異世界召喚されました……断る!

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潜入!ポークレア王国!!

ep.2 潜入side:リディア③

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 ポークレア王国
 テンダーロ領主館


 オークション当日を迎え、私はリュウジにエスコートさせて領主館へ入る。

 周りの客層はというと…

「………金持ってそうな奴らばかりですね…」
「………趣味も悪そうね…」

 やたらと豪奢なドレスやゴテゴテと宝石を身に着けた人達で溢れていた。
 
 そして、やはり身分が高い者たちなのだろう、執事や従者………もしくは護衛などが着いてきている。
 当然領主館の回りにもかなりの数の兵士が動員されていた。

 また兵士も含めて全員が仮面を着けている。
 私とリュウジもだが、そこら中に仮面を着けた人がたくさんいるのは違和感が在りすぎるわね。

 オークションの開始まではまだ時間があるので、客はホールに集まり、お酒や軽食を持ちながら思い思いに談笑している。

 私からしたら、これから奴隷を買おうとしている者たちが多くいるこのホールには嫌悪感しかない。

「………リュウジ、極大魔法撃ってもいいかしら?」

「撃つのは構わないけど、奴隷助けたり証拠集めたりした後にしてくださいね…」

 周りには聞こえないようにコソコソと話す。
 念話の出来る魔導具とか用意すれば良かったわね…。と思ったがしょうがない。

 リュウジがトイレと言いホールから出る。
 コレは領主館の通路や部屋、兵士の配置を確認するためである。
 ソウシやトーイチと違って上手くやってくれるだろう。

 まあトーイチがいればスキルでそんなことをすること自体が必要無いのだけれど…。
 ホント、トーイチは便利ね…。

 リュウジが離れると男たちが数人近付いてくる。
 
「お一人ですか?」
「あちらで一緒にどうです?」
「私とお話でも?」
「踏んでください!」

 耳を隠しているとはいえ美しさは隠せない………と言うことね…。
 あと踏まないわよ?

「連れがいますので…」

 …と軽くあしらい、扇子(ミスリル製)と言われる武器?で口元を隠す。
 こうしておけば…

「あちらのテラスでお話でも?」
「ずっと前から愛してました!」
「蹴ってください!」

 まだ来るわね。
 ………あと蹴らないわよ?


~~~~~~~~~~~~~~~~


 しばらくしてリュウジが戻り、ホールの隅に移動して報告を聞く。

「一階部分は大体確認出来ました。二階から上にはがれませんでしたね。あと隠してありましたが地下も…」

「書類関係は上、奴隷として捕まっている人たちは地下………そんな感じかしら?」

「多分このホールの隣がオークション会場だろうから、地下はそっちと繋がっているかと…」

「さて………どうしようかしらね…」

 扇子(ミスリル製)を閉じ、唇に当てて考えていると、ホールの建物入口側の扉が開き数人が入ってくる。
 その中にいる法衣を纏った人物…。

「………リュウジ…」

「………ああ…」

 見つけたわよ………『大神官長』
 


〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓



物騒なリディアさんに後でなら…と止めないリュウジ。
いつの間にか装備している扇子(ミスリル製)
そして現れた『大神官長』
…あと踏まないし蹴りません。
次回もよろしくお願いします。
 
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