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潜入!ポークレア王国!!
ep.3出会いと出会いsideリディア④
しおりを挟むポークレア王国
『テンダーロ』領主館内
オークション会場
大神官長サケルドース・リエリアこと『HE・N・TA・I』………違った。『HE・N・TA・I』こと大神官長サケルドース・リエリアとの初手は私に分が傾いた。
…と言ってもサケルドースの顔面に蹴りを叩き込んだだけなのだけれど…。
未だ厭らしい眼と薄い笑みを崩さず、ダメージも大してみられない…。
この『HE・N・TA・I』を相手に長期戦はちょっと…いや、かなり遠慮したい。
…かといって、容易く倒せる相手ではなさそうだし…。
なんて厄介な『HE・N・TA・I』なのかしら…。
私は嘆息するのを我慢しつつ、サケルドースの動きを警戒しつつ、次の攻撃の準備に入る。
「さて、コレはちょっと考えを修正しないといけませんね…まあ、とりあえず………第二ラウンドと行きましょうかっ!!」
そう言葉にしながら、静から動へと移り変わり、一瞬で接近してくるサケルドース。
「ふんっ!!」
右手に持ったメイスを袈裟に振り下ろしてくるが…
「っ!?」
『ガギィンッ!』
サケルドースの右手側に回避してカウンターを取ろうと思った私に、振り下ろされたメイスは途中で軌道を変え横薙ぎに振るわれた。
『千の妖精』で咄嗟に受け止めるも、そのまま振り切られ、私は軽く吹き飛ばされた。
並べられた椅子を吹き飛ばしながら、私は体制を整える。
ちょっとお尻が痛いんですけど?
サケルドースは追撃と言わんばかりに多数の『魔力誘導弾』を放ち、その後ろから突進してくる。
私は倍の『魔力誘導弾』を準備。
「っ!?………ふんっ」
一瞬、目を見開くも速度を落とすことなく、そのまま接近するサケルドース。
その判断は決して悪くはないのだけれど…
相手は選んだ方が良いわね…。
「『魔力誘導弾』ッ!!」
私は半分を相殺に回し、もう半分をサケルドースに照準…。
全弾命中…だけど…。
『ボフンッ…』
「ふははははっ…」
命中して発生した煙の中から速度をそのままにサケルドースが飛び出してくる。
そして…
この程度で止まらないのは予想済み…。
だから…
『トン…』
「なっ!?」
左側を前に半身になっていたサケルドースの右腕に私は『乗る』…。
良い位置にあるじゃない………頭が無防備で…。
私はそこから間髪入れずに右膝を振り抜いた。
『ガスッ!!』
「うぐぅっ!?」
またも吹き飛ぶサケルドース。
私は静かに着地し、サケルドースを見下ろす。そして…
「(…ふむ、ソウシに教えてもらった『シャイニングウィザード』だったかしら…。結構使えるじゃない…。何で膝蹴りに『ウィザード』が付くのかは分からないけれど…。魔術師ギルド・グランドマスターの私に相応しい技じゃないかしら?)」
…なんてことを考えていた。
おもいっきりカウンターで入ったし、かなりのダメージになったのではないだろうか。
そんなことを思っていたのだが…。
サケルドースは倒れながらも、未だその眼から怪しい輝きは消えていなかった…。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
リディアVS大神官長 第二ラウンド。
飛び出したのは『シャイニングウィザード』でした。
まだまだ続く戦闘に作者のメンタルが…。
次回もよろしくお願いします。
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