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潜入!ポークレア王国!!
ep.0 side:仮面の…②
しおりを挟むポークレア王国
南方の農村
「(お母さんっ!!)」
振り下ろされる棍棒に目もくれず、恐怖に震える両腕に力を入れて自身の上半身を起こす。
そして…
自然に発動していた仮面が…
激しく輝き始め…
あたしの意識は…
跳躍した…。
次の瞬間…
意識を取り戻したあたしは…
思い出し…
認識し…
理解し…
把握した…。
今なら…
行使えるっ!
「来てっ!『カン=ウー』っ!!」
あたしの言葉に仮面は顔から離れ、あたしの前でさらに激しい光を放つ。
同時に光の中に顕れる大きな人影…。
「おおおぉぉぉっ!!」
雄叫びと共に武器を一閃し、あたしの前にいたオークは上下に分断されながら吹き飛んだ。
その攻撃にお母さんを担ぎ上げていたオークの動きが止まる。
「『カン=ウー』お母さんをっ!」
「承知っ!!」
言うが速いか…、一息つく前に『カン=ウー』はオークを倒し、お母さんを取り戻してくれた。
『カン=ウー』にベッドを戻してもらい、お母さんを横にする。
もう目を開くことのないお母さんを見ると、また涙が溢れそうになる…。
でも…
泣いている暇なんてない…。
外には多分…
生を終えたお父さんがいる。………村の人達も。
オークの目的は知らないし分からないけれど…
お父さんも村のみんなも…
この村の外に出そうなんて許さない………絶対に!
だから…
あたしは改めて『カン=ウー』を見る。
大きな体躯に鮮やかな緑色の中華な感じの服。
龍の装飾を施された武器はかの有名な青龍偃月刀だろう。
そして意志の強さを感じるその眼に美髯公と称されるほど立派な髭。
あたしは知っている…。
顕れた人物は三國志の中でも一際有名な武将…
『関羽 雲長』
今、あたしはこの歴史の英雄と回路で繋がっている。
何故かあたしが主導で…。
いや、分かってる…。
コレがあたしの仮面の能力だ…。
ソレはさっきの瞬間に理解した…。
なら…
それなら…
あたしはこの力で…
この能力でっ!
多分、この村はもう駄目だろう…。
でも…
コレ以上は許さないっ!
「『カン=ウー』っ!あたしに力を貸してっ!!」
「承知したっ!!」
『ドンッ!』
石突きで床を叩きながら返事を返してくれた『カン=ウー』にあたしは力強く頷き、ドアを破壊された自宅から勢いよく飛び出した。
これ以上オークなんかに蹂躙なんかさせないっ!破壊もっ!略奪もっ!
「『カン=ウー』っ!お願いっ!!」
「おおおぉぉぉっ!!」
あたしの声に咆哮で返事を返し、『カン=ウー』は凄まじい速さで動き出した…。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
シリアスさん襲来中。
さらにまさかの関羽さん参戦。
そして『あたし』は意識跳躍時に何を思い出し、何を理解したのか?
作者のメンタルはブレイク間近?
次回もよろしくお願いします。
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