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潜入!ポークレア王国!!

ep.1 南へ…①

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ポークレア王国
 とある街道 


 目の前には六人の人族の男の姿。その格好から恐らく冒険者だろう。
 この前の盗賊団の奴らより幾分かマシな装備だしな…。

 そんな男たちだが…。

 今現在…。

 全員が両膝を着いて、頭は地面に突っ伏している。

 ………土下座を敢行しているワケではない…。

 全員、両手で股間を押さえているからな…。

 何があったのか…。

 うん、まあ、アレだ…。

 いつも通りというか、なんというか…。

 もちろんというか、アレである。

 リディアのスマッシュである。



 流れとしては単純で…。
 街道を歩いていた俺達三人とすれ違い様にリディアをナンパ。
 男が俺とリュウジの二人だったから与し易し…とでも思ったのだろう…。

 無視して進もうとすると、男たちはリディアに手を伸ばすが、スッ…スッ…とリディアは華麗に回避。
 
「っ!?このっ!!」

 伸ばす手が大振りになった瞬間、既にバックスイングを終えていたリディアが愛用の杖をアッパースイングで振るう。

「えいっ!」
『ボグゥッ』

「おっ!?………ほぅ…」

『ドス…』と膝を着き、両手で股間を押さえ、頭を突っ伏す。
 その後は声をあげることもなく、小刻みに身体を震わせるのみである。

 そしてコレを残りの五人にお見舞………ゲフンゲフン………繰り返され、冒頭に至る…。

 もちろん、俺とリュウジも身体を震わせていたのは言うまでもない…。
 
 いや…。
 マジで魔法で戦闘しろ、魔術師ギルド:グランドマスター…。

 そんなこんなでナンパを撃退、放置したあとも街道を進み、数日…。
 ようやく町に到着した。



~~~~~~~~~~~~~~~~
 

 ポークレア王国
 ロインの町


 宿のチェックインを済ませ、さっそく情報収集…と宿を出てロインの町を歩く。
 リディアはハイエルフだとバレないように魔法を使うが…

「耳だけじゃねえか…」

「あっ?バカにしてる?部位だけ認識を変えるのは全身を変えるより難しいんだよ?」

 難しいらしい…。
「………そうなの?」とリュウジに確認すると…

「部位の身体強化だったら体内に魔力を流して、任意の部位を強化しますけど、認識の変化は体外に魔力を纏わせますからね。放出するより纏わせる方が断然難しいので、ソレを………しかも両耳だけ、となると結構難しいかと…」

「まあ、俺には出来ませんけどね」と付け加えていた。
 俺は「ほう…」と思ったが、リディアが『ドヤァ』としていたので、チョップをかましてから酒場らしき店に入っていった。

 さて…

 何か得られる情報はあるかな…?



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


主人公、二週間ちょっとぶりの登場。
しかし久しぶりの出番もスマッシュが先行。
次回もよろしくお願いします。
 
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