ゲームとか言うものに「酷似」した世界って事だよね?まぁ、当時色々あったからね…嫌でも全部覚えてるよ」
昔を思い出してか、アズラエル様が少し遠い目をなさいました。
まぁ、気持ちは痛いほど分かりますわ。
「私の私感ですが、あの女の娘は、自分の代で改めてゲームのシナリオを実行している様なのです」
やはり、顔色が変わりましたわね。
ピクリと片眉が上がりました。
お顔が腹黒魔王の表情になってますわね。
「はぁ、なるほどね。だから……か。だから、ラングレーの阿呆息子を堕としたと。あー、本当ろくな事しないよなぁ、親子揃って。…………せっかく色々案を考えてたのに」
ん?
最後にボソリと言われた言葉はいったい。
疑問符が頭を埋め尽くしてますわ。
色々……何を考えてらっしゃったのかしら。
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