【R-18】吉原遊廓

京月

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第八話

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 今日も吉原にきている

 いろんな女郎屋の張見世を見ているがピンと来ない

 今日は縁がなかったと諦めて帰ろうとした時声をかけられた


「旦那久しぶりです」


「あんたは女郎屋の楼主じゃないか」


 藤十郎がよく行く女郎屋の楼主が声をかけてきた


「今日の女郎はもう見つかりましたか?」


「いや、今日は良い縁がなくてな諦めて帰るところだ」


「それなら水揚げしていきませんか?」


 水揚げとは禿から新造を経て女郎になった女の子の初めての相手をすることだ


「いいのか、普通はもっと歳をとった熟練の男が相手をするものだろう」


「いいえ、貴方にお願いしたのです。いつも贔屓にしてもらってますから」


 継続とは力なりとはこのことだな、まさか水揚げができるとは思っていなかった


「なら喜んで相手をさせてもらうよ」


「ありがとうございます」


 いつも見ている部屋にいるはずなのに何故だか緊張する

 ダメだ、俺が緊張してどうする

 気持ちを改め新人女郎が来るのを待つ

 
 トントン


 お、来たかな


「し、失礼します!」

 
 新人女郎なだけあって若いだが、ガチガチだな


「ああ、よろしく。こっちに来て酌をしてもらえるかな」


「は、はい!」

 
 新人女郎はこちらに来ようとして着ている着物を自分で踏んで転んでしまう


「大丈夫かい?」


「だ、大丈夫です!」

 
 いや顔から突っ込んだぞ、鼻赤くなっているし


「そ、そうかじゃあ酌をお願いするよ」


「かしこまりました」


 酌をしてくれるのだが手が震えているせいで酒がこぼれまくる


「す、すみません!!」


 緊張しすぎだな、少し助言をしよう


「そんなに緊張しなくてもいいよ、落ち着いて」


「はい…」


「まずは君の名前を教えてくれないかな」


「私はユウコと申します」


「ユウコか良い名前だな」


「ありがとうございます」


「ユウコ、最初は確かに緊張をするかもしれないが何事も経験だ」


「はい、頑張ります」


「ではもう一度酌を頼む」


「かしこまりました」


 今度はこぼさずに酌ができている


「その調子だ」


「ありがとうございます」


「芸も何かできるのか」


「三味線ができます」


「なら弾いてみてくれ」


「はい」


 ユウコの三味線は今まで聞いた中で一番心地が良い


「素晴らしい三味線だったよ」


「ありがとうございます!!」


「ではそろそろ床入りしようか」


「はっはい!」


 ユウコは着物を脱いでいくが脱ぎ方がぎこちない


「ユウコ、着物を脱ぐときはもっとゆっくり見せつけるように脱ぐんだ」


 ユウコは要領がいいのか言われたことはすぐできるようになる

 教えがいのある子だ


「では始めようか」


「あっ…あっ…ああん」


「こうやって上から順に舐めていくと男でも女でも気持ち良くなるから覚えておくといい」


「はい」


「だいぶ濡れてきたね」


「は、恥ずかしい」


「恥ずかしがってはいけないよ、ここはお客さんを褒めるんだ」


「は…はい、とてもお上手ですね。もうこんなになってしまいました」


「そう、その調子だ」


「では挿れるよ」


「はい、来てください」


「ふんっ!」


「あっああああああああああ!!……はぁ…はぁ…」


 ユウコは息が荒い

 息が整うまで動かずにいる


「気を使っていただいてありがとうございます」


「大丈夫かい?」


「はい、もう大丈夫です。動いてください」


「じゃあ動くよ、ふんっ…ふんっ…ふんっ」


「あっ…あっ…あっ」


 さすが初めてなだけにきついな

 きつすぎて直ぐにイキそうになる


「なかなか良い具合だぞユウコ」


「あ、ありがとうございます」


 一定のリズムで動いていたが出そうになり動きが激しくなる


「ユウコ出すぞっ!んっ!!」


「あっああああああああああ!!」


「おめでとうユウコ、これでもう立派な女郎だ」


「はは、なんだか涙が出てきます」


 この涙は二重の意味を含んでいるのだろう

 一つは一人前になったこと

 もう一つはこれから幾度となく男に抱かれる恐怖だろう

 𠮷原遊廓は男の為にある場所だ

 俺もお世話になっている

 だがこんな場所は無い方がいいのかもしれない
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