裏切りの果てを進む少女

京月

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第六話

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リリスはカイゼルを倒した後、魔法塔の最上階へと駆け上がった。

そこで彼女を待っていたのはエリアスだった。
彼は既に王宮への突入を始めており、リリスの到着を待っていたのだ。


「リリス!無事で良かった…」


エリアスは安堵の表情を浮かべたが、リリスの目には新たな決意が宿っていた。


「エリアス、私はカイゼルを倒した。だが、まだ真の敵は残っている。私たちで王を討ち、新しい未来を切り開こう」


エリアスはリリスの言葉に頷き、共に王宮へと突入することを決意した。
二人は反乱軍と共に、王宮内の戦闘を繰り広げながら、王のもとへと向かった。

王宮の奥深く、玉座の間にリリスとエリアスはたどり着いた。
豪華な装飾と壮麗なシャンデリアが光り輝くその空間は、二人にとって異様なほど静寂に包まれていた。


「ようこそ、我が王宮へ」


深みのある声が響き渡る。
玉座に座していたのは、王国の支配者であり、リリスの家族を滅ぼした張本人、ラザール王だった。彼の目には冷徹さが宿り、リリスとエリアスを見下ろすように見つめていた。


「ラザール王…あなたが全ての元凶だったのですね」


リリスは怒りを抑えきれず、拳を握り締めた。彼女の中に潜む力が、再び解放される感覚が広がる。


「元凶?いや、それは違う。私はこの国を守るために、必要なことをしただけだ」


ラザール王は静かに立ち上がり、玉座の前に歩み寄った。


「お前の家族の力は、王国にとってあまりにも危険だった。お前の母親もまた、私に歯向かう力を持っていたのだ。そして今、その力はお前に受け継がれている」


リリスは驚愕の表情を浮かべた。自分が母から受け継いだ力が、王を脅かすほどのものだったとは知らなかった。


「そんな理由で私の家族を…!」


リリスはその場で短剣を抜き、ラザール王に向かって突進した。しかし、彼女の攻撃は王の周囲に張り巡らされた魔法障壁によって阻まれた。


「リリス!」


エリアスもすぐにリリスの後に続き、王に立ち向かおうとするが、王の力はあまりにも強大だった。ラザール王は片手を振り上げると、巨大な炎の渦がリリスとエリアスに襲いかかる。


「お前たちが何をしようと、私には届かぬ。私はこの王国を守るために存在する。それが、私の宿命だ」


ラザール王の魔法は圧倒的で、リリスとエリアスは次第に追い詰められていった。しかし、リリスは心の中で感じていた何かが引き金となり、彼女の力がさらに解放されるのを感じた。


「私は、もう誰も失いたくない!」


リリスの叫びと共に、彼女の体から眩い光が放たれた。その光はラザール王の炎をかき消し、周囲の空間を浄化していく。リリスの力は今や完全に覚醒し、彼女は自らの運命を切り開く力を手にしていた。
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