異世界召喚されました……断る!

K1-M

文字の大きさ
上 下
216 / 225
潜入!ポークレア王国!!

ep.3出会いと出会いsideリュウジ③

しおりを挟む
 
 ポークレア王国
『テンダーロ』
 領主館二階


 俺が愛刀である黒の大剣グラディマーグを自身の右手に出現させ、身体強化魔法を発動させる。

 控え室にいる兵士たちは相手が『俺=リュウジ・ベルウッド』だと分かると慌てふためきだしていた…。

「おいおいおい…聞いてないぞ…」
「リリリリュウジ・ベルウッドが相手だなんて…」
「何で執事服着てるんだよ…?」

 うん、最後の奴…ツッコミは入れなくていいから…。

「と、とにかく逃げねぇと…」
「いや、相手は一人だ。囲んで…」
「無茶言うなっ!?」
「大体あいつを殺れたとしても、後ろにはソウシ・ベルウッドがいるんだぞっ!?」

 囲めば俺を殺れると思っている奴がいるとは思わなかった…。
 ただ…

「………後ろに親父がいるから…と思われているのは………心外だな…」

『ギロリ』と威圧を込めて睨み付ける。

「「「うおっ!?」」」
「「「ひいっ!?」」」

 その威圧に仰け反る兵士たち…。
 しかし…

「こ…このまま………やら…れるかっ!!」

 一人、威圧をものともせず、俺に飛び掛かってくる奴が…

 俺は…
 身体強化は十分。
 グラディマーグを両手で握り、半身でバックスイング。

「うおおおっ!!」

 なかなか高価そうなロングソードを抜き、上段から振り下ろそうと飛び掛かってきた相手に…

 親父から教えてもらった技を繰り出す。
 刀身の刃を使うのではなく、大剣であるグラディマーグの面の部分を使う吹き飛ばし技。

『撃滅本塁打っ!!』

『ドカアァッ!!』
「ぐはぁっ!?」

「「「っ!?」」」
『バカアァッ!!』

「「「うわあぁっ!!?」」」

 吹き飛んだ一人は、残りの奴らを巻き込みながら控え室の端まで…。
 
「う…うぅ…」
「ぐうぅ…」

 ふん、これでココは制圧完了ってところかな…。

 俺は部屋の端で倒れている奴らを拘束しながら安い下級回復薬ポーションを掛けてまわり、考える。

 しかし…
 親父の奴…『撃滅本塁打』って技名の意味を教えてくれなかったな…。
 まあ、使えない…ってことはないのだけれど…。
 
 あと俺の本能なのか…
 あの技は『カキーン』が正しいような気がするのは何故だろうか…?

 そんなことを考えつつ兵士たちの拘束を終え、室内を見回すと…

「………あの棚…」

 控え室でそれぞれの棚に兵士たちの荷物が置いてあるなか、一つだけ何も置かれていない棚が…。
 その棚に近付き、調べていると…

「………くっくっくっ…」

 気を失っていた一人の兵士が気が付いたのか、口を開く。

「残念だったな…」

「………何?」

「………は三交代制の休みの奴らの棚だ…」

「休みなだけかよっ!?」

 ちくしょうっ!
 真面目に探しちゃったよ…。

 俺は笑っている兵士を殴って再び気絶させたあと、トーイチさんから購入した粘着テープをそいつの脛と眉毛と揉み上げに、空気が入らないように確りと貼り付け、兵士控え室を後にした…。


〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


戦闘?終了。
『撃滅本塁打』=バスターを無理矢理『撃滅』に。
トーイチ、リュウジにガムテープを売ってた。
三交代制とか、意外にホワイトなのか?
次回もよろしくお願いします。
 
しおりを挟む
感想 1,255

あなたにおすすめの小説

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

超越者となったおっさんはマイペースに異世界を散策する

神尾優
ファンタジー
山田博(やまだひろし)42歳、独身は年齢制限十代の筈の勇者召喚に何故か選出され、そこで神様曰く大当たりのチートスキル【超越者】を引き当てる。他の勇者を大きく上回る力を手に入れた山田博は勇者の使命そっちのけで異世界の散策を始める。 他の作品の合間にノープランで書いている作品なのでストックが無くなった後は不規則投稿となります。1話の文字数はプロローグを除いて1000文字程です。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)

葵セナ
ファンタジー
 主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?  管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…  不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。   曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!  ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。  初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)  ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。