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潜入!ポークレア王国!!
ep.4 決着sideリディア①
しおりを挟むポークレア王国
『テンダーロ』領主館内
オークション会場
「はぁ……はぁ………っ……はぁ…」
「………ふぅ」
大神官長サケルドース・リエリアとの戦闘は今のところ私が優勢に進めている。
息を荒げるサケルドースに目立ったダメージは見当たらない。………まあ、ダメージを与えた端から回復されているのだから、当然と言えば当然なのだけれど…。
それでも回復魔法を幾度と使い続け、さらに身体強化魔法に攻撃魔法も使っていたのだから相当に魔力を消費したのだろう、息を荒げているのはソレの現れだと思うのだけれど…
「(まさか…興奮して………なんてことは無いわよね…?)」
嫌な考えが頭を過ぎるが、すぐにその考えは振り払い、戦闘に思考を戻す。
私は私でそれなりに魔力を消耗してはいるものの、まだ余裕はある。
しかし決め手が無い…。
正確には上級に位置する大魔法を使えば倒しきれる…とは思うのだけれど、オークション会場内…屋内という空間で使うのは少々…いや、大分憚られる。
会場内には教国以外の人間や奴隷として売り出されてしまった人達もいるしね…。
「(さて、どうしようかしらね…)」
この厄介な大神官長を倒しきれる方法に頭を悩ませるが、荒い息を整えたサケルドースは『魔力誘導弾』を撃ち出し、その後方から接近してくる。
私は今までの戦闘と同じように『魔力誘導弾』で相殺、サケルドースのメイスでの攻撃を避け、愛杖『千の妖精』でカウンターの一撃を叩き込む。
『ガツッ!!』
「ぐぅっ!?」
サケルドースが仰け反り、動きが止まったところで『スッ…』と距離を取り、再び向き合う。
細部は違うものの、先程からこのやり取りが繰り返し行われているだけ…。
「………………」
………ワンパターン過ぎる。
私がそう思うほどに繰り返されるサケルドースの攻撃。
それは別のナニカを狙っているのか…、それともソウ思わせることが狙いなのか…。
どちらにしても厄介ね…。
どうこの戦闘を終わらせられるか?…そのことに思考を割きながら攻防を繰り返す。ソレはある意味で戦闘に集中してはいるのだが、悪く言えば周囲への警戒が薄くなってしまったとも言える。
そしてソレを見逃さない人物がこのオークション会場に居ることに私は気付いていなかった…。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
久し振りの投稿なのに短め。
気が付いたら3巻が発売。
こちら最終巻となっております。
…がWeb本編は終わりが見えません。
次回もよろしくお願いします。
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