2 / 13
第二話
幸せになる準備
しおりを挟むプロポーズを受けてから3ヶ月が経ち、彼のご両親、そして、私の両親に挨拶を済ませ式の準備も着々と進んでいた。
22歳の時に大学を卒業してから約5年間借りていたこの六帖一間のアパートともあと少しでお別れだ。
月日は早いものだと実感する。
高校卒業したての頃は、大人になるのなんて
まだまだ先だと思っていた。
ましてや、自分が社会に出て働くことなんて
想像すら出来ていない子供だった。
大学も何かを学びたいから行ったのではなく、なんとなく周りが大学に進学するから
まだ遊びたいからという軽率な理由で通っていた。
でも、そこで学んだプログラミングが
凄く面白くて、私はプログラマーになった。
その就職した会社で会ったのが、今の私の婚約者、智也だ。
男だらけの中で、会社にうまく馴染むことが出来ず、困っていた私を助けてくれたのだ。
1つ上の彼は、先輩として優しく仕事を教えてくれ、いつも私を見てくれていた。
この業界では、比較的、コミニケーション能力が低い人も多い中で、智也は違った。
どんな人にも優しくて、頼り甲斐があったし、皆んなからも慕われていた。
そんな人と私はこれから夫婦になれるのだ。
大丈夫、きっと幸せになれる...。
そんなことを考えながら段ボールに荷物を詰めていると、一冊のノートを見つけた。
私が高校の時、描き続けていた日記だ。
パラパラとノートをめくるとそこ書いてあった内容に唾を飲み込まずにはいられなかった...。
ダメだ...。
絶対に...。
この頃に戻る訳にはいかないのだから...
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
呪詛人形
斉木 京
ホラー
大学生のユウコは意中のタイチに近づくため、親友のミナに仲を取り持つように頼んだ。
だが皮肉にも、その事でタイチとミナは付き合う事になってしまう。
逆恨みしたユウコはインターネットのあるサイトで、贈った相手を確実に破滅させるという人形を偶然見つける。
ユウコは人形を購入し、ミナに送り付けるが・・・
月影の約束
藤原遊
ホラー
――出会ったのは、呪いに囚われた美しい青年。救いたいと願った先に待つのは、愛か、別離か――
呪われた廃屋。そこは20年前、不気味な儀式が行われた末に、人々が姿を消したという場所。大学生の澪は、廃屋に隠された真実を探るため足を踏み入れる。そこで彼女が出会ったのは、儚げな美貌を持つ青年・陸。彼は、「ここから出て行け」と警告するが、澪はその悲しげな瞳に心を動かされる。
鏡の中に広がる異世界、繰り返される呪い、陸が抱える過去の傷……。澪は陸を救うため、呪いの核に立ち向かうことを決意する。しかし、呪いを解くためには大きな「代償」が必要だった。それは、澪自身の大切な記憶。
愛する人を救うために、自分との思い出を捨てる覚悟ができますか?
大丈夫おじさん
続
ホラー
『大丈夫おじさん』、という噂を知っているだろうか。
大丈夫おじさんは、夕方から夜の間だけ、困っている子どもの前に現れる。
大丈夫おじさんに困っていることを相談すると、にっこり笑って「大丈夫だよ」と言ってくれる。
すると悩んでいたことは全部きれいに片付いて、本当に大丈夫になる…
子どもに大人気で、けれどすぐに忘れ去られてしまった『大丈夫おじさん』。
でも、わたしは知っている。
『大丈夫おじさん』は、本当にいるんだってことを。
ダルマさんが消えた
猫町氷柱
ホラー
ダルマさんが転んだの裏側には隠された都市伝説があった。都市伝説実践配信者の頬月 唯は実際に検証しその日を境に姿をくらましてしまう。一体彼女の身に何が起きたのだろうか。
真夜中に咲くガランサス
mirockofthebook
ホラー
それは突然始まった。ある夜、アイドルのライブ中に観客のひとりがアイドルの首を食い千切った。その後、福祉サービス会社社長、過去に虐待を受けた父親、ユーチューバー、看護師が相次いで人を食い殺すという事件が続いた。なぜ人が人を食い殺すのか。次第に浮かび上がる明和大学の研究室、そして、国が進める自殺を抑制するための新薬の開発と事件の関係。この国が向かうのは絶望か希望か。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる