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潜入!ポークレア王国!!
ep.2 潜入side:リディア⑥
しおりを挟むポークレア王国
『テンダーロ』
領主館内オークション会場
「お待たせ致しました!ここからは皆様お待ちかね………亜人の出品ですっ!」
『ザワリ…』
魔導具によって拡声された司会の言葉に、会場内の空気が変わる…。
オークションに来ているほとんど客の目が…
仮面に隠しきれない厭らしい表情を…
感情を…
雰囲気で感じ取れるほどに…
醸し出していた…。
ソレは私の隣にいる男も同じで…
いや…
その男…
大神官長サケルドース・リエリアは…
ソレ以上に色めき立ち…
ただでさえ厭らしい笑みをさらに歪め…
その眼を爛々と輝かせる…。
私は溢れそうな魔力を抑え…
感情を抑え…
視線をステージに移す。
その瞳に…
絶対零度の輝きを灯して…。
~~~~~~~~~~~~~~~~
その後もオークションは恙無く進行していく。
獣人、魔族、ドワーフ、エルフ…。
脅えた表情の者、無表情の者、反抗的な表情の者。
そんな彼ら彼女らが、次々と落札されていく。
やはり…というか、女性や子供の時は競りも白熱し、場も盛り上がる。
彼ら彼女らは『物』ではないことを理解しているのだろうか…?
いや………理解しているのなら、オークション自体が開催などされていないか…。
私はこの会場にいる仮面を被った者たちの認識を改める。
『ここにいるモノたちは別モノだ』………と…。
しかし…
不気味なのは…
隣にいる男…
大神官長サケルドース・リエリア…。
この男が動きを見せない…。
いや…
さっきからチョイチョイ私の手を触ってきてはいるが…。
もちろん都度、扇子(ミスリル製)で殴ってはいるのだけれど…。
オークションで競るワケでもなく、ステージを観つつ私にちょっかいを出してくるだけ…。
亜人のオークションが始まらなければ、我慢せずにすでにスマッシュ済みだっただろう…。
一体何の目的で…
『ザワリ…』
また空気が変わる…。
どうやら次で最後…。
そして今回のオークションの目玉らしい…。
そして…
隣の男の目は…
さらに妖しい輝きを増す…。
どうやら次がお目当てだったらしい…。
私はやたらと勿体振る司会に、ステージに視線を移し、ソレを待つ…。
「………ではお待たせ致しました!本日最後の出品となります。その美しさは正に宝石の如く!どの種族よりも美しいとの言葉に間違いはありません!その若さを永く保ち!延々と貴方の隣にいることでしょう!そしてその魔力は宮廷魔術師を遥かに越え!その戦闘力はS級の冒険者に匹敵するでしょう!」
口上が長いわね…。
そう思い始めた次の瞬間…。
私の思考が停止する…。
ソレは大神官長が…
その瞳の妖しい光がより一層輝きを増し…
その厭らしい笑みがより歪みを大きくしたのと同時だった…。
「ハイエルフ!『ルディア・フォン・エルフリア』!!」
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
リディアさん、我慢。
からのシリアスさん襲来。
トーイチ不在のsideに作者のメンタルが…。
次回もよろしくお願いします。
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