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潜入!ポークレア王国!!
ep.2 潜入side:リディア①
しおりを挟むポークレア王国
貴族街への街道
トーイチと行動を別にし、私とリュウジは貴族街の方へ向かうことに…。
「さて………行きましょうかリュウジ」
「おっ?ようやく戻りましたね………どっちが素なんです?」
なんて聞いてくるリュウジ…。知っているクセに…。
「うるさいわよリュウジ…。楽なんだから良いじゃない…」
「まあ、珍しいモノは見れたな………とは思ってますけどね…」
クックッ………と小さく笑いながら喋るリュウジに私は…
「………しばらく見なかった間に随分と偉くなったみたいね…。クラウに有ること無いこと吹き込むわよ?」
「おい止めろくださいごめんなさい」
目にも止まらぬ速さで土下座を敢行するリュウジ。目立つから道の真ん中では止めてほしいのだけれど…。
「冗談よ。ほらっ、行くわよ」
「ホントかよまったく…」
ブツブツと文句を言いながら立ち上がり歩き始める…。
少し進んだところでまた会話が始まる。
「………で、良かったんですか?」
「………………何が?」
「分かってるクセに…」
主語が無いじゃない…分かるワケないでしょ…。いや、分かるけれど…。
「………そうね。トーイチには貴族街の………王国の闇は見せない方が良い………かも知れない…。あれだけの強さを持っているのに何処か危うい………トーイチはそんな雰囲気が残っている…」
恐らく………いや、間違いなく………ソレはソウシやマサシと同じ…。
「転移者特有の………ですね?」
コクリと私は一つ頷き、話を続ける。
「聞いているんでしょ?」
「親父からは…。親父のいた世界………国の日本では殺人が無いワケでは無いが、一般的には程遠い行為だ…っていうこと………でしょう?………あと奴隷制度も…」
マサシからもそう聞いている。
ソレらと離れた生活が一般的であると…。
ソウシもマサシも、ソレを目の当たりにした時………そして経験した時、しばらくは精神的にキツかったとも…。
私が聞いている限り、トーイチはまだだ…。
平気かも知れない…。駄目かも知れない…。あとに引くかも知れない…。
一番良い方法………とは言えないけれど、少しずつ慣れるしかないのが現実だから…。
「………だから『セイト』に行ってもらった………いや、行かせたんですね?」
「そうね…。こちらは…私たちの行く方は、多分…」
トーイチに見せるには刺激が強すぎるかも知れないから…。
「『勘』………と言うのは方便?」
「ソレも本当…。多分………でしかないけれど、『セイト』はトーイチにとっても良い経験になるはずだから…」
本当にただの『勘』…。
王国の醜い部分と、ソレとは反対の『希望』………ソレがある気がする…。
「そっちはもう本人に任せるしかないですね。俺も多分………トーイチさんなら平気だと思ってますけどね…。リディアさんもでしょ?」
「フフ………そうね…」
コレはトーイチ自身が乗り越えるべき『壁』………私たちはトーイチを信じて、私たちのやれるべきことをやるだけ…。
「………んじゃ、さっさと片付けましょうかね」
「そうね………さっさと片付けてトーイチと合流しないとね」
こうして私とリュウジは少し足を早める。
さっさと終わらせて、また楽な感じになりたいしね。
まあ、でも…
『女の勘』も働いているのは何でかしら?
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
唐突にリディアさんの『モード:グランドマスター』発動。
ポンコツは何処いった?
次回もよろしくお願いします。
そして本日は二巻出荷予定。
店頭に並ぶのは明日明後日辺りかな?
カバー絵はこちら。イラストは前回と同じく『ふらすこ様』ありがとうございます。
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