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潜入!ポークレア王国!!
ep.3出会いと出会いsideリュウジ②
しおりを挟むポークレア王国
『テンダーロ』
領主館二階
「(………二階は静かなもんだな…)」
二階に上がった俺は部屋をしらみ潰しに………なワケはなく、気配を極力殺しながら奥へと進む。
売買関係の書類だ、階段上がってすぐ…なんて部屋には置いたりはしないだろう…。
あるとするなら…
「(奥の方………それも領主の部屋か、金庫的な部屋…かな…)」
オークション会場の方の魔力の変化を気にしつつ、二階を進む。
まあ、リディアさんなら親父クラスの奴じゃなければ心配無いか…。
「(しかし…怪しげな部屋が無えな…。一つ二つあってもいいもんだが…)」
俺の勘も二階じゃない…そう感じている。
「(三階………在ったっけか?それとも………………っ!?)」
その時…
俺の肌が空気の流れを感じる…。
普通に歩いていたら絶対にわからないような微かな流れ…。
「(………隠し通路…か…)」
………まだ領主の部屋らしき扉は見つけていない。
隠し通路も怪しいが探すとなると少々…いや、大分面倒だ…。
ダンジョンとかなら煙を出したりして対応するんだがなぁ…。
さて、どうする?
顎に手をやり、頭を捻る…。
そして…
『ガチャリ』
「っ!?」
「………あ」
すぐ側のドアから、プレートアーマーに身を包んだ騎士が現れ、ガッツリと目が合ってしまった…。
「………………」
「………………」
「何も『ガシィ』がっ」
俺は口を塞ぐように鷲掴み…
「………寝てろ…」
『ガンッ』
室内側の床に叩き付ける。室内なら多少音が出ても問題無いだろう…。
気絶したのを確認し、顔を上げると…
「「「………………」」」
「………………」
そこは…
騎士、兵士の控えだったようだ…。
「貴様………何者だっ!?」
「侵入者か…この部屋へ来るとはな………運の無い」
「暇潰しにちょうど良いんじゃないスか?」
………しまった。
物凄く面倒な展開になってしまった…。………逃げてももう変わらないよなぁ。
戦うのも面倒だが…
逃げて追われるよりはマシか…。
何より…
今、ここにいるってことは…
ここの領主が何をしているかを分かっていて雇われているってことだ…。
ソレはつまり…
そう言うこと…なのだろう?
俺は…
「来い………グラディマーグ…」
右手に愛剣の黒の大剣グラディマーグを呼び寄せ、『グッ』と握り込み、肩に担ぐ。
「ほう?………やる気か…」
「俺たちを相手にか?イカれてるぜっ、こいつ!」
「さっさと片付けちまいましょうよ!」
「………いや、ちょっと待て…。黒の大剣で………グラディマーグ………って言ったか?」
「黒の大剣…」
「グラディマーグ…?」
「「「………………」」」
俺はグラディマーグを担いだまま、視線を外さない…。
さて…。
そろそろ…か?
「「「………………っ!?」」」
「お、おおおお前………まさか?」
「帝国の…?」
「リュ、リュウジ………ベルウッドッ!?」
口角を上げ答える…。
「………ふん、覚悟はいいか?雑兵共っ!」
俺は身体強化魔法を発動し、動き出す。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
再びリュウジside。
シリアスさん弱めで。
次回もよろしくお願いします。
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