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 翌朝。僕は黒木先輩のマンションのベッドで目覚めた。

 隣には裸の黒木先輩が寝ていた。まだぼんやりとする意識で起き上がると、大きなおっぱいがゆさりと揺れ、昨日、先輩に中出しされた精液がおまんこからどろりと流れ出てきた。

 そうして僕は、自分がもう二度と男に戻れなくなったことを知った。

「おはよ」

 顔を向けると黒木先輩が肘枕をついてこちらを見ていた。ぼんやりと僕のおっぱいを眺めていた黒木先輩の視線はやがて精液を垂れ流す僕の股間に移り、しばらくそこを見つめてからまたおっぱいに戻ってきた。

 僕のおっぱいをじっと見つめながら、やさしくいたわるような声で黒木先輩は言った。

「昨日、いっぱいエッチしたから身体中べとべとだね。一緒にシャワー浴びよ? そんで、また今日もいっぱいエッチしよ?」

「……はい。今日もいっぱいエッチしてください」

 何も考えられない頭でそう言うと、僕は裸のまま黒木先輩と手を繋いでシャワールームに向かった。

* * *

 結局、日曜日は一日中黒木先輩とセックスしていた。

 先輩は男を知ったばかりの僕の身体に夢中で、一回一回たっぷり時間をかけて僕とのセックスを楽しみ、中出ししたあとは後戯がてら僕と長いディープキスをして、ペニスが回復してくるとまた僕の膣内なかに戻ってくるというのを延々と繰り返した。

 顔を見るのも嫌だった黒木先輩とのセックスに、はじめのうちは嫌悪感が残っていた僕も、上下の口で一日中先輩とつながって体液を流し込まれているうちに色々なことがどうでもよくなり、最後の方ではただ快楽を貪るだけのメスになっていた。

 何度も中出しされ、そのたびに涙を流して気持ちいいと叫んだ。その日の黒木先輩とのセックスで、僕は身体だけでなく心までも女にされてしまったのだと思う。

* * *

 男に戻れなくなったことで、僕はこれまでの生活にも戻れなくなってしまった。

 顔かたちが似ているならまだしも、男だった頃の僕とは似ても似つかない巨乳の美少女になってしまった今、これが僕だと打ち明けたとして誰が信じてくれるだろう? もはや親ですら信じてくれるとは思えない。男だった頃の生活にはもう戻れないのだ。

 夕飯に黒木先輩がとってくれたピザを食べながら、先輩のマンションを出たらどうしようかと僕が悩んでいると、気づくところがあったのか黒木先輩が「なにか心配事でもあるの?」と訊ねてきた。

 先輩に問われるまま僕は、例によってどこでインプットされたのかわからない架空の身の上話を口にしていた。

 隣町のお嬢様学校に通う女子高生だが、事情があって家を飛び出してきたこと。どうしても家に帰りたくない理由があること。着の身着のままで飛び出してきたからお金もあまり持っていないこと。このマンションを出たらどこへ行けばいいかわからないこと……。

 そんな僕の説明をうんうんと頷きながら黙って聞いていた黒木先輩は、僕の話が一区切りつくと爽やかな笑顔で、「だったらしばらくこのマンションにいればいいよ」と言った。

 その言葉に、僕はそれが黒木先輩であることも忘れて深い感謝と感動を覚えた。思わずこみ上げてきた涙を先輩がやさしく拭い、そのままキスしてきたときには、不覚にも本気で好きになりそうだと思ってしまったほどだ。

 聞けば、このマンションは黒木先輩の親が税金対策で購入したものを先輩の名義にしているものだということで、親も滅多に来ないからここなら僕がいくらいても大丈夫だということだった。

 その言葉に甘えて、僕は当面の間、黒木先輩のマンションに住まわせてもらうことにした。

 黒木先輩のことだから気が変わってすぐ追い出されるだろうという暗い予感のようなものがあったが、意外にも先輩は僕にやさしくしてくれた。

 すぐに追い出されなかったのはもちろん、毎日の食費を出してくれたり、制服だけでは不都合だろうと下着や服を買ってくれたりもした。

* * *

 その代わり、黒木先輩とのセックスは僕の日課となった。

 先輩は女としての僕がよっぽど気に入ったようで、抱かれている僕の方がこの人よく飽きないなと呆れるほど僕の身体に執着し、「猿のように」という言葉そのものの頻度で僕とセックスするようになった。

 黒木先輩はもっぱらこのマンションから学校に通っていたが、朝起きて学校に行く前に一回、学校から帰ってきてすぐ一回、夕飯のあとシャワーを浴びながら一回、ベッドに入り寝る前に一回か二回――僕が生理の日を除いてこれがほとんど毎日繰り返された。

 要するに、先輩がマンションにいる間、僕はほぼずっと黒木先輩と愛もなくセックスに耽っているのだ。

 先輩とのセックスはいつもナマで、コンドームは一度も使ったことがない。ピルを飲まされているから妊娠の心配はないが、問題は黒木先輩とのセックスが滅茶苦茶に気持ちいいことだった。

 身体の相性が良かったのか。それとも数多くの女を抱いてきた先輩がそれだけテクニシャンだったということか。……たぶんそのどっちもだが、それ以上に僕は先輩と中出しセックスばかりしているせいだと思っている。

 男にとって一番気持ちがいいとされる膣内射精を伴う生セックスは、実のところ女にとっても一番気持ちがいい。それを毎日何回もヤリまくっているのだから、そんな生活を続けるうち、僕の頭が快楽という麻薬に侵されていったとしても無理のない話だろう。

 当然の結果として、女としての僕の身体はどんどんと開発されていった。僕はすぐクリトリスでイクことを覚え、Gスポットやポルチオでの性感も、先輩のペニスが僕の膣内なかを毎日少しずつ探り当てるような感じで覚えこまされていった。

 女の子は色んな男とヤルより一人の男に何度もしつこくヤラれる方がセックスの覚えが早いとどこかで聞いたことがある。僕の身体はまさにそんな感じだった。

 僕のおまんこは先輩のペニスのかたちになり、黒木先輩を一番気持ちよくできる先輩専用の身体につくりかえられたのだろう。そしてそれは、女の子としての僕の身体が、先輩のペニスで一番気持ちよくなるようにつくりかえられたということでもある。

 ちなみに僕は女の子になってから一度もオナニーしたことがない。自分で乳首を触ったことも、女の子になった最初のあの日を除けば自分でおっぱいを揉んだことさえない。

 初めてセックスしたあの日、黒木先輩にそう言いつけられたからだ。

「ケイちゃんは気持ちよくなるために自分で自分の身体にエッチなことしちゃダメだからね? 俺がしてあげるから。ケイちゃんのこの身体にエッチなことしていいの、俺だけだから」

 ……先輩は軽い気持ちで言ったのかも知れないが、僕にとってそれは絶対順守の呪いに他ならなかった。

 先輩がいない間に一人でエッチなことをしようと思ってもできない。僕の身体にエッチなことをできるのは黒木先輩だけ。

 そうなると、先輩とのセックス漬けの生活の中で発情しきった僕の身体は、自然と黒木先輩の身体を求めるようになってくる。

 黒木先輩との同棲をはじめて半月もすると僕は、先輩がマンションにいない昼間は先輩とのセックスを思って一人悶々とし、黒木先輩が帰ってくると内心大喜びでベッドに連れていかれ、待ちかねた思いで先輩のペニスを自分の膣内なかに迎え入れるようになってしまった。
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