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王城を後にしてから数日私は竜に乗って平原の上を飛んでいた。
「どうしたのレーネ?なんか悩んでいるね」
「もう竜の上で寝るのが嫌になったの。寒いしお腹もすくし。国を出たんだからそろそろベットで寝たい」
「どこかの村でも占領しちゃえば?」
何言ってるんだこいつは。そんなことしたらお尋ね者になるだろ。せめて襲われてて助けを求めている村があれば助けたついでに優遇くらいはしてくれるだろうけどそんな都合のいいことはないよね。
「誰か助けてください---!!!」
…村が襲われている。
木の柵で囲まれた小さな村が牛のような魔物に襲われていた。村の男どもだろうか、必死に木の棒のようなもので抵抗しているが数の差が圧倒的だ。このままだと本当に村が全滅してしまうかもしれない。
「どうするの?」
「もちろん助けるよ」
私は竜とともに降下した。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
私はこの村で生まれて育ったしがない村娘だ。この村は行商人が使う街道沿いにあり宿屋や食堂、農業で生計をなり建てていた。
その日は特に何も変わりない平和な日だった。ここら辺では見かけない1メートルほどの牛の魔物が大群で押し寄せたのだ。今まで魔物のに襲われたことがない村人は持ち合わせた農工具で応戦したが叶うわけもなくこのままだと村が滅びてしまう。
「誰か助けて---!!!」
私の叫び声は神様に届いた。
空から現れたのは黒くて赤いドラゴンに乗った女神様だった。女神様は私達の前に現れると瞬く間に牛の魔物をドラゴンに命令して狩る。私達が一匹も倒せなかった魔物をすぐに倒してしまったのだ。それだけでなく女神様は怪我をした村人を心配しすぐに手当てするよう声をかけるまでの優しさまで持ち合わせていた。
「女神様…この出会いに一生分の感謝を」
気づけば村人は全員地に頭をつけ女神様を崇めていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
私は今人生最大に困惑している。理由を説明するには私が行ったことを簡単におさらいする必要がある。
先ず私は牛の魔物に襲われている村を見つけた。住む場所に困っていた私はここで恩を売って村に数日は泊めてもらおうと考えていた。村に降り立ち竜に命令して牛の魔物を倒し怪我人を見つけたのですぐに手当てをするように促す。これだけすれば数日の宿と食事にはありつけると考えた打算の行動だったのにもかかわらず村人は地面に頭をつけたのだ。
「凄いねレーネ。まさか崇拝という形で村を自分のものにするなんて」
「……どうしよう」
「どうしたのレーネ?なんか悩んでいるね」
「もう竜の上で寝るのが嫌になったの。寒いしお腹もすくし。国を出たんだからそろそろベットで寝たい」
「どこかの村でも占領しちゃえば?」
何言ってるんだこいつは。そんなことしたらお尋ね者になるだろ。せめて襲われてて助けを求めている村があれば助けたついでに優遇くらいはしてくれるだろうけどそんな都合のいいことはないよね。
「誰か助けてください---!!!」
…村が襲われている。
木の柵で囲まれた小さな村が牛のような魔物に襲われていた。村の男どもだろうか、必死に木の棒のようなもので抵抗しているが数の差が圧倒的だ。このままだと本当に村が全滅してしまうかもしれない。
「どうするの?」
「もちろん助けるよ」
私は竜とともに降下した。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
私はこの村で生まれて育ったしがない村娘だ。この村は行商人が使う街道沿いにあり宿屋や食堂、農業で生計をなり建てていた。
その日は特に何も変わりない平和な日だった。ここら辺では見かけない1メートルほどの牛の魔物が大群で押し寄せたのだ。今まで魔物のに襲われたことがない村人は持ち合わせた農工具で応戦したが叶うわけもなくこのままだと村が滅びてしまう。
「誰か助けて---!!!」
私の叫び声は神様に届いた。
空から現れたのは黒くて赤いドラゴンに乗った女神様だった。女神様は私達の前に現れると瞬く間に牛の魔物をドラゴンに命令して狩る。私達が一匹も倒せなかった魔物をすぐに倒してしまったのだ。それだけでなく女神様は怪我をした村人を心配しすぐに手当てするよう声をかけるまでの優しさまで持ち合わせていた。
「女神様…この出会いに一生分の感謝を」
気づけば村人は全員地に頭をつけ女神様を崇めていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
私は今人生最大に困惑している。理由を説明するには私が行ったことを簡単におさらいする必要がある。
先ず私は牛の魔物に襲われている村を見つけた。住む場所に困っていた私はここで恩を売って村に数日は泊めてもらおうと考えていた。村に降り立ち竜に命令して牛の魔物を倒し怪我人を見つけたのですぐに手当てをするように促す。これだけすれば数日の宿と食事にはありつけると考えた打算の行動だったのにもかかわらず村人は地面に頭をつけたのだ。
「凄いねレーネ。まさか崇拝という形で村を自分のものにするなんて」
「……どうしよう」
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