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潜入!ポークレア王国!!
ep.3出会いと出会いsideトーイチ③
しおりを挟むポークレア王国
『セイト』
『ヨク=トク』と共に『タイシュ』の館に続く門を潜り、敷地内を進む。
館までは石畳が綺麗に敷かれ、その周りの草木は確りと手入れされていた。
心なしか、日本風に見えるのは気のせいだろうか?
軍事的な感も敷地内には感じない。どうやらソレは『堀』だけのようである。
無用心………というよりは『ヨク=トク』のような戦力がいるのなら、必要無いのだろう…と推測。
敵を阻むような設備は有用であろうが、味方からしても若干邪魔なんじゃないだろうか?
それならば無い方が存分に動き回れるし…と思わないでもない。
そんなことを考えつつ『ヨク=トク』の後に続き、建物入口に近付く。
ふと横に視線を移すと、建物の窓のところが日本家屋のように縁側になっている。
そこには亜人や獣人の子供たちが走り回り、植木を手入れするお爺さんの姿が…。
うんうん…微笑ましい光景だね…。
俺はソレを横目に歩を進める………
「………………ん?」
あれ?
何か…
違和感が…
「………………んんっ?」
今度は顔ごと縁側の方に視線を向け、もう一度よく見る…。
「………………………んんんっ?」
『亜人を獣人の子供たちが走り回り』
「ソレだっ!!」
「っ!?おおぅ…何だよ突然?どうした?」
『ヨク=トク』が何か言っているが、華麗に無視!
俺は今見ている光景を元に推論を組み直す…。
『セイト』
『タイシュ』
『奴隷商人』
『ヨク=トク』
『コウ=メイ』
『お嬢』
キーワードを集め、纏めていく。
ここに今見た『遊び走り回る亜人、獣人の子供たち』を入れる。
『ポクポクポクポクポク………チーン』
俺の脳内で出した新たな推論…。
『セイト』の『タイシュ』である『お嬢』は『奴隷商人』と悪意のある取引をしているのではなく、保護するために取引をしている。
『奴隷商人』も悪い奴じゃない…なんてこともワンチャンあるか…?
そして…
恐らくこの取引を持ち掛け、実行させているのは『コウ=メイ』…。
この提案に乗り、実行している『タイシュ』=『お嬢』も悪人とは思えない…。
『ヨク=トク』のオッサンは………まあ、いいか…。
がさつだし………あとがさつだし…。
………というか…
………あのお爺さん…
『黄忠』さんじゃないですかね?
鎧こそ纏っていないけれど某ゲームそっくりなんですけど?
何で盆栽いじってます…みたいなことになってんの?
「………おおいっ!入口の前で止まってないで、早く来いっ!」
気が付くと『ヨク=トク』は既に建物内に入り、俺を待っていた。
俺は「すまん…」と言い、『ヨク=トク』の後に続く。
どこか中華風な建物内を進み、二階奥の部屋の前に着く。
この建物内のどの扉よりも一際豪奢で大きな扉…。
間違いなくここが『タイシュの間』なのだろう…。
しかし…
しかしである…。
ここに来るまでの建物入口からの短い距離で感じた、とてつもない違和感…。
何故…どうして…
「(何でお手伝いさんがメイド服とか執事服なんですかねっ!?)」
叫ばなかった俺は偉いと思う…。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
いよいよ?と言いながら辿り着かなかった。
しかし、あとは扉一枚…いよいよ?
次回もよろしくお願いします。
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