異世界召喚されました……断る!

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潜入!ポークレア王国!!

ep.3出会いと出会いsideリュウジ①

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 ポークレア王国
『テンダーロ』領主館


 リディアさんと別れ、俺は領主館内を単独行動。さっきの偵察とは違い、今度は証拠を抑えに行く。

 となると当然、ただ歩いているだけとか迷っているフリで誤魔化すワケにもいかないので、ひとまずは人気ひとけの無い部屋へ。

「控え室………使用人のか?」

 都合よく使用人の控え室に入ったので、俺は執事服を拝借。
 着替えてから再び廊下へ。

 さて………俺は上階に行かなくてはいけないワケだが…

 使用人に今はオークションの方に行っているワケで…。
 執事服を着たからといって、すんなり上階に行けるものだろうか?
 まあ、館内では動き易くはなったのだろうけれど、階段を見張っている奴が通してくれるだろうか?

 答えは恐らく『否』。

 まず『すんなり』なんてあり得ない。あとは『合言葉』とか『示す物』だったりがあるだけでアウトだ…。
 顔を全員覚えている…はさすがに無いだろうけれど…。
 あとは上階に行った後に鍵が必要とか有りそうだな…。

 どうするかな…。

「(どうせ後で暴れるだろうし(リディアさんが…)多少は力技でも良いかな?)」

 そんなことを考えつつ、気配を殺しながら階段の近くに移動。
 物陰から見張りの男を見る。

「………………」

 いかん!
 さっきいた奴よりデキそうな奴に代わっていやがるっ!

 変化を見逃さない様に神経を張り巡らせ、かつ即座に攻撃も防御も出来るような自然体。
 チッ………こんなことならさっきの奴のうちに行けば良かったと後悔。

 しかし今さらな話である。

 さて、どうする?
 アイツを物音一つ出さず倒すのはかなり難しそうだ。テンダーロの領主め………良い手駒を持っているじゃないか…。
 
 倒して上階へ。
 すぐに見回っている奴に見つかるだろう…。まあ、全部倒せば良いのだけれど…。
 やはりちょっと面倒…。

 嘘話で上階へ。
 上手く行けば良いがダメなら即戦闘。それに…チラッともう一度見張りを見る。

「………………」

 ん~…ちょっとアイツは騙せなさそうだな…。

 別ルートで上階へ。
 階段はここだけ。別ルートとなると………外からになるのだが…。
 罠があるんだろうなぁ…。多少力技でも…っても魔法系罠だったら、ちょっと面倒だ。
 壊せなくはないだろうけれど…。

「(………うん、無いな…)」

 余計面倒になるのが目に見えている…。

「(………あれ?………詰んだ?)」

 う~ん…う~ん…と声に出して唸っているワケではないが頭を悩ませていると…




「っ!?」

 


 オークション会場の方から膨大な魔力の波動…。
 コレは…

「(………リディアさん)」

 俺が感知したのだ、当然…

「………この魔力は?」

 見張りの奴も感知する…。
 ただ事ではないと察したのだろう、急ぎ足でオークション会場の方向へと向かって行った…。

 そして俺は…

「チャ~~~ンス…」

 教国の大神官長サケルドース・リエリアがオークション会場にいるのは心配だが、見張りがいなくなり、ポッカリと上階への道が空いたのを見逃しはしない。
 
 俺は口角を少し上げ、上階への階段に足を踏み出した…。



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


まさかのリュウジsideでした。
果たしてオークション会場では何が?
次回もよろしくお願いします。
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